品川区独自の耐震シェルター「品川シェルター設置マニュアル」技術講演会

更新日:平成24年1月31日

「品川シェルター」技術講演会1
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1月31日(火)、品川区役所で、区独自の耐震シェルター「品川シェルター」をより早く設置できるよう、区内建築業者などを対象に技術講演会を行いました。

品川シェルターは、平成20年度に区と区内建築関係団体、日本大学理工学部が共同開発した、木造家屋の一部屋をシェルター化する品川区独自の工法です。格子状に組んだ木材を既存の木造家屋の壁面に取り付け、万一の大地震の際に住人の命を助けることができます。地震によって木造住宅が倒壊した際でも命だけは守ることを目的とした装置で、高齢者などが希望すれば区で助成金を出しています。

これまで、品川シェルターを設置する場合、開発者である日本大学理工学部に、構造計算など設計に関する部分を依頼していたため、区民からの相談があってから、施工が完了するまで、3~4カ月程度の期間を要していました。

このたび、区では、この設計過程を一般建築業者でも行えるよう、マニュアル化しました。今後は、区内建築業者の建築士など一定の技術を有するものが、このマニュアルを使用して、現場調査から設置までを一貫して行うことで、大幅に工期を短縮させることができるようになります。

この日の講演会では、区内建築業者など約50人が集まり、マニュアルの作成に携わった日本大学理工学部の岡田章教授が、「丈夫にするのではなく、柔らかく地震を受け止める」と、品川シェルターのコンセプトを解説しました。続いて、同大学の宮里直也助教がマニュアルの概要や使用方法などについて詳しい説明を行いました。

また、区内建築業者から、実際にシェルターの施工を行った、辻村工務店の濱野さんが、「住みながら工事を行う上での注意点」や、「畳の部屋に施工する際の注意点」など、経験に基づいた発表があり、参加者はメモを取りながら熱心に聞き入っていました。