令和3年 第7回 教育委員会定例会会議録 とき 令和3年6月8日 品川区教育委員会 令和3年第7回教育委員会定例会 日時 令和3年6月8日(火)      開会:午後2時 閉会:午後2時30分 場所 教育委員室 出席委員  教育長 中島 豊       教育長職務代理者 菅谷 正美       委員 冨尾 則子       委員 海沼 マリ子       委員 塚田 成四郎        出席理事者 教育次長 米田 博 庶務課長 有馬 勝       学務課長 勝亦 隆一       指導課長 工藤 和志       教育総合支援センター長 矢部 洋一       品川図書館長 吉田 義信       学校施設担当課長 小林 道夫       統括指導主事 唐澤 好彦       統括指導主事 丸谷 大輔 事務局職員 庶務係長 菅野 祐輝       書記 稲生 彩夏       書記 根本 亮佑             傍聴人数 1名 次第 第38号議案 学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の立案請求について 協議事項 令和4年度使用教科書の採択事務処理について 令和3年第7回教育委員会 定例会 令和3年6月8日 【教育長】  ただいまから、令和3年第7回教育委員会定例会を開会いたします。  本日の署名委員には冨尾委員、塚田委員を御指名いたします。よろしくお願いいたします。  本日はオンラインでの開催となりますので、お知らせいたします。  また、傍聴の方が別室で傍聴していただいておりますので、合わせてお知らせしたいと思います。   それでは、本日の議題に入ります。  日程第1、第38号議案、学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の立案請求について。事務局から説明をお願いいたします。  指導課長。 【指導課長】  では、私から日程第1、第38号議案、学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の立案請求について説明させていただきます。  まずは1枚目の資料から説明させていただきます。改正の理由について。1、改正の理由を御覧いただければと存じます。品川区では独自の教育要領を定め、一貫教育や市民科、英語教育などを推進しており、教育課程を管理する校長は法令上の職務権限に加えて大きな職責を担ってきているところでございます。  特に、義務教育学校につきましては、1年生から9年生までの計画的な指導を展開する中心的な存在であり、その成果と課題は次期教育要領の改定に反映されるものでもあり、義務教育学校の校長はその一翼を担う立場であります。  そのため、学校教育職員、区固有教員の統括副校長を校長職に相当する職として義務教育学校へ任用・配置することができれば、品川区教育の推進の中心的な役割を担わせることができます。  これにより、都の人事異動に左右されることなく継続的な教育活動を展開・保障し、不断の教育改革を推し進めることにつながります。また、固有教員のキャリアプランも体系化され、人材育成の面においても効果が期待できるものです。  そこで、今回、区固有教員における校長職に相当する職として、新たに統括副校長の職を設置するため、給与に関する条例を改定するというものでございます。  次に改正の内容について。2、改正内容でございます。現行の5級職であり、現行職である副校長と区分し、6級職として統括副校長を校長級相当の職として位置づけるというものでございます。  (1)にございますように、ここで学校教育職員の給与に関する条例について、給料表と学校教育職員給料表等級別区分職務表へ6級を加えるという一部改正を行うものでございます。  (2)にございますように、給料表等の改正に伴い、学校教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例、及び、学校教育職員の旅費に関する条例について。これまで、5級としていた部分について6級を合わせて5級以上へと改める改訂を行うものでございます。  (2)については、(1)の改定条文の附則にて行うものでございます。  次に、3、職務内容でございますが、学校管理業務に加え、区の教育施策を担うことを想定してございます。ここで資料2枚目、A3の資料を御覧いただければと存じます。  大きく、職務権限・役割を示したのは資料の中段にございます。統括副校長の職務権限・役割ということでは、義務教育学校への配置を想定するところでございます。もちろん、校内、または中学校区・地域連携をする部分におきましては、学校管理業務に加え、記載の業務を行いますが、特には、区全体として示している一貫教育の推進、この中には先ほど説明をいたしました次期教育要領におきましては研究プロジェクトチームの委員長であり、また、教育会の審査研究部の部長など、特に区全体の一貫教育の推進などを担う立場になるということを職務内容の部分で考えているところでございます。  また、市民科あるいは英語教育なども含めながら、今回のコロナ禍における教育活動の展開なども含めて、ICTつきタブレットの活用など、喫緊の教育課題などがある場合には、それらの中心的役割も担っていただくと考えてございます。  資料1枚目に戻らせていただきます。施行の期日は令和4年4月1日を予定しております。本日御審議いただき議会へ上提したいと考えております。説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 【教育長】  説明が終わりました。教育委員の皆様、外の音が大分入ってきていると思いますので、発言される場合のみマイクをオンにしていただいてもよろしいでしょうか。  では、続けていきます。ただいま、事務局からの説明が終わりました。質疑に移ってまいりたいと思います。中身は、給与に関する条例の一部改正する条例の立案請求ですが、固有教員の校長級相当の職、6級職として位置づけるという内容的には非常に大きな内容にかかわるのではないかと考えます。ぜひ、給与面に限らず、このシステムの在り方等につきましても含めて、御質問をいただければと考えております。  それでは、御質問のある方からどうぞ挙手のうえ、はいと声をかけていただければと思います。よろしくお願いします。  では、先に冨尾委員、それから塚田委員でいきたいと思います。冨尾委員どうぞ。 【冨尾委員】  すみません、固有教員の先生方は、校長先生になるということはないということでしょうか、そもそも。 【教育長】  指導課長。 【指導課長】  現行の制度上でいきますと、5級職まで、給料表でいきますと5級職まで、副校長職までの職層しか規定がございませんので、加えて都費でいうところの校長職になることは、法令上現状ではできないということになりますので、以上で今回は6級職という創設いたしますけども、都費教員の校長という職そのものにはなることはできないというものではございます。 【冨尾委員】  分かりました。ありがとうございます。 【教育長】  よろしいですか。 【冨尾委員】  法令上ということですね。法令上、なることができない現状があるということですよね。分かりました。ありがとうございます。 【教育長】  このあとの質疑でもう少しその辺の事情が出てくるのではないかと思います。  では、塚田委員、どうぞ。 【塚田委員】  ほかの件ですが、統括副校長と校長の職務権限の違いといいますか、あと、ほかの副校長さんもいらっしゃるんですよね。その辺はどうなんでしょうか。 【指導課長】  ではまず、校長との職務権限の違いのところは、先ほどのA3資料をもう一度ご覧いただけますでしょうか。  特に、品川区の場合、義務教育学校における管理職の職務イメージという、これはあくまでもイメージですけれども、義務教育学校の校長先生の場合は、校長職務に加えて品川区の独自業務、ここは品川区だけ学習指導要領に代わる区立学校教育要領を定めておりますので、それに関すること。もちろん義務教育学校で前期課程、後期課程全体を担うこと。また、固有教員に関すること。品川区でいえば、市民科の教育会の部長を務めるなどがございます。  そういった業務を担っているところが、この統括副校長を義務教育学校に置くことによって、この品川区で独自に行っている職務につきましては、統括副校長が学校管理業務として副校長の業務も担いながら、これまで都費の校長が担っていた品川の独自職務は、副校長職務に合わせてこれは担うという部分が付け加わると考えております。  特には、先ほど申しました加えて区全体の一貫教育の推進、もちろん教育要領の次期改定など中心的な役割も当然のことながら担っていただくと考えてございます。  これまでは、都費の校長先生にそれらを担っていただいておりましたが、都費の校長先生は異動によって他区に行くということもございますので、この固有教員の方がそれを担っていただくと、品川区にずっと勤務するというところになりますから、より充実が図れる、推進を図れると考えているところでございます。  義務教育学校での配置の様子も合わせて説明させていただきましたが、いかがでございましたでしょうか。 【教育長】  塚田委員、いかがですか。  概略は分かったんですが、校長先生と統括副校長の意見が違った場合はどのように処理するんでしょうか。  指導課長。 【指導課長】  職務内容にもよりますけれども、その場合は校長の決定権が大きいと認識しているところではございます。  ただし、区全体で任されている一貫教育の推進が中心的な部分で言えば、その点については統括副校長の、職務権限としてはその役割を担わせるというものですから、そういった意味では大きい部分があると、それはケース・バイ・ケースのところもございますけれども、基本的に学校、校長としての立場役割につきましては都費校長という部分が中心になるのは変わりませんので、基本的には意見が食い違った場合、どちらを優先させるかというのはそのときどきで、そこは調整をしながらということになろうかと思います。  ただし、基本的には校長の権限というのは従前からございますので、そちらもありつつ統括副校長が場合によっては補佐しつつということもあろうかと思っているところでございます。 【塚田委員】  了解しました。 【教育長】  塚田委員、いかがでしょうか。よろしいですか。 【塚田委員】  了解です。 【教育長】  事務局は、内容的にもなかなか複雑な部分はありましょうが、説明をなるべく簡潔に、回答もなるべく端的にお願いしたいと思います。  これまで固有教員は副校長職まではおりましたけれども、その上を受験する、都でいうところの校長職に当たる部分を受験するという体制が出てくる中で、まず給与を整えていく必要が出てきたというところですね。校長という職につきましては、東京都が法令等に基づいてそれを定め配置しているため、区の固有教員の職としてはそこに実際になるのはなかなか難しい。これまでも都の教育委員会とさまざまなやりとりを続けてきたんですが、実際には難しい状況があり、そんな中で固有教員の校長職としての学校運営管理を実現する1つの方策として、この新たな統括副校長を設定したという経緯があろうかと考えております。  教育委員のほかの皆様、いかがでしょうか。御質問をお願いできればと思います。  冨尾委員、どうぞ。 【冨尾委員】  義務教育学校全てに統括副校長を配置したいという将来的な希望もあるということなんでしょうか。 【教育長】  指導課長。 【指導課長】  今御指摘いただきましたように、義務教育学校6校ございますので、それぞれ例えば1人ずつ配置した場合には6校ということもありますけれども、ただ、現在副校長をやっているものは1名というところでもございますので、それぞれの方のキャリアプランの中で、6人がそろうということもあるとは思いますけれども、現状枠としては6校あるとお考えいただいてよろしいかと思っております。 【教育長】  いかがですか。 【冨尾委員】  分かりました。キャリアのことを考えてということで、その可能性を広げるという意味でということだと考えてよろしいですか。 【教育長】  指導課長。 【指導課長】  まさに今御指摘いただいたとおりで、現在副校長として勤務している者が、例えば3年から4年後、各勤務する中では、通常都費でいえば校長職を担える力も当然のことながらスキルアップしていくと考えられますので、そういった者が活躍できるキャリアを用意するという必要もあるということも、今回の創設の考え方の中にあるものでございます。 【冨尾委員】  分かりました。ありがとうございます。 【教育長】  ほかにいかがでしょうか。  塚田委員、どうぞ。 【塚田委員】  よろしいですか。すみません。大体、教員になってから何年目ぐらいでこういうところまで来るんでしょうかね。 【教育長】  キャリアプランの状況かなと思いますが、指導課長。 【指導課長】  およその年限でございますけれども、通常、まず副校長職になると考えた場合に、およそ勤務して17、8年から20年程度のキャリアを積むと考えた場合でいうと、年齢でいうと42、3で、その後副校長を担ってから採用になりますので、大体は45後半から50代。東京都教育委員会におきましての校長職は50代で校長と目途を示されておりますので、大体それに合うかと思っておるところでございます。 【塚田委員】  了解です。 【教育長】  ほかにはいかがですか。  先ほど、塚田委員から2人の校長との職務のぶつかり合いが出てくるんじゃないかという御意見がありましたので、実際に今の豊葉の杜学園、こちらが校長2人、副校長2人体制でスタート時には経営を行ってきた経緯があります。その中でも2人が役割分担をしながらうまくバランスをとって、連携して実績を上げてきたという経緯がありますので、こういう事態になったとしても、そこはうまく補完しあってくれるのではないかと期待はしているところです。  さて、ほかの委員の方々、質疑がもうないようであれば採決に入っていきたいと思いますが、よろしいですか。  それでは、学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の立案請求について。本件は原案どおり可決することに御異議ありませんか。 (「異議なし」の声あり) 【教育長】  異議なしのお声が全員でございますので、本件は原案どおり可決することと決定いたします。  本日の2つ目の議題ということになります。これは協議事項です。令和4年度使用教科書の採択事務処理についての説明を事務局よりお願いいたします。  教育総合支援センター長。 【教育総合支援センター長】  本件につきましては、統括指導主事より御説明申し上げます。 【教育長】  統括指導主事。 【統括指導主事】  それでは、令和4年度使用教科書の採択事務処理について説明をいたします。  資料2を御覧ください。まず、資料の上段、小学校用教科書についてですが、令和元年度に採択をし、令和2年度から使用している教科書を令和4年度においても継続して使用いたします。  次に、資料の下段、特別支援学級教科書についてを御覧ください。こちらも、例年と同様に学校教育法附則第9条に基づき、8月31日までに採択事務を行ってまいります。  次に、資料の中段、本日御協議いただきたい中学校用教科書についてですが、こちらは令和2年度に採択をし、令和3年度、今年度から使用している教科書になります。こちらは、令和4年度においても継続して使用することを原則といたします。  ただし、中学校社会の歴史的分野の教科書について、令和元年度に検定審査不合格の決定となりましたが、令和2年度に再申請をし、検定を経た教科書がございます。採択権者の判断により、中学校社会の歴史的分野の教科書についてのみ採択替えを行うことも可能となっております。  しかしながら、現行の教科書を採択する令和2年度に教育委員会で十分審議をし、7社の中から採択を行ったこと、教育委員会で十分審議したことと、また、歴史的な見方、考え方について具体的な解説を基に示していることなどが採択理由となっており、本区の生徒の実態や指導したい内容に合っております。また、採択替えをすることにより、令和4年度の7、8、9年生でそれぞれ異なる教科書を使用することとなり、指導者にとって負担ともなります。  事務局といたしましては、これらの理由から採択替えを行わないことを提案したいと思っております。なお、教科書の法定展示は6月11日から26日まで、特別展示は、6月28日から7月8日まで教科書センターにて実施をいたします。御協議よろしくお願いいたします。 【教育長】  説明が終わりました。協議に入ってまいりたいと思います。今の内容につきまして、御意見または御質問等あればお願いしたいと思います。  菅谷教育長職務代理者。 【菅谷教育長職務代理者】  私ども、教科書の選定につきましては、相当の時間をかけて4年間使うということを前提にして会議を行ってまいりました。  この時間と労力、私たちだけじゃなくてその資料を作っていただいた委員会の方、いっぱいおいでになると思うんですね。それから、現実にもう使っている学校があります。  そのことを考えたときに、私ども採択権者として、今までやってきたことを無にしてもう一度やる必然性はないと思います。あれだけ一生懸命やったのでこのまま使っていけばいいと思います。  この教科書は見ておりませんので、門前払いじゃないけど、昨年の採択の中に出てこなかったということを考えたときに、それだけ問題があるんだなと私は思っています。  採択ですから、皆さんの意見を聞きながらですが、私はこれを採択にかける必然性はないと、また現場が混乱することをしたくないなと思っております。以上です。 【教育長】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  塚田委員、どうぞ。 【塚田委員】  私も菅谷先生の意見に賛成です。あれだけ時間をかけてやって、また選びなおすというのは困るし、実際に学校で使っているのをまた違うものにするというのは大変な労力が要ると思うので、このまま採択替えは行わないということでよろしいかと思います。 【教育長】  ありがとうございます。ほかにはいかがですか。  冨尾委員からいきましょう。その後、海沼委員いきますので。 【冨尾委員】  私も、菅谷先生や塚田先生の意見と同意見でして、昨年労力を要して教科書を採択してきたということと、現段階でもう既に使っている学校もあり、それを指導される先生方もその教科書に対して、指導法を研究なさったりという現状を考えますと、昨年度のままということでよろしいんじゃないかと思います。 【教育長】  分かりました。海沼委員、どうぞ。 【海沼委員】  私も同意見なんですけれども、ただ、今年出てきた教科書に何か新しいことが書いてあったということがあるんでしょうか。 【教育長】  これは、事務局への質問ということでよろしいですね。  事務局、どうですか。  統括指導主事。 【統括指導主事】  各社特色がありますので、昨年度比較していただいた7社とはまた違った特色は持っているところです。  ただし、昨年度御審議していただいた中で、見方、考え方というところを重視した観点で見させていただくと、現行の教科書、昨年度採択していただいた教科書が勝っているというのが事務局の判断です。 【海沼委員】  ありがとうございます。では、現行の教科書でよろしくお願いしたいと思います。 【教育長】  分かりました。皆さん、それぞれ本年度の採択替えは必要ないのではないだろうかという御意見かと思います。  私もやはりこちら側の採択ということではあるんですが、実際に学校現場で教科書を使っている生徒たち、9年生は去年私たちが採択した前の教科書を今使っている。そして、8年生は去年採択した教科書を使う。7年生がもしもこちらの教科書を使うということになれば、先ほど事務局からの説明がありましたように、学年が全部違う会社の教科書を使わなくてはならないということになり、特に今人数が少なくなっている社会科の教員の負担、それ以上に子どもたちの学年ごとの接続のとまどい、不安、こういったものが心配される状況があろうかと思いますので、私も採択替えは行わずに、現行の教科書を使用するという方向で考えるのがよろしいかなと思います。  それでは、こちらの令和4年度使用教科書の採択事務処理につきましては、小学校、特別支援学級含めまして、事務局の提案どおりということでよろしいでしょうか。 (「異議なし」の声あり) 【教育長】  それでは、本件も了承いたします。  教科書展示が行われるということでありますので、委員の皆様も一度今年度出てきた教科書につきましては、お目通しをいただいておくとよろしいかと思います。  今日の議題はこの2つです。事務局からそのほか何かありますでしょうか。 【事務局】  特にございません。 【教育長】  それでは、本日の議事日程はこれで全て終了となります。  閉会を宣告いたします。オンラインでということでは初めての教育委員会の開催、30分間ということでありました。慣れない状況があって、少し聞きにくいところもあったかと思いますが、御容赦いただければと思います。お疲れさまでございました。 ―― 了 ――