水質用語

更新日:平成31年3月6日

水素イオン濃度(pH)
 水の酸性、アルカリ性の度合いを示す指標です。pHが7のときに中性、7を超えるとアルカリ性、7未満では酸性を示します。河川水は通常7付近ですが、人為的汚染、植物プランクトンの光合成などにより酸性にもアルカリ性にもなることがあります。
浮遊物質量(SS)
 水中に浮遊または懸濁している直径2ミリメートル以下の粒子状物質のことで、粘土鉱物による微粒子、動植物プランクトンやその死骸、下水、工場排水などに由来する有機物や金属の沈殿物が含まれます。浮遊物質が多いと透明度などの外観が悪くなるほか、魚類のえらがつまって死んだり、光の透過が妨げられて水中の植物の光合成に影響することがあります。
生物化学的酸素要求量(BOD)
 河川の有機汚濁を測る代表的な指標で、水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量のことです。BODが高いと溶存酸素が欠乏しやすくなり、10ミリグラム/リットル以上になると悪臭の発生などが起こりやすくなります。
化学的酸素要求量(COD)
 海水や湖沼水質の有機物による汚濁状況を測る代表的な指標で、水中の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したものです。河川には環境基準値がありませんが、品川区は河川の下流域に位置し、海水の影響を受けやすいため河川でもCODの測定をしています。
溶存酸素(DO)
 水中に解けている酸素の量で、代表的な水質汚濁状況を測る指標の1つです。DOは河川や海域の自浄作用、魚類などの水生生物の生活には不可欠なものです。一般に魚介類が生存するためには3ミリグラム/リットル以上、好気性微生物が活発に活動するためには2ミリグラム/リットル以上が必要で、それ以下では嫌気性分解が起こり、悪臭物質が発生します。
全窒素
 アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素と有機性窒素を合わせた窒素化合物全体のことです。窒素は動植物の増殖に欠かせない元素ですが、水域の富栄養化は問題になります。水中の濃度が高くなると富栄養化した水ではプランクトンが異常増殖を起こし、赤潮等の原因になります。湖沼、海域には環境基準が設定されていますが、河川にはありません。
全りん
 りん酸性りんを含むりん化合物全体のことです。りんは窒素と同様に動植物の成長に欠かせない元素で、富栄養化の目安となります。水中のりんは主に人為的なもので、過剰散布された肥料、家庭排水、し尿、工場排水などがあります。窒素と同様に河川については環境基準がありません。
アンモニア性窒素
 アンモニウム塩に含まれる窒素の量をいいます。主として、し尿や家庭下水中の有機物の分解や工場排水に起因するもので、それらによる水質汚染の有力な指標となります。
プランクトン
 浮遊生物のことで大きく植物プランクトンと動物プランクトンに分けられます。植物の栄養となる窒素やりんがたくさん溶け込んでいる水域では、春から秋にかけて日照時間が長くなり気温が上がると、植物プランクトンやそれを捕食する動物プランクトンが増殖します。赤潮とはプランクトンが異常に増殖して濁り、茶褐色や赤褐色になった状態をいいます。
クロロフィルa
 藻類に含まれる光合成色素の1つです。クロロフィルaはすべての藻類に含まれていますが、その濃度が植物プランクトンの量を示すことから、環境指標として用いられます。たとえば、植物プランクトンの栄養となる窒素、りん等の無機塩類が多ければ、植物プランクトンが増えクロロフィルa濃度が高くなります。
大腸菌郡数およびふん便性大腸菌郡数
 大腸菌及び大腸菌と性質が似ている細菌の数のことをいいます。水中の大腸菌群数はし尿汚染の指標として使われますが、大腸菌群に定義される細菌の中には自然界に存在するものもいます。ふん便性大腸菌群は大腸菌群よりもふん便汚染との関係が密接な細菌です。
75%水質値
 年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べ0.75×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値をです。(0.75×nが整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値をとります。) BOD及びCODの環境基準の達成状況はこの75%水質値で評価します。
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環境課 指導調査係
 電話:03-5742-6751