品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例について 誰もが生きがいを感じ、自分らしく生きられる品川 品川区は、すべての人が性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、誰もが自分らしく生きられる「ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会」の実現をめざし、区の施策を総合的 かつ計画的に推進するための基本理念などを定めた条例を制定しました。 この条例は、区がめざす社会の実現に向け、区民や事業者、教育関係者のみなさんと一緒に取り組みを進めていくための指針となるものです。区にかかわる多くの方とともに取り組むことで様々な生活の場面 での困難や生きづらさの解消につなげていくことができます。 性別等にかかわらず、一人ひとりがその個性を大切にし、その人らしさを発揮しながら、互いに尊重し合い、誰もが自分らしく生きられる社会の実現をめざしていきます。 令和6 年( 2 0 2 4 年) 4 月1 日施行 基本理念 区と区民、事業者、教育関係者のみな さんと一緒に取り組んでいくジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現に向け、9つの 基本理念を掲げています。 1人権侵害の根絶 性別等に起因する差別、配偶者暴力等、ハラスメントその他の性別等に起因する人権侵害が根絶されること 2多様な生き方の選択 すべての人が、固定的な性別役割分担意識にとらわれることなく、自分の個性や能力を発揮して、多様な生き方が選択できること 3平等な参画機会の確保 すべての人が、性別等にかかわらず、あらゆる分野において、立案や決定に平等に参画する機会が確保されること 4生活と仕事、学び、地域活動の調和 すべての人が、家事、育児、介護等の生活における活動と職場、学校、地域等における活動の調和がとれた暮らしを営むことができること(ワーク・ライフ・バランス) 5リプロダクティブ・ヘルス/ ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の尊重 すべての人が、妊娠、出産等のリプロダクティブ・ヘルス / ライツを認め合い、生涯にわたり健康で自分らしい生き方を選択できること 6ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を支える教育 学校教育、社会教育などの場において、ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を支える意識の形成やメディア・リテラシーの育成に向けた取組が行われること 7女性のエンパワーメント 女性が尊厳と誇りをもって自分自身の生活と人生を決定する権利を保障し、あらゆる参画の機会において、女性個人が持つ力を十分に発揮できること ※エンパワーメント:その人の本来持つ能力を引き出し発揮できるようにすること 8性的指向やジェンダーアイデンティティに起因する日常生活上の困難の解消 すべての人の性的指向およびジェンダーアイデンティティが尊重され、これに起因する日常生活上の困難等が解消されること 9国際社会・国内での取組に対する理解・推進 国際社会および国内におけるジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現に係る取組を積極的に理解し、推進すること 誰もが生きがいを感じ、自分らしく生きられる品川 ジェンダー平等とは 一人ひとりが性別にかかわらず、平等に責任や権利、機会を分かち合い、あらゆる物事を一緒に決められることを意味しています。 「男だから」「女だから」という理由で、生き方や働き方の選択肢が決められてしまうことがあり、これらをなくしていくことがジェンダー平等につながります。 SDGs とジェンダー平等 SDGs は、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030 年までに世界中のすべての国や人が協力して達成すべき目標です。 17 の目標の中には、女性に関する人権、自然環境を守るものなどがありますが、「ジェンダー平等の実現」は、5 番の目標として掲げられていて、SDGs の すべての目標を進めるうえで欠かせない、重要な取り組みになっています。 性の多様性とは 〜性のあり方は多様です〜 性のあり方は多様です。性はからだの性、こころの性、好きになる性、表現する性などさまざまな要素で構成されていて、一人ひとり違います。 性の多様性をお互いに認め合い、尊重していくことが大切です。 性別等とは 性は出生時に判定されたからだの性だけでなく、恋愛感情がどの性に向いているかの性的指向、自分の性をどう捉えているかというジェンダーアイデンティティなど、 一人ひとりの性のあり方は多様です。条例では「性別等」と表現しています。 性別等を理由とする差別や人権侵害を行ってはいけません セクシャル・ハラスメントや妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメント、DV(ドメスティックバイオレンス)などの性別等に起因する差別や人権侵害を行ってはいけません。 個人の性的指向やジェンダーアイデンティティに関するカミングアウトの強制や禁止、アウティングなど、性別等に起因する人権侵害を行ってはいけません。 カミングアウト 性的マイノリティ当事者が自身の性的指向やジェンダーアイデンティティについて他者に伝えること アウティング 本人の同意なく、その人の性的指向やジェンダーアイデンティティに関する情報を第三者に暴露すること 苦情や相談の申し出ができます 区が実施しているジェンダー平等社会推進施策などについて、苦情(苦しい事情)や意見を申し出ることができます。 必要に応じて弁護士などの有識者の意見を聴き、適切に対応していきます。 もやもやしていませんか? 〜 性別による思いこみや決めつけはありませんか〜 もやもやの種はこんなところにあります。 毎日の生活の中であらゆる場面に存在している無意識の偏見や思い込み アンコンシャス・バイアス 家庭では 女の子なんだからお手伝いしなさいと言われた 男のくせに泣くんじゃないと叱られた 共働きだけど買い物や帰宅後の食事の支度はたいてい妻がやっている 学校では 体育の時間の重い荷物運びは男子がやることになっている 理系の女子はすごいと言われた 学芸会での役決めは、男子がやる役、女子がやる役が最初から決められていた 職場では 来客時のお茶出しやお土産を配るのは女性が頼まれる 男性が子どもの用事で休むと「奥さんは休めないの?」と言われた 会社の受付は女性が多い その他でも 料理が得意だと言ったら「いい奥さんになれるよ」と言われた 車の運転は男性に任される 「彼女いるの?」「結婚はまだ?」と自分の気持ちや事情も考えず尋ねられた 区と区民、事業者、教育関係者の みなさんとともに 私たちは、一人ひとり顔が違うように、 性格や好きなこと、得意なことが違います。 全く同じ人はいません。その「違い」がその人の 個性であり、その人らしさでもあります。    性別等にかかわりなく、「自分らしく」「あなたらしく」を大切にしていきましょう。 そして、周りの人の「自分らしさ」「その人らしさ」も尊重し合い大切にしましょう。   ジェンダーにかかわる課題はたくさんありますが、一人ひとりが自分のこととして考え、 誰もが自分らしく生きられるジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会の実現を一緒にめざしていきましょう。 ジェンダー平等推進センター 〜 施策を推進していくための拠点施設〜 4月1日から男女共同参画センターはジェンダー平等推進センターに名称を改めました。 ジェンダー平等施策を推進していくための拠点施設として、講演会や講座の開催、ジェンダー平等の推進にかかわる団体の活動支援、各種相談事業などに取り組んでいきます。 開館時間 交流室 9:00 〜 21:30 事務室 9:00 〜 17:00 休館日 保守点検日、年末年始 事務室 土・日・祝日・年末年始 講 座 ジェンダー平等推進講座(年8 回) ジェンダー平等推進フォーラム2024(11 月9 日開催予定) みんなのひろば〜 LGBTQ 等やその友人、家族向け交流スペース〜(年4 回) 交流室 ジェンダー平等の推進に関する資料コーナーを利用し情報交換を行えます。 支 援 ジェンダー平等の推進にかかわる団体の活動支援 相 談 女性相談員による総合相談(法律相談・カウンセリング相談・DV 相談) こころのカウンセリングSNS相談 にじいろ相談(LGBTQ 専門相談) 問い合わせ 品川区ジェンダー平等推進センター 住 所 品川区東大井5-18-1(きゅりあん3階) 電話 03-5479-4104 FAX 03-5479-4111 令和6 年(2024 年)8 月発行