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区長メッセージ 第90号 令和2年2月19日 令和2年度施政方針演説

更新日:2020年2月19日

1. はじめに    品川区長  濱野 健

 令和2年第1回区議会定例会の開会にあたり、区政運営の基本方針及び施策について、所信と決意を申し述べ、議員各位ならびに区民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

令和2年度 施政方針演説

2. 令和2年度 区政運営の基本方針

 2020年、東京2020大会がいよいよ開催されます。品川区では、東京開催が決まった7年前から「子どもたちへの夢のバトンタッチ」と「まちのにぎわいと発展」のスローガンを掲げ、機運醸成やまちづくりに様々取り組んでまいりました。

 現在では、区内開催競技であるホッケーのスタジアムが完成し、周辺の道路整備や無電柱化も進んできております。また、街中や交通機関などにも、大会のエンブレムやキャラクターなどが多く見られ、区の応援キャラクターもイベントなどで活躍するなど、機運は高まってまいりました。

 令和2年度は、これまで培ってきた機運醸成などの事業の集大成を行い、また、大会後にはそれらをレガシーとして、未来の品川区を支える礎にしてまいります。

 一方で、品川区を取り巻く社会経済状況は、この10年間で大きく変貌を遂げました。
 人口の動態を見ましても、現在は40万人を超え、今後の増加と人口構造の変化から、行政ニーズのさらなる多様化が予想されます。
また、人生100年時代という超長寿社会の到来をはじめ、多文化共生や多様な生き方、さらにはAIなどに代表される新技術の活用など、新たな時代への対応が必要となっております。

 さらに、世界の情勢に目を向けますと、米中の貿易摩擦や中東情勢など、その不透明さが一層増しており、地域経済や区民の暮らしへの影響が懸念され、こうしたことへの迅速な対応を行う必要があります。
 国内では、政府が全世代型社会保障の実現や新たな技術を活用した第4次産業革命を国家戦略として取り組むとしております。
また、東京都は、オリンピック・パラリンピックの確実な成功と、その後の成長と成熟を柱として、子育てや中小企業への支援などを打ち出してまいります。
 区は、このような動きに対して、アンテナを張り、区政にどのように活かすか、見極めていくことが必要であります。

 そうしたことから、区の未来の道筋を描く、新たな長期基本計画を検討してきたところであります。公募の区民委員をはじめ、様々な分野の方々にご参画いただいた策定委員会での議論を経て、昨年12月に計画素案の答申をいただきました。関係していただきました方々、ご意見を頂戴した皆さまには、ここに改めて感謝申し上げるものであります。誠にありがとうございました。
 この素案をもとに、新たな長期基本計画を策定いたします。

 このようなことを踏まえ、令和2年度予算は、東京2020大会を区民と一緒に盛り上げ未来につなぐことと、10年後の将来像を具現化する新長期基本計画のスタートダッシュをするための予算とし、新たな課題に果敢にチャレンジするものといたします。

議場内 正面 全体の様子 

3. 令和2年度予算

 それでは、オリンピック・パラリンピック関連と新長期基本計画に基づく主な事業についてご説明いたします。

(1)東京2020大会とそのレガシー

 オリンピックの開催まで、あと5ヶ月あまりとなりました。半世紀の時を超えて東京で開催される大会であり、特に、子どもたちの記憶に強く刻まれ、その未来につなげていくことが、我々大人の責務であります。

 はじめに聖火リレーについてです。既に、区内のルートが決定しており、皆さんが安心して見学できるよう区としても体制を整えてまいります。そして、当日の終着点である、しながわ中央公園にてセレブレーションを実施し、大会の始まりを区を挙げてお祝いいたします。

 次に、選手たちの事前キャンプであります。
 令和元年度は、区内に大使館のあるコロンビア共和国の、パラリンピック競技の選手団をお迎えし、トレーニングはもとより、地元や学校での交流を行い、親交を深めてまいりました。
 令和2年度も同国選手団をお迎えし、大会本番での活躍を期待しながら、さらなる区民との国際交流を進めてまいります。
 さらに、品川区はコロンビア共和国のホストタウンとして指定を受けたことから、聖火台近くに設置されるホストタウンハウスへ一緒に出展し、双方の魅力の発信をしてまいります。

 次に、大会期間中でありますが、区役所隣接のJR施設内に、品川区のホスピタリティハウスとして「しながわハウス」を設置いたします。ここで、区の魅力発信をはじめ、区内大使館や交流自治体のブース、様々なイベントを催し、区のおもてなしの拠点としてまいります。
 また、このしながわハウスをはじめ、戸越や大崎など、複数の場所でのパブリックビューイングを開催し、競技会場以外でも大会の臨場感を感じていただき、地域での盛り上がりにつなげてまいります。
 さらに、子どもたちが実際に競技観戦を行うにあたっては、安全でスムーズにできるよう、交通手段の確保や暑さ対策などをしてまいります。
 また、ボランティアの活動は、大会を成功させる上で重要な要素であります。区は、早くから独自ボランティア「しな助」を立ち上げ準備を進め、現在は約500人の登録をいただいております。
 大会本番に向け、その活躍を一層支援し、大会後も様々にボランティアとして活躍できるよう後押ししてまいります。

 加えて、こうした機会を捉えたさらなる区の魅力発信も重要であります。
 その大切な役割を担う水辺は、多くの来訪者が見込まれることから、大会期間中、五反田リバーステーションをはじめ、しながわ水族館や競技会場付近、天王洲などを周回する、観光船の運航を行ってまいります。また、都と連携した船による通勤の社会実験も実施してまいります。
 また、水辺に華を添える橋梁などへのライトアップについては、オリンピック・パラリンピックカラーによる特別演出をして、水辺を活かした魅力を最大限に表してまいります。

 一方で、大会期間中は、ごみの処理が課題として挙げられます。そのため、競技場周辺の商店街など、一層のにぎわいが想定される地区において、日曜日の収集を実施するなど体制の強化をいたします。
 その他、感染症への対策や食品などへの衛生管理、災害や不測の事態への対応など、区としても体制を強化し、都や大会組織委員会と連携して、成功に向け万全を期してまいります。

 次に、オリンピックはスポーツだけでなく、文化の祭典でもあります。品川区の魅力ある文化・芸術を広く発信する事業も展開してまいります。
 具体的には、薪能や地元での神輿渡御などをしながわ文化プログラムとして認定し、支援してまいります。
 さらに、大会組織委員会認定の「東京2020NIPPONフェスティバル」の共催文化プログラムとして、能・狂言の特別公演への支援や、水辺を活かした文化イベントを地元と協力して開催し、品川の文化・芸術を世界に示してまいります。

施政方針演説する濱野区長

(2)新長期基本計画(4つの視点と3つの分野) ~新たな品川区の道を拓く~

 次に、新たな長期基本計画で取り組む事業であります。
 前回の計画策定から10年が経ち、「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」の実現を目指し、成果をあげてまいりました。

 一方で、品川区を取り巻く社会経済状況は大きく変動し、新たな課題にも直面しております。こうしたことから、新計画では、今後大きく変化していくであろう将来の動向を踏まえ、4つの視点を取り入れた計画といたしました。

 また、新たなニーズへの対応と、取り組むべき施策の体系を分かりやすくするため、「地域」「人」「安全」の3つの政策分野に分類し、それぞれ連携して取り組むことで、多様化する課題に対応してまいります。

 そして、令和2年度はこの計画の初年度であり、計画実現のための大切な年となります。この計画を強く推進し、品川区の新たな道を拓くため、スタートダッシュをする予算として実行してまいります。


■ 視点1 超長寿社会に対応する

 はじめに、1番目の視点「超長寿社会に対応する視点」であります。

 品川区における平均寿命は、男性81.0歳、女性87.3歳と長寿化が進んでおります。政府も「人生100年時代構想会議」を設置し議論を行うなど、超長寿社会への対応が喫緊の課題となってきております。
 こうしたことから、新計画においては、第一の視点として位置付け、すべての人が元気に活躍し続け、安心して暮らすことのできる施策を推進してまいります。

 はじめに、健康づくりについてであります。
 令和2年度からの重点取り組みとして、受動喫煙の対策を進めてまいります。健康増進法の改正や都条例の制定などにより、望まない受動喫煙を生じさせない環境を整備することとなりました。
 品川区においては、喫煙者と非喫煙者双方が快適に過ごせるまちを目指すこととし、制度の普及啓発と合わせ、指定喫煙所の再整備を行い、受動喫煙による健康への悪影響を未然に防止してまいります。

 次に、死亡原因のトップであるがんへの対応であります。区では、「品川区がん対策推進計画」を策定し、今後はこの計画に基づき総合的な対応を実施してまいります。
 令和2年度は、がん患者やその家族が気軽に訪れて、安心して相談できる夜間相談の充実や、がん予防啓発として新たに講演会や映画の上映を行ってまいります。
 さらに、子どもたちが、がんについての正しい理解と、健康と命の大切さについて主体的に考えることができるよう、区立学校8年生を対象に専門講師によるがん教育を進めてまいります。

 次に、この季節も早くから流行したインフルエンザですが、令和2年度からは、予防接種助成を重度化しやすい幼児まで拡大し、子どもたちの健康を守ってまいります。

 次に、高齢者福祉であります。
 高齢化は増々進み、30年後には品川区の65歳以上の高齢者は13万人を超え、高齢化率は約3割となり、さらにその後も一貫して増え続けると推計しております。
 こうした状況においても、高齢者が安心して地域で自立した日常生活を送っていけることを目指してまいります。
 これを達成するためには、地域包括ケアシステムを推し進めることが重要であります。特に、高齢者の増加に伴い、認知症への取り組みは急務であります。  
 そこで、これまでの取り組みに加えて、区独自の認知症検診事業についても検討を進め、早期診断とその対応につなげてまいります。

 次に、障害者福祉であります。
 10年後の目指す姿は、障害の有無に関わらず、お互いに尊重し合いながら、住み慣れた地域で共生する社会であります。
 このためには、障害者本人や介護者の高齢化、障害の重度化や重複化など、多様な課題への対応が急がれます。
 令和2年度は、障害者が地域で安心して暮らし続けるためのグループホーム整備について、助成を拡充し、事業者の実費負担を軽減することで開設を促進させてまいります。
 また、区としましても、取得を予定する西大井三丁目の国有地での施設整備など、その充実に努めてまいります。
 その他、障害者福祉手当の対象者を精神保健福祉手帳1級認定者まで拡大することや、発達障害者の思春期支援において、南大井でのサテライト事業の充実を図ります。
 さらに、重度障害者支援施設での職員加配や医療的ケアの充実など、取り組みをなお一層推進してまいります。

議場内 左側から


■ 視点2 多文化・多様な生き方を尊重する

 次に、2番目の視点「多文化・多様な生き方を尊重する視点」であります。

 品川区の外国人人口は1月1日現在で13,900人でありますが、推計では30年後に約22,000人となり、20人に1人は外国籍の方となります。さらに、区を訪れる外国人観光客も年々増加しており、様々な文化や価値観を持つ方々と共生していくことになります。
 一方、性別などに関わらず多様な生き方を認め合う社会の視点が、今後増々求められています。
 そうしたことから、国籍や文化的背景、性別、年齢、障害の有無などに関わらず、一人ひとりの人権が尊重され、誰もが参画し活躍できる地域社会を築き上げてまいります。

 はじめに、多文化共生についてであります。
 外国人を迎え入れる日本人に対して、多文化共生講座や講演会を開催し、コミュニケーション方法や、外国人との共生に向けた理解を深めてまいります。
 次に、多様な生き方を認め合う視点での施策であります。
 性的マイノリティへの理解促進とその支援として、居場所づくりのための場を求める声が多く寄せられております。そのため、性自認・性的指向のあり方や多様性を認め合い、偏見をなくせるよう交流の場を設けてまいります。
 一方で、不登校やひきこもりなど、子どもや若者を取り巻く課題は複雑化してきております。こうしたことから、新たに子ども・若者の活動拠点となる施設の整備を行います。18歳以上の若者も主体的に活動できる要素を入れながら、気軽に立ち寄れる居場所としてまいります。

 また、障害者スポーツにおいては、「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも」を合言葉にその理解、普及を進めてまいりました。令和2年度は、区内の福祉施設に障害者スポーツ指導員を派遣し、障害者がスポーツを気軽に楽しみ、継続して取り組めるよう支援してまいります。
 さらに、現在検討している子どもたちのアイデアを活かした公園においても、障害の有無に関係なく、誰もが楽しめる公園を作ってまいります。
学校教育においては、義務教育学校2校の特別支援学級を新たに整備し、全ての義務教育学校において、特別支援教育のさらなる充実を図ってまいります。


■ 視点3 強靭で魅力あるまちを未来につなぐ

 次に、3番目の視点「強靭で魅力あるまちを未来につなぐ視点」であります。

 全国各地で震災や風水害などが頻発化し、激甚化しております。昨年2度の大型台風が関東地方に直撃したことで、近年に例のない事態を経験し、そうしたことへの新たな備えも必要となりました。そして、今後も、自助、共助、公助による総合的な災害対策をさらに推し進めなければなりません。
 一方で、安心のまちに、将来に渡って住みたい、住み続けたいと思える魅力ある地域づくりを、行っていくことも重要であります。
こうしたことを踏まえ、今後、災害等に負けないまちづくりを進め、多様な主体と連携、協力し、強靭で魅力あふれる品川区を作ってまいります。

 はじめに、災害対策であります。
 昨年の大型台風の襲来は、区の災害対策に対し大きな教訓を残しました。
 その一つが、大規模停電への対応であります。
 被災時の大規模停電は、区民避難所の機能や生活環境を停止させることになり、避難者の二次被害ともなりかねません。そうしたことから、区民避難所の電源確保のための、長時間稼働する発電機の配備を進めてまいります。
 また、避難所の生活環境改善のため、パーテーション資材や簡易ベッドの導入を行うとともに、要配慮者の避難体制の充実のため、福祉避難所の体制整備も進めてまいります。
 また、情報収集・発信体制の充実のため、防災タブレットのリニューアルをはじめ、防災情報アプリを活用した情報発信の拡充、さらに情報収集や伝達の新たな手段としてのドローンの本格導入をいたします。
 さらに、風水害時の避難施設の開設・運営体制についても、課題が見出されたことから、体制の再構築を早急に行います。
 そして、これらの対応については、防災課組織を再編し重点的に取り組んでまいります。

 次に、ハード面での強靭なまちづくりであります。
 大規模な震災の際、電柱等が倒壊して、避難者や緊急車両などの妨げになることが懸念されます。こうした事態を防ぐため、新たに策定する無電柱化推進計画に基づき、事業を進めてまいります。令和2年度は、防災上整備を優先するべき路線について着手いたします。
 一方、木密地域解消のため、都と連携し積極的に進めてきた、木密地域不燃化10年プロジェクトについてであります。令和2年度末を以って終了の予定でありましたが、区の継続した申し入れに対し、都も令和3年度以降の事業展開の意向を示したことから、新たな地域での取り組みも視野に、積極果敢に進めてまいります。

 次に、魅力あるまちづくりについてであります。
 品川区の魅力の一つである商店街への支援であります。令和2年度に見込まれるキャッシュレス決済還元の終了や、東京2020大会後の景気動向を勘案し、プレミアム付区内共通商品券を春、秋ともに1億円ずつ追加し、合計8億円として実施することで、消費喚起につなげてまいります。


■ 視点4 先端技術を活用して課題解決と発展を図る

 次に、4番目の視点「先端技術を活用して課題解決と発展を図る視点」であります。

 新たなICTなどの先端技術の活用により、区民サービスの向上や働き方が大きく変わることが想定されます。
 政府もこの技術を活用して経済発展と社会的課題の解決の両立を図る「Society5.0」を提唱するなど、人々の生活様式など社会全体が大きく変化するものと考えられます。

 はじめに、教育分野におけるICTの活用であります。品川区では区立学校において、平成26年度からタブレットやプロジェクターなどの機器を導入し、成果をあげてきているところであります。令和2年度は、さらなる充実のためタブレットや電子黒板の追加配備を行います。
 さらに、AIを活用した教材も導入し、児童それぞれに合った学力向上を目指すほか、コミュニケーションロボットを活用したプログラミング教育を実施し、論理的な思考についても養えるようにいたします。

 次に、行政サービスにおいては、AIを活用した問い合わせの自動対応など、利便性とサービスの向上につなげてまいります。
 さらに、スマートフォンを利用し、税や国民健康保険料が、いつでもどこでも行える収納サービスの拡充や、住民票の写し等の手数料について交通系ICカードの利用を可能にするなど、その利便性のさらなる向上を図ります。
 そして、戸籍の証明書につきましてもコンビニエンスストアでの交付を開始いたします。

 また、区内産業において成長著しいIT事業者に対して、起業に関わる事業手法や事業計画などを支援するITスタートアップ支援事業を開始し、区内IT産業のさらなる活性化を進めてまいります。

議場内 右側から


■ 3つの政策分野 「地域」「人」「安全」

 次に、政策分野ごとの事業であります。

 はじめに、区の歴史と文化の発信や学習のための拠点であります、品川歴史館についてリニューアルをいたします。観光の視点も取り入れた、より多くの方々が訪れる施設にしてまいります。
 合わせて、近隣の大森貝塚遺跡庭園についても、歴史館と連携した、新たな活用プランを早期にまとめてまいります。

 次に、地域に対する支援であります。人々が笑顔で、活気溢れる状態を持続していくためにも、地域での活動を支援することは、区の大切な役割であります。
 そうしたことから、令和2年度は、東京2020大会の機運醸成と合わせ、区民まつりの補助金を増額し、まちのにぎわいの持続につなげてまいります。
 一方で、昨今問題となっている労働者不足については、外国人人材の活用が注目されており、品川区もいち早く事業の具体化を進めております。
 特に、その不足が心配される介護人材については、外国人受入体制の整備を行ってまいります。
 また、中小企業においても人材不足は深刻であることから、予ねてより交流を進めてまいりましたモンゴル高専の卒業生について、区内中小企業への就職を支援いたします。

 第二に、「人」の分野であります。
 この分野は、生活やライフステージごとの施策であり、人々がすこやかに、そして共生できる品川区を創り上げることを目指すものであります。
 はじめに、近年問題が顕著化している児童虐待についてであります。児童相談機能を強化し、児童虐待の未然防止、早期発見・対応を図るため、区組織を再編して、新たに「子ども家庭支援センター」を設置いたします。
 また、保育施設の拡充につきましては、令和2年度は新たに669人の認可保育園の開設、さらに、令和3年度には800人分の開設を予定しており、引き続き子育て家庭の支援を行ってまいります。
 一方で、区立学校におきましては、就学人口の増加や老朽化等に対応するため、改築を順次行い、安全で安心な教育環境を整えているところであります。
令和2年度は、城南第二小学校、鈴ケ森小学校、源氏前小学校について、整備計画の検討を行ってまいります。

 第三に、「安全」の分野であります。この分野は誰もが安心して暮らせるよう、防災をはじめ、生活の基盤となる安全で安心のまちを作り、未来に向けて持続可能とすることを目指すものであります。
 はじめに、広町のJRアパート跡地の活用についてですが、現在、JRと共同して検討を続けております。品川区の中心核である、大井町の新たな顔に相応しいまちづくりを検討してまいります。
 また、街並みの装いが大きく変化している立会川・勝島地区ですが、これまで今後のまちづくりのあり方を検討してまいりました。令和2年度は、都市再生整備計画の策定に向け、基盤整備や回遊性の向上などについて、具体的な検討を進めてまいります。
 一方で、人々が生活する上で、住まいは最も基本的な基盤であります。この住まいの確保が難しい高齢者やひとり親家庭など、住宅確保要配慮者への支援について、不動産関係団体や居住支援団体と連携した居住支援協議会を今年度設置いたします。令和2年度も、安心の住まいについて支援をしてまいります。

 次に、環境課題への対応であります。
 近年クローズアップされておりますプラスチックごみに対する課題につきましては、イベントなどで今まで利用していた使い捨てのプラスチック製の容器を、他の環境に配慮した素材に変えるなど、率先的な取り組みを行ってまいります。
 さらに、戸越公園内に計画しております環境学習施設につきましては、公園での立地を十分に活かした体験型の施設として整備を進めてまいります。

 次に、交通の安全対策であります。
 昨年5月に、歩道を歩行中の園児らが死傷する痛ましい事故が他県にてございました。区といたしましても、保育所などに通う未就学児が、日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を行い、令和元年度から直ちに事故の防止対策を行ったところであります。
 令和2年度におきましても、引き続き、未就学児が利用する経路の安全対策を実施し、子どもたちの安全を確保してまいります。
 一方、鉄道駅ホームにおける転落事故等の防止対策であります。区はこれまでも可動式ホーム柵設置について助成し、安全対策やバリアフリー化を推進してまいりました。
 令和2年度は、東急池上線五反田駅について、固定式から可動式への取替工事をはじめ、東急目黒線の目黒駅、不動前駅、武蔵小山駅、西小山駅の区内全駅において、車両編成増に伴う追加設置工事に対し、助成を行ってまいります。
 さらに、コミュニティバスについて、令和2年度は、地域公共交通会議を開催し、その導入について具体的な検討を進めてまいります。。

議場内 正面から

(3)変化に対応する持続可能な区政運営

 次に、これまでご説明いたしました事業を進める上での、区政運営の基本的姿勢についてであります。

 区は、これまでも不断の行財政改革を進めて、健全財政を維持してまいりました。これにより、新規事業の立上げをはじめ、将来見込まれる施設整備や改修なども計画的に行うことができております。
 今後も、先を見通した持続可能な区政運営を基本としてまいります。
 こうした考えをもとに、新長期基本計画を推進していく上で、区政運営の基盤となる取り組みについてご説明申し上げます。

 はじめに、職員の働き方改革についてですが、「しながわ~く」として、これまでも積極的に推し進めてまいりました。令和2年度は、その柱の一つである業務改善について、職員向けの業務効率化研修や、業務改善に繋がるビジネス・プロセス・リエンジニアリングの手法を全庁展開いたします。
 次に、新庁舎機能の検討であります。庁舎の老朽化をはじめ、多様なニーズに応えられるよう、庁舎の機能検討を本格化させてまいります。様々な議論を経た上で、品川区の顔である庁舎についての方向性を決めてまいります。

 次に、偏在税制についてであります。
 この課題は、法人住民税の一部国税化やふるさと納税など、区財政に大きく関わる問題であります。
 特に、ふるさと納税については、年を追うごとにその影響額が増してきております。引き続き制度の抜本的見直しについて、国に訴えていくとともに、区の魅力を高め創出できる、具体的な寄附のあり方について検討を進めてまいります。

 また、地方との連携を進め、共存共栄を図ることは、こうした課題の払拭に繋がるものと考えております。これまでの交流都市はもとより、令和2年度は、新たな組織を立ち上げ、特別区全国連携プロジェクトの推進をはじめ、高知県や福井県坂井市等との連携を深めてまいります。

 

4. 令和2年度予算の概要

 令和2年度予算は、東京2020大会開催とそのレガシーへの重点的経費と新たな長期基本計画のスタートダッシュをするための積極予算といたしました。
 編成にあたりましては、事業の委託化などをはじめ、効果的な事業執行となるよう、事業内容の精査や人員体制の見直しを行ったものであります。
 そして、これまで培ってまいりました基金などの財政力を十分に活用し、一般会計予算を前年度比プラス0.3%となる1,883億2,500万円とし、積極果敢に施策に取り組むものであります。

5. 終わりに

 今後も効果的・効率的な区政運営に努め、健全財政を堅持しながら、区民が真に必要とする施策を迅速かつ的確に推進し、努力を続けてまいる所存であります。
 以上、令和2年度における施政方針を申し述べました。議員ならびに区民の皆さまのご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、発言を終わります。ご聴取ありがとうございました。

お問い合わせ

企画調整課
  電話:03-5742-6607