令和6年 第9回 教育委員会臨時会会議録 とき 令和6年7月16日 品川区教育委員会 令和6年第9回教育委員会臨時会 日時 令和6年7月16日(火)      開会:午後2時1分                         閉会:午後3時6分 場所 教育委員室 出席委員 教育長 伊﨑 みゆき 教育長職務代理者 吉村 潔       委員 海沼 マリ子       委員 稲垣 百合恵        欠席委員 委員 濱松 誠 出席理事者 教育次長 米田 博 庶務課長 舩木 秀樹 学務課長 柏木 通       指導課長 中谷 愛       教育総合支援センター長 丸谷 大輔       特別支援教育担当課長 唐澤 好彦       品川図書館長 河内 崇       学校施設担当課長 荒木 孝太       統括指導主事 齊藤 隆光       統括指導主事 升屋 友和        事務局職員 庶務係長 菅野 祐輝 書    記 田島 希望       書    記 宗方 碧             傍聴人数 14名 その他 品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づき、会議の一部を 非公開とした。 次第 協議事項1 令和7年度品川区立学校使用教科用図書の仮採択について(中学校・義務 教育学校(後期課程)数学・理科) 第37号議案 幼稚園教育職員の任免等について(産育代替・任用) 報告事項1 学校選択制の運用等について 報告事項2 事務局職員の任免等について(休職) その他 令和6年7月、8月行事予定について(日程変更) 令和6年第9回教育委員会臨時会 令和6年7月16日 【教育長】  ただいまから、令和6年第9回教育委員会臨時会を開会いたします。  署名委員に、海沼委員、稲垣委員を指名いたします。よろしくお願いします。 【稲垣委員】  よろしくお願いいたします。 【教育長】  本日は傍聴の方がおられますので、お知らせいたします。  なお、濱松委員より、本日の委員会に欠席の旨、連絡がありましたことをお知らせいたします。  続いて、会議の持ち方についてですが、日程第2、第37号議案、幼稚園教育職員の任免等について(産育代替・任用)、日程第3、報告事項2、事務局職員の任免等について(休職)、本件は人事に関する案件ですので、品川区教育委員会会議規則14条の規定に基づき、非公開の会議といたしますが、御異議ありませんか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  異議なしと認め、本件については、全ての日程の終了後に審議いたします。  それでは、本日の議題に入ります。  日程第1、協議事項1、令和7年度品川区立学校使用教科用図書の仮採択について(中学校・義務教育学校(後期課程)数学・理科)。  説明に入る前に、本件につきましては、吉村教育長職務代理者は他の業務との関係で、審議に参加することができませんので、一旦、御退出をいただきます。  それでは、説明をお願いします。  教育総合支援センター長。 【教育総合支援センター長】  令和7年度品川区立学校使用教科用図書の仮採択について、本日は、中学校・義務教育学校(後期課程)の数学・理科、2教科2種目について御協議いただきます。  それぞれの教科につきまして、各担当の指導主事より説明いたします。 【教育長】  指導主事。 【指導主事】  数学科の教科書について説明いたします。  学習指導要領及び品川区立学校教育要領では、数学科において、数量や図形などについての基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得すること、数学的な思考力、判断力、表現力を育むこと、数学のよさを知り、数学と実社会との関係についての理解を深めることを目指し、数学的な見方・考え方を働かせ、数学的な活動を通して、数学的に考える資質・能力を育成することを目標としています。  数学科の年間標準時数は、7年生が140時間、8年生が105時間、9年生が140時間です。  それでは、各社の教科書の主な特徴について、観点ごとに御説明いたします。  まず、資料1-1を御用意ください。1、内容の(1)児童・生徒の発達段階への配慮についてです。どの教科書も、1年生の教科書において、小学校の算数の振り返りのページを設け、スムーズに中学校数学の学習につなげる工夫がありました。  特に、左から4番目の教育出版、右から2番目の数研出版、一番右の日本文教出版では、全ての章の前に算数の振り返りのページを置き、つまずきを防止する配慮がありました。  次に、資料1、内容の(2)内容の分かりやすさについてです。各社、1年生の教科書の赤の付箋のページをお開きください。  「空間図形」という単元の導入の仕方で、比較をしていきます。この単元では、立体を特徴ごとにグループ分けをする学習活動がありますが、どの教科書も、学習活動に入る前に立体の建物などの写真を見せて、空間図形のイメージを持たせる配慮をしています。  その中でも、一番左の東京書籍は、まず、最初に、2つの建物を正面から見た写真を提示して、「どちらも同じ形なのかな」と問いかけます。次のページで、5つの建物の写真を提示して、空間図形のイメージをさらに深めます。さらに、7つの身の回りのものの写真を提示して、そこから7つの立体に落とし込むという、4段階ものスモールステップを踏ませて、どの生徒も確実に学習活動に入ることができるよう配慮しているのが特徴です。  また、教科書、左から2番目の大日本図書は、分類する立体の数を10個と多く用意して、立体の特徴をつかみやすくしています。  また、教科書の左から3番目の学校図書は、最初に、ある方向から見ると円、別の方向から見ると三角形、また別の方向から見ると四角形という立体があるらしいよ。「立体のどこに着目すればいいのかな?」という生徒の会話を提示し、空間図形のイメージを持たせます。次のページで7つの建物の写真を提示し、そこから7つの立体に落とし込むという、3段階のステップを充実させています。  資料に戻りまして、2、構成と分量、(1)内容の配列の仕方、単元・教材等の系統性や発展への配慮についてです。各社、1年生の教科書の青の付箋のページをお開きください。2つある場合は、最初のほうをお願いします。  「正の数・負の数」という単元の導入の部分で比較をしていきます。生徒はこの単元で、初めて負の数というものを学習します。それで、どの教科書においても、気温などの身の回りの数字や、生徒の興味を引きやすいスポーツの数字などを導入に置くことで、理解を促す配慮をしています。  この中で、一番左の東京書籍、左から2番目の大日本図書、左から4番目の教育出版では、負の数に触れる前に、素数や素因数分解などの「整数の性質」の学習を入れています。「整数の性質」の学習は、正の数のみを扱う学習なので、これは算数から数学への移行をさらにスムーズにする配慮となっています。  続いて、各社、3年生の教科書、黄色の付箋のページをお開きください。  「二次方程式」の単元の解法の配列でも比較をします。二次方程式の解法には、因数分解の利用、平方根の利用、解の公式の利用という3種類があり、ほとんどの教科書は、最初に、因数分解を利用した解き方を載せています。  それに対して一番左の東京書籍、左から4番目の教育出版の2冊では、最初に、この単元の1つ前に学習している平方根を利用した解き方を載せて、学習の流れをつなげる工夫をしています。  資料に戻りまして、資料2、構成と分量、(2)全体の構成とその見通しに対する配慮についてです。各社、2年生の教科書のピンクの付箋のページをお開きください。目次で比較をします。  左から1番目の東京書籍、2番目の大日本図書、3番目の学校図書、4番目の教育出版、そして、一番右の日本文教出版では、その学年の学習内容だけでなく、各単元に関連する既習事項と、どの学年で学んだのかについても記載して、既習事項を生かして学習を進める意識を持たせる工夫があります。  資料に戻りまして、次に、3、表記と表現については、どの教科書にも、教材の特質に即した表現への配慮があり、特に顕著な差異はありませんでした。  続いて、4、学習活動、(2)課題や問題を見付け、その解決に向けた学習に対する配慮についてです。  一番左の東京書籍では、学習の流れとして、問題をつかむ→見通しをたてる→問題を解決する。その中でも、自分で考えてみる・友だちの考えを知る・話し合ってみよう。そして、振り返る・深めるというステップが提示されており、各単元で課題解決的な学習を促す工夫がありました。  同様に、ステップの内容は異なるものの、課題解決的な学習の流れを示す工夫が、左から2番目の大日本図書、3番目の学校図書、4番目の教育出版、5番目の啓林館、一番右の日本文教出版にもありました。  続いて、5、造本、(1)配色や文字の大きさ等、すべての子どもたちが見やすい配慮についてです。どの教科書も、多様な生徒の特性に対応する配慮があり、特に顕著な差異がありませんでした。  続いて、6、地域性、(1)品川区や東京都の地域に対する配慮についてです。各社、1年生の教科書の緑の付箋のページをお開きください。  品川区の学力調査で正答率の低かった「折り目の作図」の部分について、比較をしていきます。どの教科書も、角の二等分線の意味や、作図の仕方について、それぞれに会社の方針を反映した記述があります。  その中で、一番左の東京書籍、左から3番目の学校図書は、実際にページを折って、折り目をつくって考えられる仕様になっており、角の二等分線の意味が感覚的に理解できる工夫がありました。  最後に、資料に戻りまして、7、総合所見です。  東京書籍は、全てのページにQRコードがあって、授業用と自学自習用に分けられており、「対話シート」「フラッシュカード」「ヒントとカード」などにリンクしています。  また、練習問題の中の「必ず解けるようになりたい問題」にハートマークがついており、ここから解き始めることで、一人一人の確かな学びを保障するための配慮があります。  大日本図書は、各単元の学習のねらいを「めあて」と明記して、学習の見通しを持たせる配慮がなされているほか、所々にQRコードがあり、「数学の世界WEB」や、さらに進んだ「数学の世界WEBプラス」にリンクして、「シミュレーション」や「インタビュー記事」なども活用できるようになっています。  学校図書は、各単元の学習のねらいを「Question」で示し、吹き出しのコメントを見ることにより、生徒が対話的に問題解決できるよう促しています。  また、所々にQRコードがあり「アニメーション」「データ」「パトロール隊」などにリンクをしています。  教育出版は、全ての章に章とびらがあり、実社会や日常生活、先端テクノロジーと数学とのかかわりについてのコラムや、数学が役立っていることが分かる「数学しごと人」のインタビューが記載されています。  また、所々にQRコードがあり、立体の操作画面や「動画」「統計ツール」などにリンクしています。  新興出版社啓林館は、全ての単元の最終節に、その単元で学んだことを利用して問題解決に取り組む、その単元の利用のページがあります。  また、所々にQRコードがあり、「動かす」コンテンツや「プログラミング」「スライドショー」「考え方・解答・解説動画」などにリンクをしています。  数研出版は、巻末に「学びの自己評価」のチェック表があり、自力解決の学び合いそれぞれの場面において大切な学びを意識できるようになっています。  また、所々にQRコードがあり、3段階ある充実した補充問題や「考察」「探究」などにリンクをしています。  日本文教出版は、巻末に「ふり返りシート」や「対話シート」として教科書本文にそったノートのひな形があり、切り取ってノートに貼りやすいサイズの、便利な付録となっています。  また、所々にQRコードがあり、「見る」「ためす」「身につける」「統計ツール」などにリンクをしています。  各社の教科書の特徴については以上です。御協議、よろしくお願いいたします。 【教育長】  説明が終わりました。質問、御意見はございますか。  稲垣委員。 【稲垣委員】  ありがとうございます。3番、表記と表現のところなんですけれども、各教科書会社さんによって言及されていないとか、言及されている会社もあれば、言及されていない会社もある。多分、発展的な部分だとは思うんですけれども、結構、難易度というか、深さに差があるような気がするんですが、これって例えば一番浅いものでも、それこそ受験とか、その後の学びには問題はないんですかね。学力低下につながるような恐れは、特にはないですか。 【教育長】  指導主事。 【指導主事】  御質問ありがとうございます。どの教科書も、この3年間で学ばなければならない内容については、しっかり正確にその内容が、指導事項が伝わるような表記がなされるよう配慮をされています。各会社によって、表現がそもそもなかったり、表現に違いがあったり、過不足というか、ついているものやないものがあったりする場合には、そこについては、発展的な学習の部分であったり、一つの単元であっても、そこから先を追究するかどうかという各社の判断であったりで、最低限の部分はしっかり、どの会社も確保されている状況です。 【稲垣委員】  ありがとうございます。 【教育長】  よろしいですか。 【稲垣委員】  はい。 【教育長】  海沼委員は何か。 【海沼委員】  よろしいですか。 【教育長】  海沼委員。 【海沼委員】  学力の差の幅が広いと思うんですけれども、今回の教科書の採択におきまして、上位の生徒と下のほうの生徒と、どちらに配慮があるのかなと思うのと、ちょっとぱっと見た感じでは、啓林館の問題がちょっと難しいように思えたんですけれども、どうなのかなと思いまして、お伺いしたいと思います。 【教育長】  指導主事。 【指導主事】  学力差の広さの問題については、もう品川区でもずっと課題になっている部分でございます。教科書を使用して指導するという観点からいきますと、今回の調査研究会であったり調査検討委員会の中では、やはり下位の生徒のほうのフォローを確実に行うということに重点を置くという、そういうお話が出てきました。というのは、上位の生徒のほうにも、もちろん対応は必要なんですけれども、そちらのほうは教科書を離れても、様々な参考書であったり、各教員の持つ資料であったりで対応はできるところもあるんですけれども、下位の生徒に関しては、やはり教科書の厳選をされた文章表現でありますとか、まず、最初にその単元に触れるファーストタッチのところであるとか、そういったところについて大きく影響するというところから、下の子たちをどのように全員を取りこぼさずに焦点を当てていくのかということを重点を置いて選んでいただきたいというような思いを持って、調査研究のほうを審査のほうはやっていただいておりました。  もう一つお伺いしていただきました例題の難しさなんですが、それについても調査研究会の中では言及がありまして、会社によって、例題としてはもちろん、適切なものを選んでいただいているところなんですけれども、委員の先生によっては、ちょっと自分たちが教えてきた子供たちには、もしかしたら、1人、2人、取りこぼしてしまう子がいるかもしれない。あるいは、自分のというか、若手の先生の指導力の経験のなさであると、この例題の難しさだと、ちょっと心もとないところがあるかもしれないという、そういった御意見はありました。  以上です。 【教育長】  ほかにはありますか。  私からお伺いしますが、各社QRコードの使い方がいろいろだと思うんですけれども、数学の場合は、デジタルコンテンツってどの程度の、授業の中で活用があるんでしょうか。  その視点からいって、特にここはよかったとか、こういうところが今の品川の子供たちには適切だというところがあれば、教えてください。  指導主事。 【指導主事】  QRコードも本当に各社、どこも充実しておりまして、それは前回のときから比べて、大きな違いなのだと先生方もおっしゃっておりました。  その中で、特に際立っていたのが、内容量としては啓林館のQRコードが、様々に種類があって、量も充実している。それに次ぐぐらい、東京書籍もたくさんある。でも、それなりにあるというところで、使い方について配慮をしていただいているというところに関しては、東京書籍が授業用と自学自習用と分けていて、授業の中でも、導入の部分でこれが使えるよとか、対話の部分でこれが使えるよというふうに、子供たちにも提示をしているんですけれども、先生に対しても、この指導の場面でこのように活用できるということを示唆しているというところがありまして、そこの部分はとても若手の先生には助かるのではないかなという声がありました。  そのほか、数研出版のほうでは、特に考察といったものに力を置いて、コンテンツをつくっておりまして、発展的な学習のほうに取り組む子供たちにとっては、それが役立つであろうという声もありました。  以上です。 【教育長】  ありがとうございます。  ほかに御質問はありますか。よろしいですか。  では、質疑や意見が出終わりましたので、最終的にどの教科書を推すのか、御発言をいただきたいと思います。  稲垣委員からお願いします。 【稲垣委員】  東京書籍さんを推させていただきたいと思います。見た感じもすごく取っつきやすいというか、デザインがすごくフレンドリーな感じで、算数がちょっと苦手だった子も入りやすい感じのデザインになっているのが一つと、あと、やはりQRコードのほうで、自学自習の分と、あと、授業で使う分がしっかり用意されているということで、やはり皆さん、数学ってやっぱり進度に差があるものなので、自学自習をして、テスト前とかに追いつくようなことができるようなものだといいんじゃないかなということで、東京書籍さんを推させていただきます。 【教育長】  では、海沼委員、お願いします。 【海沼委員】  私も東京書籍のほうを推させていただきたいと思います。というのは、1年生のところ、第0章というところから、小学校の算数から数学への学びを円滑につなげているということと、1時間の問いが具体的にどんなことを表しているのかを考えてみようとかというのが、ちょっといいのかなと思いました。  それから、また、品川区は小中一貫で行っているので、1年生の256ページでしたっけ。「学びのベース」というのがありますね。そこで、小学校の算数を内容ごとに分かりやすく振り返るページがあるということがいいのかなと思いました。 【教育長】  ありがとうございます。  私も東京書籍を推したいと思います。冒頭、説明があったとおり、数学については、学力差が比較的大きいというところで、学力が低い子供たちを中心とした教科書であってほしいなというところが一つあります。  もう一つは、若手の教員がこの教科書を使って、どう教えていくかというところを考慮すると、やっぱり教えやすいというところで、東京書籍がよろしいんではないかと思いました。  以上です。  皆さんからいただいた御意見で、東京書籍を推す意見が多いので、東京書籍に仮決定をすることといたしますが、御異議ありませんか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  それでは、数学は東京書籍に仮決定をいたします。  続いて、理科について説明をお願いします。  指導主事。 【指導主事】  では、私からは、理科の教科書について御説明いたします。資料1-2を御準備ください。  理科の学習においては、自然の事物・現象を質的・量的な関係や、時間的・空間的な関係などの科学的な視点で捉え、比較したり、関係づけしたりするなどの科学的に探究する方法を用いて考えること、いわゆる理科の見方・考え方を働かせながら、知識、技能及び思考力、判断力、表現力等を身につけていきます。そこで、学習したことを生活に生かしていくよう、理科の学習と日常生活との関連を図った指導方法を充実できるよう工夫することが重要であると考えます。  なお、理科の年間授業時数は、7年生は105単位時間、8年生、9年生は140単位時間となっております。  では、それぞれの観点について、主な内容について御説明いたします。  資料1-2を御覧ください。  まず、1、内容面についての特色です。  (2)内容の分かりやすさへの配慮について。各社、2年生の教科書、オレンジ色の付箋をお開きください。ここでは、物質の電気分解について紹介させていただきます。  順番に、東京書籍は、実験の結果から変化の様子を説明し、分解について、文章と図で分解できないところまでの解説した記載がございます。  大日本図書では、実験結果の簡潔な説明と分解の図の記載がございます。なお、分解の文字は、こちらは太字になってございません。  続いて、学校図書に行きますが、先に原子を学んでいるため、簡潔な結論と分子の図が記載されてございます。  教育出版は、端的に結論と図を記載し、唯一キーワードを、電気分解のところですが、赤文字を使用して記載してございます。  啓林館は、実験結果から結論を導く説明と図があり、まとめのそばにある「Action」の項目で、探究的な視点での問いについても記載されています。  次に、構成と分量の特色についてです。  (1)内容の配列の仕方、単元・教材等の系統性や発展への配慮について、各社、1年生の青色の付箋を御覧ください。ここは各社の目次が載ってございます。  東京書籍、大日本図書、学校図書、教育出版は、学年ごとに配列を変え、発達段階に応じた科学的概念の形成に配慮した単元配列としています。  啓林館は、各学年とも、生物分野・地学分野・化学分野・物理分野の順に配列しておりますが、単元の番号はつけず、どの単元からも学習できるよう配慮しています。  次に、4、学習活動の特色についてです。  (1)主体的・対話的で深い学びの実現に対する配慮、(2)課題や問題を見付け、その解決に向けた学習に対する配慮についてです。各社、3年生、教科書に載っている緑色の付箋をお開きください。ここでは、単元末の構成について御説明いたします。  東京書籍は、「社会につながる科学」のコラムを掲載し、その分野に関する人物の紹介をしています。  大日本図書では、「つながる×Science Press」で、その分野に関連する事象を紹介しています。  学校図書では、「学習のまとめ」として、問題演習となっています。  教育出版では、「広がる科学の世界」のコラムで、その分野に関連する事象や人物を紹介しています。  啓林館では、「みんなで探Qクラブ」で、その単元に習得した知識、技能を活用した探究の演習となっています。  また、各学年の巻末には、「探Qシート」がついています。  次に、5、造本の特色についてです。  (2)製本については、各社とも体裁がよく堅ろうで、差異はありません。  大きさについてです。  B5判より左右に広いAB判が、東京書籍、学校図書、啓林館です。  AB判を縦に3ミリ拡大した判型が、教育出版です。  B5判となっているのは、大日本図書です。  最後に、7、総合所見での特色についてです。資料1-2を御覧ください。  東京書籍では、ページの下部に「問題発見」、「実験」「分析」「解釈」「活用」など探究のステップをアイコンで示し、探究の過程の見える化がなされており、学習者および指導者がともに使用しやすいつくりになってございます。  大日本図書は、全体を通して、明快な構成で分かりやすい文章と効果的な図で学習をスムーズに進める工夫がございます。  学校図書は、「思考をさらに深める」というタイトルで高校入試問題や、全国学力定着度調査の問題を使って解き方が示されています。  教育出版では、単元の章ごとに「学習前の私」、「学習後の私」という吹き出しがあり、生徒が自身の変容を確認できるようになっています。  啓林館は、「探究」に力を入れており、大きな特徴となり、単元の始めと終わりに、同じ問いに対して、学ぶ前と学ぶ後で理科の見方・考え方を通して、学びを深められる構成にしております。  また、随所で「Action」という形で「問い」を立て、その都度自分の考えを整理・表現する構成になってございます。  以上で説明を終わります。御協議、よろしくお願いいたします。 【教育長】  説明が終わりました。質問や意見をお願いします。  稲垣委員。 【稲垣委員】  ありがとうございます。啓林館さんが探究に力を入れているということなんですけれども、探究学習ってすごくやっぱりファシリテーション力が必要になると思うので、経験の浅い先生たちにこれがどこまで使いこなせるのかなということと、やはり探究って理科だけではなくて、本当に全部に関わるもので、そもそも探究って、子供がこれってどういうことだろうという疑問を持つところから始まるものでもあるので、少しちょっと本来の探究とは違うのかなという気はするんですけれど、ここで探究が面白いって思ってほしいなってすごく思うので、先生が指導力的に、これを十分に活用できる感じでしょうか。 【教育長】  指導主事。 【指導主事】  ありがとうございます。まず、品川区の若い先生方にどのように使っていただけるかなというところを含めて、調査研究会のほうでは、日々、話をしていきました。その中で、やはり基礎、基本を学んだ後にどうやって使っていくか、理科の知識をというようなところで、発問はやはり難しいよねというような意見が数多く上がりました。その中で、やはり実験のすぐそばに、啓林館ですと「Action」という形で発問が書いてあるので、こういった発問を若手の教員がヒントとして、探究学習の進め方のリードというような形で学んでいければ、探究のきっかけ、探究学習を進める上でのきっかけに有効ではなかろうかというような意見が出ました。以上です。 【稲垣委員】  ありがとうございます。 【教育長】  よろしいですか。 【稲垣委員】  はい。 【教育長】  じゃあ、海沼委員、何か。 【海沼委員】  調査研究会の先生方は、特にどのような観点を重視して調査をしていただいたのかなと思いまして、お伺いしたいと思います。 【教育長】  指導主事。 【指導主事】  それぞれ先生方が、理科の中でも、やはりタブレットのほうは日々使っていまして、実験の様子を録画して、その後、生徒の中で振り返りをして発表したり、実際にスローにして見て、変化の細かいようなところに気づけたりというようなところの学びのところで、実際、それぞれの各社、QRがついていまして、東京書籍ですと、QRの横にタイトルがあって使いやすいねとか、大日本図書はついていないねとかというようなところで、あと、学校図書もタイトルがない。教育出版のほうは、QRがタイトルがあって、ページの下の角に構成されている。啓林館のほうは、QRにタイトルがあって、ワークシートがちょっといろいろなタイプあるよねということで、PDF、ワード、Googleのスプレッドシート、Formsにもつなげられそうだというような意見もあって、そういったところでQR活用することもできそうであるというような先生方の意見も出ました。以上です。 【教育長】  よろしいでしょうか。  ということは、QRコードの活用をかなり重視したというところの御説明ということでよろしいですか。  指導主事。 【指導主事】  おっしゃるとおり、今後、やはり実験で取った記録をすぐに打ち込めるというような取り込みやすいシートが豊富にあったというところは、選ぶポイントの一つになりました。以上です。 【教育長】  ありがとうございます。  私からも伺いたいんですけれども、学力差がかなり出てくるかなというところ。理解の進み具合の差ですよね。というところもあって、丁寧な解説とか動画が入っているものが幅広い学力の子供たちに使えたらいいのかなというのが一つあります。その上で、指導者も、生徒たちも両方とも使いやすいものが一番いいかと思うんですけれども、そういう視点での議論ってあったと思うんですが、QRコードについては、今、お話ありましたけれども、教科書、紙ベースでの話って、どういうふうにでましたか?  指導主事。 【指導主事】  紙のほうですけれども、実際に若手の先生たちが、各社、朱書きで危険なところを強調していたり、マークをつけて、例えばゴーグルのマークだったり、要換気のマークであったりということで意識づけして、安全の配慮というのはなされています。  また、それぞれ各社ですけれども、QRの動画で実験の手順というようなところも紹介されているので、ここの部分は差異がないというふうに捉えています。 【教育長】  分かりました。特にこの教科書がちょっと高度な内容まで行っているから、少し学力の低い子たちには使いにくいだろうとか、そういう話にはならなかったというところでよろしいですか。  指導主事。 【指導主事】  学校図書は、最後のところのほうは、問題で終わっていたりというところで、先生方としては、コラムでとか、そういった考えて深めていく部分でその単元を終えたいというふうな話が多くて、実際に生活していく中で、今習ったことがどんなところに生かされて、どういう人が就職して働いているかみたいなところもヒントとして載っていて、ちょっと希望がある終わり方であってほしいというような意見が出たので、実際、終わり方としては、問題ではなくて発問であったり、コラムであったほうがいいというふうな意見が出ました。 【教育長】  ありがとうございます。  ほかにありますでしょうか。  では、ないようですので、質疑や意見が出終わりましたので、最終的にどの教科書を推すのか、御発言をいただきたいと思います。  稲垣委員からお願いします。 【稲垣委員】  2つあって、1番が東京書籍、2番が啓林館とさせていただきます。  東京書籍の一番、私がいいなと思ったのが、1年生の教科書の4ページにキャラクターのイラストが、結果が予想と違ってもいいんだよってそこに書いてあって。1年生の4ページですね。どうやって実験するみたいな話の中で、私も理系だったので、予想と違う結果が出ることって全然ありなので、そういうことがちゃんと言及されているのがすごくいいなというところが一つと、あと、この1年生の246ページとかにあるのも、薬品の性質と取扱いの注意と、量の測定と表し方とかのまとめがしっかり載っているんですね。  なので、分かりやすいのでいいなというところと、あと、18ページに、タブレットで観察しているんですよ。ほかのは、スケッチしてみようとかという教科書が多いんですけれども、多分、今の子供たち、観察に行ったら、タブレットで写真撮ってくるんじゃないかなと思うので、その辺の時代に即しているのがいいなということと、あとは、やはり見開きがすごく見やすい。  問いが分かりやすくて、すごく見やすいのと、あと、探究につながる問いを入れてくれているのがすごくいいなと思って、28ページとかだと、花のつくりにはどのような共通点があるんだろうかという問いのところに、構想で、どうやって花を観察すると、花のつくりの共通点を調べることができるのか考えようって書いていて、子供が考えやすいような問いになって、ほかの教科書だと、共通点を探してみようとかという形になっているので。なので、ちょっと見やすいかなって。子供が自分で考えて取り組みやすい。あと、やっぱり左に内容があって、右に観察の仕方が全部まとまっているとかいう、このレイアウトがすごく見やすいなということ。  あと、啓林館さんも、やはり探究にすごく力入れてられて、PDFだけじゃなくて、様々なファイルで、今、子供たち、ワードとかエクセルとか使っているので、そういったものでも編集できるものがあるというのはすごくいいなということで、気に入ったということで、2つお願いします。 【教育長】  海沼委員、お願いします。 【海沼委員】  私は2つあるんですけれども、2社ありまして、啓林館と教育出版がいいなと思いました。  教育出版のほうは、4ページになるんでしょうか。探究の進め方というところが、ここが広がるんですね。広がって、ずっとほかのところを見ながら、ここを見ながら使えるというところが、非常にちょっと特徴があっていいのかなと思いました。  それと、また、文字が大きくて見やすいということと、レポートの書き方、それから、「理科室のきまりと応急処置」なんかを紹介されていることがよかったのかなと思いました。  あと、また、巻末の資料が充実しているということが一番いいかなと思いました。  また、啓林館のほうでは、今おっしゃったとおりに、探究の学習を進めるに当たってというところが、とても「探Q実験」とか「探Qシート」など、探究学習を進めることを強く意識した構成になっているということが、非常に指導しやすいのかなと思いました。 【教育長】  ありがとうございます。  私は啓林館がよろしいと思います。理由としましては、皆さんから出ていますけれども、今の学習指導要領の中で、探究というものを進めていこうという中で、いろいろな力量の差がある教員でも使いやすい教科書になっているのかなというところと、後ろに「探Qシート」がついていて、これ、本当に教員も子供たちも使い勝手がいいものではないかと思いました。  あとは、QRコードのほうも充実をしているということで、各単元のQRにタイトルや画像があるというところで、QRコードのほうも使いやすいコンテンツになっているというところで、啓林館を推したいと思います。  ということで、皆さん、御意見を言っていただいたところなんですが、どなたも啓林館が入っているというところで、啓林館ということでよろしいですか。  では、啓林館を推す意見が多いので、新興出版社啓林館に仮決定することといたしますが、御異議ありませんか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  それでは、理科は新興出版社啓林館に仮決定いたします。  ここで、10分間の休憩を挟みます。再開は3時2分でお願いします。 ( 休  憩 ) 【教育長】  教育委員会を再開します。  次に、日程第3、報告事項1、学校選択制の運用等について説明をお願いします。  学務課長。 【学務課長】  それでは、学校選択制の運用等について、説明をさせていただきます。資料3を御覧ください。  こちら、内容といたしましては、令和7年度入学予定者に実施する学校選択制について、城南小学校を除外校とするものでございます。こちらの措置でございますが、令和5年度、6年度に引き続きのものとなります。  資料のほうの初めに、1、区全体の就学人口の動向についてです。区全体の就学人口について、小学校、義務教育学校前期課程は、令和19年度まで増加すると予測されてございます。  次に、2、城南小学校の施設の現状と課題です。  (1)の表は、城南小学校の全児童数、学級数と新1年生の推計となります。これまで教育委員会のほうで報告している数字となります。  (2)、(3)に記載しておりますが、城南小学校の普通教室は28学級が、現状では限界となってございます。  また、敷地や児童の安全確保の点から、増築も困難な状況でございます。  そのため、3の対応策になりますが、令和6年度に引き続きまして、令和7年度入学予定者についても、学校選択除外校に設定するものでございます。  なお、学校案内等で保護者に除外校について周知をしてまいりますが、併せて、前回の教育委員会で審議、決定いただきました通学区域の変更についても、周知をしてまいります。  学校選択制の運用等については、説明は以上となります。 【教育長】  説明が終わりました。質疑はございますか。よろしいですか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  では、学校選択制の運用等については、よろしいでしょうか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  では、本件は了承いたします。  次に、日程第4、その他、令和6年7月、8月行事予定について(日程変更)、説明をお願いします。  庶務課長。 【庶務課長】  それでは、日程4、その他でございます。令和6年7月、8月の行事予定、日程変更でございます。  7月につきましては、来週の23日火曜日に定例会、こちらは14時から予定どおりですが、7月30日に予定しておりました臨時会につきましては、8月8日の木曜日に日程の変更を行い、14時半から臨時会を開催するということで、よろしくお願いいたします。  以下、予定どおりの内容になっておりますので、御予定方、よろしくお願いいたします。説明は以上です。 【教育長】  質疑はございますか。  では、令和6年7月、8月の行事予定について(日程変更)はよろしいでしょうか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  では、本件は了承いたします。  先ほど決定しましたとおり、非公開の会議を開きますので、傍聴の方は御退出願います。 ―― 了 ――