江戸野菜「居留木橋カボチャ」復活へ 学校で苗植え体験

更新日:平成27年5月18日

子どもたちと苗植えをする大塚さん
江戸野菜の歴史を解説苗を子どもたちに見せる大塚さん苗を植えて上から抑える植え方の説明苗植えを見守る大塚さん昨年12月の品川蕪品評会に出展された縮緬カボチャ
江戸野菜「居留木橋(居木橋)カボチャ」と同種と思われるカボチャの苗植え体験が5月16日(土)・18日(月)、台場小学校(東品川1-8-20)と小中一貫校品川学園(北品川3-9-30)で行われました。苗植えを指導したのは、江戸野菜「品川カブ」を復活させた「東海道品川宿なすびの花」代表の大塚好雄さんです。

居留木橋カボチャは、沢庵和尚が、三代将軍 徳川家光により北品川東海寺の開山に命じられた寛永15年(1638)、上方から種を取り寄せ、居木橋村名主の松原庄左衛門に栽培させたのが始まりと言われています。荏原郡とその周辺にまで栽培が増加し、昭和初期まで関東地方で広く栽培されました。別名を「ちりめんカボチャ」と言われたように、表面はごつごつとしたこぶで覆われているのが特徴です。昨年、大塚さんは、この特徴によく似た品種の種に出会い、西東京市の農家に依頼して苗まで育ててもらいました。

16日には、台場小学校の2年生が生活科「夏野菜を植えよう」の授業の一環として、カボチャの苗植えを体験。授業の冒頭、大塚さんが江戸野菜の歴史を解説し、「品川区で栽培されるのは数十年ぶりのこと。君たちが植えるカボチャが、復活する初めての『居留木橋カボチャ』になればうれしい」と話しました。カボチャの苗は21株用意され、大塚さんの指導のもと、みんなで協力して一株ずつていねいに植えました。作業中に虫の幼虫を見つけたり、土まみれの手ではしゃいだりと、子どもたちは楽しみながら苗植えを体験。大塚さんは子どもたちの笑顔を見ながら、「小さい苗が多く成長したときの、子どもたちの驚く表情が好き。野菜を育てるためには、時間と手間がかかるということを実感して、食のありがたさを知ってほしい」と、苗植え体験への思いを語りました。

今回植えたカボチャは、9月頃収穫される予定です。なお、「居留木橋カボチャ」が復活するためには、NPO法人 大江戸野菜研究会から正式に認定を受ける必要があります。