令和6年 第7回 教育委員会定例会会議録 とき 令和6年6月11日 品川区教育委員会 令和6年第7回教育委員会定例会 日時 令和6年6月11日(火)     開会:午後3時                        閉会:午後3時59分 場所 教育委員室 出席委員 教育長 伊﨑 みゆき 教育長職務代理者 吉村 潔       委員 海沼 マリ子       委員 稲垣 百合恵       委員 濱松 誠 出席理事者 教育次長 米田 博 庶務課長 舩木 秀樹 学務課長 柏木 通       指導課長 中谷 愛       教育総合支援センター長 丸谷 大輔       特別支援教育担当課長 唐澤 好彦       品川図書館長 河内 崇       学校施設担当課長 荒木 孝太       統括指導主事 齊藤 隆光       統括指導主事 升屋 友和        事務局職員 庶務係長 菅野 祐輝 書    記 田島 希望       書    記 宗方 碧             傍聴人数 3名 その他 品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づき、会議の一部を 非公開とした。 次第 陳情審査 事実上の強制加入/強制労働の組織運営を行うPTAへの公立学校の加担に ついての陳情 報告事項1 補正予算内示について 報告事項2 学事制度の検討状況について 令和6年第7回教育委員会定例会 令和6年6月11日 【教育長】  ただいまから、令和6年第7回教育委員会定例会を開会いたします。  署名委員に吉村教育長職務代理者、稲垣委員を指名いたします。よろしくお願いいたします。  本日は傍聴の方がおられますので、お知らせします。  なお、本日は傍聴の方より、日程第1、陳情審査、事実上の強制加入/強制労働の組織運営を行うPTAへの公立学校の加担についての陳情について、録音、撮影の許可の求めがありましたので、品川区教育委員会傍聴規則第7条の規定に基づき、これを許可します。ただし、撮影については、議題に入る前のみ認めることといたします。また、撮影につきましては、自席から撮影をしていただきますようお願いいたします。  それでは、申請された方は撮影をしてください。 ( 撮  影 )  では、撮影を終了していただくようお願いいたします。  それでは、本日の議題に入ります。  日程第1、陳情審査、事実上の強制加入/強制労働の組織運営を行うPTAへの公立学校の加担についての陳情。  本件は初めての審査になりますので、書記より朗読をお願いします。  書記。 【書記】  それでは、陳情書を読み上げます。事実上の強制加入/強制労働の組織運営を行うPTAへの公立学校の加担についての陳情。  陳情の趣旨。私は品川区立の小中一貫校、荏原平塚学園のPTA活動に関わっています。PTAの運営およびそれに対する学校側の対応について疑問があり、ついては、下記の事項の実施を願いたい。  記。陳情1、公立学校間での「学校とPTAの関係」についての対応の違いの解消。陳情2、事実上の強制加入/強制労働となっているPTA組織運営へ加担している学校の実態調査。陳情3、事実上の強制加入/強制労働となっているPTA組織運営へ加担している学校への改善勧告。  理由。本来、教育委員会の管轄外である(学校とは別な組織であるはずの)PTAに関する事象について教育委員会へ陳情する理由。 ・「荏原平塚学園」においては全教員ではないが校長・副校長に関しては、PTA一員であり、実行委員会へも出席し、下記の状況を認知・把握しており、その上で黙認し、下記の形でのPTAの継続に加担している。 ・「荏原平塚学園」においては「PTA会費」は「学校納付金」の形で学校へ提出した銀行口座から引き落とされ、PTAの強制参加の遂行に加担している。 ・(本年度については、教材費の引き落としがないため、学校からPTA会費だけが引き落とされるがその合理的な説明はない。)  「荏原平塚学園」のPTAは事実上の強制参加である。 ・1、PTAの加入確認がない(入会届を提出していないのに入会したことになる)、2、非加入方法の案内がない、3、退会方法の案内がない、4、「PTA会費」は「学校納付金」と合わせて自動的に引き落とされる。 ・という組織運営がなされており、事実上の強制参加である。  「荏原平塚学園」のPTAは強制労働による組織的「いじめ」である。 ・クラスで委員希望者が不在の場合、くじ引きによる強制的な選出。委員内でも委員長希望者が不在の場合、くじ引きによる強制的な選出を行っている。 ・特に一部の委員長へは「引き継ぎ」の名目の下、多大な時間的、精神的犠牲を伴う業務が押し付けられ到底、ボランティアとは言い難い。 ・(私の場合は、年間200時間程度は必要と思われる業務が強制されています。) ・前例踏襲主義が強く、計画を変更しようとすると実務上の時間的、精神的犠牲の負担者ではない役員や会員などからの感情的かつ非建設的な反発があり、会則に沿った範囲の活動であっても、自主性や工夫を認めずボランティアとは言い難い組織運営となっている。 ・さらに、委員活動を辞退すると、クラスメイトの他の保護者から再選出される会則および運用となっており、労働の強制性を強めており、ボランティアとは言い難い組織運営となっている。 ・前例踏襲の事実上の義務化と、くじ引きによる罰ゲーム的、生贄的制度であり、構造的かつ組織的「いじめ」と言える。 ・保護者を中心とした組織とはいえ、教育機関に付帯する組織としてあるまじき運営実態が存在している。  PTAや学校ではなく教員委員会へ陳情する理由。 ・本年度、私は、「荏原平塚学園」のPTAで広報委員長という立場にくじ引きで選出され、広報誌作成および広報活動の任務を行っております。任務遂行にあたってより本質的で効果的な活動を行うため、会則の範囲内での改善案を提案したところ、前例踏襲主義が強く、計画を変更しようとすると実務上の時間的、精神的犠牲の負担者ではない役員や会員などからの反発があり困惑しています。役員(総意ではなく一部と思われますが)の到底、ボランティアとは言い難い対応に、組織としての自浄作用はないと判断し、こちらの陳情に至っています。 ・また、学校についても(もちろん児童に対する学校教育が最優先のため主務ではないと思われますが)校長・副校長に関しては、実行委員会へも出席し、上記の状況を認知・把握しており、責任が無いとは言い難い状況にも関わらず、その上で黙認し、PTAの強制参加と強制労働の継続に加担しており、自浄作用はないと判断し、こちらの陳情に至っています。  近隣校の状況。 ・近隣の小学校である小山台小学校は昨年度、学校とPTAの明確な線引きが行われ、組織改革が行われました。任意加入であることが明確になり、現在、会費徴収も学校が関与していない。(教育委員会への上申、確認があった上で学校がPTA組織改革を促したと伺っています。)  陳情1、公立学校間での学校とPTAの関係についての対応の違いの解消。 ・なぜ、教育委員会としての対応が区内公立学校で統一されず、荏原平塚学園と小山台小学校における対応が異なるのか、なぜ、同一のタイミングでPTA組織改革が促されなかったのか、その合理的理由の説明と対応の違いの解消を求めます。  陳情2、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校の事実調査。 ・実行委員会への出席や、PTAに関する配布書類の確認、PTA会費の引き落としへの協力などを行う中で、PTAの事実上の強制参加/強制労働の実態を把握しながら、黙認し、加担している学校の実態調査を求めます。  陳情3、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校への改善勧告。 ・陳情2の結果に基づき、自浄作用を発揮できない学校へ、教育委員会として改善を勧告し、学校が事実上の強制参加/強制労働となっているPTAの組織運営を黙認し、加担することを防ぐことを求めます。  教育委員会としては、学校教育そのものが所管であり、PTAは所管でないことは重々承知しております。しかしながら、小中一貫の9年制のため、兄弟姉妹を含め15年以上、PTAへ在籍する会員もおり、(もちろん挑戦しましたが)PTA自身では、自浄作用を働かせることが難しいです。どうか助けていただきたいです。児童の健全育成の前提提条としての、保護者の生活と精神の安定の実現のためにご協力いただけますと幸いです。  これから品川区のどこの公立学校へ転校、進学しても子供も保護者も安心して暮らせるようにご協力いただきたいです。  上記の3つの陳情についての回答をお願いいたします。  以下についての提出の用意もありますので、回答に際して、調査が必要な際はご連絡ください。 ・校長・副校長も参加しているPTA実行委員会において会員から業務を強制する旨の発言のある録音のデータ。 ・事実上、業務を強制する旨の一部役員からのコメントのやりとり。(広報委員長に業務が偏っているのであれば広報委員の中で解決を図るべき、などとする現実的ではない提案など。→業務が偏っているから、委員長業務を希望する人がおらずくじ引きでの選出となっている。調整の交渉業務自体もこちらへ押し付け業務負荷を上げている。)  以上となります。 【教育長】  それでは、本件について、事務局より説明をお願いします。  庶務課長。 【庶務課長】  では、私から、本陳情の内容と本陳情の要旨に対応した事務局の考え方について御説明いたします。  まず、陳情の内容でございますが、品川区立の小中一貫校、荏原平塚学園におけるPTA活動に関しまして、PTAの運営及び学校側の対応に疑問があるというものでございます。  具体的には、PTAの加入の際の意思確認や、非加入方法の案内、退会方法の案内がなく、またPTA会費は学校納付金の形式で銀行口座から引き落としがなされ、学校側がPTAの強制参加に加担していると受け取られる事実があること。また、各委員の希望者が不在の場合にくじ引による強制的な選出がなされていることや、PTAの運営に関し前例踏襲主義が強く、PTA活動の自主性や工夫が認められにくい運営になっていること。  こうしたことを受け、近隣の公立小学校ではPTAの組織改革が行われている事実もあるため、なぜ公立学校間で対応の差があるのかといった内容でございます。  こうした陳情内容を基に、陳情の要旨は3点ございます。1つ、公立学校間での学校とPTAの関係についての対応の違いの解消。2つ、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校への実態調査。3つ、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校への改善報告、以上の内容となっております。失礼しました、改善勧告という形になっております。  初めに、本陳情における御指摘の点に関しまして事務局より荏原平塚学園に事実確認を行ったところ、まずPTAの加入の御案内に際しましては、非加入、それから退会方法のお知らせは出していないこと。そして、PTAの加入の御案内を見て、PTAに加入しませんという申出があった際は、参加及びPTA会費について確認を行った上で、可能な限り意向に沿う形で対応していること。  また、委員の選出方法について、アンケート結果及び保護者会での話合いで決まらない場合は、保護者会に欠席された方を含め、くじ引での選出となっていること。  前例踏襲の運用が強く自主性や工夫が反映されにくいことにつきましては、仕事の負担軽減につながるような提案内容に対して、PTA実行委員会の場において他の委員の方々から質問や意見が多く出されたことがあった、といった事実確認を事務局において行いました。  また併せまして、荏原平塚学園の校長より、今後につきましてはPTA会長と共に、PTA組織改革の方向性を含め、保護者の皆様の御理解を得ていきたいといったお言葉をお預かりしております。  その上で、本陳情の要旨に対応した事務局の考え方でございます。  1つ、公立学校間での学校とPTAの関係についての対応の違いの解消についてです。  まず、PTAは任意団体であり、社会教育法に定める社会教育関係団体であるものと認識しております。同法第11条1項において「文部科学大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対して、専門的技術的指導または助言を与えることができる」とされ、また第12条において「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない」とされています。  したがいまして、教育委員会としましては原則としてPTAに積極的に関与はしておらず、御指摘の近隣校である小山台小学校につきましても、本PTAの組織改革につきましては、事務局よりいただいた御質問に一般的に回答した事実はございますが、運営等に関する指導等を行ったわけではなく、あくまでもPTAの自主的な動きの中で運営改革がなされたものであると認識しております。  したがいまして、事務局におきましては、公立学校間で教育委員会の対応に差があるものとは考えておりません。  品川教育委員会では、各PTA団体との連絡・連携や、区長・教育長とPTA会長との意見交換会などの場を通じて、区内PTAの活動状況の収集・把握に努めるとともに、必要に応じて個別に活動実態の把握を行うなど、学校とPTAとが良好な関係を築いていけるよう、必要な調整に努めております。  次に、2、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校の実態調査についてです。  PTAの法的性格を踏まえまして、教育委員会より一律的な実態調査を行う予定はございませんが、本陳情の内容を踏まえまして、PTAの運営に関して保護者の方が参画しやすくなるような工夫をはじめとし、先駆的な好事例を含めた情報収集に努め、事務局といたしましても、今後、機会を捉えて、PTAは任意加入であることなどについて、各学校へ周知してまいりたいと考えております。  最後に、3、事実上の強制参加となっているPTAの組織運営へ加担している学校への改善勧告につきましても、学校あるいはPTAからの具体的な御相談や御意見があった場合は、必要となる事実の確認やアドバイスなど、学校とPTAとが良好な関係を築いていけるよう、学校に対し助言的な支援や調整に努めてまいります。  説明は以上です。 【教育長】  説明が終わりました。質疑はございますか。  稲垣委員。 【稲垣委員】  教育委員会はPTAをどうこうする立場にないのがまず大前提なんですけれども、一応PTAのTはティーチャーで教職員の方も入っていますし、あと、家庭教育学級とかスポーツのほうで委託業務も下ろしているので、ある程度は健全な運営をされているかをアドバイスなりする必要はあるとは思います。  私自身がこの方と同じように広報部の部長を2年務めまして、本当に大変なんですよ。家に帰ってもずっとパソコンの前に座っているような状況が続いていて、それ、1円ももらえないのに何十時間も働いているという、本当にこの方のおっしゃるとおりで、本当に大変で、私も副校長先生がくじ引をされて、くじ引で当たって部長になりました。  そこから改善というか改革をしまして、2年間で改革をして、うちの品川区内の義務教育学校では広報誌を廃止するという形まで変革をしました。それで、今、役員をやらせていただいて、その後副会長をやらせていただいているんですけれども、それも全て変革するためにずっとやっているんです。  ただ、PTAに入った1年目の保護者の方が改革するというのは本当に難しくて、PTAの中は物すごくしがらみが多くて、地域の方、保護者の方、学校からの抵抗とかもすごくあって、しがらみが多過ぎて、本当に保護者が変えるというのはすごく難しいです。とにかくトラブルが多くて、クレーム対応を考えると、変化せずにそのままでいったほうが、そのまま1年やり過ごしたほうが楽という組織にはなっています。  なので、特に変化をさせたときに、変化の責任を誰かが取らなければいけないという組織になっているので、例えば会長なり、広報に関しては広報の部長なりが責任を取らなければいけないという形になっていて、そこまで無償でボランティアで働いている保護者に負担をさせるのが本当に正しいのかどうかというのはすごく考えています。  うちが改革できているのは役員全員が同じ方向を向いて改革したいという形で、本当に法律面に詳しい相談先もありますし、あと会計に強い人、あときちんと広報活動ができる状況があった上で、誰か責任を、私が責任取りますという、例えば会長なり校長なりが責任を取る覚悟がないと、改革は中からは本当に難しいということは取りあえず知っていただきたいというのがあります。  改革している最中にも、保護者の方からトラブルで弁護士さんに相談するとか、あと教育委員会に通達しますよとかいう本当に脅しのようなことがいつでも来るので、実際にこちらのPTAでも弁護士さんを交えて相談させていただいて対応を決めたこともあります。  本当に会費を集めること自体も難しくなっているので、何らかのサポートがないと、本当にボランティア団体として存続するのはちょっと今の時代にそぐわないかなという感じはしています。  今、結構PTAをなくしているというのが全国的にあるんですけれども、なくしたからといって、必要な業務というか、学校へのサポートがないとやっぱり学校も成り立たないところがあるので、ちゃんと健全な形で運営をして存続させるというのが必要なのではないかなと思っていて、それにはやっぱり教育委員会も学校も、指導ではなくていいので、ちゃんとしたサポートをするべきだと思います。例えば法律的に困ったときがあれば弁護士さんを相談先として紹介するとか、本当にちょっとしたことでもいいので、規約を改訂するだけでも法律的なことが分かっていないと一保護者では難しいので、サポートは絶対に必要だと思います。  今回の荏原平塚学園の任意であることの通知と退会方法の案内がないというのは、そもそも任意団体としてすごくまずいことだと思うので、至急整備していただいたらいいのではないかと思います。  ちょっと私自身がPTAに関わっているので長々となってしまいましたが、一応そんな感じでございます。  以上です。 【教育長】  ありがとうございます。  ほかにはありますか。  濱松委員。 【濱松委員】  ありがとうございます。稲垣さんの声を、そうだなとまず思いました。  これ、自分が企業にいたときに、労働組合の話。ちょっと話が長くなって恐縮ですけれども、いわゆるユニオンショップ制というので絶対に入らないといけなくて、100%加入だと。いやいや、それ、別に決めさせてくれよ。つまり、自己決定権を持たせるというのが、PTAとユニオンショップ制は違うとはいえ、そこの自己決定権がない。  そして、おっしゃるようにやらされ感がある。  3つ目、労働組合の場合は専従になれば、それでお金がもらえる。それ以外でもある程度の、少しは何かもらえたりするというのがありますけれども、ほぼ、完全ボランティアというのがやっぱり時代に即していない。  そうなったときに、中から変えるのが難しいというのも、企業の中で難しかったんだったら、公のところで変えていくのも間違いなく難しいというのは想像に難くない。となったときに、教育委員会の関わり方をどうしますかという話にはなって、私はまだ娘があれなので分からないんですけれども、稲垣さんに勝手に足すならば、徹底的な周知というのをしっかり本気でやっていくというのがまず1点目。  2点目は、これもPTAをなくせばいいのかということでは、もちろん稲垣さんの言うとおりなくて、必要な業務というかタスクというか、ことと、ある種不要という、必要、不要が――ちょっと私は初心者なのでこういう言い方をしますけれども、「いや、全部必要なんだ」「お金があればいいんだ」かもしれませんし、ちょっと分からないんですが、必要、不要をしっかり明確に分ける。  次に、必要なことはやっぱりあるよねと、後でもしかしたらほかの方も言われるかもしれませんけれども、先生方からしたら「学校側からすればこれ必要だ、やってほしいんだ」という場合は、なのでやっぱり幾ばくかのサポートをする。  じゃあ、誰がやるのと次なったときに、それはやっぱり手挙げ制で基本的にはいくべき。「いやいや、手挙げって、そんなの誰もやりたくないんだ」というのを、ウエルビーイングな区と言っているんだから、逆の発想で「それやりたい、やろうよ」となるような改革の方向に持っていくということが大事。  これを、「いやいや、きれい事を言ってるな」となるんですが、そうでないとずっと後手後手に回り、この陳情、今回、区民の方から「やってられないわ」ということがあるんだけれども、教育委員会としてどこまでの改革が進むかは置いておいて、後手後手になったら結局誰もハッピーにならない、ウエルビーイングがよくなっていかないと思いますから、改革の方向性をある程度は示していくといいのではないかと思います。  すみません、長くなりましたが、この方向性は私はあらがえるものではない。何度も言いますが、なくすか、なくさないかではなくて、よりよい方向に、つまりアップデートしていくということですから、それに対してはもうあらがえない。逆にあらがっているほうが大丈夫かと言われるようなふうになってきておりますから、不要論ではなくて、いい方向に持っていくというのをしっかり真剣に考えていったらいいのではないかと思います。  以上です。 【教育長】  ほかにはございますか。  吉村教育長職務代理者。 【吉村教育長職務代理者】  私の記憶では、今から七、八年ぐらい前に、個人情報保護法が改正されたときに、PTAも改めて任意団体であるということを確認するというような方向に、別に品川区というわけではなくて、全国的に学校はそういう動きになったと思うんです。その辺が十分にできていた学校と、できていない学校があったということだと思うんですね。  少なくとも、今回の陳情の中にあるように、PTAが任意団体であるということに関しては、学校は何らかの形で必ず伝えなければいけないということだと思います。  ただ、教育委員会の関わりということになるとまたちょっと別の、今日御説明がありましたけれども、なかなか積極的に各学校のPTAに関わっていくということの難しさというのも一方ではあるのかなとは思いますが、少なくともPTAが任意団体であるということについて各学校に周知とか、そういうことにおいての、教育委員会のそういう意味での周知については、ぜひ働きかけてほしいと思っています。  以上です。 【教育長】  ほかにはございますか。  では、よろしいですか、海沼委員。 【海沼委員】  私も昔PTAはずっとやっていましたので、そのときには多分今のPTAのやり方とは、大分違ってはきていると思います。  やはりPTAですから、誰のためにやっているのといったら、中心は子供のためにということになると思うんです。ですから、楽しくできるPTAでなければ意味がないのではないかなと私は思っています。  今回の方は非常に真面目な方で、責任感がおありになるから余計にこういうふうに考えてしまったのかなと私は思います。ですから、なるべく皆さんが楽しんでできるPTAの活動にしていただきたいなと思います。 【教育長】  ありがとうございました。  ほかに御意見、御質問はないでしょうか。事務局のほうからは、よろしいでしょうか。  庶務課長。 【庶務課長】  では、ただいま各委員からの御意見も踏まえまして、まずPTAという性格そのものが任意団体であるということもそうですし、やはりそういった学校とPTAさんの信頼関係というものも大事だと思いますし、いろいろなことがしっかりと話し合える場をつくっていくとか、どうしたらよりよい方向に運営が可能となるのだろうといったようなところについては、学校を通じて誤解のないように、少なくとも「強制参加に加担している」とか、そういった誤解を招かないようなものに関しては、事務局といたしましてもしっかりと周知をしていっていただきたいというように働きかけを行ってまいりたいと思います。  一方で、それぞれ個別のいろいろな御相談などに応じましては、一般的な対応のケースであるとか、ほかの地域でのいろいろな先駆的なPTAの取組だとか、そんなところにも注視して、いろいろ情報も取っていきたいと思っております。  今ありましたように、本当に子供たちのためにやっていると。今、品川区では有名になりました83(ハチサン)運動も、もともとは品川区の小学校P連が発祥となって、こうやって見守り活動が浸透してきたと認識しております。  これまでの長年にわたって積み重ねてきたPTA活動というものは、本当にそれぞれ学校と地域の方々の信頼関係の下に構築されてきたものと思っておりますので、今後どういった在り方が、継続性を持って実行していけるのか、日々のお仕事だとかいろいろなことがある中でも、本当に皆さんが、そういった意味では役割分担であったり業務の中身であったりということの、そういったところの話合いを前に向くような場が設けられるとよいかなと思っております。  事務局としましては、必要な支援に努めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  以上です。 【教育長】  ほかに意見、御質問はございますか。  ないようですので、それでは、本陳情の取扱いについて御意見を伺いたいと思います。  継続にする、あるいは結論を出す、どちらか御発言願います。また、結論を出すのであれば、採択、不採択等、その結論についても御発言ください。  では、吉村職務代理者。 【吉村教育長職務代理者】  結論を出すということで、不採択でお願いします。  陳情の理由については、先ほど述べたように大いにこれから考えていかなければいけない問題を多々含んでいると思うんですけれども、改善勧告というような形ではなかなか教育委員会としては全校に関わることは法的にも難しいということがございます。  ただ、先ほど申し上げた、例えばPTAが任意団体であるということであるとか、そういったことについての周知であるとか、あるいは各学校からの相談への支援とか、そういった部分ではぜひ教育委員会は調整等に努めていただきたいということを含めて、結果としては不採択ということでお願いします。 【教育長】  では、稲垣委員。 【稲垣委員】  結論を出すという形にさせていただきます。不採択という形にさせていただきますが、この方がたまたま今回上げてくださったことで、本当に品川区内のPTAが苦労しているということをちゃんと周知されたことはすごく大きいので、ありがたいことだと思います。  ただ、やはり教育委員会から学校のPTAなり学校なりに指導するという立場ではないので、今回不採択とさせていただきますが、どうしても学校側の手が及ばないところをPTAが助けている面というのがすごく現場としてはあるので、本来学校がするべき業務に関しては先生ではなく可能な範囲でスタッフを配置するなどして、あと費用面のサポートも、結構費用面をPTAに依存しているところもあったりしますので、その辺も含めて近隣の地域とも調整して手助けをするという形で、教育委員会には関わっていただければなと思います。  皆さんが前向きに参加できるようなPTAだったら、参加しても楽しいと思いますので、そういう方向になったらいいなと思います。  以上です。 【教育長】  では、海沼委員。 【海沼委員】  今日、結論を出すということで、私も不採択ということで、やはり教育委員会は今後とも支援を行っていくということで、よろしくお願いしたいと思います。 【教育長】  では、濱松委員。 【濱松委員】  私も不採択です。  先ほど述べたとおりで、関係性の話と、今回の内容についてこれを採択するかということについては不なんですが、教育委員会の関わり方が難しいということで、これ、区民の方もしくは親、どうしてもその視点だけで言うと、関わり方が後手だったり曖昧な調整役の姿勢が、区民の親からしたら、今回の方も含めて、ネガティブ。「ちょっとこれ、やっぱり耐えられないわ」ということになる。  ここは理想論ばっかり言いますけれども、クールビズというのが昔民間でも、もちろん公でもはやって大激論があって、結果的には私はみんな、多くの人がハッピーになったと思っているんですが、その改革のところで、PTAの改革することで、組員とか親とかがよりウエルビーイングのほうに行くなと私は思うんです。  ただし、何度も言いますが、必要か不要かの二元論ではなくて、アップデートしていくということに、これは稲垣さんと一緒なんですが、やっぱり手助け。それは積極的、消極的、それをみんなで議論すればいいと思うんですけれども、そこをしっかり考えていくというのが、やることが、動いているなということとか、ウエルビーイングな区民の生活につながるのではないかと思いました。  以上です。 【教育長】  ありがとうございます。  それでは、私から。私もこの陳情は結論を出すということで、本陳情は不採択でお願いしたいと思います。  理由としましては、先ほど説明がありましたように、法令上、教育委員会の立場としては、不当な統制的支配または事業に干渉を加えてはならないということがありますので、ここの陳情で示されていることについては対応し難いということで、不採択とさせていただきます。  しかしながら、先ほどから委員の皆様から出ているように、PTAが何のためにあるのかということがしっかりと学校と、教育委員会のほうともそうですけれども、考えて、PTA活動が円滑にいくように学校から丁寧な説明、あともちろん大前提でありますのは、法的に法令に沿った形での加入、退会の手続を、これは徹底してもらうというところはやっていきたいと思うし、お願いしたいと思います。  それでは、本日、陳情については結論を出すということで意見がまとまりましたので、そのような取扱いでよろしいでしょうか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  それでは、本陳情については、本日結論を出すことに決定いたしました。  先ほどそれぞれ御意見を伺いましたので、本件について採決を行います。事実上の強制加入と強制労働の組織運営を行うPTAへの公立学校の加担についての陳情について、お諮りいたします。本件を不採択とすることに御異議ありませんか。 (「異議なし」の声あり) 【教育長】  それでは、異議なしと認め、不採択とすることに決定いたします。  次に、日程第2、報告事項1、補正予算内示について。本件は区の事務事業に係る意思形成の過程における案件ですが、事務局としては会議の取扱いについてはどのように考えますか。  庶務課長。 【庶務課長】  補正予算内示につきましては、区議会の議決前の案件でもございます。したがいまして、公正または適正な意思決定を確保する観点から、非公開の会議とすることが適切であると判断いたします。  以上です。 【教育長】  庶務課長より説明がありました。本件は、品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づき、非公開の会議とし、会議日程を変更し、全ての会議の終了後に会議を開くことといたしますが、御異議ございませんか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  異議なしと認め、本件についてはそのように決定いたしました。  次に、日程第2、報告事項2、学事制度の検討状況について。本件は区の事務事業に係る意思形成過程における案件ですが、事務局としては会議の扱いについてどのように考えますか。  学務課長。 【学務課長】  学事制度の検討状況についてにつきましては、品川区学事制度審議会の答申を参考に具体的な制度設計を進めているところであり、検討途中の内容が具体的に公開されることで、様々な臆測及び区民や地域に不安をもたらすおそれがございます。したがいまして、公正または適正な意思決定を確保する観点から、非公開の会議とすることが適切であると判断いたします。 【教育長】  学務課長より説明がありました。本件は、品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づき、非公開の会議とし、会議日程を変更し、全ての会議の終了後に会議を開くこととしますが、御異議ございませんか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  異議なしと認め、本件についてはそのように決定いたしました。  先ほど決定しましたとおり、非公開の会議を開きますので、傍聴の方は御退出願います。 ―― 了 ――