2026年8月1日号 広報しながわ
【品川区制80周年記念】品川80年の足跡をたどる vol.5
- 品川区制80周年記念ロゴ

来年、区制80周年を迎えるにあたり、時代とともに品川区の歴史を振り返ります。
vol.5「緑豊かな近代都市をめざして」(1973~1981年頃)
昭和48(1973)年から56(1981)年にかけて、オイルショックや為替の変動相場制への移行などにより、工場のまち・しながわは大きな転換を迫られました。こうした中、区長公選の復活や特別区の業務内容の拡大、品川区長期基本構想の策定など、区政の役割を広げながら新たな都市づくりを進めました。
区長公選の復活
品川区では昭和47年に「区長準公選」を実施していましたが、昭和50年の地方自治法の改正により、特別区では24年ぶりに区長公選制が復活しました。昭和50年4月の区長選挙は投票率55.2%で多賀榮太郎氏が当選。準公選投票の38.7%を上回ったものの、当時の首長選挙と比較すると投票率の低さが指摘されました。一方で、区長が長年選挙で選ばれなかったことによる区政への関心の低さが背景にあり、公選復活は、そのような人たちの目を区政へ向けさせる第一歩となりました。
同時に、多くの事務が都から区へ移管されました。なかでも最大のものは保健所業務の移管で、例えば予防接種は都と区の間で煩雑な事務処理が行われていましたが、移管により迅速な実施が可能となりました。なお、保健所を設置できる市は、政令で定められた市のみであり、その点では、特別区は一般市以上の権限を持つこととなりました。

大井町駅前に立てられた選挙啓発塔(昭和50年)

品川保健所職員による食品検査(昭和51年)
施策を体系的に進める計画行政がスタート
昭和40年の都から区への事務移管により区の業務は増大し、地域の現状を踏まえた計画的な行政運営の必要性が高まりました。区は、行政需要を的確に把握するため、昭和43年に「品川区長期展望」の策定方針を決定し、統計等をもとにした基礎調査や区民意識・意向調査を重ね、昭和46年6月に最終報告が完成しました。
この品川区長期展望をもとに、区の将来像を示す長期基本構想の検討を進めるため、長期計画審議会を昭和46年7月に設置。その後、昭和50年の改正地方自治法により、長期基本構想に沿った行政運営が市町村に義務化される中、昭和51年に「品川区長期基本構想」を策定しました。これは特別区では初の地方自治法に基づいた長期基本構想となり、区における計画行政の本格的なスタートとなったのです。
この構想では、区の将来像を「住宅と産業の調和のとれた緑豊かな近代都市」と掲げています。昭和50年都区制度改革を受け、区は「みどりの行政」をうたい、1) みどりの保全策、2) 公共施設の緑化、3) 民間施設の緑化を三本柱として緑化事業を体系化するとともに、公園整備を積極的に進めました。また、昭和53年に、緑が回復し小鳥がさえずる、緑豊かな近代都市にふさわしいシンボルを選ぶため、区民投票や選定会議を経て、区の木(シイノキ・カエデ)、区の花(サツキ)、区の鳥(ユリカモメ)を決定しました。さらに昭和59年には「品川区緑の基本構想」を策定し、区の面積の23%を緑被地とする「4分の1緑化」を目標に定めました。この基本構想に沿って、以後のまちづくりは進んでいきます。

品川区長期基本構想に沿って緑道として整備された立会川
- 次回予告
- 「区民がひとつになれるもの」(1982~1986年頃)
この連載は2014年に発行した「品川区史2014」から内容を構成しています。
「品川区史2014」は販売や図書館での貸し出しも行っています。ぜひご利用ください。
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