令和3年 第14回 教育委員会定例会会議録 とき 令和3年10月26日 品川区教育委員会 令和3年第14回教育委員会定例会 日時 令和3年10月26日(火)      開会:午後3時1分 閉会:午後4時17分 場所 教育委員室 出席委員  教育長 中島 豊       教育長職務代理者 菅谷 正美       委員 冨尾 則子       委員 海沼 マリ子       委員 塚田 成四郎        出席理事者 教育次長 米田 博   庶務課長 有馬 勝       学務課長 勝亦 隆一       指導課長 工藤 和志       教育総合支援センター長 矢部 洋一       品川図書館長 吉田 義信       学校施設担当課長 小林 道夫       統括指導主事 唐澤 好彦       統括指導主事 丸谷 大輔 事務局職員 庶務係長 菅野 祐輝       書記 稲生 彩夏       書記 根本 亮佑             傍聴人数 1名 その他 品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づき、会議の一部を非公開とした。            次第 協議事項 令和4年度予算要求について 報告事項1 校長職務代理の終了について 報告事項2 令和3年度品川区学力定着度調査および令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について 報告事項3 令和3年特別区および東京都人事委員会勧告について その他 令和3年11月行事予定について            令和3年第14回教育委員会 定例会 令和3年10月26日 【教育長】  教育委員会定例会を開会いたします。本日は久しぶりに全委員がそろって対面の会となりますので、よろしくお願いいたします。  本日の署名委員には、菅谷教育長職務代理者と塚田委員を御指名いたします。どうぞよろしくお願いいたします。  また、本日は傍聴の方がおられますので、お知らせいたします。  まず、本日の会議の持ち方についてお諮りしたいと思います。  日程第2、報告事項1、校長職務代理の終了について。本件は、人事に関する案件となりますので、品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づきまして非公開の会議といたしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。 (「異議なし」の声あり) 【教育長】  異議なしと認めまして、本件につきましては、全ての日程の終了後に審議することといたします。  それでは、本日の議題に入ります。  日程第1、協議事項、令和4年度予算要求について。本件は、区の事務事業に係る意思形成過程における案件と考えますが、事務局としては、この会議の扱いについてはどのように考えておりますでしょうか。  庶務課長。 【庶務課長】  令和4年度の予算要求につきましては、区議会の議決前の案件であります。したがいまして、公正または適正な意思決定を確保する観点から、非公開の会議とすることが適切であると判断しております。  以上です。 【教育長】  今、事務局庶務課長より説明がございましたが、本件は、品川区教育委員会会議規則第14条の規定に基づきまして、非公開の会議として会議日程を変更し、全ての会議の終了後に開くこととしたいと考えますが、委員の皆様、御異議ございませんでしょうか。 (「異議なし」の声あり) 【教育長】  こちらも異議なしと認めまして、本件につきましてもそのように決定したいと思います。  日程第2、報告事項2に入ります。令和3年度品川区学力定着度調査および令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について、事務局からの説明をお願いいたします。  指導課長。 【指導課長】  私から、日程第2、報告事項2、令和3年度品川区学力定着度調査および令和3年度全国学力・学習状況調査の結果について説明させていただきます。資料は、資料ナンバー3、左上ステープラー留めのA3両面刷り3枚のものでございます。  初めに、令和3年度品川区学力定着度調査の結果から説明させていただければと存じます。  資料1枚目の1ページを御覧いただければと存じます。1から4までのところ、調査日から調査内容について記載させていただいているとおり、今年度は令和3年4月20日に区立の小学校31校、中学校9校、義務教育学校6校の2学年から9学年まで、全校悉皆で実施をしたところでございます。2、3学年は国語と算数、4学年から5学年はそこに社会と理科を加えた4教科、6学年から9学年はさらに英語を加えた5教科の調査となっているところでございます。  内容としては、前年度までに学習した内容となっており、その定着度を測る調査となっておるところでございます。また、教科に関する調査のほか、生活習慣、学習環境に関する調査も併せて実施をしているところでございます。  次に、資料上段右側、5、各教科の平均正答率の結果のところを御覧いただければと存じます。各表の右側が全国の平均正答率、左側が品川区の平均正答率になっているところでございます。黄色のマス目は区の平均正答率が全国を上回った教科、ピンク色のマスは区の平均正答率が全国を下回った教科を示しているところでございます。  傾向といたしましては、ほとんどの学年、教科において、全国の平均正答率を上回ったことが結果として明らかになりました。一方、理科につきましては、7学年を除き全国の正答率を下回り、課題があることが分かったところでございます。  昨年度、4月、5月休業があったところでございますが、定着状況についてはおおむねこれまでの結果と変わらず、全国の平均正答率を上回っている教科が多かったという結果でございます。  続いて、資料中段、6、教科に関する調査の結果概要について説明申し上げます。品川区の平均正答率分布を、正答率の上位層から25%ずつAからDの4つの層、四分位の分析をしたところでございます。AからDの4つの層を点線で分け、赤の数字及び赤の線は教科の目標値を示したところでございます。こちらは、学習指導要領、本区で言うところの品川区立学校教育要領に示された内容について、標準的な時間をかけて学んだ場合、児童・生徒が正答できることを期待した値となってございます。  例として、第5学年の各教科の平均正答率分布を示させていただきました。この結果、国語、算数、社会、理科それぞれの結果からでございますが、他の教科と比較し、理科についてはB層から目標値に達していないことが明らかになりました。ですので、上位層からA、B層――国語、算数、社会につきましては、この目標値に当たっているのはちょうどB層以下C層からというところですが、理科に関してはB層から目標値に達していないことが分かったところでございます。  また、右側に第7学年から9学年における理科の正答率分布をそれぞれ抜き出したところも、やはり理科の場合については、どの学年もA層は目標値に達しておりますが、特に8学年、9学年ではB層から目標値に達していない生徒がいることが分かったところでございます。  また、資料下段左側には、課題の見られる問題例として、第8学年の調査内容、気体の性質の問題を掲載してございます。この問題の正答率は、全国では65.5%でありますが、本区は31.0%と下回っているところでございます。また、本区は、無解答率は0.8%、つまり多くの生徒は、解答はしているのですが正しい知識を身につけていないことが分かっているところでございます。  この調査内容、酸素、二酸化炭素、水素、アンモニアなど、代表的な気体について、それぞれの発生方法と性質の確認方法など、整理させておく必要があることが明らかになり、基礎的・基本的な知識・技能の定着が不十分であることが結果で分かったところでございます。  資料1枚目の裏面を御覧いただけばと思います。質問紙調査と教科の正答率のクロス集計を行った結果をまとめたものでございます。  まず、資料左側(1)、各教科におけるクロス集計では、全ての学年、全ての教科において、授業が分かると解答した児童・生徒ほど正答率が高いということが分かりました。  続いて、資料真ん中の左側、教科を統合したクロス集計という欄を御覧いただければと思います。こちらについては、6学年と9学年のグラフを示しているところでございます。まず、中央に示してあります「学校の授業やクラスの役割などで、自分は先生から期待されている、友達からたよりにされていると感じることはありますか」という自己肯定感に関する質問と全教科の平均正答率の関連では、「よくある」「ときどきある」と肯定的な解答をした児童・生徒はA層、B層の割合が高くなり、「あまりない」「まったくない」と解答した児童・生徒はC層、D層の割合が高くなっているところでございます。この結果から、自己肯定感の高い児童・生徒ほど正答率が高いということが分かりました。  また、右側に示してあります「学校の授業の予習や復習をしていますか」の質問と全教科の平均正答率の関連では、予習や復習の実施率が高い児童・生徒は正答率が高くなっております。また、経年変化では、中学年になるほど予習・復習の実施率が上がっているということも分かったところでございます。  資料2枚目の表面及び裏面には、全学年、全教科の平均正答率の分布の結果を記載したところでございます。各学校が、自校の分布に照らして自校の課題を見いだし、授業改善に取り組んでおるところでございます。  続きまして、資料の3枚目を御覧いただければと思います。本年度実施された全国学力・学習状況調査の結果をまとめたものでございます。  1の調査日から4の調査内容について、記載のとおり、令和3年5月27日に6学年と9学年で実施されたものでございます。実施教科は、6学年が国語と算数、9学年が国語と数学でございました。  資料上段右側、5、各教科の平均正答率を御覧いただければと存じます。6学年も9学年も、全国及び東京都の平均正答率を上回るか、もしくは同等の結果となったところでございます。  資料中段、6、教科に関する調査の結果概要を御覧いただければと思います。グラフは、品川区の正答率の分布に全国と東京都の正答数分布を重ねたものになっております。下の表は、東京都の四分位における全国と東京都の各層の割合を示しております。このグラフや表から、第6学年はA層の割合が東京都や全国に比べて高いこと、第9学年はA層とB層の合計の割合が全国に比べてやはり高いこと、第9学年のC層の割合が東京都や全国に比べて高いこと、第6学年、9学年ともにD層の割合は東京都や全国に比べて低いことが分かったところでございます。  また、資料下段左側には、7、成果が見られる質問ということで、児童・生徒質問紙において「ICT機器を、他の友達と意見を交換したり、調べたりするために、どの程度使用していますか」という質問に対し、「ほぼ毎日」「週1回以上」と答える児童・生徒の割合が6割を超えていることが分かりました。また、学校質問紙においては「ICT機器やネットワークの点から、遠隔・オンライン授業を行うための準備ができていますか」という質問に対し、「よくできている」「できている」と答えた学校は7割を超え、品川区におきましては、小学校、中学校、義務教育学校、どの校種であってもICTを効果的に使用しているという結果が分かったところでございます。  また、資料下段右側、8、児童・生徒質問紙と教科のクロス集計例を御覧いただければと思います。ICTを意見交換のツールとして、また調べ学習等で効果的に活用している経験があると答えた児童・生徒ほど、教科の調査結果の平均正答率が高いということが分かりました。授業でこういった経験をさせることが、定着に効果が見られ、平均正答率が高くなるということが改めて明らかになったところでございます。  これらの調査結果を基にしながら、今後におきましては、それぞれの児童・生徒の定着を図りつつ、授業改善に取り組んでいるところでございます。  結果の報告は以上でございます。 【教育長】  説明が終わりました。2種類の調査でありますので、まずは本区の学力定着度調査の部分で協議し、その後に全国という形で進めてまいりたいと思いますがよろしいでしょうか。  それでは、まず品川区の学力定着度調査ということで、説明があった部分につきまして、委員の皆様から何か質問、または協議していただければと思いますが、いかがでしょうか。  冨尾委員、どうぞ。 【冨尾委員】  理科についてですけれども、理科だけが全国の平均よりも低いということですが、それはどういった原因が考えられるんでしょうか。 【教育長】  ほかが皆、平均ですけれども、クリアしているところを、理科だけが下回っているというのは何かちょっと特異な感じがいたしますが。  指導課長。 【指導課長】  私どもが分析している中では、特に理科は実験・観察がある教科ということで、比較的児童・生徒は興味・関心を持ちやすいというのが一般に言われているところでございますが、実態などを通したところで言うと、本区に限らない課題でもあるのですが、本区の授業を見たところでも、児童・生徒は教員に指示された実験を行うだけで、見通しを持って予想したり、また出た結果を考察するなどの思考を伴うような、深い学びにつながるような授業が行われていないという実態がございます。ともすれば、実験が作業になっていて、それを行っているだけ。実験・観察があることによって、理科はそれをしていればいいというような意識差があることも、全国学力・学習状況調査からも実は明らかになっています。そういったことが課題にあるということで、本区としては、各教員に対して、授業改善の意識を持たせるということで、アドバイザーを各学校に派遣し、今、直接理科の教員の指導に当たっているところでございますが、実験・観察を主軸にした理科の授業の在り方をもう一度見直す手だてが必要であると捉えております。  以上でございます。 【冨尾委員】  分かりました。ありがとうございます。 【塚田委員】  よろしいですか。 【教育長】  どうぞ、塚田委員。 【塚田委員】  今のところの関連ですが、去年も理科の成績が悪かったということで、菅谷教育長代理が実験はやらないんだと、こういう話をしていましたけれども、それは何か改善があったんでしょうか。 【教育長】  この傾向がどうも続いているようではないかという厳しい御指摘かと思いますが。  指導課長。 【指導課長】  今御指摘いただいたように、教育委員会、また理科教育と考えた場合の実験というのは、児童・生徒が、場合によっては実験の方向までも考えながら結果を予想し探究をするというのが実験でございますが、先ほど申し上げたように、授業の中で取り上げられている実験が、行っていてもそれが作業になっているという点では、広い意味では実験が行われていないというこれまでの指摘は当たっているとは認識しているところでございます。本来、児童・生徒に、何のために実験をやるのかという目的意識を持たせながらしっかりと行うことが必要であると捉えており、今、教員に対しても意識改革を図っているところでございます。 【塚田委員】  来年はぜひ。 【教育長】  両教育委員とも、あまり納得されていないような雰囲気もあるのですが、そういうことがもし原因だとすると、それを改善すればすぐにこういったものは改善できるのではないかというところが多分心中におありなのではないかなと。毎年こういうふうに続くことはないんじゃないかいうところを含んでいる気がするんですけれども、その点はいかがですか。  指導課長。 【指導課長】  そういった意味では、今各校を回って、特に理科の教員に課題を聞いてみたところ、どの教員も同じように、「コロナ禍で実験がうまくできませんでしたから。」とおっしゃいます。コロナ禍によって実験がうまくできなかったというのがもし答えであるとすれば、全ての教科にその影響が表れてくるだろうと思われるところで、むしろオンライン、今で言うとタブレットが配られている中では、NHK for Schoolで実験の様子を画像で見るというのもできていて、実はそういったところで考察を深めている生徒もおります。そういった中では、やり方を工夫することはできるだろう。ただ、一様にコロナ禍により充実できませんでしたというのが感情的に出てくるので、厳しい言い方をいたしますと、コロナ禍というのが言い訳にならないように、各校に丁寧な指導をしたいと思って今取り組んでいるところでございます。 【教育長】  コロナの影響というのは、品川区にあるだけではないですからね。全国的に出ている状況が、まあ東京とほかではまた若干違いはありますけれども、少なくとも東京の学校では同じような状況があるでしょうから、今お話があったように、これは理由にはなりませんね。例えば、その下にある課題の見られる問題例の解答率が、全国に比べて非常に品川は悪いという話が出ていますが、これなんかは、実験をやって確かめるというよりは、基本的な問題なので、覚えているかどうかの問題ではないかなと思うのですが、この辺の問題例はどのように分析しておりますか。  指導課長。 【指導課長】  これも、今御指摘いただいたように暗記ということで、例えば物質Aと物質Bを混ぜたら何ができるかというふうにもできるのですが、本来この実験の場合には、気体を集めますので、発生の方法が個体と個体なのか、固体と液体なのか、または液体と液体なのか、何と何を混ぜるといったときにも、固体と液体であれば、そのときに使う器具も変わってくる。そういうのも踏まえながら、実は実験の方法も構築しながらこういったことをやっていくと、それぞれが考えながら行えるということになっていくものでございますが、通常、教科書に出ている方法どおりにやりなさいという指導を行っていくと、考えずにやっているので、やってはいるんだけれども定着しないとは思っています。また、それは集め方にもよりますので、発生した気体が水に溶けやすい・溶けにくい、また空気よりも重い・軽い、それで集め方も考えるなどして、何をどうやって集めたというのが、より子供の思考の中で再現できるような実験を行ってほしいと思っているところでございます。そういった定着がないので、答えは書けるんだけれども当たらないと。無答率が0.8%というのは、全く分からないと無答率が30%や40%になるんですが、そうではないんだけれども当たらないというのは、確かな理解になっていないと私どもは判断しているところでございます。 【教育長】  4択ですから、無答率というのも、無答のほうが心配だなと逆に言えば思いますけれども、分かりました。理科の先生にお話を伺っているような感じがしました。そういうふうに教えていただければ、多分子供たちも分かるのかなとは思いますが、来年のデータをぜひ期待したいところです。ただ、いよいよこれからが本番の質問になってくると思いますので。  菅谷教育長職務代理者、どうぞ。 【菅谷教育長職務代理者】  質問じゃないんですけれども、来年のことを考えても駄目ですね。理科は、好きな人と嫌いな人が出てきてしまう。このデータを見ても分かるんですが、4年生の理科と5年と6年の理科、3ページにありますが、平均点がどこにあるかというのは関係ないんですけれども、形を見ていただくと、4年も5年も6年も似た形をしていませんか。ということは、内容は違って、学年も進行しているけれども、理科が得意とか好きだとか、嫌いとか嫌いじゃないかというのはあまり関係なく、こういう成績になっているんです。  ところが、裏の4ページ目を見ていくと、7先生、8年生、9年生の理科だけ見ると、ほかと違いますよね。フタコブラクダだと。だから、7年生を見ていると、来年の8年生は駄目ですよ。去年駄目だったのは9年生でしょう。中学に入って、理科となると、好きな子と好きじゃない子、よく分かる子と分からない子がはっきり出てきている。そういう状況になっていますよね。個々の子供は分からないけれども、子供たちを全部集めたデータですから、この傾向は変わらないということだと。  理科のこの問題だけについて考えると、気体の発生の実験をやるかやらないかではなくて、実験をやったときに、多分、今の先生はどうでしょうか。亜鉛に薄い塩酸、試験管でやるでしょう。試験管に入れてやりますよね。やらせているんだけれども、まとめができてない。それから、亜鉛とか二酸化マンガン、石灰水だとかって、そういうものをきちんと手で持っているかどうか。多分、二酸化マンガンなんか持てないでしょう。汚れますからね。そういう基本的なことを、やっているんだけれども、今は手軽になってしまっていて、答えはこうだよって言ってしまっているんですね。まとめのところに、例えば酸素が発生するのに薄い塩酸と金属を入れるとなるよっていう形だけでなく、酸と金属からそうなるという高い次元でまとめをしていないんです。個々の事象だけでは小学校と一緒で、中学は違うんですよ。中学は、高校へ行くための橋渡しですから、酸と金属なんだと。金属でも、酸に負けない金属があって、出てこないやつもあるんですよ。そこまで理解して実験させないと、なぜかは出てこない。だから、今時の先生は、やれと言えばやっていますよ。子供にやらせるんだけれども、汚れるとか、きちんとした答えがないとか。もうちょっとなぜだっていうところに持っていかないと、つまらない、面白くないと。データがきちんと出て、覚えたくないと。だから、フタコブになるの。それがいいとか悪いとかっていう論議じゃなくて、そういう傾向です。もうちょっと手を汚してもいいから、本質に近づくような授業をしてくれる先生になってこないと駄目なんですよね。  単純に申し上げて、亜鉛と薄い塩酸でできるよっていうのは、一つの方法ですよ。たった一つの方法だけじゃなくて、たくさんあるうちの一つだよと。それが教科書に書いてあって、それがあたかも答えだと思ってしまっていると。僕は、答えじゃないと。答えの一つだと。一つに過ぎないと。先生方は、これを覚えているといいよという教え方をすると、点数では取れるんだけれども、それ以外のことができなくなるんですよ。受験のための授業になってしまう。そうなると、あの文章が得意な人たちが出ないということになるんですよ。間違ってもいいから、もうちょっと工夫して、答えを出すことじゃなくて、疑問を持たせることをもっとやるような理科に変わっていかないと、この傾向は変わらないと私は思いました。  もう1つ、社会科も理科も算数もそうですけれども、全部、これは国語ですよ。国語を使って学習していて、国語を使ってテストをやっていますから、国語の能力が一番問題なんですよ。国語で理解して、ものの言葉が分かって、論理が分かっていないとならないんですね。その比較が、ここには出ていませんけれども、本当は欲しいなと思います。  答えになっているでしょうか。諦めろという言い方はおかしな話で、そういう構造になっていて、もうちょっと面白く書くとか、先生がやると、いい成績が出てくると思いますね。すみません。 【教育長】  ありがとうございます。モチベーションの部分が、どう子供たちの中に動機づけられるかというのが課題かなと。国語につきましては、区もそうですが、この後また出てきます全国でも下回っているということはありませんので、ある程度品川区の子供たちはつけていると考えることができるかなとは思います。そうなってくると、一律な実験ではなく、そこに子供たちの興味・関心を高めることができるような工夫が必要になってくるだろうと。そう考えていけば、また来年度に向けてのヒントになりますでしょうかね。ただ、グラフを見ると、8年生は9年生と同じような傾向なので、一遍に変わるのは難しいよと。そうなると、次の7年生が、8、9となってくるところから期待が持てるのかなという感じもいたします。  海沼委員、いかがですか。 【海沼委員】  やっぱり国語能力といいますか、読解力の問題だなと思いますね。理解力と暗記力、あとは興味を持たせる授業が必要だというのがよく分かりました。 【教育長】  実際、今日私どもが学校訪問した学校でも、理科の授業がありましたので、後でまたその辺は情報交換したいと思います。  区の学力定着度調査につきましては、よろしいですか。  私から1つ、裏のクロス集計の最後ですが、予習・復習とA層からD層までの四分位のクロスで、考察のところに、経年での変化では9年の実施率が上がってきていると書いてあるんですが、経年というのは6年と9年の比較ということではないですよね。2、3、4、5、6、7、8、9とずっと来ている経年で、9年が上がっているという意味合いで読み取ればいいわけですね。6・9の単純比較で9年が上がっているということではないですよね。このグラフの下に考察で書かれていると、そういう意味合いと間違って読み取られてしまう可能性もあるかと思ったんですが。  指導課長。 【指導課長】  そこの記述は、9年生の平成30年から令和3年度までの4か年の経年でという意味でございます。 【教育長】  なるほど。 【指導課長】  6年で言うと、それほど変わらないか、若干下がっている傾向はありますけれども、特に令和2年、3年のところは比較的上がってきているという意味でございます。 【教育長】  四分位との関係で実施率が高い・低い云々というのも、9年生のことだけですか。 【指導課長】  そういうことでございます。 【教育長】  そうか、6年生のグラフは書いてあるけれども、ここの考察は9年だけの考察だということですね。 【指導課長】  はい。おおむねそうでございます。 【教育長】  分かりました。左側の2つのグラフは、全体的なものに対する考察が書かれているので、一番右も全体的な考察かと思ったら、9年生自身の経年的な部分で上のほうは書いているということで、読み取りに違いが出ないようにしないといけないかなと思いました。  それでは、今度は全国のデータですが、こちらについては平均を下回っている状況はないみたいですが、何か気になるところが委員の方でございましたらどうぞ。  考えていただいている間に、しゃべりついでに私から1つ。成果が見られる質問の中で、ICTを効果的に活用しているか、どこの校種でも活用している状況は東京都や全国を上回っているということで、大変うれしく思うのですが、1つだけ、中・義務学後期の、品川区の「よくできている」、よく活用できているというアンサーの7.1%、ほかは全部ここのところが都や全国を上回っているんですが、中・義務学の後期だけそれを下回っているという結果が出ている。ここだけ何か、ほかと比べて異様に感じるんですが、これについては、指導課では何か分析されておりますでしょうか。  指導課長。 【指導課長】  はっきりと原因があるというところではないんですけれども、これは学校質問紙調査でございますので、教員・学校の捉え方というところが、よくできているか・できているかの比較のところで、「よくできている」というほどまでは行われていない。これが、中学校・義務教育学校(後期課程)の教員の、特に小学校、あるいは義務教育学校(前期課程)との新しいことに取り組む意識の差と言えるのかもしれないと捉えているところはございます。これまでの指導形態であっても、アクティブラーニング、主体的・対話的で深い学びと言われておりますが、従来、小学校、あるいは義務教育学校(前期課程)で行われてきたような活動が、中学校・後期課程に参りますと、講義型の授業が増えるというのがこれまででございました。そういった授業改善を今行っているところもありながら、タブレットの活用という新しい視点が入ってきたときに、どうしても取りかかりに少し時間がかかるというのが、傾向としては中学校・義務教育学校(後期課程)だというように捉えております。  ただ、御指摘いただいたとおり、「よくできている」と解答するのが東京都・全国よりは下回っておりますが、加えて「できている」というところに関しては、圧倒的に上回って71.4%を示しているところでありますので、活用が、その中でも、しなければいけないという意識に変容していると捉えているところではございます。 【教育長】  よく捉えれば、中学・義務学後期の教員は、活用しているんだけれども、もっとよく授業で活用できる方法を探っていかなればならないんだと、そういう意識を持っているとも取れるかなと思います。今日私が見たタブレットを使っている授業でも、生徒が一人一人課題に向かい合っているんですが、一律に教師がずっとしゃべっているという授業がございましたけれども、まさにその典型がここにあるという感じがいたします。  委員の皆様、いかがですか。こちらのほうは、特にございませんか。  じゃ、ぜひいい値をキープしていっていただければと思います。  令和3年度品川区学力定着度調査および令和3年度全国学力・学習状況調査の結果につきましては、よろしいでしょうか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  それでは、本件は了承いたします。  次は、日程第2、報告事項3、令和3年特別区および東京都人事委員会勧告についての説明をお願いいたします。  指導課長。 【指導課長】  私から、日程第2、報告事項3、令和3年特別区および東京都人事委員会勧告について説明申し上げます。資料につきましては、左上ステープラー留めのもの、両面印刷をされていて、合計で5枚のものでございます。  それでは、令和3年特別区および東京都人事委員会勧告について報告させていただきます。人事委員会による給与勧告制度につきましては、労働基本権制約の代償措置として、社会一般の情勢に適応した適正な給与水準を確保することを目的として行われており、公務員の給与を公民比較により決定する仕組みとなっているところでございます。  本件の大部分は区の行政職員に関わるものではありますが、このうち、教育委員会に関係するものとしては、幼稚園の教員及び固有教員がございますので、説明申し上げさせていただきます。  まず、1枚おめくりいただきまして、本資料2枚目の表面でございます。令和3年職員の給与等に関する報告及び勧告の概要、こちらが特別区人事委員会勧告でございます。本年は、令和3年10月20日にございました。そのポイントは、資料の上部にございます本年のポイントの囲みの中がその部分でございますので、この点に絞り説明させていただきます。  まず第1点目、月例給につきましては、民間を上回っており、公民格差では月例で94円、割合にしまして0.02%となっているところでございます。しかしながら、この格差は僅かであるというところから、月例給の改定は見送ると勧告をされてございます。  第2点目に、特別給でございますが、期末手当・勤勉手当につきましては、特別区職員の支給月数が民間の賞与、ボーナスの支給月数を上回っているため、民間の支給状況を勘案し、年間の支給月数を0.15月引き下げ、期末手当から差し引くというものでございます。  この改定の結果、職員の平均年間給与は約5万9,000円の減額となるというものでございます。こちらにつきましては、本件、特別区職員労働組合との交渉にて妥結後に、常任委員会及び臨時会で可決された場合に改定されるというものでございます。  資料2枚目、裏面から3枚目につきましては、特別区人事委員会の意見を記載させていただいたところでございます。  資料の4枚目を御覧いただければと思います。令和3年人事委員会勧告等の概要とタイトルがついているものが、東京都人事委員会勧告でございます。本年、令和3年10月15日にございました。特別区の場合と同じように、1、ポイントの囲みに絞って説明させていただきます。  月例給につきましては、民間給与を僅かに上回っており、公民格差は月例で103円、割合にて0.03%になります。本年度の公民格差は極めて小さいものであることから、月例給の改定は見送るとされてございます。  特別給につきましては、民間の支給状況を勘案し、年間の支給月数を0.10月引き下げ、4.45月とするものであります。これにより、支給月数は、先ほど説明した特別区、東京都とも同様になるということでございます。  なお、固有教員の月例給につきましては、この東京都人事委員会勧告の内容により改正しておりますので、今回の改定は行わないというところでございます。  また、資料の5枚目は、東京都人事委員会から示された意見を記載しているものでございます。  本報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。 【教育長】  説明が終わりました。質疑があれば、お願いいたします。  特にございませんか。連動するもので、引下げは致し方がないところかなと思いますが、結構0.1月というのは大きい額ですね。世の中の流れでやむを得ないという状況がありますでしょうか。  それでは、令和3年特別区および東京都人事委員会勧告につきましては、よろしいですか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  では、本件も了承いたします。  次は、日程第3、その他、令和3年11月行事予定について、説明をお願いいたします。  庶務課長。 【庶務課長】  教育委員会資料5を御覧ください。11月の予定です。  11月は、第3の火曜日、16日で、1回の開催としたいと考えております。本日と同様に学校訪問を入れまして、学校訪問終了後、臨時会です。学校訪問につきましては、記載のとおり、宮前小学校と台場小学校を予定しているものでございます。よろしくお願いいたします。  以上です。 【教育長】  それぞれのスケジュールは、大丈夫でしょうか。 (「はい」の声あり) 【教育長】  では、本件も了承いたします。  その他、ございますでしょうか。 (「ございません」の声あり) 【教育長】  では、先ほど決定いたしましたとおり、これからは非公開の会議に移りたいと思いますので、傍聴の方は御退出をお願いいたします。 ―― 了 ――