2023年11月1日号 広報しながわ
しながわを学ぼう 通いの場(地域介護予防活動)
応援したい! 笑顔の毎日!!
「通いの場」をご存じですか
通いの場とは別名、「地域介護予防活動」。高齢者の方々が、介護予防や健康づくりなどを目的として、自主的にグループで活動する「場」を通いの場と呼んでいます。
グループの活動に参加するだけでも介護予防やフレイル予防になり、一人ではなく、仲間とともに「みんなで」活動することで予防の効果が高まるといわれています。
区では、通いの場の登録制度を4年10月より開始し、グループでの活動を支援しています。
通いの場では実際にどのような活動が行われているのか、ご紹介します。
「フレイル」とは
加齢にともない、体力や気力、食欲、活動量などが低下し、虚弱になっていく状態をいいます。
フレイルが進行すると、日常生活に支障が出始め、外出がしづらくなったり、閉じこもりや孤立に陥りやすくなったりして、それがさらに進むと要介護状態になっていきます。
フレイルの兆候に早めに気づき介護予防に取り組むことで、健康な状態に戻すことができます。
「通いの場」から笑顔と元気の輪が広がっています
通いの場は、介護予防やフレイル予防を目的とした自主活動の場です。地域の仲間とともに活動に取り組むさまざまなグループが生まれています。
楽しい毎日を送るために地域の仲間とフレイル予防
フレンドシップサークル(八潮)
私たちのサークルは、週1回集まり、品川区介護予防体操を行うほか、アップテンポのダンスを取り入れたり、ジムの器具を使ったりして、体力づくりを目的に活動しています。「イチ、ニ、サン、シ……」とみんなで声を出しながら体操していると、ふっと10代の頃の部活動を思い出しますね。これは心のフレイル予防になっていると思います(笑)。
いくつになっても「生活が楽しい」「生活を楽しむ」ということは、とても大切なこと。そのためには体力維持、特に筋力が落ちないように体を動かすことが必要です。サークルのメンバーには今年89歳になる方もいらっしゃいますが、みなさん「バスの乗り降りが楽になった」「歩く力がついた」とおっしゃっており、やればやっただけの効果を実感しています。
この歳になって地域に仲間がいることは本当に幸せです。体を動かし、声を出し、笑い、若い人たちにはまだまだ負けないという気持ちでやっています。
- 会長 黒坂通宏さん
みんなでやると伸びなかった体も伸びる!?
活動が終わると大きな笑顔がこぼれる
〈品川区介護予防体操を配信中です〉
仲間がいるからできますね
体を動かすことが必要だと思っても、一人ではなかなかできないものです。仲間がいて、こうした「場」があるからできるのですね。
ここへ来れば少々調子がすぐれなくても、みんなと体操しているうちに自然と体が動いてきますし、続けることで、足がつったり、突っかかったりということが少なくなりました。お話ししたり、時には悩みを聞いてもらったりするのもうれしい時間です。
ここで体操すると体が変わるのがわかります
来る時はバスに乗ってきますが、帰りは歩いて帰ります。ヒザの調子がよくないのですが、ここで体操すると変わるんですね。今年で89歳になりますが、地域にこうした場所があることに感謝しています。
「通いの場」に登録しませんか?
通いの場に登録しました!「生活工房ひとくふう」
スマートフォンやパソコン、タブレット。デジタルツールを利用して、生活が便利になる情報を誰もが取得できるよう、「生活工房ひとくふう」ではスマートフォンの使い方やアプリの活用術などの講座を開催しています。代表の山本栄子さんは「高齢者の方たちにこそ、毎日の暮らしに役立つツールとしてデジタル機器を使いこなし、快適な生活を送っていただきたいなと思います」とおっしゃいます。
また、歳を重ねながら住み慣れた地域で豊かな生活を送るためには、認知症予防やフレイル予防について学んだり、実際に体を動かしてみたりすることも大切です。通いの場に登録すると「品川区介護予防体操講座」や「フレイル予防講座」など、4つの講座を利用することができます。通いの場から、元気の輪が広がっています。
生活工房ひとくふうの「スマートフォン教室」の様子
- 参加者の声
- 住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、認知症予防・フレイル予防が必要だと思います!
登録できるグループの基準は次のとおりです
- ・原則、半数以上が区内在住か在勤で、自主的に活動している
- ・5人以上で、半数以上がおおむね60歳以上である
- ・介護予防、健康づくりを目的として、活動を月1回以上実施している
登録には「地域介護予防活動登録申請書」の提出が必要です。また、助成の対象となる活動を行うグループには、活動費の一部を助成します(最長1年)。
詳しくは高齢者地域支援課までお問い合わせください。
「通いの場」では4つの講座が利用できます
「健康寿命」や「介護認定」に大きく影響するのが「フレイル」です。通いの場に登録すると、フレイル予防に関する4つの講座を利用することができます。講座はいずれも「品川区介護予防による地域づくり推進員」(以下:推進員)が出張し行います。
品川区介護予防体操講座
「品川区介護予防体操」は、令和3年に区が作成した高齢者向けの体操です。転倒予防、フレイル予防を目的とした内容です。講座では、実際に体を動かしながら体操のポイントなどについて、推進員がアドバイスします。
体力測定会
握力や歩行スピード、バランスなどを測定します。数値化することで、客観的に現在の体力を知ることができます。測定後は、日常生活や体力増進のためのポイントをお伝えします。
フレイル予防講座
フレイルを理解し、フレイル予防について学ぶ講座です。「フレイルとは何か」「フレイルを予防する3プラス1のポイント」など、すぐに実践できる取り組みをわかりやすくお伝えします。
認知機能活性化講座
予防だけではなく、いま持っている認知機能をさらに磨き、活性化させるための運動や体操、簡単な計算を解くなど、日常生活でできる「さまざまな刺激」を紹介します。
地域のご縁の中で健康寿命を延ばす通いの場
- 品川区介護予防による地域づくり推進員 伊藤滋唯先生(理学療法士)
私たちがお手伝いします!
健康寿命を延ばすためには、介護予防体操をしたり、フレイル予防に取り組んだりすることが大切ですが、それを地域の仲間と「みんなで」行うのが通いの場です。「1人でやってもいいじゃないか」と思う方もいらっしゃると思いますが、隣の人と声をかけ合ったり、笑い合ったりしながら行う「刺激」、グループ活動などに自主的に「参加」すること(社会参加)が、なによりの健康、元気の素(もと)になるといわれています。
通いの場のような場所が増え、人と人とのご縁、人と地域とのご縁が結ばれ、それが豊かな地域づくりにつながっていくのです。いつまでも元気でいることは自分が幸せであるだけでなく、地域や社会にも幸せを運んでくれるのだと思います。
フレイル予防講座を利用しました
9月19日(火)に、通いの場に登録している高齢者クラブ「旗一おもと会」では、フレイル予防講座が開催されました。「知っているつもりでも先生に話していただくと違いますね。みんなで集まることのできるこうした場があることの大切さも改めて実感しました」と、赤石学会長。参加者の方たちからも「わかりやすい」と好評でした。
楽しくわかりやすく講座を進める伊藤先生
わかりやすいと好評だった資料。1日に「何を」「どのくらいの量」食べたらよいか写真で説明
「いつまでも若々しくいることができるように」と赤石会長
フレイル予防教室を開催します!
今日からできる健康長寿のポイント~コロナフレイルを乗り越える~
教室名(地区) | 日程 | 時間 | 会場 |
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品川 | 11月28日(火) | 午後2時~3時30分 | 品川第一区民集会所(北品川3-11-16) |
大崎 | 11月30日(木) | 午後2時~3時30分 | 大崎ゆうゆうプラザ(大崎2-7-13) |
- 講師
- 品川区介護予防による地域づくり推進員
- 対象・定員
- 区内在住か在勤の方各20人(先着)
- 申込方法
- 電話かFAXで、教室名(地区)、住所、氏名、電話番号を高齢者地域支援課介護予防推進係(電話/03-5742-6733 FAX/03-5742-6882)へ
問い合わせ
高齢者地域支援課介護予防推進係(電話/03-5742-6733 FAX/03-5742-6882)