江戸時代から咲き続ける児桜(ちござくら)-アクリル標本で展示-

更新日:平成28年6月1日

ちござくらのアクリル標本
ちござくらのアップ展示されているちござくらのアクリル標本西光寺の満開のちござくら展示を前に解説する学芸員展示されている嘉陵紀行のパネル来迎院所蔵 南浦桜案内
樹齢300年以上といわれる西光寺(大井4)の児桜の花がアクリル標本となって、6月1日(水)より、区立品川歴史館(大井6-11-1)で展示を開始しました。

 品川は江戸期より御殿山が桜の名所として有名ですが、大井の桜も将軍や大名から庶民に至るまで、多くの人々に親しまれ愛されていました。特に西光寺の児桜は、享保19年(1734)に豊岡藩京極家の奥方 梅寿院(ばいじゅいん)が押し花にしており、当時すでに立派な花を咲かせていたことがわかります。
 しかし、この樹齢300年以上といわれるこの児桜は、近年枯れ始めが心配されるようになりました。そこで、花をアクリル標本化し、その姿を半永久的に保存することにしました。

 品川歴史館では、児桜が満開となった平成28年4月5日に花付きの枝を採取。アクリル標本化し、6月1日より関連資料とともに特集展示を開始しました。

 特集コーナーでは、アクリル標本のほか、梅寿院が作成した日本最古といわれる押花集の中から児桜をパネルで紹介。また、来迎院(大井6)所蔵の区指定文化財である「南浦桜案内(なんぽさくらあんない)」や江戸時代の品川・大井の桜を紹介したガイドブック「江戸名所図会(えどめいしょずえ)」などを展示しています。

 来迎院所蔵「南浦桜案内」の展示は7月1日(金)までとなります。どうぞ、江戸時代に思いをはせながら展示をご覧ください。