日本初 水族館で「アール・ブリュット展」開催

更新日:平成27年9月16日

~品川区民の作家も出展 生(き)の芸術と魚たちの共演~

「アール・ブリュット展 in しながわ水族館」のオープニングセレモニーが9月16日(水)、しながわ水族館(勝島3-2-1)で開催された。

フランス語で「生(き)の芸術」を意味する「アール・ブリュット」とは、障害の有無に関わらず、正規の美術教育を受けていない人たちが、独自の発想と方法によってつくり出した作品を表す。日本では、主に障害者福祉の分野から発掘されることが多く、作家には障害者が多く存在する。

同展示会は、9月16日(水)~10月12日(月・祝)まで開催。国内外でアール・ブリュットの普及活動に取り組む社会福祉法人 愛成会の担当者によると、水族館での開催は日本初で、世界的にも珍しいことだという。

会場となるしながわ水族館の館内には、魚を題材とした作品を中心に、日本全国のアール・ブリュット作家10人による作品 約100点が各所に展示され、水族館とアートが織りなす幻想的な空間を楽しむことができる。

品川区民のアール・ブリュット作家、大森昭雄さん(72歳)と上野友和さん(39歳)も作品を出展。知的障害のある大森さんは、社会福祉法人 品川総合福祉センターの「サンかもめ」(八潮5-10-27)に通いながら、作業所や自宅で創作を行っている。施設で制作される作品はカラフルなものが多く、創作活動は、施設スタッフとの会話を楽しむ時間にもつながっているという。同じく知的障害があり、社会福祉法人福栄会 区立西大井福祉園(西大井5-7-24)に通う上野さんは、換気扇のプロペラがお気に入りで、細部まで丁寧に描かれた扇風機の絵などが展示されている。

同展示会のほか、品川区では、障害者の芸術活動支援にも取り組んでおり、区立心身障害者福祉会館(旗の台5-2-2)、区立西大井福祉園、区立発達障害者支援施設「ぷらーす」(上大崎1-20-12)の3施設に、毎月1回程度アートディレクターを派遣し、作家の発掘、創作活動の環境設定、施設職員へのアドバイスなどを実施している。今後も福祉分野に限らず、障害者が、地域で当たり前に暮らすことができるように、誰もが相互に人格と個性を尊重しあい、人々の多様なあり方を認め合える「全員参加型の地域社会」の実現を目指し、様々な施策に取り組んでいく。

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