城南小学校卒業生 出土した校舎を訪問

更新日:平成29年8月3日

中庭跡に立ち、調査員の質問に答える卒業生
旧品川町のマークの入った雨水升の蓋をみる航空写真を手に、当時を語り合う卒業生
城南小学校新校舎建設地(南品川2-8)では、大正初年から昭和30年代初めまで使われた校舎の発掘調査が行われています。

 平成29年6月から始まった調査は最終段階に入っており、8月3日(木)に発掘中の校舎で実際に学んだ同校の卒業生を招き、建物の使われ方など発掘調査ではわからない事柄について話を伺いました。

 この日協力してくださったのは、昭和22年から23年にかけて城南小学校に入学し、卒業まで同校舎で学んだ地元博友町会の荒川会長ら6人。当時の校舎の写真や図面などを手に調査員の説明を受けながら、約1時間にわたり中庭の様子や階段の位置などの質問に答えました。児童立ち入り禁止だった中庭で唯一子供たちが入ることを許されたという手洗い場跡では「ここです、ここです」と指をさし、担当者に語りかけていました。

 担当者は、「埋蔵文化財の調査で、実際に(建物を)使った人から話を聞くのはきわめて稀なこと。発掘調査を取りまとめる際に、大いに参考になります」と卒業生の話に熱心に耳を傾けていました。

 発掘調査は今後、明治初年の初代校舎、江戸時代の寺院跡、さらに戦国時代以前の「中世都市 品川」の姿に迫る予定です。