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東海道品川宿のはなし 第20回

更新日:2012年8月7日

今回は、品川宿で今も伝えられている芸能についてお話しましょう。

江戸時代後期の地誌『新編武蔵風土記稿』から品川宿の芸能の記述をさがすと、南品川宿では、貴布祢 (きふね)社(今の荏原神社)において、正月・5月・6月の16日、9月11日の4度、神楽の奉納がありました。

荒神社(今の海雲寺)では、3月と11月の27,28日の両日に神楽を奏し、護摩を執行していました。

南品川猟師町の寄木明神(今の寄木神社)では、正月14日に神楽と湯立 (ゆだて)を執り行っていました。

湯立とは、神前で湯を沸かし、神職などが熱湯を笹の葉に浸して参詣人らにふりかけて、無病息災を祈る行事です。

また、北品川宿では、稲荷社(今の品川神社)で、4月17日に太太神楽 (だいだいかぐら)を行っていたという記事があります。

江戸時代後期の品川宿周辺では、いろいろな祭礼のたびに太太神楽、湯立神楽、里神楽などがさかんに行われていたことがわかります。

このうち湯立神楽は品川地域ではすでに見ることは出来ませんが、南品川の荏原神社では6月の天王祭での里神楽、品川神社では太太神楽と里神楽が現在も引き続き演じられています。

 

品川神社の太太神楽は保存会の人たちによって演じられ、品川神社と荏原神社の里神楽は品川区東大井の間宮社中によって演じられています。

里神楽は江戸時代から神楽師が伝承してきた神事舞で、間宮社中の江戸里神楽は国の無形民俗文化財に指定されています。

演目としては「天の浮橋」、「天孫降臨」、「天の岩戸」、「天之返矢」などがあり、最近は神社神楽殿で演じられるだけでなく、「江戸里神楽を観(み)る会」主催で区内のホールでも公演されています。

 

品川神社の太太神楽は東京都の無形民俗文化財に指定されています。

戦国時代の元亀年間(1570~73)からおこなわれていたと伝えられていますが、はっきりとはしていません。

慶長5年(1600)、徳川家康が関が原の戦いに出陣したとき、太太神楽を奉納し、神面(天下ひとなめの面)を寄進したという伝承があります。

古い狐の面(天狐)が品川神社に所蔵されているところから、中世において、その祖型があったと考えられています。

 

この太太神楽は、舞人3~4人、楽師3人で、演目として「四方拝の舞」、「翁の舞」、「花鎮の舞」など12座があります。

拍子には、「品川打ちならし」「恵牟舞 (えんぶ)」「品川拍子」「鎌倉拍子」など7つの拍子があります。

そのなかでも「品川拍子」に特色があり、品川神社の太太神楽は「品川拍子太太神楽」ともいわれています。

 

品川宿26
『天之返矢』より(「江戸里神楽を観る会」3/30)

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