(p.59) 第2章 各論 [1]「地域」「人」「安全」の3つの政策分野 (p.59) 2 人 すこやか 共生 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.60) 人 すこやか 共生 政策の柱8 地域における共生社会の実現 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①包括的な相談支援体制や自立のための環境を整備する ●包括的な相談支援体制の充実 ●虐待防止と権利擁護の推進 ●自立のための環境づくり ②相互理解と支え合いを推進する ●多様性を認め合う意識づくり ●地域で見守るネットワークづくり ③地域でいきいきと暮らすための支援を推進する ●地域活動の活性化 ●多世代交流や社会参加促進などによる生活の質の向上 ●やさしいまちづくりの推進 政策の柱9 生涯を通じた健康づくりの推進 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①区民の主体的な健康づくりを支援する ●区民の健康意識向上の支援 ●地域における健康づくりとフレイル予防の推進 ●食からの健康づくりの推進 ●歯と口腔の健康づくりの推進 ②がんなどの疾病対策や地域医療連携を推進する ●総合的ながん対策の推進 ●生活習慣病予防対策の推進 ●こころの健康づくりの推進 ●地域医療連携の推進 ●難病対策の充実 ●初期救急の充実 ③安心して生活できる環境を整備する ●自殺対策の推進 ●受動喫煙防止対策の推進 ●良好な生活環境の維持 ④区民を健康危機から守る ●健康危機管理体制の充実 ●感染症対策の充実 政策の柱10 子どもの笑顔があふれるまちの実現 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①子育ち・親育ちを支援する ●しながわネウボラネットワークの推進 ●親育ち支援の充実 ●子どもの健やかな育成支援の充実 ②子育て力のある地域社会をつくる ●地域の子育て支援人材の育成と活動支援 ●保護が必要な子どもと家庭への支援 ●子ども家庭支援センターの充実 ●区立児童相談所の開設・運営 ③子育て支援・教育機能を拡充・強化する ●子育て支援にともなう相談機能の充実 ●保育提供体制の充実 ●在宅子育て支援の充実 ●乳幼児教育・保育の質の向上 ●区立保育園・幼稚園等の整備 ●保育園・幼稚園における特別支援保育・教育の充実 ●子育て家庭の経済的負担の軽減 政策の柱11 未来を切り拓く学校教育の推進 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①未来を切り拓く力を育む教育を推進する ●市民科教育の充実・発展 ●英語教育の推進 ●伝統文化理解の促進 ●読書活動の充実 ●ICTを活用した学習の推進 ②学ぶ機会を保障する支援体制を推進する ●個々の教育的ニーズに応じた支援体制の構築 ●さまざまな特性に配慮した特別支援教育の充実 ●不登校等への対応およびいじめ防止対策の充実 ③地域と共にある学校づくりを推進する ●品川コミュニティ・スクールの体制充実と発展 ●地域や大学との協働によるすまいるスクール事業の充実 ●登下校時の安全確保策の充実 ④良好な教育環境をつくる ●安全・安心な学校施設の整備推進 ●学校改築の計画的な推進 ●ICT機器を活用できる環境整備の充実 ⑤教員の働きやすい環境を整備・拡充し、資質向上を図る ●教員の職場環境の整備・拡充の推進 ●教員研修の実施 ●区固有教員の配置と育成 (p.61) 政策の柱12 青少年の成長と自立の支援 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①すべての青少年の成長を支援する ●(仮称)子ども・若者センターの開設・運営 ●社会体験・自然体験と異世代交流の推進 ●ボランティア活動の推進 ●児童・思春期のこころの健康づくりの推進 ②社会的自立に困難を抱える青少年を支援する ●ひきこもり等若者、家族への支援事業 ●社会的擁護体制の構築 ③青少年の成長を支える環境を整備する ●地域との連携による青少年団体と指導者の育成 ●SNS等情報通信ツール適正利用の啓発・推進 政策の柱13 高齢者が安心して暮らせる環境づくり 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①地域包括ケアシステムを推進する ●健康づくりと介護予防サービスの充実 ●在宅介護を支える多様なサービスの充実 ●認知症本人・家族への支援の充実 ●高齢者の住まい対策の推進 ●しくみを支える体制の充実 ②医療と介護の連携を推進する ●連携体制の強化 ●在宅等での看取りの支援 ③多様な入所・入居系施設の充実を図る ●地域密着型サービスの整備 ●介護保険施設の整備 ●施設サービス向上の推進 ④質の高い介護保険事業を運営する ●介護福祉サービスを担う人材の確保と育成 ●保険者としての機能の充実 政策の柱14 障害のある人がいきいきと暮らせる環境づくり 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①相談支援体制を充実する ●相談支援機能の充実 ●障害福祉サービスを担う人材の確保と育成 ②地域での自立した生活を支援する ●地域生活支援体制の整備 ●通所・入居系施設の整備促進 ●療育と家庭支援体制の充実 ●保健および医療との連携促進による支援の充実 ③障害者の社会参加を促進する ●社会活動への支援や余暇活動の充実 ●就労機会の拡充 政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①非核・平和意識を普及させる ●非核平和都市品川宣言の発信と平和事業の推進 ●区民参加による平和事業の推進 ②人権尊重意識を向上させる ●人権尊重都市品川宣言の普及と人権教育・啓発の推進 ●部落差別(同和問題)などさまざまな人権課題への取り組みの推進 ③女性の活躍と多様な生き方を認め合う社会をつくる ●女性の活躍と男性の家庭での活躍およびワーク・ライフ・バランス支援策の充実 ●あらゆる分野における男女共同参画の推進 ④外国人に開かれた地域社会をつくる ●外国人が安心して生活・滞在できるまちづくりの推進 ⑤多様な国際交流を推進する ●区民を主体とする国際交流活動の促進 (p.62) 政策の柱8 地域における共生社会の実現 10年後のめざす姿 ●子どもから高齢者・障害者などすべての人たちが、日常だけでなく災害発生時も含めてお互いに支え合い、住民同士の見守りが行われるとともに、適切な支援を受けるための継続した相談体制や地域・行政・関係機関による支援体制が構築されており、多様性を認め合う社会が実現しています。 ●公共施設や道路のバリアフリー*に加え、心のバリアフリー、情報のバリアフリーが充実するとともに、人と人とのつながりが基礎となる多世代交流やボランティア活動等が活発に行われるなど、いきいきと暮らせる地域となっています。 ●地域に生きる一人ひとりの可能性を最大限に発揮できるよう、本人の希望や状況を重視した自立のための相談体制や包括的な支援策が充実し、育った環境や家庭の経済状況にかかわらず、誰もが将来に自由で明るい期待を持つことができる社会となっています。 (p.63) 現状と課題 ●核家族化、高齢化、ライフスタイルの変化、地域のつながりの希薄化による社会的孤立*などにより、ひとり暮らし高齢者や障害者、子育てや家族の介護で悩んでいる人、手助けを必要としている人たちが増加しています。そのため、身近な地域での福祉相談機能の充実を図るため、区内全地域センター内に「支え愛・ほっとステーション*」を開設し、在宅介護支援センター等との連携により、相談から専門的サービスにつなげるしくみづくりを進めました。 ●福祉活動をはじめとした地域活動やボランティア活動においては、地域のさまざまな人が積極的に関わっていくことが必要となっています。現在、地域活動においては、運営者や参加者の固定化や高齢化が課題となっており、楽しみややりがいを感じながら地域の活動に参加し、担い手の輪が広がるようなきっかけづくりが求められています。 ●区民一人ひとりが周りの人や地域に関心を持ち、お互いに理解を深めていくことが求められます。また、住民による支え合いだけでなく、区や専門機関の横断的な連携を推進し、包括的な相談支援体制を強化することが必要です。 (p.64) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 包括的な相談支援体制や自立のための環境を整備する ●ダブルケア*や8050問題*、虐待など複合化している課題を抱えている人が、包括的で継続的な支援を適切に受けられるよう、アウトリーチ*も含め、伴走支援*ができる相談支援体制や権利擁護のしくみを充実していきます。 ●専門職や社会福祉法人、NPO法人などのさまざまな団体と地域住民の連携の強化を図るとともに、住民同士の支え合う関係が広がるよう支援を行います。 ●生活困窮者やひとり親家庭などを対象に、本人の希望、適性、状況に合わせ、個人の尊厳を重視しながら、本人とその家族への、自立に向けた包括的で継続的な支援を行っていきます。 主な施策 ▶包括的な相談支援体制の充実 ▶虐待防止と権利擁護の推進 ▶自立のための環境づくり ❷ 相互理解と支え合いを推進する ●年齢、性別、国籍などさまざまな属性にかかわらず、多様な人たちが地域でともに生活を送れるように、一人ひとりが周りの人や地域に関心を持ち、相互理解を深めて偏見や差別がなく支え合って生きる社会の実現に向け、気づく心とつなげる気持ちを育むための意識啓発を行います。 ●住民同士が見守り活動や相互の相談ができる関係性をつくるなど地域住民の支え合いの充実を図るため、地域づくりのコーディネートや、社会とのつながりや参加を支援する取り組みを進め、地域で安心して暮らせる環境を整備していきます。 主な施策 ▶多様性を認め合う意識づくり ▶地域で見守るネットワークづくり (p.65) ❸ 地域でいきいきと暮らすための支援を推進する ●地域活動やボランティア活動、ゆうゆうプラザ*等における多世代交流などに、楽しくやりがいを持って参加できるよう支援の充実を図ります。 ●さらなる生活の質の向上や本人の生きがいづくりのため、年齢や障害の有無にかかわらず、高齢者や障害者等の就業支援を行っていきます。 ●地域住民相互の支え合いの活動を活性化するため、区民、町会・自治会、NPO法人等、多様な主体が連携して地域活動を展開できるようなしくみづくりを進めます。 ●ユニバーサルデザイン*の考え方を基本に、公共施設等のバリアフリー化などのハード面の環境整備とともに、さまざまな配慮を要する人への理解促進や情報提供の充実などソフト面の取り組みを総合的に進めていきます。 主な施策 ▶地域活動の活性化 ▶多世代交流や社会参加促進などによる生活の質の向上 ▶やさしいまちづくり*の推進 (p.66) 政策の柱9 生涯を通じた健康づくりの推進 10年後のめざす姿 ●区民一人ひとりが、それぞれのライフステージに合わせて主体的に楽しく健康づくりに取り組める環境が整備されています。健康づくり推進委員の活動など、地域ぐるみで健康づくりとフレイル予防*が推進され、地域の中で元気に活躍する高齢者が増加しています。 ●働き盛りの方の生活習慣病対策や、総合的ながん対策が推進され、区民が疾病予防に取り組み、安心して生活できる環境が整っています。 ●新型インフルエンザ等新興・再興感染症*や大規模食中毒などに対する健康危機管理体制*が充実し、区民の健康と生活が守られています。 ●地域におけるネットワークの強化や相談支援体制の充実など、生きることの包括的な支援により、誰も自殺に追い込まれることのない社会が実現しています。 ●高齢者が増加する中、住み慣れた地域で療養できるよう、急性期*から在宅医療まで、区民の健康を支える地域の医療環境が充実しています。 (p.67) 現状と課題 ●自身の生活習慣を見直し、改善していくことは容易ではありません。地域ぐるみで健康づくりに取り組める環境を整備し、無関心層を含め区民が自身の健康意識を高める施策が求められます。 ●がん、心疾患など生活習慣病が死亡原因の上位を占めています。喫煙などの生活習慣の改善と、検診による早期発見、早期治療が重要です。また、安心して療養ができる地域の環境整備が必要です。 ●国際交流の活発化や物流の広域化により、新型インフルエンザなどの感染症や大規模食中毒のリスクが懸念されており、健康危機の未然防止や被害の拡大防止の取り組みが求められています。 ●若年層の死因第一位が「自殺」となっており、その要因は健康問題のみならず、家庭や学校、学業や進路、経済、生活問題等多くの社会的要因が関係しているため、包括的な取り組みが必要です。 ●医療技術の進歩による入院日数の短縮化や高齢化の進行により、これまで以上に多機関・多職種の連携による地域医療の充実が求められています。 (資料) 品川区の死因別死亡割合 2018年(平成30年)死亡者数:3,165人 内訳 悪性新生物(がん):972人(30.7%) 心疾患:448人(14.2%) 脳血管疾患:206人(6.5%) 老衰:267人(8.4%) 肺炎:202人(6.4%) 不慮の事故:63人(2.0%) その他:1,007人(31.8%) ※「人口動態統計」より作成 SOSカード 不安や悩みを一人で抱え込まずに、子ども自身がSOSを出して相談するためのカード (p.68) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 区民の主体的な健康づくりを支援する ●しながわ健康プラン21に基づき、身近な地域で健康づくり活動が行える環境を整備し、区民一人ひとりの健康意識が高められる多様な事業を展開していきます。 ●人生100年時代に向けて、健康長寿を実現するため、栄養、運動、社会参加を促す施策の充実により、高齢者のフレイルの予防に取り組んでいきます。 ●区民が健康的な食生活を実践できるように、区民への食に関する情報発信やライフステージに合わせた歯の健康を保つ取り組みなど環境を整備していきます。 主な施策 ▶区民の健康意識向上の支援 ▶地域における健康づくりとフレイル予防の推進 ▶食からの健康づくりの推進 ▶歯と口腔の健康づくりの推進 ❷ がんなどの疾病対策や地域医療連携を推進する ●品川区がん対策推進計画に基づき、がん教育や信頼性の高い科学的根拠に基づくがん検診を提供し、受診率向上をめざすとともに、患者とその家族の支援体制を充実します。 ●生活習慣病の早期発見のため、健康診査を実施し、ICT(情報通信技術)も活用して生活習慣改善や重症化予防に向けた支援を行います。 ●精神疾患を抱える本人や家族に対して、安定した療養生活と社会参加、自立をめざした支援を行うなど、包括的な支援体制を整備していきます。 ●高齢になっても住み慣れた地域で暮らしていけるよう、急性期から在宅医療まで適切な医療サービスが利用できる環境を整備するなど地域医療連携を進めます。 (p.69) 主な施策 ▶総合的ながん対策の推進 ▶生活習慣病予防対策の推進 ▶こころの健康づくりの推進 ▶地域医療連携の推進 ▶難病対策の充実 ▶初期救急の充実 ❸ 安心して生活できる環境を整備する ●品川区自殺対策計画に基づき、自殺対策に関わる人材育成や区民への普及啓発のほか、生きやすい地域づくりに関係機関とともに取り組んでいきます。 ●たばこを吸う人も吸わない人も共存できる環境を整備し、健康増進法*がめざす「望まない受動喫煙」を無くす環境づくりを進めます。 主な施策 ▶自殺対策の推進 ▶受動喫煙防止対策の推進 ▶良好な生活環境の維持 ❹ 区民を健康危機から守る ●感染症や食中毒等の健康危機から区民を守るため、平時より感染症等の発生動向に注視し、関係機関との連携強化により、被害の拡大防止に取り組みます。 主な施策 ▶健康危機管理体制の充実 ▶感染症対策の充実 (p.70) 政策の柱10 子どもの笑顔があふれるまちの実現 10年後のめざす姿 ●しながわネウボラネットワーク*をはじめとした、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援体制が確立され、誰もが安心して子どもを産み、楽しく子育てができるまちになっています。 ●個々の家庭のライフスタイルに応じた子育てサービスが充実し、すべての子育て世帯が自由に保育・教育環境を選択することが可能となっています。 ●地域での子育て力が向上し、地域ぐるみで子どもを見守り育てる、誰もが子どもにやさしく、子どもたちの笑顔があふれるまちになっています。 ●児童虐待の未然防止・早期発見・早期対応が図られるよう、区と学校や警察などの関係機関が連携し、すべての児童が適切な養育を保障され、児童虐待のないまちが実現しています。 (p.71) 現状と課題 ●区の就学前人口は増加傾向にあります。 ●子育てしやすい環境を整備し、地域における子ども・子育て支援を充実しています。 ●しながわネウボラネットワークを展開し、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援に取り組んでいます。一方、核家族化・地域社会のつながりの希薄化など、子育ての負担感や不安、孤立感を持つ親が少なくありません。子どもを安心して産み育てられるための支援の充実や、地域社会づくりをより一層推進していく必要があります。 ●認可保育園*の開設等による園児の受け入れ枠拡大や、オアシスルーム*増設による在宅子育て世帯への支援に取り組んでいます。今後も子どもの増加が見込まれる区の傾向を踏まえ、多様なニーズに柔軟に対応できる受け入れ体制を整える必要があります。また、保育・教育の質の向上がより一層求められています。 ●児童虐待相談件数が急増しており、要支援・要保護児童*への迅速な対応や保護者支援が一層求められるとともに、区立児童相談所*の開設準備を進めていく必要があります。 (資料) 公立・私立認可保育園利用者数の推移 2011年(平成23年):5,324人 2012年(平成24年):5,769人 2013年(平成25年):6,133人 2014年(平成26年):6,604人 2015年(平成27年):6,921人 2016年(平成28年):7,690人 2017年(平成29年):8,360人 2018年(平成30年):9,344人 2019年(平成31年):10,055人 (p.72) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 子育ち・親育ちを支援する ●しながわネウボラネットワークなどの妊娠期から子育て期の段階に応じた相談や各種の子育て支援事業により、親育ちをサポートし子育ての悩みや不安の軽減を図ります。 ●保育園・幼稚園において子どもを産み育てることの尊さや喜びを体験できる機会の充実を図ります。 ●各種訪問事業などアウトリーチ事業を推進するほか、子育て段階に応じた幅広い交流活動やプログラムの提供を支援します。 主な施策 ▶しながわネウボラネットワークの推進 ▶親育ち支援の充実 ▶子どもの健やかな育成支援の充実 ❷ 子育て力のある地域社会をつくる ●児童センターやすまいるスクールなどを活用し、子育て家庭への支援や相談を行うほか、ボランティアの育成、青少年対策地区委員会*や青少年委員*等との連携など、地域ぐるみで子育て力の向上を推進します。 ●地域において子育てに悩む親の孤立化を防ぐために、地域全体で見守る子育て支援や助け合い活動を支援します。 ●児童相談所および子ども家庭支援センターの機能を最大限に発揮し、児童虐待防止への基盤を強固にします。 主な施策 ▶地域の子育て支援人材の育成と活動支援 ▶保護が必要な子どもと家庭への支援 ▶子ども家庭支援センターの充実 ▶区立児童相談所の開設・運営 (p.73) ❸ 子育て支援・教育機能を拡充・強化する ●子育て家庭全体を支援するため、多様な保育サービスを展開するとともに、医療費の助成など、子育て家庭の経済的負担の軽減を進めていきます。 ●特別支援保育・教育の充実に取り組むとともに、質の高い乳幼児教育、保幼小連携教育*を行うための環境整備の充実を図ります。 ●保育人材の確保・育成を図るとともに、安全・安心な運営を行うための環境整備を推進します。 ●人口推計や社会的背景および地域の実情を踏まえ、子ども・子育て環境のより一層の充実を図ります。 主な施策 ▶子育て支援にともなう相談機能の充実 ▶保育提供体制の充実 ▶在宅子育て支援の充実 ▶乳幼児教育・保育の質の向上 ▶区立保育園・幼稚園等の整備 ▶保育園・幼稚園における特別支援保育・教育の充実 ▶子育て家庭の経済的負担の軽減 (p.74) 政策の柱11 未来を切り拓く学校教育の推進 10年後のめざす姿 ●義務教育9年間の一貫した質の高い教育が、各学校の持ち味を活かした多様な方法で実践され、複雑化・多様化している時代を生き抜く力を、児童・生徒が身に付けています。 ●すべての児童・生徒の学ぶ機会を保障するため、個々の教育的ニーズに応じた支援体制が構築されています。 ●品川コミュニティ・スクール*の活動が活発になり、学校や家庭、地域が一体となった社会総がかりの教育が行われ、地域とともにある学校づくりが進められています。 ●学校施設の改築や設備の向上が進み、児童・生徒が安全で充実した学習環境のもと、学校生活を送っています。ICT(情報通信技術)機器の利用環境も一層充実し、情報活用能力が向上しています。 (p.75) 現状と課題 ●2016(平成28)年4月に施設一体型小中一貫校6校を義務教育学校として位置づけ、小学校、中学校、義務教育学校の三校種体制により学校教育を推進しています。さらに、2018(平成30)年度からは全校で品川コミュニティ・スクールを実施しています。 ●2018(平成30)年3月に、品川区立学校教育要領を策定しました。 ●将来の就学人口動向等を踏まえ、通学区域、学校選択制*について一部見直しを行いました。 ●特別支援教室*を全区立学校に開設し、障害特性に応じた指導を充実してきました。 ●主体的・対話的に深く学ぶ、いわゆるアクティブラーニング*の視点も踏まえ、グローバル化の進展やAI(人工知能)の飛躍的な進化など、多様性に富んだ変化の激しい社会を生き抜くために必要な資質・能力を身に付ける必要があるとともに、児童・生徒や保護者の意向、状況にも適った多様で質の高い学校教育の実現が求められています。 ●就学人口の増加を見据え、学校の受入態勢を整えるため、機能性などにも十分配慮した、計画的な校舎の改築や改修工事などを行っています。さらに、児童・生徒の情報活用能力の向上を図るとともに、学力向上のツールとして、ICT機器を効果的に利用できる環境整備の一層の推進が課題となっています。 (資料) 就学人口の推移 総数 2011年(平成23年):19,947人 2012年(平成24年):20,306人 2013年(平成25年):20,918人 2014年(平成26年):21,261人 2015年(平成27年):21,578人 2016年(平成28年):22,060人 2017年(平成29年):22,605人 2018年(平成30年):23,113人 2019年(平成31年):23,837人 2020年(令和2年):24,616人 児童数(1から6学年) 2011年(平成23年):13,586人 2012年(平成24年):13,778人 2013年(平成25年):14,247人 2014年(平成26年):14,433人 2015年(平成27年):14,670人 2016年(平成28年):15,089人 2017年(平成29年):15,583人 2018年(平成30年):16,035人 2019年(平成31年):16,626人 2020年(令和2年):17,114人 生徒数(7から9学年) 2011年(平成23年):6,361人 2012年(平成24年):6,528人 2013年(平成25年):6,671人 2014年(平成26年):6,828人 2015年(平成27年):6,908人 2016年(平成28年):6,971人 2017年(平成29年):7,022人 2018年(平成30年):7,078人 2019年(平成31年):7,211人 2020年(令和2年):7,502人 ※各年1月1日現在 (p.76) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 未来を切り拓く力を育む教育を推進する ●超スマート社会*やさらに進展するグローバル社会を生き抜く力を育むため、小学校・中学校・義務教育学校のそれぞれの持ち味を活かしながら、9年間の系統的な一貫教育をとおして、将来を見据えた教育を推進し、個別最適化された学習形態など多様で質の高い学校教育を実現します。 主な施策 ▶市民科教育*の充実・発展 ▶英語教育の推進 ▶伝統文化理解の促進 ▶読書活動の充実 ▶ICTを活用した学習の推進 ❷ 学ぶ機会を保障する支援体制を推進する ●個別の発達課題をはじめ、家庭の経済状態や養育環境、国籍や文化の違い等から生じる学習困難への対応など、学ぶ機会を保障する支援体制を構築していきます。 主な施策 ▶個々の教育的ニーズに応じた支援体制の構築 ▶さまざまな特性に配慮した特別支援教育*の充実 ▶不登校等への対応およびいじめ防止対策の充実 ❸ 地域とともにある学校づくりを推進する ●品川コミュニティ・スクール等の取り組みを推進していく中で、学校・家庭・地域がめざす児童・生徒像を共有することにより、各学校が地域の教育資源や人材を活用した事業の充実を図ることができるよう、協働して児童・生徒を育む体制を整備します。 ●すまいるスクール事業*について、家庭や学校、大学との連携を進めるとともに、地域との協働により充実を図り、児童にとって安全で安心な放課後の居場所を提供します。 (p.77) 主な施策 ▶品川コミュニティ・スクールの体制充実と発展 ▶地域や大学との協働によるすまいるスクール事業の充実 ▶登下校時の安全確保策の充実 ❹ 良好な教育環境をつくる ●学校施設の長寿命化計画に基づき改修工事を計画的に推進するとともに、老朽度や増加する就学人口の動向等を見据え学校改築を進めていきます。また、すべての学校にプロジェクタ等の配備やタブレット端末の導入を行うなどICT環境の整備をさらに進めます。 主な施策 ▶安全・安心な学校施設の整備推進 ▶学校改築の計画的な推進 ▶ICT機器を活用できる環境整備の充実 ❺ 教員の働きやすい環境を整備・拡充し、資質向上を図る ●教育環境を支える資源としてのさまざまな人材配備の充実により、教員一人ひとりが児童・生徒のために専門性を十分に発揮し、誇りとやりがいをもって働くことができる環境を整備するとともに、教員の資質向上に取り組み、学校教育の質の維持向上を図ります。 主な施策 ▶教員の職場環境の整備・拡充の推進 ▶教員研修の実施 ▶区固有教員の配置と育成 (p.78) 政策の柱12 青少年の成長と自立の支援 10年後のめざす姿 ●すべての子どもや若者が、自立した個人として社会性を育み、心身ともに健やかな成長を図るための環境が整っています。 ●子ども・若者の個人としての尊厳や多様性を重んじ、その最善の利益が考慮される社会になっています。 ●経済面や不登校、ひきこもりなど社会的自立に困難を抱える青少年およびその家庭への支援体制など、学校や社会への復帰、再スタートをサポートする体制が構築されています。 ●子ども・若者の成長を地域・家庭など社会全体で支えるための環境が整備されています。 (p.79) 現状と課題 ●地域コミュニティの希薄化や、地域で活動する青少年育成者の減少などにより、青少年が社会参加する機会が減少し、孤立化しやすい状況にあります。一方、地域活動が盛んな品川区で、青少年が活発に地域で活動できるよう、異世代交流の促進や地域社会全体の環境整備を進めることが課題になっています。 ●品川区子ども・若者計画において、施策を体系化・見える化し、子ども・若者の社会的自立や共生社会の実現という理念のもとで、総合的・具体的な支援を展開していく必要があります。 ●青少年の経済的困窮や家庭環境などの諸問題は、複数の要因が複雑に絡み合い、各種専門分野だけでは解決が難しい状況にあるため、各機関の連携や協力体制の強化が必要です。 ●若者のひきこもりや孤立化が拡大、長期化しており、その早急な対応が求められているため、支援の対象を青年期以降にも拡大していくことが必要になっています。 (資料) 子どもの頃の自然体験と自己肯定感等との関係 子どもの頃の自然体験と自己肯定感との関係 子どもの頃の自然体験が多い子どものうち、自己肯定感が高い子どもの割合は24.4%、自己肯定感がやや高い子どもの割合は37.3%、自己肯定感が普通の子どもの割合は23.3%、自己肯定感がやや低い子どもの割合は11.9%、自己肯定感が低い子どもの割合は3.1%です。 子どもの頃の自然体験がやや多い子どものうち、自己肯定感が高い子どもの割合は18.0%、自己肯定感がやや高い子どもの割合は37.6%、自己肯定感が普通の子どもの割合は26.7%、自己肯定感がやや低い子どもの割合は15.0%、自己肯定感が低い子どもの割合は2.6%です。 子どもの頃の自然体験が普通の子どものうち、自己肯定感が高い子どもの割合は12.9%、自己肯定感がやや高い子どもの割合は35.8%、自己肯定感が普通の子どもの割合は27.5%、自己肯定感がやや低い子どもの割合は19.8%、自己肯定感が低い子どもの割合は4.0%です。 子どもの頃の自然体験がやや少ない子どものうち、自己肯定感が高い子どもの割合は8.4%、自己肯定感がやや高い子どもの割合は31.5%、自己肯定感が普通の子どもの割合は30.1%、自己肯定感がやや低い子どもの割合は24.8%、自己肯定感が低い子どもの割合は5.1%です。 子どもの頃の自然体験が少ない子どものうち、自己肯定感が高い子どもの割合は5.5%、自己肯定感がやや高い子どもの割合は23.6%、自己肯定感が普通の子どもの割合は28.8%、自己肯定感がやや低い子どもの割合は30.6%、自己肯定感が低い子どもの割合は11.5%です。 子どもの頃の自然体験と道徳観・正義感との関係 子どもの頃の自然体験が多い子どものうち、道徳観・正義感がある子どもの割合は51.4%、道徳観・正義感がややある子どもの割合は30.1%、道徳観・正義感が普通の子どもの割合は16.0%、道徳観・正義感があまりない子どもの割合は2.1%、道徳観・正義感がない子どもの割合は0.5%です。 子どもの頃の自然体験がやや多い子どものうち、道徳観・正義感がある子どもの割合は37.1%、道徳観・正義感がややある子どもの割合は34.2%、道徳観・正義感が普通の子どもの割合は24.5%、道徳観・正義感があまりない子どもの割合は3.4%、道徳観・正義感がない子どもの割合は0.9%です。 子どもの頃の自然体験が普通の子どものうち、道徳観・正義感がある子どもの割合は26.3%、道徳観・正義感がややある子どもの割合は34.9%、道徳観・正義感が普通の子どもの割合は31.5%、道徳観・正義感があまりない子どもの割合は6.0%、道徳観・正義感がない子どもの割合は1.3%です。 子どもの頃の自然体験がやや少ない子どものうち、道徳観・正義感がある子どもの割合は19.3%、道徳観・正義感がややある子どもの割合は30.1%、道徳観・正義感が普通の子どもの割合は38.8%、道徳観・正義感があまりない子どもの割合は8.8%、道徳観・正義感がない子どもの割合は3.0%です。 子どもの頃の自然体験が少ない子どものうち、道徳観・正義感がある子どもの割合は14.0%、道徳観・正義感がややある子どもの割合は21.4%、道徳観・正義感が普通の子どもの割合は43.2%、道徳観・正義感があまりない子どもの割合は14.6%、道徳観・正義感がない子どもの割合は6.8%です。 ※独立行政法人国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査(平成28年度調査)」より作成 (p.80) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ すべての青少年の成長を支援する ●学校、家庭、地域の連携により、青少年がさまざまな世代・立場の人とのコミュニケーション体験を得られるよう支援します。 ●ジュニア・リーダー教室*や児童センター、すまいるスクールなど青少年が中心となる居場所事業の充実を図ります。 ●青少年が社会性を身に付け、地域で活躍できる人物となるよう、ボランティアやスポーツ、文化活動等への参加を支援します。 ●子ども・若者に多様な機会を与え、仮につまづいたとしても何度でもやり直しのきく社会づくりを推進します。 ●思春期の子どもの悩みや問題を抱える家族や本人が、その問題や疾患について理解し的確に対応できるよう、知識の普及啓発と相談体制の充実を図ります。 主な施策 ▶(仮称)子ども・若者センターの開設・運営 ▶社会体験・自然体験と異世代交流の推進 ▶ボランティア活動の推進 ▶児童・思春期のこころの健康づくりの推進 (p.81) ❷ 社会的自立に困難を抱える青少年を支援する ●専門相談や就労・就学意欲の喚起等、自立に向けた継続的な支援体制を整備します。 ●さまざまな困難を有し特別な支援が必要な子どもや若者に対し、社会的・経済的な自立ができるよう支援体制を整備します。 ●自分らしく生きることができる居場所づくりの支援を図ります。 ●複雑な家庭環境、LGBT*であることなどを起因として、子どもや若者が困難な状況に陥ることがないよう家庭・地域・行政が一体となって、必要な環境整備に取り組みます。 ●関係機関と連携し、社会との接点を持てず孤立するひきこもり等の若者の社会参加を支援します。 主な施策 ▶ひきこもり等若者、家族への支援事業 ▶社会的養護体制*の構築 ❸ 青少年の成長を支える環境を整備する ●青少年の健全育成のため、家庭・学校・地域、相互が連携し、事業の推進を図ります。 ●地域や青少年の健全育成支援等に積極的に関わりを持つ青少年対策地区委員会、青少年委員等が活発に活動を展開できるよう支援します。 ●健全育成支援等においては、社会のあらゆる分野における構成員がそれぞれの役割を果たすとともに、相互に協力しながら、各分野を超えたネットワークの強化を図ります。 ●子ども・若者が犯罪等の被害者・当事者にならないよう、情報通信機器の適正利用を啓発するとともに、地域におけるまちづくり活動、社会環境の健全化事業を支援します。 主な施策 ▶地域との連携による青少年団体と指導者の育成 ▶SNS*等情報通信ツール適正利用の啓発・推進 (p.82) 政策の柱13 高齢者が安心して暮らせる環境づくり 10年後のめざす姿 ●健康づくりや介護予防の推進、住まいの確保などが充実し、地域包括ケアシステム*が構築され、高齢者が安心して地域で自立した日常生活を送っています。 ●医療と介護の連携による適切な支援の提供、地域密着型サービス*や常時介護が必要になった場合のセーフティネット*としての介護保険施設*が整備されています。 ●ICT(情報通信技術)、AI(人工知能)等、先端技術の活用による効果的・効率的な介護サービスの提供や情報管理などが行われ、介護人材の確保・育成支援が充実し、さらに質の高い介護保険事業が運営されています。 (p.83) 現状と課題 ●高齢者の心身状況に応じた相談・ケアマネジメント体制*を整備し、きめ細やかな支援を行ってきました。また、介護予防・日常生活支援総合事業*のサービスを開始するとともに、介護予防事業の体系化を図り自立支援に向け注力しています。高齢者人口の増加を見据え、さらなる自立支援や重度化防止に向け、ケアマネジメントの質の向上を図ることが重要です。また、介護予防では、自立支援に重点をおいたサービス内容の充実を図るとともに、高齢者等の区民が支える側となるような介護予防サービスの展開が必要です。 ●認知症の方およびその家族を地域で見守り、支えていくために、認知症に関する知識や相談先、支援内容などをまとめた「品川“くるみ”認知症ガイド*」を作成し、普及啓発・認知症予防に努めてきました。「支え愛・ほっとステーション」や認知症カフェ*など、地域での困りごとや認知症初期の相談等が気軽にできる場所が増えており、認知症高齢者の増加を見据え、今後も支援を充実させていく必要があります。 ●サービスの質の向上のため、医療と介護の連携をはじめとした多機関・多職種の連携や、住み慣れた地域で暮らし続けるためのセーフティネットの充実、福祉人材の確保・育成などを重点的に実施するなど、サービス内容の充実とともに、質の向上にも重点的に取り組み、地域包括ケアシステムを充実させていく必要があります。 (資料) 品川区の介護保険第1号被保険者数、第1号認定者数、認定率の推移 第1号被保険者数 2008年度(平成20年度):69,687人 2009年度(平成21年度):70,766人 2010年度(平成22年度):71,087人 2011年度(平成23年度):72,554人 2012年度(平成24年度):75,512人 2013年度(平成25年度):77,514人 2014年度(平成26年度):79,435人 2015年度(平成27年度):80,993人 2016年度(平成28年度):81,819人 2017年度(平成29年度):82,551人 2018年度(平成30年度):82,663人 第1号認定者数 2008年度(平成20年度):10,064人 2009年度(平成21年度):10,185人 2010年度(平成22年度):10,956人 2011年度(平成23年度):11,567人 2012年度(平成24年度):12,457人 2013年度(平成25年度):13,004人 2014年度(平成26年度):13,623人 2015年度(平成27年度):13,654人 2016年度(平成28年度):14,192人 2017年度(平成29年度):14,662人 2018年度(平成30年度):15,335人 認定率 2008年度(平成20年度):14.4% 2009年度(平成21年度):14.4% 2010年度(平成22年度):15.4% 2011年度(平成23年度):15.9% 2012年度(平成24年度):16.5% 2013年度(平成25年度):16.8% 2014年度(平成26年度):17.1% 2015年度(平成27年度):16.9% 2016年度(平成28年度):17.3% 2017年度(平成29年度):17.8% 2018年度(平成30年度):18.6% ※認定率=第1号認定者数÷第1号被保険者数 ※各年度3月31日現在(品川区介護保険制度の運営状況より) (p.84) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 地域包括ケアシステムを推進する ●重度の要介護状態や認知症になっても、可能な限り住み慣れた地域で安心して在宅生活を継続し、能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、介護予防、介護、住まい、生活支援サービス、医療などが包括的に確保される体制を構築するとともに、介護者支援についても充実していきます。 主な施策 ▶健康づくりと介護予防サービスの充実 ▶在宅介護を支える多様なサービスの充実 ▶認知症本人・家族への支援の充実 ▶高齢者の住まい対策の推進 ▶しくみを支える体制の充実 ❷ 医療と介護の連携を推進する ●安心して療養生活を送るため、医療や介護の切れ目のない支援が継続され、療養生活から看取りまで適切な対応ができるよう、医療と介護・福祉等の専門職のより一層の連携強化や、地域と病院の組織的連携などを充実させていきます。 主な施策 ▶連携体制の強化 ▶在宅等での看取りの支援 (p.85) ❸ 多様な入所・入居系施設の充実を図る ●認知症高齢者グループホーム*や特別養護老人ホーム*、看護小規模多機能型居宅介護*等、地域密着型サービスを中心とした入所・入居系施設の整備・充実を進めます。 ●施設運営においては、各施設におけるセルフチェックなどサービスの質の向上を図るための取り組みを強化していきます。 主な施策 ▶地域密着型サービスの整備 ▶介護保険施設の整備 ▶施設サービス向上の推進 ❹ 質の高い介護保険事業を運営する ●これまでの介護保険制度の運営状況を十分に検証・分析し、的確な事業量推計による適正な保険料の設定を行うことで、安定した介護保険事業の運営を行っていきます。 ●安定的かつ継続した介護サービスを提供するため介護福祉人材の確保に努めるとともに、良質な介護サービスの提供のため、保険者としての機能を強化し、給付の適正化や事業者への必要な指導や支援を強化します。 主な施策 ▶介護福祉サービスを担う人材の確保と育成 ▶保険者としての機能の充実 (p.86) 政策の柱14 障害のある人がいきいきと暮らせる環境づくり 10年後のめざす姿 ●障害者本人やその介護者の高齢化、障害の重度化・重複化、価値観・ライフスタイルの多様化に合わせ、一人ひとりの障害特性やニーズを的確に把握し、さまざまな社会資源やサービスに適切につなぐための相談体制が整備されています。 ●乳幼児期、児童期、青年期、壮年期、高齢期、それぞれのライフステージに求められる支援が総合的・継続的になされるよう、社会資源の整備、人材育成が充実しています。 ●ICT(情報通信技術)利活用による視覚・聴覚障害者などのコミュニケーションの拡大や就労支援による社会参加など、新たな技術を活用した支援が充実しています。 ●障害者理解のための普及啓発活動の推進が図られ、障害のある人もない人もお互いに尊重し合い、支え合いながら、地域の中で共生する社会が構築されています。 (p.87) 現状と課題 ●障害福祉サービスは、高齢化や対象の拡大により利用者が増加しています。これまで、障害児者総合支援施設の整備などを進めてきましたが、さらに、障害福祉サービスなどの提供体制の充実を図るとともに、身近な地域での相談支援体制の構築・強化を進めることが必要です。事業者等を増やし、かつサービスの質の維持・向上を図ることが課題となっています。 ●障害者のさらなる重度化や高齢化、「親亡き後」を見据え、障害者が地域生活を続けるうえで、地域にあるさまざまな資源を活用した多面的な支援体制の構築が求められており、区内全域におけるサービス提供体制のバランスに配慮した社会資源の整備を行う必要があります。 ●医療的ケア児*や障害児の相談は多様化が進み、その件数は増加傾向にあるため、早期発見・療育*につながる体制整備を進め、支援を強化していくとともに、保護者支援のさらなる充実が求められています。 ●障害者の社会参加を促進するため、就労機会の確保や外出の機会拡充のための支援を行い、社会参加を通じたさらなる生活の質の向上が必要です。 (資料) 障害者手帳所持者数の推移 身体障害手帳所持者数 2009年(平成21年):8,845人 2010年(平成22年):9,014人 2011年(平成23年):9,253人 2012年(平成24年):9,323人 2013年(平成25年):9,484人 2014年(平成26年):9,583人 2015年(平成27年):9,628人 2016年(平成28年):9,605人 2017年(平成29年):9,596人 2018年(平成30年):9,521人 愛の手帳所持者数 2009年(平成21年):1,399人 2010年(平成22年):1,427人 2011年(平成23年):1,495人 2012年(平成24年):1,568人 2013年(平成25年):1,618人 2014年(平成26年):1,685人 2015年(平成27年):1,742人 2016年(平成28年):1,807人 2017年(平成29年):1,876人 2018年(平成30年):1,925人 精神障害者保健福祉手帳所持者数 2009年(平成21年):1,142人 2010年(平成22年):1,304人 2011年(平成23年):1,400人 2012年(平成24年):1,486人 2013年(平成25年):1,629人 2014年(平成26年):1,782人 2015年(平成27年):1,861人 2016年(平成28年):1,955人 2017年(平成29年):2,164人 2018年(平成30年):2,401人 (p.88) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 相談支援体制を充実する ●区では、基幹相談支援センター*が相談支援体制の中核を担い、地域拠点相談支援センター*が身近な地域でのきめ細やかな相談支援を行っています。さらなる相談支援の充実に向けて、相談支援事業者間のネットワークをつくり、地域全体の相談支援を充実させます。 ●多様な事業者の参入を促し、相談者の利便性の向上につなげるとともに、サービスの質の維持・向上のため、支援の担い手となる福祉サービスの人材確保・育成を行っていきます。 主な施策 ▶相談支援機能の充実 ▶障害福祉サービスを担う人材の確保と育成 (p.89) ❷ 地域での自立した生活を支援する ●障害者が地域で安心して自分らしい生活を送るため、地域生活支援拠点*の機能強化を図り、地域の社会資源を活かした在宅支援を推進します。 ●重度化に対応したグループホーム、医療的ケアに対応した通所支援事業所などの通所・入居系施設の整備を進めるとともに、就労をめざした発達障害者支援の充実を図ります。 ●相談と療育の一体的な支援を身近な地域で提供できるよう、児童発達支援センター*の整備を進めていきます。 ●精神障害者が地域で自立した生活ができるよう、保健、医療、福祉の連携を図り、地域の支援体制の充実を図ります。 主な施策 ▶地域生活支援体制の整備 ▶通所・入居系施設の整備促進 ▶療育と家族支援体制の充実 ▶保健および医療との連携促進による支援の充実 ❸ 障害者の社会参加を促進する ●地域でいきいきと生活していくため、社会とのつながりや関係づくりを行う支援を進めていきます。 ●地域で安心した生活を送るための支援として、障害者就労支援センター*による相談や就労を希望する障害者への支援策の充実を図り、就労移行支援事業*・就労定着支援事業*などを拡充します。 主な施策 ▶社会活動への支援や余暇活動の充実 ▶就労機会の拡充 (p.90) 政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 10年後のめざす姿 ●非核平和都市品川宣言*の理念のもと、非核・平和意識が区民に広く浸透しています。 ●差別意識や偏見の解消を通じ、人権尊重意識が区民に広く浸透しています。 ●性別等にかかわらず多様な生き方を認め合う社会の視点が根付き、地域、家庭、職場、学校など社会のあらゆる場面で、区民が性別や年齢、障害、国籍、人種、文化などのさまざまな違いを理解・尊重し、共生できる環境が構築されています。 ●在住外国人が、積極的に行事に参加するなど地域の一員として溶け込み、安心して快適で豊かな日常生活を送っています。 ●国の文化や歴史、価値観の違いを理解し、お互いに尊重し合う多文化共生社会が実現しています。また、区民が、世界が抱える課題に関心を持ち、持続可能で多様性を認め合う社会の実現に向けて行動しています。 (p.91) 現状と課題 ●戦後70数年が経過し、平和意識を後世に伝えていくことができる戦争体験者が減少しています。区民一人ひとりが、非核・平和について考える機会をつくり、平和の尊さや戦争の悲惨さを深く知ることが求められています。 ●区は1993(平成5)年に都内区市町村で初めて「人権尊重都市品川*」を宣言するなど、積極的に人権尊重意識の普及啓発に取り組んできました。近年では、国においても部落差別解消推進法等いわゆる人権三法*の法整備が進み、さまざまな人権課題に対して一層の意識醸成が求められています。 ●配偶者や交際相手等からの暴力防止や被害者支援、女性の活躍と仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現などに向けた取り組みを強化していく必要があります。 ●在留資格の見直しや日本文化への関心の高まりなどにより、区内の外国人が年々増加する一方、文化や習慣の違いによるトラブルや情報不足による孤立など懸念すべき事項が想定されます。 ●姉妹・友好都市との交流は四半世紀以上続き、お互いの理解が深まっています。交流で培われた異文化理解の考えをもとに、在住外国人が地域に溶け込む土壌をつくるとともに、区民の多文化共生やSDGs(持続可能な開発目標)への理解が求められています。 (p.92) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 非核・平和意識を普及させる ●戦争の記憶を風化させず、非核・平和意識を広めていくために、広島・長崎への平和使節派遣・非核平和都市品川宣言周年行事などの平和事業を実施し、若い世代への平和意識の啓発を図ります。 主な施策 ▶非核平和都市品川宣言の発信と平和事業の推進 ▶区民参加による平和事業の推進 ❷ 人権尊重意識を向上させる ●差別意識や偏見を解消して、人権尊重意識を広めていくために人権啓発事業の一層の充実を図ります。 ●あらゆる虐待・暴力の防止について、配偶者暴力相談支援センター*機能を整備することで庁内組織・関係機関が横断的に連携し、情報の共有や個別の支援などを行います。 主な施策 ▶人権尊重都市品川宣言の普及と人権教育・啓発の推進 ▶部落差別(同和問題)などさまざまな人権課題への取り組みの推進 (p.93) ❸ 女性の活躍と多様な生き方を認め合う社会をつくる ●誰もが自分らしく、いきいきと安心して暮らせる社会の実現のため、家庭、地域、職場、学校のすみずみにまで男女共同参画の視点を浸透させていきます。 ●さまざまな地域活動において、性別や年齢、障害などにより役割を固定化したりせず、多様な視点を取り入れるよう啓発します。 主な施策 ▶女性の活躍と男性の家庭での活躍およびワーク・ライフ・バランス支援策の充実 ▶あらゆる分野における男女共同参画の推進 ❹ 外国人に開かれた地域社会をつくる ●外国人が日常生活や災害時においても、日本人と同様に安心して快適な生活ができるよう外国人の視点に立った情報提供や伝達方法の環境整備を進めます。また、地域の活動に参加するなど、地域社会に溶け込むことができるよう体制を整えていきます。 主な施策 ▶外国人が安心して生活・滞在できるまちづくりの推進 ❺ 多様な国際交流を推進する ●区内にある大使館・領事館や国際交流団体等と協力することで、多様な国際交流を発展させ、区民がお互いの文化に親しみ、身近に感じられる環境の整備を推進します。 主な施策 ▶区民を主体とする国際交流活動の促進