立冬を前に 戸越公園でクロマツのこも巻き

更新日:平成27年11月5日

品川区立戸越公園で、11月5日(木)、立冬(11月8日)を前に、松の木の「こも巻き」が行われた。こも巻きは、松を害虫から守る伝統的な駆除方法の一つで、立冬を前にしたこの時期の風物詩になっており、間近に迫った冬の到来を物語るものである。

こも巻きは、松の木の幹にわらを巻きつけ、寒さの苦手な虫をわらの中におびき寄せておくもので、冬を越えた3月上旬の啓蟄(けいちつ)を前に「こもはずし」を行い、わらの中で越冬した虫の中から害虫だけを焼却処分している。例年、松の葉を食べるマツカレハの幼虫であるマツケムシや、笹の葉を食べるタケノホソクロバといった害虫を処分している。

戸越公園は、肥後の国熊本藩藩主細川家の下屋敷跡。池を中心とした回遊式庭園で、大名式庭園の面影を残す公園となっている。公園内に植えられている大小38本のクロマツすべてに、こも巻きを行った。わらを縛るひもは、虫が入るように上部に緩く、下部にきつく縛る。公園管理者は、「急に気温が下がると、虫が地面に降りてしまうので、それまでにやらなければいけない」と手際よくこも巻きを行った。
毎日、戸越公園を散歩コースにしているという70代の女性は、「伝統的なこも巻きは、知恵と美ですね。日本人の美的感性を感じます」と話していた。

【戸越公園】
江戸時代、肥後国(熊本)藩主細川家の下屋敷の庭園跡を利用して造られた、区を代表する公園。池を中心に渓谷や滝、築山などの配置の中を一周する回遊式庭園で、薬医門(正門)、冠木門(東門)等、大名庭園の面影をとどめており、樹木はウメ、サクラ、シャクナゲ、イチョウなど、四季折々の花木が美しい公園として、区民の憩いの場になっている。
住所:品川区豊町2-1
面積:18,255平方メートル
開園時間:終日開園(無休)
入園料:無料
電話:03-3782-8819
交通機関:東急大井町線戸越公園駅徒歩7分

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