埋蔵文化財発掘調査見学会を開催

更新日:平成29年7月15日

発掘状況の説明
出土品の展示江戸時代の焼き物も出土発掘された当時のスプーンやサンダル
~ 小学校改築現場から埋蔵文化財が出土 ~

 区が改築工事を進めている区立城南小学校・幼稚園(南品川2-8-21)では、現在埋蔵文化財発掘調査が行われており、平成29年7月15日(土)、見学会が行われました。

 今回見学の対象となったのは、明治末年に建設された木造2階建ての校舎の遺構。この校舎は60年前まで使われており、その後埋められ校庭となったため、大変良好な状態で出土。地域にはこの校舎で学んだ方も多く、幅広い世代が小学校について語る機会になればと、今回見学会を開催する運びとなりました。

 この小学校建設にあたっては、海に近く砂交じりの弱い地盤だったのを改良するため、粘土質の土を運び込み、敷地全体に固く敷き詰め、その厚さは1メートルに及ぶ場所もあったことが今回の調査で明らかになりました。また校舎は、土台にコンクリートやレンガを使って建てられ、さらに中庭を持つなど、当時の「町の小学校」としてはかなりモダンな造りであることが、遺構からうかがうことができました。

 この日は、遺構の見学のほか、昭和20年代に撮影された校舎の全景写真、これまで出土した江戸時代の瓦や陶磁器、中世の宝篋印塔(ほうきょういんとう)の一部なども併せて展示し、調査事業者による発掘状況の説明も行いました。

 現地は中世の港湾都市・品川の繁栄を象徴する寺院である妙国寺(現 天妙国寺)の敷地だった時期が長く、旧東海道に面することから、幅広い時代の埋蔵文化財の発見が期待されています。

 見学には、曾祖父がこの小学校に通っていたという人、歴史に興味のある親子連れなど、多くの人が訪れ、昔に思いをはせていました。