<表紙> 品川区新庁舎整備基本計画 (素案) 令和4(2022)年7月 <目次ページ1> 目次 第 1章 検討の経緯 ................................................................ 1 1.基本計画の位置付け ............................................................. 1 2.これまでの経緯 ................................................................. 2 1)庁舎整備に関連する組織体と整備計画全体の経緯 .............................. 2 2)品川区議会「行財政改革特別委員会」への報告および説明 ...................... 3 3)「品川区庁舎機能検討委員会」の答申 ....................................... 3 4)「品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会」の設置 .................... 3 5)広町まちづくりに関する経緯と予定 ......................................... 3 6)新庁舎整備基本構想答申 ................................................... 3 3.基本構想の概要 ................................................................. 4 1)現庁舎の課題から導かれた整備の必要性 ..................................... 4 2)基本理念・基本方針・導入機能の整備方針の整理 .............................. 4 3)建設概算規模 ............................................................. 5 4)建設候補地 ............................................................... 5 5)事業計画 ................................................................. 5 第2章 導入機能の基本計画 ......................................................... 6 1.SDGsについて ............................................................... 6 2.導入機能の整備方針 ............................................................. 8 1)区民サービス ............................................................. 8 2) 区民協働・交流 .......................................................... 11 3) 行政・議会 .............................................................. 13 4) 防災 .................................................................... 17 5) 環境 .................................................................... 21 6) 将来変化・経済性 ........................................................ 26 7) 共通機能 ................................................................ 27 第3章 施設計画 ................................................................. 31 1.建設予定地 .................................................................... 31 2.設計上の与条件 ................................................................ 32 1)上位関連計画 ............................................................ 32 2)法的規制の制約 .......................................................... 34 3)施工上の制約 ............................................................ 35 4)想定される地震 .......................................................... 36 5)ハザードマップ(想定雨水氾濫区域、高潮浸水区域) ......................... 37 <目次ページ2> 3.建築計画 ...................................................................... 38 1)建物配置計画の考え方 .................................................... 38 2)動線計画の考え方 ........................................................ 39 3)平面計画の考え方 ........................................................ 40 4)ゾーニング計画の考え方 .................................................. 41 5)外観計画の考え方 ........................................................ 42 4.構造計画 ...................................................................... 44 5.設備計画 ...................................................................... 48 6.外構計画 ...................................................................... 50 1)周辺からのアクセス・第二庁舎へのアクセス ................................ 50 2)区民が利用しやすい憩いの場の形成 ........................................ 50 3)緑化の推進 .............................................................. 50 第4章 新庁舎の規模の整理 ....................................................... 51 1.基本計画の施設規模について .................................................... 51 第5章 事業費などの算出および財源の整理 ......................................... 52 1.イニシャルコスト .............................................................. 52 2.ランニングコスト .............................................................. 53 1)運用費の縮減 ............................................................ 53 2)保全費の縮減 ............................................................ 53 3)修繕費・改善費の縮減 .................................................... 54 3.財源計画 ...................................................................... 54 第6章 事業計画 ................................................................. 55 1.事業手法 ...................................................................... 55 1)事業手法とは ............................................................ 55 2)事業手法の検討に当たって考慮すべき事項 .................................. 55 3)従来方式 ................................................................ 56 4)設計施工一括発注方式(DB方式) ........................................ 57 5)PFI方式 .............................................................. 58 6)事業方式の比較 .......................................................... 59 2.事業スケジュール .............................................................. 60 【用語解説】 ..................................................................... 61 庁舎食堂に関する職員アンケート調査 結果概要 ...................................... 64 <1ページ> 第1章 検討の経緯 1. 基本計画の位置付け 令和3(2021)年 12月に策定した「品川区新庁舎整備基本構想」では、新庁舎整備の大枠や整備方針を示しました。この基本計画では、次のステップである基本設計に進むため、基本構想を踏まえて具体化を進めた整備方針に加え、建物配置や動線、ゾーニング計画、建物性能などの施設計画を示します。また、地域経済の活性化につながる事業手法を検討し、昨今の情勢も踏まえながら、事業費や事業スケジュールの精査を行った結果をまとめています。 本計画の策定にあたっては、基本構想に引き続き、「品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会」において検討や審議が重ねられました。さらに、区民アンケートや区民意見フォームをはじめ、パブリックコメント、説明会などで区民をはじめとする多くの方から意見をいただきました。 図表 1-1 基本計画の位置づけ <2ページ> 2. これまでの経緯 品川区新庁舎整備に係るこれまでの検討経緯は次に示すとおりです。 1)庁舎整備に関連する組織体と整備計画全体の経緯 現庁舎は築 54年を経過しており、経年劣化が多く見られることから大規模な改修などが必要となり、区庁舎のあり方の検討が進められてきました。 図表 1-2 これまでの検討経緯 年次 時期 会議など名称 内容 平成 29 年度 平成 29(2017)年 6月1 3日 区議会行財政改革特別委員会 . 総合庁舎における設備機器などの更新に関して経過、今後の方針などについて説明 平成 30(2018)年 6月1 2日 区議会行財政改革特別委員会 . 総合庁舎における設備機器などの更新に関して経過、今後の方針などについて説明 平成 30 年度 平成 30(2018)年 10月 31日 区議会行財政改革特別委員会 . 庁舎について、ハード・ソフト両面で課題があり、庁舎の改築を含めた検討を進めることを説明 平成 31(2019)年 2月2 7日 区議会行財政改革特別委員会 . 特定事件調査のまとめとして、庁舎のあり方について、新庁舎整備検討の必要性が認められる 令和元年度 令和元(2019)年6月1 1日 区議会行財政改革特別委員会 . 庁舎の建て替えに関して、令和元(2019)年度の取組について説明(建て替え検討、現庁舎の課題整理、区分所有者との連絡・調整、他自治体の事例研究) 令和元(2019)年8月2 7日 区議会行財政改革特別委員会 . 4つの庁舎建て替え候補地を提示し、土地再編による広町敷地への庁舎移転に向けて検討を進めることを報告 令和元(2019)年9月~10月 地域、関係団体などへの説明 . 4つの庁舎建て替え候補地を提示し、土地再編による広町敷地への庁舎移転に向けて検討を進めることを説明 令和元(2019)年12月 5日 区議会行財政改革特別委員会 ... 関係団体への説明状況を報告 求められる庁舎機能について報告 今後の庁舎機能の検討の進め方を説明 令和 2( 2020)年 3月 庁内プロジェクトチームキックオフ . 庁舎機能について、庁内プロジェクトチームでの検討を開始(ワンストップ窓口、保健衛生機能、教育機能、文化・スポーツ機能、防災機能・環境機能、他機関との調整、ペーパーレス・ICT推進、庁内動線) 令和 2 年度 令和 2( 2020)年 4月2 1日 区議会行財政改革特別委員会 . 品川区庁舎機能検討委員会の設置について説明 令和 2 年度 令和 2( 2020)年 7月1 3日 品川区庁舎機能 検討委員会 .. 第 1回品川区庁舎機能検討委員会を開催 新庁舎に導入を検討する機能について審議を開始 令和 2( 2020)年 11月 品川区 . 「大井町駅周辺地域まちづくり方針」策定 令和 3( 2021)年 3月2 6日 品川区庁舎機能 検討委員会 . 「新庁舎の機能に関する事項について」 答申 令和 3 年度 令和 3( 2021)年 4月1 9日 区議会総務委員会 . 品川区庁舎機能検討委員会委員長から区長へ答申があったことを説明 令和 3( 2021)年 11月 16日 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会 . 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員長から区長へ基本構想の答申 令和 3( 2021)年 12月 品川区 . 「品川区新庁舎整備基本構想」策定 <3ページ> 2)品川区議会「行財政改革特別委員会」への報告および説明 平成29(2017)年度から令和元(2019)年度まで、区議会の「行財政改革特別委員会」で庁舎建て替えの建て替え候補地について説明を行い、広町敷地を庁舎移転に向けた建設候補地として検討を進めることを報告しました。 3)「品川区庁舎機能検討委員会」の答申 令和2(2020)年度の「品川区庁舎機能検討委員会」では、現庁舎が抱える課題、求められる庁舎機能や導入機能、あるべき姿についての考え方が検討されました。 4)「品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会」の設置 これまでの経緯を踏まえ、新庁舎整備を進めていくために、基本的な考え方を示す「新庁舎整備基本構想」の策定に向けた検討に着手しました。検討に際し、学識経験者や区内関係団体代表者、公募区民、区議会議員の 19名から構成される「品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会(以下、策定委員会という。)」を、令和 3(2021)年 2月に設置しました。 5)広町まちづくりに関する経緯と予定 広町地区(約7.1ha)は、大井町駅周辺地域まちづくり方針(令和2(2020)年)では、「大規模土地利用転換による新たな都市機能の集積に加え、区庁舎再編と連携し区の中心核としてふさわしい複合拠点を形成する」と位置付けられています。 これに沿って、令和3(2021)年 11月に広町地区地区計画を決定し、土地区画整理事業により土地の再編を行います。 現庁舎敷地および新庁舎建設予定地については、今後、事業の進捗に合わせて都市計画手続きを進めていきます。 6)新庁舎整備基本構想答申 策定委員会での議論およびパブリックコメントやアンケートなどの区民意見を踏まえ、第 5回策定委員会において、策定委員会から区へ「品川区新庁舎整備基本構想」の答申が行われました。 <4ページ> 3. 基本構想の概要 品川区新庁舎整備基本構想は、これまでの検討内容の整理・区民意見の集約を行い、策定委員会での検討を経て、令和3(2021)年 12月に策定されました。 本構想においては、現庁舎の抱える課題から新庁舎整備の必要性について整理を行いました。また、庁舎のあるべき姿を基本理念および基本方針として掲げ、それを具体化するために必要となる機能を整理するとともに、概算規模や概算事業費、事業スケジュールなどを想定しました。その概要は以下とおりです。 1)現庁舎の課題から導かれた整備の必要性 現庁舎の老朽化やバリアフリー対応、狭隘化などの課題を考えると、大規模修繕や耐震改修といった方法では、庁舎の抱える課題のすべてを解決し、区を取り巻く環境変化や多様化する行政への要望に対応することは困難であると考えられます。また維持管理費の観点からも、建て替えによる新庁舎の整備が妥当と考えました。 新庁舎の整備に向けては、利便性が高く、機能的な施設整備を推進するとともに、 関連計画との整合を図りながら、区庁舎再編により区の中心核としてふさわしい複合 拠点形成に向けて、まちづくりを含めた検討を進めていくこととしました。 図 1-3 現庁舎の課題 2)基本理念・基本方針・導入機能の整備方針の整理 新庁舎整備を進めるための基本的な考え方として、基本理念および基本方針、導入機能の整備方針をまとめました。基本理念および基本方針とは、品川区らしい庁舎を整備するための、考え方の根幹となるものです。そして、基本理念・基本方針に基づき、新庁舎の機能の整備方針・考え方を示したものが、導入機能の整備方針です。 ※ 感染症対策は基本計画段階から【共通機能】として新たに整備方針の項目として追加しました。図表 1-4 基本理念・基本方針および導入機能の整備方針の関連性 <5ページ> 3)建設概算規模 新庁舎の規模算定に当たって、職員数と議員数や令和2(2020)年度庁舎機能検討 委員会答申内容、第二庁舎の活用やまちづくりとの連携を考慮し、新庁舎整備で検討 する全体規模は、約 60,000㎡ としました。 4)建設候補地 土地区画整理事業が進められている広町地区内の敷地(約 8,300㎡)を新庁舎の建設候補地としました。 5)事業計画 事業手法について、適用可能な事業手法を大別すると、従来方式、設計・施工一括 発注方式、PFI方式に分類されます。事業方式ごとの特徴を勘案しながら検討を進 め、基本計画策定段階にて採用する事業手法を決定することとしました。事業スケジ ュールは、令和5(2023)年度から設計、令和7(2025)年度から建設工事を行い、 令和9(2027)年度での供用開始を目指す方針としました。 また、本庁舎整備の概算事業費に関しては、建設工事費・外構工事費の他に調査・ 設計費を勘案し、他自治体の事例やヒアリングなどのデータを参考にした結果、約 400億円としました。 基本構想の内容を踏まえ、導入機能の整備方針の深度化およびこれを実現するため の施設計画の検討、適正な建物規模や事業スケジュール・事業費の見直しを行い、 「品川区新庁舎整備基本計画」を策定しました。 <6ページ> 第2章 導入機能の基本計画 1. SDGsについて SDGs(持続可能な開発目標)は、平成27(2015)年 9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための 2030アジェンダ」の中核を成す、令和 12(2030)年を年限とする開発目標であり、先進国を含む国際社会共通の目標です。 SDGsは 17の目標(ゴール)から構成され、「誰一人として取り残さない」社会の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範囲な課題に対する総合的な取り組みが示されています。 品川区長期基本計画が示す方向性はSDGsと重なるところが多く、長期基本計画において掲げる各施策を推進することは、SDGsの達成にも資するものと考えます。 図表 2-1 SDGs17の目標(出典:国際連合広報センター) <7ページ> 新庁舎の整備を進めるにあたり、計画・設計から建設工事、完成後の運用の各段階において、実現可能性のある項目を下記に示します。 図表 2-2 新庁舎整備において実現可能性のあるSDGsの項目 ○トイレや窓口空間などにおいて、ジェンダー平等などに配慮した設備を整えます。 ○給排水衛生設備は、衛生的でかつ節水に配慮したものとします。〇災害時の上下水途絶に備え、飲料水に使用可能な貯水槽を確保するとともに、トイレ洗浄水に利用する雨水槽や中水槽を整備します。 ○良質な建物性能および、省エネルギー技術の活用と再生可能エネルギーの導入により環境配慮型の庁舎とします。〇良好な屋内環境の整備と消費エネルギー削減の両立を図り、ZEBの取得目標「NearlyZEB(ニアリーゼブ)」を目指します。 ○機能的・効率的で職員が働きやすい執務環境を整えます。○将来の組織や働き方の変化に柔軟に対応可能な執務環境とします。 ○災害時にも行政拠点として機能を発揮できる強い庁舎を目指します。○柔軟性が高く、技術革新や行政ニーズの変化に対応可能な、将来にわたり長く使える庁舎を目指します。 ○国籍、性別、年齢や障害の有無にかかわらず、すべての来庁者や職員が不自由なく利用できるよう、ハード面とソフト面において、ユニバーサルデザインに配慮します。 ○自然災害のリスクに備え、高い耐震性やバックアップ機能を備えます。〇庁舎内や敷地内に区民の憩いの場を形成します。○土地区画整理事業により街区全体を整備し、良好な環境を創設します。 〇長寿命で可変性があり、メンテナンスのしやすい建物とし、将来にわたり長く使える庁舎とします。○建設時、運用時、改修時など各段階において、廃棄物量の抑制と資源循環に配慮します。 ○庁舎の建材として木材を活用し、森林資源の循環利用に貢献します。〇建物屋上や壁面なども活用しながら敷地内に緑を配置し、周辺の緑地と一体として緑豊かな潤いのある市街地環境を形成します。 <8ページ> 2. 導入機能の整備方針 基本構想時に設定した各導入機能の整備方針について、区民意見やオフィス環境調査結果、職員ワークショップの結果などを踏まえ改めて検討を行いました。 1)区民サービス 「区民にとってわかりやすく、利用しやすい庁舎」 (ア ) 窓口機能 【整備方針】 区民にとってわかりやすく利用しやすい窓口機能を目指します。 ○窓口機能の配置 ・来庁者の移動負担軽減と利便性向上のため、住民票の写しや戸籍などの各種証明書発行や、健康保険・国民年金・税金に関する窓口を低層階に集約します。 ・手続内容や区民のニーズに応じて、利便性を考慮した「ワンストップサービス」を導入します。 ・庁舎での時間延長窓口や日曜開庁窓口、協働・交流スペースなどの利用のために、執務エリアと明確に区分された動線を確保することを検討します。 ○窓口および待合スペースの環境整備 ・関連する部門の職員がスムーズに来庁者対応できるよう、また、感染症の拡大防止に重要とされるソーシャルディスタンスも念頭に置いて、カウンタースペースにゆとりを持たせます。 ・比較的短時間で処理可能な証明書発行などのハイカウンターや、座りながら落ち着いて手続きや相談ができるローカウンターを設置します。 ・窓口での待ち人数がわかる「番号表示モニター」の設置のほか、テレビや施設パンフレット、BGMなど、快適な待合環境を創出します。 ・乳幼児連れの来庁者の利便性に配慮し、子育て関連窓口などのカウンターのすぐ横など、目の届きやすい場所にキッズスペースを設けます。 ・窓口カウンターでは、各種の相談が行われることから、相談者のプライバシーに配慮し、戸籍や福祉などの関連窓口のカウンターに仕切りパネルを設置します。 <9ページ> 〇ICT(情報通信技術)などを活用したスマートな窓口 ・オンラインで申請できるサービスを拡充し、「行かない」「書かない」窓口の実現を目指します。 ・スマートフォンやタブレットの活用により、「申請書類の簡略化や統合」を進めます。手書きで同じ項目を複数の申請書に書く必要がなく、同時に複数の申請が行えるシステムを導入します。 ・ハンコがなくても手続きができるよう、「押印の省略」を進めて手続きの簡素化を図ります。 ・「事前申請システム」の整備や証明書発行窓口に「クイック発行窓口」を設けることで、区民ニーズの高い申請や証明書発行手続きなどについて、より迅速に対応できるようにします。 ・証明書の発行手数料の支払いや各種税・保険料の納付について、「キャッシュレス決済システム」の導入を推進します。 図表 2-3 ワンストップサービスを導入した窓口のイメージ図表 2-4 ワンストップ方式の例 総合窓口新設型 ワンストップ方式 関係業務を行う課の窓口を統合し、複数の手続きを行う方式。総合窓口で対応できない内容については他の課の窓口に移動。 職員ローテーション型ワンストップ方式 区民を移動させずに職員が必要に応じて入れ替わり手続きを行う方式。窓口は統合しているが、手続きごとに異なる職員が対応。 <10ページ> 図表 2-5 キャッシュレス決済システム(出典:品川区HP) (イ ) 相談機能 【整備方針】 プライバシーに配慮し、安心して相談できる環境を整備します。 〇相談機能の充実 ・相談ブースや相談室を相談内容や頻度に応じて、効率的に配置します。 ・相談室は個人情報やプライバシーの保護のため、遮音性に配慮します。 ・本庁舎以外の行政拠点と、テレビ電話などで相談できる設備を導入します。 図表 2-6 プライバシーに 配慮した L字型ブース (出典:渋谷区庁舎 パンフレット) (ウ ) 案内機能 【整備方針】 来庁者がスムーズに手続きできるわかりやすい案内機能を整備します。 ○案内機能の充実 ・エントランスホール付近のわかりやすい場所に、総合案内を設置します。 ・記帳台付近で、手続内容に応じた書類の書き方などを案内するフロアマネジャーの配置を検討します。 ・来庁者が迷うことなく目的の部署に向かえるよう、案内サインには部署名に加えて視認性を重視したピクトグラム、番号や配色による表示を導入します。 図表 2-7 署ごとに番号や配色を変えた窓口の事例 (出典:イトーキHP 納入事例 嘉麻市庁舎) <11ページ> 2)区民協働・交流 「区民の協働と交流の拠点となる開かれた庁舎」 (ア ) 情報発信機能 【整備方針】 情報発信の拠点となる協働・交流機能を目指します。 ○情報発信機能の充実 ・品川の歴史や文化、産業などの豊富な魅力を効果的に発信・展示できる仕組みを導入します。 ・区の事業や防災に関する情報から、くらし、イベント、観光、区民活動の情報など、定期的に発信する情報発信スペースを配置します。 ・エントランス付近にデジタルサイネージなど、視認性の高い方法を利用した情報発信機能を整備します。 ・日常だけでなく災害時にも重要な情報発信の場となるケーブルテレビ局のサテライトスタジオなどを検討します。 ・区政資料コーナーは、区民が気軽に立ち寄りやすい場所に設置し、地域に関わる多様な資料を充実させます。 図表 2-8 庁舎を美術館・博物館に見立てた展示の仕組み (出典:豊島区HP) (イ ) 協働・交流機能 【整備方針】 コミュニティの中心となる協働・交流機能を目指します。 ○協働・交流機能の充実 ・低層階を中心に、区民が気軽に立ち寄れる、区民同士の交流促進や活動を支援する協働・交流スペースを整備します。 ・外部の敷地内空地や隣接する広場1号との一体利用にも配慮した計画とします。 ・様々なイベントや地域活動の打合せ、休憩や簡単な飲食など、多目的に利用できる設えと十分な広さを確保します。 ・読書や学習、事務作業にも利用できるよう、静かに過ごせるスペースの設置を検討します。 ・協働・交流スペース周辺に、区民が利用できるカフェやコンビニエンスストアなどの導入を検討します。 <12ページ> 図表 2-9 情報発信機能、協働・交流機能の事例 情報発信機能 左:ケーブルテレビ局のサテライトスタジオ (豊島区役所:品川区撮影) 右:インタラクティブなデジタルサイネージ (出典:武雄市 HP) ※ 「対話型」「双方向型」 協働・交流機能 左:生涯・学習テラス(出典:掛川市 HP)右:アトリウム (横浜市役所:品川区撮影) 図表 2-10情報発信機能、協働・交流機能の配置イメージ ※ イメージであり、実際の計画内容を示すものではありません。 図表 2-10情報発信機能、協働・交流機能の配置イメージ <13ページ> 3)行政・議会 「機能的・効率的で柔軟性の高い庁舎」 (ア ) 執務機能 【整備方針】 機能的・効率的で柔軟性のある執務環境を整えます。 〇機能的な執務環境の確保 ・庁内業務のICT化に伴う最先端のシステム ・機能を導入した効率的で機能的な執務空間を整備します。 ・窓口、執務、打合せなど用途ごとの区分けにより機能的な動線を確保します。 ・重複する資料の整理やペーパーレス化によって書類を削減し、効率的な運用が行われる執務空間を目指します。 ・職員用のリフレッシュスペースを設けるなど、職員が働きやすい環境を整備します。 〇執務スペースの柔軟性の確保 ・将来の組織や新しい働き方、臨時発生業務などに柔軟に対応できるようユニバーサルレイアウトを導入します。 ・業務内容に応じて、フリーアドレスなどの環境整備を行います。 図表 2-11執務空間のイメージ ■職員執務エリア ・ユニバーサルレイアウトを採用 ・職員の席を固定しないフリーアドレスも可能 (出典:横浜市 HP) ■業務サポートエリア ・部署を超えて執務に必要な機能を集約し共用化することで、スペースを有効利用するとともにコミュニケーションを促進 ・職員の打合せスペースや集中作業スペースなどを計画し、業務効率性を向上 ・複合機やコピー機などを集中配置 ■来庁者対応エリア ・カウンターでの対応、打合せができる・必要に応じてパーティションを立てることで、視線を遮りプライバシーを保てる(千代田区役所:パシフィックコンサルタンツ撮影) ・執務スペースの外に、テーブルや椅子を並べた来庁者対応スペースがある(市川市役所:品川区撮影) <14ページ> (イ ) 会議機能 【整備方針】 多様な打合せに対応し、効率的な運用が行える会議機能を整備します。 〇会議スペースの確保と効率運用 ・現庁舎での利用実態を踏まえ、必要な規模・数の会議室を確保します。 ・電気錠と組み合わせた予約システムを導入することで、場所の確保や利用時間の管理を行うだけでなく、利用状況の把握や施錠・解錠を自動化し、効率的な会議室運用を図ります。 〇利用環境の整備 ・可動間仕切りを採用し、目的に応じてフレキシブルに活用できる会議室を確保します。 ・どこでもすぐに打合せができ、コミュニケーションを活発に行えるよう、執務空間や共用部に様々なタイプの打合せスペースを整備します。 ・ペーパーレス会議やウェブ会議に対応できるよう、大型ディスプレイやカメラなどのICT環境を整備します。 図表 2-12 上:必要会議室数算定結果 下:会議室数割合 (出典:「品川区新庁舎整備オフィス環境調査等業務委託報告書」) 4人用9室 8人用11室 12人用11室 24人用5室 36人用3室 48人用5室 49人以上用1室 合計 45室 図表 2-13 多様な打合せに対応した執務空間 (出典:イトーキHP 納入事例 長崎県庁舎) <15ページ> (ウ ) 議会機能 議会改革推進会議において取りまとめられた「新庁舎整備基本計画における議会機能に関する意見」に沿って、議会機能の検討を進めます。 〇議会機能の配置 ・議会機能は、行政サービスを利用する区民の利便性、行政エリアとの位置関係やコストなどを総合的に勘案し、独立性を確保でき、大空間となる議場を計画しやすい上層階への配置とします。 ・議会機能は、可能な限り同一フロアで形成します。 ・施設として、行政機能と議会機能を区分した配置とする一方で、行政各部門と速やかな連携が取れる配置とします。 ・来庁者にわかりやすい配置構成、動線計画とします。 ・議会の内装は、木材やガラスを多用するなど、温かく明るい色調とします。 〇議会機能の充実 (1)本会議場 ・多様な人々の利用を想定し、ユニバーサルデザインを採用した議場とします ・自然光や外気が入る明るい議場とします。 ・議事運営の円滑化のために電子採決システムの導入を検討します。 (2)傍聴席 ・多様な人々の利用を想定し、ユニバーサルデザインを採用した傍聴席とします。 ・幼い子ども連れの方に対応できるよう、防音性の高いブースを設けます。 ・傍聴席は必要十分な座席数を確保します。 ・傍聴席までの動線はバリアフリーに対応したものとします。 ・車いす用の傍聴スペースを確保します。 ・廊下からも議場を望むことができるような設えを検討します。 (3)委員会室 ・現状の5つの部屋数以上の確保を基本とします。 ・防音性を確保し、可動間仕切りなどで部屋の広さや数を変えられるものとします。 ・十分な傍聴スペースを確保します。 ・委員会の様子を、映像を通して傍聴できるようにします。 ・災害時のために、特別委員会用の部屋はオンライン会議などが可能な機能を設えます。 (4)会派控室・議員応接室 ・会派控室は人数の変更に伴う柔軟な運用ができるように設えます。 ・議員応接室は少人数対応のものとし、数を現状より増やします。 ・議員応接室は来客人数に合わせて利用できるよう、多様な規模の部屋を設置します。 ・会派控室・議員応接室共に防音性を確保し、セキュリティに配慮したものとします。 ・議員応接室は窓のある明るく開放的な部屋とします。 <16ページ> (5)正副議長室 ・正副議長の職責を果たすため、それぞれの専用室設置を検討します ・議長応接室を設け、災害時に議会の対策本部として機能するように設えます (6)議会図書室 ・区民も利用しやすい位置・設えとします。 ・パーティションで仕切られた閲覧場所を確保します。 ・閲覧スペース、PCによる蔵書検索機能などを確保します。 (7)議会事務室 ・議会諸室の効率的な管理およびセキュリティ確保に配慮した配置とします。 ・話し合いや打合せのできる独立した部屋を確保します。 (8)その他諸室 ・多目的トイレを含め、十分な数のトイレの設置を計画します。 ・廊下からでも議場や委員会室内での審議の様子を望めるよう、壁面にガラス を設置するなど、開かれた区議会を計画します。 ・傍聴や面談の来訪者が待つことのできる場所を確保します。 (9)ユニバーサルデザイン ・多様な人々の利用を想定し、ユニバーサルデザインを採用した議会機能とします。 ・多目的トイレを含め、十分な数のトイレの設置を計画します。 (10)災害対策 ・地震や風水害、感染症などの災害時でも議会機能が維持できる環境を整えます。 ・議会フロアにも防災備蓄スペースの確保を検討します。 ・災害時に使用できる非常電源を確保します。 (11)ICT環境 ・議会フロアにWi-Fi環境を整えます。 ・議会報告会などを安定した環境で行うことができるICT環境を整えます。 (12)セキュリティ ・土日・祝日や夜間閉庁時においても、セキュリティに配慮した上で、独立して議会諸室へアクセスができる計画とします。 ・区民が気軽に傍聴や相談などができる環境を整えつつ、十分なセキュリティを確保します。 〇区民に開かれた議会の整備 ・議場などの貸出しについては、議長の許可に基づく現議会の運用方法を基本とし、議会運営に配慮した上で、運用の中において可能な範囲で多目的利用を検討します。また、それに伴う整備も検討します。 ・木材などを積極的に使用し、環境啓発を行える議会とします。 ・傍聴や面談の来訪者が待つことのできる場所を確保します。 〇その他 ・SDGs達成となる議会機能、電源の一部または全部の再生エネルギーの使用などを検討します。 ・身近で開かれた区議会となるような議会機能を計画します。 ・ペーパーレスの取組みを推進します。 <17ページ> 4) 防災 「区民の安全・安心を支える防災指令拠点となる庁舎」 (ア ) 周辺施設との連携機能 【整備方針】 周辺の各施設と相互に補完しあいながら、防災指令拠点の強化を目指します。 〇周辺施設との連携 ・広町地区内の各施設、しながわ中央公園と災害時の役割を分担・補完しあいながら防災指令拠点の強化を目指します。 ・第二庁舎は災害対応従事者の休憩・宿泊場所、第二庁舎駐車場は協定先や支援団体の車両駐車スペースとするなど後方支援拠点としての活用を検討します。 ・効率が良く低炭素で、災害時の業務継続性を可能とする面的エネルギーシステム導入を検討します。 ●第二庁舎駐車場(別途検討中) ・協定先や支援団体車両の駐車 ●第二庁舎(別途検討中) ・帰宅困難者一時滞在施設(※1) ・災害対応従事者の休憩・宿泊 ●しながわ中央公園 ・災害時の多目的利用 ●広場 1 号 (JR 東日本整備予定街区) ・広域避難場所(※2) ・一時的な退避場所 ・物資の受け入れ ●新庁舎 ・防災指令拠点 ・帰宅困難者一時滞在施設(※3) ・被災者対応エリア ●新庁舎駐車場 ・災害対策車両の駐車 ・資機材や物資の搬入 ●JR東日本整備予定街区 ・帰宅困難者一時滞在施設 ※1 大地震時に発生する延焼火災などの危険から避難者の身の安全を確保し、火勢の弱まりを待つ場所。 ※2 災害発生時に観光や買い物などで当地区を訪れていた、行き場のない帰宅困難者を一時的に保護するための施設。 ※3 災害発生時の来庁者が中心。 図表 2-14 新庁舎および周辺施設の災害時の役割 <18ページ> (イ ) 耐震性・災害時のバックアップ機能 【整備方針】 防災指令拠点として高い耐震性やライフラインのバックアップ機能を備えます。 〇耐震性の確保 ・防災指令拠点として高い耐震性を確保するため、国土交通省が定めた「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」の最高水準である「構造体Ⅰ類、非構造部材A類、 建築設備甲類」を目標とします。 ・免震構造または制震構造の採用を検討します。 〇ライフラインのバックアップ機能の確保 ・電気室、非常用発電機、受水槽を中層階以上に配置します。 ・7日間電気を供給するための非常用発電機を整備します。 ・エネルギー、通信網の多重化を図り、業務継続性を確保します。 ・上水道の途絶に備え、飲料水に使用可能な貯水槽を確保するとともに、トイレ洗浄水などに利用する雨水槽や中水槽を整備します。 (ウ ) 災害対策本部機能 【整備方針】 災害時に迅速に活動でき、各機関と連携がとれる災害対策本部機能を目指します。 〇災害対策本部機能の強化 ・区の災害対策の指令機能としての役割を果すため、災害対策本部機能の充実、強化を図ります。 ・災害対策本部室、本部会議室、情報機器室に加え、応援職員や関係機関とのワークスペースなど必要諸室を整備します。 〇災害対策本部機能の配置 ・災害時の意思決定の迅速化や、災害対策本部要員の動線・情報の流れの円滑化を図るため、災害対策関係諸室をできる限り同一フロアに集約します。 また、電力途絶によるエレベーターの停止なども想定し、できる限り低中層階へ配置します。 ・共用会議室を災害対策本部室と隣接させ、災害時に転用することで、広い活動スペースを確保するとともに平常時の有効利用を図ります。 ・災害時に必要なスペースおよびバックアップ機能の確保を前提としながら、ICTの活用により、災害対策従事者が一同に集まらなくとも情報共有 ・活動ができる仕組みの導入も検討します。 <19ページ> 〇災害対策本部要員室の充実 ・災害発生時に支援物資が供給されないことに備え、必要な資機材や食料、飲料水を保管する備蓄倉庫を確保します。 ・災害対応従事者の休憩スペースや宿泊・仮眠スペースを確保します。 可動式間仕切りなどにより、必要に応じて広い空間を確保できる仕様 図表 2-15共用会議室の転用イメージ 図表 2-16図表 豊島区庁舎災害対策本部室 左:災害時 右:平常時(会議室) 図表 2-17災害対策本部を構成する主な諸室 諸室名称:災害対策本部会議室 用途:本部長、各部長が集まり、災害対策の総合調整に関することなど、重要事項の意会議室思決定を行う場所 諸室名称:災害対策本部室(要員室) 用途:災害対策本部要員が情報集約、防災関連機関との連絡調整、災害対策実施のとりまとめなどを行う場所 諸室名称:機器操作室 用途:災害対策本部に附帯し、各種モニターの設定・操作を行う操作卓など必要な機器類を設置する場所 諸室名称:応援職員など対応室 用途:国や都などの応援職員や、自衛隊、警察、消防などの関係機関が活動・待機する場所 図表 2-18その他災害関連諸室 諸室名称:休憩スペース 用途:用途災害対応従事者の休憩場所 (平時の職員用リフレッシュスペースを利用) 諸室名称:宿泊・仮眠スペース 用途:男女別仮眠室、更衣室、シャワールームなど(第二庁舎内を計画予定) 諸室名称:備蓄倉庫 用途:資機材や災害対応従事者用の食料、飲料水を保管する備蓄倉庫 (庁舎内に分散配置予定) <20ページ> (エ ) 災害時区民対応機能 【整備方針】 庁舎低層部、周辺空地において災害時の活動場所を確保します。 〇被災者対応エリアの確保 ・低層階に設ける区民協働・交流スペースを、帰宅困難者の一時滞在施設や証明発行場所、生活再建相談での活用も想定して整備します。 ・外部の敷地内空地および隣接街区の広場1号と連携をとることで、平時の混雑時にも災害対応時にもゆとりをもって対応できるようにします。 区民協働・交流スペース <平時> ・防災情報発信の場所 <災害時> ・帰宅困難者の一時滞在施設※ ・証明発行場所や生活再建相談での活用※ ※災害発生時の来庁者が中心 新庁舎敷地内空地 <平時> ・来庁者の憩いの場 <災害時> ・災害対応の集合場所や待機場所など多目的利用 広場1号(JR東日本整備予定街区) <平時> ・防災訓練や防災イベントでの活用 <災害時> ・大規模火災における広域避難場所 図表 2-19災害時被災者対応スペース、その他災害対策機能の配置イメージ <21ページ> 5) 環境 「環境にやさしい脱炭素型の庁舎」 (ア ) 建築物の環境性能 【整備方針】 CASBEE(キャスビー)-建築(新築)の取得目標「Sランク」を目指します。 ■ CASBEE:建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency) ・国土交通省主導で開発された、建築物の環境性能を評価・認証するシステム ・管理団体:一般財団法人建築環境・省エネルギー機構 ■ 評価方法 ・建築物の環境品質(Q:Quality)と環境負荷(L:Load)を評価 ■ 評価ランク ・S・A・B+・B-・Cの 5段階⇒国土交通省の「官庁施設の環境保全性基準」では A以上の取得基準 図表 2-20CASBEE-建築(新築)の評価イメージ <22ページ> 自治体におけるCASBEE活用のメリットとして、次のことが考えられます。 ・CASBEEの導入によって、民間建築主などの自主的な環境配慮の取組みを促進する。 ・CASBEEの評価結果を、自治体による建築環境施策の達成状況の把握や目標設定に活用する。 図表 2-21 CASBEE-建築(新築)の評価結果表示シート (出典:建築環境・省エネルギー機構HP) <23ページ> (イ) カーボンニュートラル (※1) 【整備方針】 費用対効果を見極めながら、ZEB(ゼブ)の取得目標 「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」を目指します。 ■ ZEB:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(Net Zero Energy Building) ・快適な室内環境を実現しながら、消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物 ■ 評価方法・基準一次エネルギー消費量(※2)の削減率を評価 ■ 評価ランク ・ZEB・Nearly ZEB・ZEB Ready・ZEB Orientedの 4段階 〇省エネルギーの推進 ・パッシブ技術(日射遮蔽、通風など)やアクティブ技術(LED照明や空調機器などの高効率化)を併用して省エネを推進します。 〇再生可能エネルギーの導入 ・再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電など)を最大限活用することにより脱炭素化、ZEB化(ゼブ:ゼロエネルギービル)を推進します。 〇脱炭素型エネルギーの調達 ・脱炭素型エネルギーへの切り替えを検討します。 ・国による「2050年の脱炭素化達成の宣言」や東京都の「ゼロエミッション東京戦略」に沿ったゼロエミッションビル(廃棄物ゼロ)への対応をします。 ※1 平成28(2016)年省エネルギー基準で定められる空気調和設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備および昇降機。 ※2 炭素中立:二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、排出量を実質ゼロに抑えるという概念。 図表 2-22ZEBの概要と新庁舎の取得目標 <24ページ> 〇 令和 12(2030)年までに平成 25(2013)年比で46%削減 ・令和32(2050)年にカーボンニュートラル(実質的な排出0) ・令和3(2021)年 4月 22日気候サミットで表明 図表 2-23国の温室効果ガス削減目標 〇 令和 12(2030)年までに平成 12(2000)年比で50%削減 ・エネルギー消費量50%削減 ・再生可能エネルギーによる電力利用割合50%程度 ・ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Report で策定 図表 2-24東京都の温室効果ガス削減目標 (出典:ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Reportより抜粋) 令和 12(2030)年度における温室効果ガス排出量を、平成 25(2013)年度比で40%削減することが目標です。 直近の基準年度比は、平成30(2018)年度で約10.5%減 (246kt-CO2減)でした。 図表 2-25品川区の温室効果ガス削減目標 (出典:品川区長期基本計画) <25ページ> 図表 2-26パッシブ技術とアクティブ技術を組み合わせたZEBのイメージ (出典:環境省HP) (ウ) 周辺環境への配慮 【整備方針】 周辺環境に配慮し、豊かな潤いのある市街地環境を形成します。 〇グリーンインフラ(※)の推進 ・ヒートアイランド現象や景観などに配慮し、敷地や建物の緑化を進めます。 ・内装材や家具などに、木材を積極的に活用します。 ※ 自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能な魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるという概念。 <26ページ> 6)将来変化・経済性 「将来の変化に対応し、長期間有効に使い続けられる庁舎」 (ア ) ライフサイクルコストの低減 【整備方針】 長寿命で維持管理しやすい庁舎を整備します。 〇建物の長寿命化 ・長寿命・高耐久な構造や材料を採用します。 〇ランニングコストの低減 ・維持管理がしやすいシンプルな平面形状とします。 ・維持管理がしやすい構造や材料を採用します。 ・省エネルギー設備の採用などランニングコストを抑制できる機器を積極的に導入します。 ・設備更新を考慮したメンテナンススペース(機器の点検、交換などのための空間)を確保します。 (イ) 将来の変化への柔軟な対応 【整備方針】 可変性があり、将来にわたり長く使える庁舎を整備します。 〇柔軟性の高い環境の整備 ・将来の行政ニーズや行政組織に対応したレイアウト変更を想定し、スケルトン・インフィルの採用を検討します。 ・大規模空間化により、設計自由度を確保します。 ・新しい働き方などを想定し、エリアごとに制御できる電気・空調設備を整備します。 ・平時には区民や職員が自由に利用できる空間を確保し、災害時などの緊急対応に使用できる空間とします。 耐用年数が異なる建物の構造部分と内装や設備部分をプランニングや断面計画によって切り分け、構造部分に手を加えることなく将来の改修や 設備更新に対応しやすい計画とする考え方のことです。 図表 2-27スケルトン・インフィル工法イメージ(出典:中野区HP) <27ページ> 7)共通機能 (ア ) ユニバーサルデザイン 【整備方針】 ・ 誰もがわかりやすく、利用しやすい庁舎を目指します。 〇ユニバーサルデザインの導入 ・すべての来庁者が不自由なく利用できるよう、ハード面とソフト面において、ユニバーサルデザインに配慮します。 ・ユニバーサルデザインの7原則を踏まえて、利用可能な建物として整備します。 〇利用しやすい移動空間 ・誰もが安心して移動できるよう、十分な幅を確保し、段差のない出入口や通路を設けます。 〇わかりやすいサイン・案内設備 ・色彩やピクトグラムにより、直感的でわかりやすいサインを整備します。 ・多言語対応のデジタルサイネージや音声誘導装置などにより、障害者や高齢者、外国人などのすべての利用者を円滑に誘導できる設備を導入します。 〇利用しやすい環境整備 ・オストメイト対応やベビーチェア、ベビーシートなど多機能で広めのブースを備えたトイレ、男女共用の個室を備えたオールジェンダートイレを整備します。 ・子育て関連の窓口には、授乳室やキッズスペースを設け、親子で利用しやすい環境を整備します。 ・車いす使用者の利用を想定した駐車スペースをエントランスやエレベーターに近い位置に配置します。 ・扉のレバーハンドルなど、誰にでも操作しやすい形状を選定します。 ・非接触型のエレベーターボタンや自動水栓、自動ドア、人感センサーにより点灯する照明器具など、誰もが安心して使用できる設備を導入します。 図表 2-28 わかりやすいサイン・案内設備・キッズコーナーを備えた総合窓口(出典:岐阜市HP) 図表 2-29 誰もが利用しやすいトイレの整備事例 (出典:国交省「共生社会におけるトイレ)の環境整備に関する調査研究」) <28ページ> (イ ) DX(※)の推進 【整備方針】 DXを推進し区民の利便性向上と業務効率化を目指します。 〇ICT(情報通信技術)の活用 ・来庁者や職員にとって最適なICTを活用することで、窓口サービスの充実やペーパーレスなどの実現による業務効率化・環境への負荷軽減を図ります。 ・障害者や外国人、高齢者などあらゆる立場の方々がICTの恩恵を享受できるよう、情報格差(デジタルデバイド)に十分に配慮します。 ・情報通信量の増大に対応できるよう、情報通信機器の設置スペースや配線スペースの拡張性に配慮します。 〇区民サービスの向上や新しい働き方への対応 ・行政手続きのオンライン化によるセルフ申請スペースやオンライン窓口スペース、ワンストップ対応スペースなどICTを活用し、窓口空間のDXに対応します。 ・個々の手続き・業務がデジタルで完結する仕組みや、何度も同じ情報を入力しない仕組みづくりなど、利用者目線での行政サービスを目指します。 ・AI(人工知能)の導入による窓口業務の自動化や審査業務の迅速化などを検討します。 ・将来的に、インターネット上に構成される仮想空間(メタバース)においても行政サービスを利用できる仕組みも含めて検討します。 ・個人情報などの取り扱いに十分配慮しつつ、区民サービスや業務効率の向上となる執務環境の実現を目指します。 ※ デジタル・トランスフォーメーション:進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念。 目的 健康・介護・教育・災害対策・産業など、あらゆる分野においてICTをはじめとするデジタル技術を最大限活用して、区民の利便性向上と業務効率化に よる生産性向上を図りつつ、区民生活における課題解決や発展に向けてデジタル変革の取組を推進する。 図表 2-30DX推進の基本的方向性 (出典:「品川区DX推進基本方針」) <29ページ> (ウ ) セキュリティ対策 【整備方針】 ・ 利便性・効率性を向上させたセキュリティ環境を整備します。 〇セキュリティ対策の強化 ・会議室や使用動線にはICカードやテンキーなど、最適な施錠管理システムを採用します。 ・プライバシーに配慮しながら防犯センサーや防犯カメラを設置し、個人情報保護や防犯対策を図ります。 ・外部空間の死角となる場所にはセンサー式ライトなどを設置し、防犯対策を強化します。 〇セキュリティゾーニング ・来庁者が利用するエリアを明確化し、重要度に応じてセキュリティエリアを段階的に設定することで、来庁者の利便性と職員の業務効率性を両立させます。 ・印刷機や複合機などの出力機器類や文書保管庫などは、部外者が立入ることのできない職員専用エリアに設けます。 〇休日・夜間のセキュリティ確保 ・共用部と執務エリアをシャッターなどで仕切るとともに、時間帯によってエレベーターの停止階を変更することで、無人となるフロアのセキュリティ性を高めます。 ・人的警備と機械警備を組み合わせ、終日安全で効率的な警備体制を整えます。 図表 2-31セキュリティエリアの段階構成イメージ <30ページ> (エ ) 感染症対策 【整備方針】 感染症発生時においても臨機応変に対応できる体制を構築します。 〇保健センター機能再編による保健所機能の強化 ・区内3箇所の保健センターの管轄区域を再編成し、一部機能を新庁舎内に集約します。 〇感染リスク低減や非常時の体制に配慮した建築計画 ・ロビーや待合スペースなど人が多く集まる場所については、ソーシャルディスタンスを確保できるようゆとりを持った空間とします。 ・厚生労働省の示す空気環境基準の換気量の確保や人感センサーなどによる非接触での機器類の操作など、感染症対策を講じた計画とします。 ・執務空間は、適切な離隔距離を保つことができるレイアウトとするとともに、職員の飲食スペースや休憩スペースと分離して計画します。 ・低層階に設ける区民協働・交流スペースや可変性の高い会議室など、非常時の体制に柔軟に対応できるスペースを確保します。 ・空間的に利用者動線を分ける計画とします。 〇ICT(情報通信技術)の活用 ・電子申請サービスやオンライン相談による「行かなくてよい窓口」や、来庁時に短時間で手続きできる「事前申請システム」 などを拡充し、庁内の混雑を軽減します。 ・接触を避けながらの業務継続や非常時優先業務を円滑に遂行できるよう、テレワーク環境の整備を進めます。 ・職員および必要に応じて来庁者の入退館システムを導入します。 対角配置・横並び広さの確保仕切りの追加換気量を上げる 図表 2-32オフィス空間における感染症対策 (出典:イトーキ「Post Corona Workplace Guide Book」) 推奨される換気の方法①【機械換気(空気調和設備、機械換気設備)による方法】 ・ビル管理法における特定建築物に該当する商業施設などについては、ビル管理法に基づく空気環境の調整に関する基準が満たされていることを確認し、満たされていない場合、換気設備の清掃、整備などの維持管理を適切に行うこと。 ・特定建築物に該当しない商業施設などにおいても、ビル管3理法の考え方に 基づく必要換気量(一人あたり毎時 30m )が確保できていることを確認すること。必要換気量が足りない場合は、一部屋あたりの在室人数を減らすことで、一人あたりの必要換気量を確保することも可能である。 図表 2-33厚生労働省の示す換気方法 (出典:品川区 HP) 図表 2-34 電子申請サービスイメージ <31ページ> 第3章 施設計画 1. 建設予定地 土地区画整理事業が進められている広町地区内の敷地を新庁舎の建設予定地としています。 ※ この地図は、東京都知事の承認を受けて、東京都縮尺2,500分の1の地形図を利用して作成したものである。 (承認番号)3都市基交著第1号、令和 3年 4月 9日 図表 3-1 建設予定地の位置 図表 3-2 建設予定地の現況 <32ページ> 2. 設計上の与条件 1)上位関連計画 ①大井町駅周辺地域まちづくり方針(令和2(2020)年 11月策定) <広町地区の将来像> 合理的な市街地環境の形成と駅と町が一体となるまちづくり <新庁舎整備に関連する内容> 【土地利用】 ・区民サービスの向上に資する行政機能や賑わい機能、文化芸術機能などを集積させ、シビックコア(※)を形成するとともに、広場と連携した災害対策機能 などの強化を図る。 ※ 利用者の利便性向上を目的に、官公庁施設や民間建築物、都市基盤などの整備を総合的かつ一体的に実施する地区。 【都市基盤】 ・鉄道や高低差によって分断されている広町地区と周辺市街地をつなぎ、既存の道路機能を補完する歩行者デッキや通路を整備し、区民 ・就業者・来街者にとって回遊性や安全性を備えた快適な環境を創出する。 【都市環境】 ・公園や緑地、立会道路などの周辺街路樹などと、広場整備や敷地内緑化との連携により、厚みと広がりのあるみどり空間を形成する。 ・省エネルギーや低炭素への取り組みとして、熱負荷の低減・高効率な設備システムの導入を図るなど、環境性能の高い建築物を整備する。 図表 3-3 広町地区整備方針 (出典:大井町駅周辺地域まちづくり方針) <33ページ> ②広町地区地区計画 (令和3(2021)年 11月都市計画決定 ) <地区計画の目標> 多様な都市機能を備えた複合拠点の整備、北側駅前広場や多層かつ多方面からの人の動線を縦方向につなぐ駅前歩行者広場の整備、 歩行者ネットワーク形成などによる交通結節機能の強化、行政機能やしながわ中央公園と連携した地域防災力の強化、みどりとオープンスペース とが連続する高質な都市空間の形成により、個性豊かな魅力とにぎわいのある区の中心核にふさわしい複合拠点の形成を図る。 図表 3-4 主要な公共施設・地区施設 <34ページ> 2)法的規制の制約 ①東京都再開発等促進区を定める地区計画運用基準 建設予定地を含む広町地区には、広町地区地区計画(再開発等促進区を定める地区計画)が定められています。今後、新庁舎の設計と並行しながら、東京都を初め とした関係機関と協議や調整を進め、地区整備計画に容積率や高さの最高限度など建築物に関する事項を追加して定めることとなります。 建設予定地において適用される規制などは以下のとおりです。 図表 3-5 地区計画運用基準 規制など:見直し相当用途地域(※) 内容:商業地域 規制など:道路(Vo は、見直し相当容積率 ) 内容:500 ≦ Vo <700%で 主要な公共施設の道路幅員 16m以上地区施設の道路幅員 8m以上 規制など:公共空地 内容:公園、緑地および広場、その他の公共空地の整備 規制など:計画容積率の設定 内容:将来の目指すべき市街地像など、総合的に判断 規制など:有効空地 内容:100㎡をこえるものとする商業系用途地域は 400 < Vo ≦700% で有効空地率 35%以上 規制など:壁面の位置の制限 内容:50 ≦ H <100m 8m 規制など:計画建築物の高さの最高限度 内容:住居系用途地域以外 (Vf x A/100 x (A-B))x100 Vf 計画容積率+αA 計画建築物の敷地面積 B 有効空地面積 規制など:公共公益施設の 整備推進 内容:ア 交通補完施設 イ 供給処理施設ウ 防災、保安施設 エ地域コミュニティ施設オ福祉施設    カ 子育て支援施設 キ 高齢者福祉施設 ク 歴史、文化的環境の保全、整備に資する施設の整備 規制など:防火地域の指定および高度地区の廃止 内容:見直し相当容積率は400%以上の区域は、防火地域    地区整備計画の区域で最高限度高度地区が指定されている場合は廃止 ※ 再開発、開発整備などによる土地利用転換や公共施設整備後、将来見直すことを想定した場合の用途地域。 <35ページ> ②その他関係法令本庁舎整備に関係する法規・条例などの主なものを以下に示します。 図表 3-6 建設予定地における法的規制 法令 □ 都市計画法 □ 建築基準法 □ 消防法 □ 駐車場法 □高齢者、障害者等の移動等の円滑化に関する法律(バリアフリー法) □建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法) □ 景観法 □ 都市緑地法 ほか 条例 □ 東京都建築安全条例 □ 東京都駐車場条例 □ 東京都環境基本条例 □ 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 □ 東京都景観条例 □ 高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例(東京都条例) □ 東京都福祉のまちづくり条例 □ 火災予防条例(東京都条例) □ 東京における自然の保護と回復に関する条例 □ 品川区中高層建築物の建設に係る紛争の予防と調整に関する条例 □ 品川区みどりの条例 □ 品川区景観条例 □ 品川区自転車等の放置防止および自転車等駐車場の整備に関する条例 □ 中高層建築物等の建設に関する開発環境指導要綱 □ 品川区における建築物等の福祉に関する整備要綱 3)施工上の制約 建設予定地の地下にはりんかい線トンネルがあるため、建設にあたっては、近接施工協議を行い、鉄道の運行に影響を与えない配慮が不可欠になります。 (りんかい線トンネルの上部においても建物を建築できる可能性があるため、設計時に詳細検討を行います。) 図表 3-7 りんかい線位置図 <36ページ> 4)想定される地震 令和4( 2022)年に公表された「首都直下地震等による東京の被害想定」では、「都心南部直下地震」が発生した場合に、品川区内全域で震度6強、 一部では震度7の強い揺れが想定されています。 図表 3-8 想定地震の概要 (「首都直下地震等による東京の被害想定(東京都令和 4( 2022)年公表)」より抜粋) 項目 地震のメカニズム 種類 震源の深さ 品川区の震度 内容 首都直下地震 種類 都心南部直下地震 多摩東部直下地震 震源 東京湾南部 東京都多摩地域 規模 M7.3 震源の深さ 約 20km~35km 地震のメカニズム 海溝型地震 種類 大正関東地震 震源 神奈川県西部 規模 M8 震源の深さ 約 0km~3 0km 種類 南海トラフ巨大地震 規模 M9 地震のメカニズム 活断層で発生する地震 種類 立川断層帯地震 震源 東京都多摩地域 規模 M7.4 震源の深さ 約 2km~2 0km <37ページ> 5)ハザードマップ(想定雨水氾濫区域、高潮浸水区域) 新庁舎計画地の洪水による浸水の想定は、0.1~0.5m未満であることから、万が一浸水が起きた場合に問題を最小限とするために止水板の設置やキュービクルなどの 電気機械設備を最大浸水深より上に配置します。 高潮による浸水は想定されていません。 図表 3-9 品川区ハザードマップ <38ページ> 3. 建築計画 1)建物配置計画の考え方 新庁舎の建設予定地である広町地区に係る都市計画やガイドラインなどを踏まえ、次のとおり建物を配置します。 ・建物低層部は、隣接街区で整備が予定されている広場1号と連携し、地域のにぎわい創出および防災性向上に配慮します。 ・隣接街区側と連携して、大井町駅からしながわ中央公園方面につながる歩行者デッキを整備し、安全で快適な歩行者ネットワーク形成に寄与します。 ・建物周辺にみどり豊かな開かれた空間を整備し、潤いのある市街地環境を創出します。 ・周辺市街地との調和に配慮しながら、区の中心核に新たな都市景観を形成します。 図表 3-10建設予定地における建物配置計画 <39ページ> 2)動線計画の考え方 ①歩行者・大井町駅からバリアフリー環境に配慮した歩行者デッキによりアクセスできる計画とします。 ・敷地内に歩道と一体となった歩道状空地を整備し、安全で快適な歩行動線を確保します。 ②自転車利用者 ・安全性に配慮し、自動車と歩行者・自転車の動線がなるべく交差しないよう、敷地内動線を確保します。 ・職員用と来庁者用の駐輪場を区分し、来庁者の利便性を優先した配置計画とします。 ・周辺の設置状況を鑑みながら、十分な台数のシェアサイクル駐輪場を確保します。 ③自動車、バイク利用者 ・新庁舎地下に整備予定の駐車場へスムーズにアクセスできる計画とします。 ・公用車や業務用車両などの動線と、来庁者の車両動線ができる限り交錯しない計画とします。 ④バス、タクシー利用者 ・アクセスしやすい停留所位置や待合空間の創出など、交通事業者と連携した利便性向上について検討します。 図表 3-11建設予定地における動線計画 <40ページ> 3)平面計画の考え方 整備方針の実現に向けて望ましいコア(※1)配置を比較し、平面計画の検討を進めます。 ※1 廊下・階段・エレベーター・トイレ・機械室など。 図表 3-12コア配置の比較 配置イメージ(中高層基準階) 中央コア(センターコア)型 両端コア(ダブルコア)型 偏心コア(片コア)型 中央コア(センターコア)型 概要 ・南北が分断し計画上の自由度が低い ・来庁者と職員の動線分離はややしにくい ・レンタブル比(※ 2)の高い計画にしやすい ※2 延床面積に占める専有部(共用部以外)の面積の割合。 ・構造的にバランスがよい ・ 2方向避難の確保が難しい場合がある 他自治体事例 豊島区 ・約 94,681㎡ (庁舎部分:約 25,573㎡) ・地上 49階、地下 3階(庁舎部分: 1階の一部、 3. 9階)(上層部はマンション) 岐阜市 ・約 56,642㎡ (立体駐車場部分含む)・地上 18階、塔屋 2階 両端コア(ダブルコア)型 概要・計画上の自由度が高い ・来庁者と職員の動線分離はしやすい ・レンタブル比が低くなりやすい ・構造的にバランスがよい ・ 2方向避難を確保しやすい 他自治体事例 中野区(整備中)・約 47,390㎡ ・地上 11階、地下 2階(完成予想図) 岡山市(整備中)・約 56,318㎡ ・地上 17階、地下 2階(完成予想図) 偏心コア(片コア)型 概要 ・計画上の自由度が高い ・来庁者と職員の動線分離はややしにくい ・レンタブル比の高い計画にしやすい・構造的に偏りがあり、配慮が必要 ・2方向避難の確保が難しい場合がある 他自治体事例 渋谷区 ・約 31,930㎡ ・地上 15階、地下 2階 川崎市(整備中) ・約 62,356㎡ ・地上 25階、地下 2階(完成予想図) <41ページ> 4)ゾーニング計画の考え方 新庁舎の低層階は、開放的な空間とするなど、上層階よりも階高を高くします。中層や高層は、各室の大きさや快適性の観点により、 適切な天井高さを確保したうえで、構造や設備計画との整合性、経済性にも配慮して階高を設定します。 ゾーニング計画の方針 高層階 ・議会は、フロア単位で配置し行政機能と明確に区分 ・大空間となる議場の上に室を設けず、合理的な構造計画 中層階 ・関連性の高い部署は、近接配置して連携を高め、 区民や事業者対応に配慮 ・保健センターの管轄区域を再編成し、一部を新庁舎内に集約 ・来庁者対応エリアと区分けして職員用リフレッシュスペースを設け、休憩や飲食、打合せなどに利用 ・都の機関は、利用者の利便性に配慮して配置 低層階 ・災害対策関係諸室は、区長関係諸室と近接して配置し、連携を強化 ・会議室を集約し、災害時に本部機能を拡張 ・窓口は、集約配置して区民の利便性を高め、エスカレーターで円滑な上下移動 ・協働・交流スペースは、広場と接続しやすい位置に配置しイベント開催時などの連携を強化するとともに、災害時などは臨時対応スペースに転用 ・国の機関は、利用者の利便性に配慮して配置 地下 ・駐車場は、地下に設けることで敷地を有効利用 ・歩車分離により歩行者の安全性を確保 その他 ・食堂やカフェなどの飲食スペースは、現庁舎の利用実態や希望調査、周辺の整備状況を踏まえ計画 ※ 建物形状、各機能配置および出入口位置などはイメージです。 ※ 図は各階層の代表的なフロアを示したもので、実際の階数とは異なります。 ☆「庁舎食堂に関する職員アンケート調査」の結果概要を巻末に掲載しています。 図表 3-13新庁舎のゾーニング計画 <42ページ> 5)外観計画の考え方 ①外観デザインの考え方 ・周辺市街地の景観との連続性を確保するとともに、近景から遠景までの様々な見え方に配慮して新たな都市景観を創造します。 ・華美な意匠を避け、区庁舎として相応しく、シンプルで機能美が現れる外観デザインとします。 ・単一な外壁形状とせず、いくつか区切りを入れることや高層部の後退などにより、圧迫感の軽減に配慮します。 ・屋上緑化や壁面緑化のみどりを建物デザインに効果的に取り入れ、環境に配慮した都市景観の形成を図ります。 ・品川区の歴史を踏まえつつ、周辺環境などと調和した景観の形成について検討します。 図表 3-14 他庁舎の外観計画 カーテンウォールやアルミパネルの組み合わせで景観形成と環境性能の両立を図った事例 (出典:横浜市 HP) 各階の水平ラインを強調した事例(出典:習志野市 HP) 躯体と植栽を融合させた「緑化ルーバー」を整備した事例(出典:市川市 HP) 中高層部を後退させて圧迫感を軽減している事例(出典:長崎市 HP) <43ページ> ②屋外サインの考え方 ・広町地区内で統一感のあるデザインとなるよう、大きさ、色彩、設置場所に配慮します。 ・来庁者が迷わないよう、施設全体の総合案内サインに加え、広町地区内の各施設や駅までの誘導サインを設置します。 ・デジタルサイネージを屋外でも活用し、防災情報や各種イベント情報などを効果的に発信できるようにします。 新庁舎は、区のシンボルとして建設後も長きにわたり利用される建物となります。年月を経るに従って風合いが増していくような、区民に長く愛されるデザインを目指していきます。 ※ 建物形状は現段階でのイメージです。今後変更となります。 図表 3-15新庁舎のイメージ <44ページ> 4. 構造計画 「官庁施設の総合耐震計画基準(国土交通省)」によると、人命の安全確保や官庁施設の機能確保を目的として、耐震安全性の目標を定めています。 新庁舎は、災害応急対策活動の中枢となる施設であるため、高い耐震性を確保するため、国土交通省が定めた「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準」 の最高水準である「構造体Ⅰ類、非構造部材A類、建築設備甲類」を目標とします。 図表 3-16 耐震安全性の分類と目標 (「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準(国土交通省平成 25年制定)」より抜粋) 部位 構造体 分類 Ⅰ類 耐震安全性の目標 大地震動後、構造体の補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし、人命の安全確保に加えて 十分な機能確保が図られるものとする 重要度係数(※) 1.5 部位 構造体 分類 Ⅱ類 耐震安全性の目標 大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目的とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られている 重要度係数(※)1.2 分類 Ⅲ類 耐震安全性の目標 大地震動により、構造体の部分的な損傷は生じるが、建築物全体の耐力の低下は著しくないことを目標とし、人命の安全確保が図られている 重要度係数(※)1.0 部位 建築非構造部材 分類 A類 耐震安全性の目標 大地震動後、災害応急対策活動等を円滑に行ううえ、又は危険物の管理のうえで支障となる建築非構造部材の損傷、移動等が発生しないこと を目標とし、人命の安全確保に加えて十分な機能確保が図られるものとする 重要度係数(※) ー 分類 B類 耐震安全性の目標 大地震動により建築非構造部材の損傷、移動が発生する場合でも、人命の安全確保と二次災害の防止が図られている 重要度係数 ー 部位 建築設備 分類 甲類 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られているとともに、大きな補修をすることなく、必要な設備機能を相当期間継続できることを目標とする 重要度係数(※)ー 部位 乙類 耐震安全性の目標 大地震動後の人命の安全確保及び二次災害の防止が図られている 重要度係数(※) ー ※ 大地震後の建築物の機能を確保するため、建築物の重要度に応じて、設計時に地震力を割り増す係数のこと。 <45ページ> 国家機関の建築物の整備基準に準じ、「災害対策の指揮、情報伝達等のための施設」として求められる安全性を確保します。 図表 3-17 耐震安全性の分類 (「官庁施設の総合耐震・対津波計画基準(国土交通省平成 25年制定)」より抜粋) 施設の用途 対象施設 耐震安全性の分類 構造体 建築非構造部材 建築設備 災害対策の指揮、情報伝達等のための施設 指定行政機関が入居する施設 指定地方行政ブロック機関が入居する施設 東京圏、名古屋圏、大阪圏及び地震防災対策強化地域にある指定行政機関が入居する施設 Ⅰ類 A類 甲類 指定地方行政機関のうち、上記以外のもの及びこれに準ずる機能を有する機関が入居する施設 Ⅱ類 被災者の救助、緊急医療活動等のための施設 病院関係機関のうち、災害時に拠点として機能すべき施設 Ⅰ類 A類 甲類 上記以外の病院関係施設 Ⅱ類 避難所として位置付けられた施設 学校、研修施設等のうち、地域防災計画で、避難所として指定された施設 Ⅱ類 A類 乙類 危険物を貯蔵又は使用する施設 放射性物質又は病原菌類を取り扱う施設、これらに関する試験研究施設 Ⅰ類 A類 甲類 石油類、高圧ガス、毒物等を取り扱う施設、これらに関する試験研究施設 Ⅱ類 A類 甲類 多数の者が利用する施設 学校施設、社会教育施設、社会福祉施設等 Ⅱ類 B類 乙類 その他 一般官公庁施設(上記以外のすべての官庁施設) Ⅲ類 B類 乙類 <46ページ> また、地盤特性に応じた適切な基礎形式の検討や、免震構造などの導入、架構形式、荷重条件に応じた合理的な上部構造計画について、建築計画や設備計画との整合を図りながら、設計時に検討を行います。 図表 3-18 構造種別の比較 鉄筋コンクリート造 (RC造) 鉄骨鉄筋 コンクリート造 (SRC造) 鉄骨造(S造) コンクリート充填鋼管構造(CFT造) 鉄筋コンクリート造 イメージ 特徴 ・鉄筋とコンクリートを使用した耐震性に優れた構造、 空間自由度 ・柱間スパン 10m程度が可能・小規模~中規模に向く 耐久性 ・コンクリートで覆われており強度度、耐久性に優れる 環境への影響 ・型枠を大量に使用するため、CO2 削減に工夫が必要 施工性・工期 ・一般的な工法で比較的容易・やや長い工期を要する 一般的な費用負担 ・S造に比べやや高い 鉄骨鉄筋 コンクリート造 (SRC造) イメージ 特徴 ・RC造とS造を組合せ、両方の特徴を兼ね備えた構造 空間自由度 ・柱間スパン 18m程度が可能 ・中規模~大規模建物に向く 耐久性 ・コンクリートで覆われており強度、耐久性に優れる 環境への影響 ・型枠を大量に使用するため、CO 2削減に工夫が必要 施工性・工期 ・煩雑な工事でやや難易度が高い ・長い工期を要する 一般的な費用負担 ・S造に比べコンクリートが入る分、割高である 鉄骨造(S造) イメージ 特徴 ・鋼材を使用した、靭性(粘り強さ)に優れた構造 空間自由度 ・柱間スパン 18m程度が可能 ・小規模~大規模建物に向く 耐久性 ・耐火被覆や防錆塗装により、耐久性を確保 環境への影響 ・部材の工場製作および型枠の削減により、CO2 削減可能 施工性・工期 ・一般的な工法で比較的容易 ・RC造に比べ工期は短い傾向にある 一般的な費用負担 ・特殊な条件が無い限り一般的に経済性がよい コンクリート充填鋼管構造(CFT造) イメージ 特徴 ・鋼管の柱にコンクリートを充填した高耐力の柱の構造 空間自由度 ・柱間スパン 18m程度が可能 ・高層建物に向く 耐久性 ・耐火被覆や防錆塗装により、耐久性を確保 環境への影響 ・部材の工場製作および型枠の削減により、CO2 削減可能 施工性・工期 ・煩雑な工事でやや難易度が高い ・RC造に比べ工期は短い傾向にある 一般的な費用負担 ・S造に比べコンクリートが入る分、割高である <47ページ> 図表 3-19 耐震構造、制震構造、免震構造の比較 耐震構造 制震構造 免震構造 耐震構造 イメージ図 特徴 ・建物自体を堅固にすることで、地震の揺れに耐える ・激しく揺れ、壁や家具などが損傷しやすい 維持管理 ・通常の維持管理 適正範囲 ・建物上層部の揺れが大きくなるので、高層建築には不向きである 一般的な費用負担 ・制震構造や免震構造と比べ、コストは低い 制震構造 イメージ図 特徴 ・建物に制震装置(ダンパー)を組み込んで、地震エネルギーを吸収することで、地震の揺れを低減する ・揺れは低減されるが、什器・家具などの破損の恐れはある 維持管理 ・通常の維持管理に加え、大地震後には臨時点検が必要となる場合がある 適正範囲 ・高層~超高層建物にて特に有効である 一般的な費用負担 ・耐震構造と比べ、コストは高くなるが、免震構造よりは低い 免震構造 イメージ図 特徴 ・建物と地盤の間に免震装置を設置し、建物を地面から切り離すことにより、地震の揺れを建物に伝わらないようにする ・建物がゆっくり揺れるため、ひび割れなどの損傷が少なく、室内の家具も転倒しにくい 維持管理 ・通常の維持管理に加え、 5年間隔程度の定期点検が必要となる 適正範囲 ・低層~中層建物にて有効である(中規模地震では中層建物にて有効) 一般的な費用負担 ・耐震構造や制震構造と比べ、コストは高くなる <48ページ> 5. 設備計画 新庁舎の設備については、災害時の防災拠点機能としての対応を踏まえ、必要な設備を導入します。 また、国によるネット・ゼロ・エネルギービル(ZEB)の実現に向けての長期目標や、建築環境総合性能評価システム(CASBEE) に基づく評価なども注視しつつ、 費用対効果を見極めながら、環境品質に配慮した施設とします。 〇災害に強い設備計画 ・非常用発電機に加えて、耐震性の高い中圧ガスおよびコージェネレーションシステムなどの導入を検討し、災害時の電源のバックアップを確保します。 ・上下水道の途絶に備え、飲料水に使用可能な貯水槽を確保するとともに、トイレ洗浄水に利用する雨水槽や中水槽を整備します。 ・電気室、非常用発電機、受水槽は浸水に備え中層階以上に配置します。 ・地震発生時、エレベーターは最寄階に自動的に停止して扉を開放し、利用者の避難を促します。自動診断・復旧機能の導入も検討します。 ・効率が良く低炭素で、業務継続性の確保に資する面的エネルギーシステム導入を検討します。 図表 3-20災害に強い設備計画のイメージ 図表 3-21受水槽による飲料水確保(出典:渋谷区新庁舎整備計画)図表 3-22受水槽による飲料水確保(出典:渋谷区新庁舎整備計画) <49ページ> 〇環境に配慮した設備計画 ・LED照明や高効率空調など高効率な設備の導入によりエネルギー消費量の削減に努めるとともに、再生可能エネルギーの利用による創エネを組み合わせ、費用対効果を見極めながら、「Nearly ZEB」および「CASBEE Sランク」の取得を目指します。 ・日射遮蔽や高断熱化による建物の熱負荷の低減や、自然通風や自然採光の十分な活用により、空調や照明にかかるエネルギー消費量を削減します。 ・雨水利用を行うための設備を導入し、水資源の節約を図ります。 図表 3-23環境に配慮した設備計画のイメージ 図表 3-24太陽光パネルの例 (出典:葛飾区HP) 図表 3-25緑化の例 (出典:豊島区HP) <50ページ> 6. 外構計画 1)周辺からのアクセス・第二庁舎へのアクセス 駅や道路、周辺施設との高低差を解消する歩行者デッキを整備し、安全でアクセスしやすい動線を確保します。 駐輪場やシェアサイクルスペースなど区民の利用しやすい場所に確保します。 2)区民が利用しやすい憩いの場の形成 敷地内空地は緑地やウッドデッキ、ベンチなどを備えた、区民が気軽に利用できる憩いの場として整備します。 災害時に利用できるマンホールトイレの設置や、災害時などの各種支援活動を行えるスペースの確保を検討します。 3)緑化の推進 区の木(シイノキ・カエデ)や区の花(サツキ)を積極的に使用し、みどりの取り組みを情報発信します。 常緑樹を主としつつ、四季折々の季節を感じられる落葉樹も織り交ぜた計画とします。 建物壁面や屋上も活用しながら、高中低木の組み合わせによって視覚的にも楽しめるみどりを多角的に配置します。 大井町駅周辺道路の街路樹や、しながわ中央公園との連続性にも配慮して、緑豊かな潤いのある市街地環境を形成します。 植栽の緑によるヒートアイランド対策や雨水流出抑制など、自然環境の機能を積極的に活用するグリーンインフラの考え方を導入します。 表 3-26 新庁舎の外構計画のイメージ <51ページ> 第4章 新庁舎の規模の整理 1. 基本計画の施設規模について 令和3(2021)年度に実施した現庁舎における執務環境調査の結果を踏まえ、行政・防災・議会機能の規模は、文書・物品削減量50%を目標として、約35,000㎡と算出しました。 屋内駐車場は、現庁舎駐車場と同等数以上かつ東京都駐車場条例における附置義務台数を確保することを基本に、適正規模について検討を進めます。 区の保健センター管轄区域を再編成し、 その一部機能(2,000㎡)を新庁舎内に集約します。 合計面積は基本構想で示した約60,000㎡から変更せず、全体調整の中で検討していきます。 ・現庁舎規模 区分 面積 区(本庁舎・議会棟・第三庁舎) 約 18,000㎡ 区(第二庁舎) 約 12,000㎡ 駐車場 約 9,000㎡ 国および都の機関(使用面積) 約 7,000㎡ 合 計 約 46,000㎡ ・新庁舎建設想定規模(基本構想) 区分 面積 行政・防災・議会機能など 約 37,000㎡ 屋内駐車場 約 11,000㎡ 国および都の機関 約 10,000㎡ 協働・交流機能 約 2,000㎡ 合 計 約 60,000㎡ ・新庁舎建設想定規模(基本計画) 区分 面積 行政・防災・議会機能など 約 35,000㎡ 保健所/保健センター 約 2,000㎡ 屋内駐車場 約 11,000㎡ 国および都の機関 約 10,000㎡ 協働・交流機能 約 2,000㎡ 合 計 約 60,000㎡ 図表 4-1 新庁舎建設想定規模と現庁舎規模 <52ページ> 第5章 事業費などの算出および財源の整理 1. イニシャルコスト 概算事業費は以下の金額を見込んでいます。 なお、現時点における試算の結果として示したものです。事業費については、建設物価などの社会経済情勢の変化に留意するとともに、ライフサイクルコスト低減の観点も踏まえ、設計段階などにおいて維持管理費を含めて精査していきます。 図表5-1 本庁舎整備に関する事業費(概算)の試算 概算事業費(税込) 調査・設計費 約20億円以上 工事監理費含む 建設工事費 約360億円以上 60万円/㎡以上×60, 000㎡ (建設想定規模)※ 単価は先行事例などより想定 外構工事費 約20億円以上 歩行者デッキなど 合計 約400億円以上 ※ 物価状況や費用対効果を見極めたZEB化対応などより価格の上昇が見込まれる ※ 国および都の機関の整備費を含みます。 ※ 備品更新費、移転費、現庁舎の解体工事費は含んでいません。 概算建設事業費は、あくまでも基本計画段階における見込みを示すものです。今後、事業費の圧縮にあたっては、以下のような方法が考えられます。基本設計の段階で適切な手法を検討していくこととします。 図表 5-2 イニシャルコストの縮減方策 項目 内容 面積の削減 ・利用者の利便性を確保しながら、無駄のない合理的なゾーニングや動線計画、セキュリティを検討する・ペーパーレスの徹底や物品の管理方法を見直すことで、保管スペースをできる限り削減していく 工事期間の短縮 ・整形でシンプルな建物形状とする・建設予定地の与条件に適した、施工性の高い構造や工法を選択する 現場作業の削減 ・現場施工手間の削減や慢性的な人手不足による影響を最小化するため、工場でのプレカットやユニット化工法などを検討する <53ページ> 2. ランニングコスト 新庁舎建設に係る費用として「イニシャルコスト(建設コスト)」のみを重要視しがちですが、新庁舎の生涯に係る費用として、修繕費、運用費、保全費、光熱費などの「ランニングコスト」が非常に大きな割合を占めており、 運営、維持管理を計画的に行うことが必要です。 建築物のライフサイクルコストにおいて、建設費(イニシャルコスト)は氷山の一角であり、修繕費・運用費など(ランニングコスト)が圧倒的な割合を占めています。 図表 5-3 ライフサイクルコスト概念図(出典:国土交通省 HP一部加工) 新庁舎建設にあたっては、建築物の長寿命化や柔軟性と可変性の確保、更新時の作業性の確保などライフサイクルコストの縮減に考慮した庁舎とする必要があります。 1)運用費の縮減 ・LED照明や高効率空調、高効率エレベーターなどZEBの実現に向けた各種省エネルギー手法の採用により、運用費を縮減することが可能です。 ・エネルギー使用状況を把握・管理して最適な設備運用を図るために、 BEMS(※)の導入も検討していきます。 ※ BEMS(ベムス):ビル・エネルギー管理システム(Building Energy Management System)ICTを使って建物内のエネルギー消費に関するデータの蓄積・分析を行うシステム。データに基づいて効率的なエネルギー利用へと 改善を重ねていくことにより、エネルギー効率を高められる。 2)保全費の縮減 ・設備機器の余裕度や、設備機器などの更新などが容易に行えるよう作業性を確保することで保全費を縮減することが可能です。 <54ページ> ・特殊な設備や部材を使用するのではなく、汎用品など割高とならずに調達できるような部材の採用を検討していきます。 3)修繕費・改善費の縮減 ・高耐久な構造体により長寿命化するとともに、更新が容易な内装材・設備を採用し、修繕費や改善費を縮減します。 ・事後保全ではなく予防保全型の補修や改善を行うことでも費用を縮減することが可能です。 図表 5-4 事後保全と予防保全のメンテナンスサイクル (出典:国土交通省 HP一部加工) 3. 財源計画 財源については、起債・基金を活用するほか、別途、区分所有者(国および都)からの分担金で確保することを予定しています。整備内容に応じた補助金の活用も積極的に検討します。 <55ページ> 第6章 事業計画 1. 事業手法 1)事業手法とは 庁舎の設計や施工、庁舎完成後の維持管理および運営など、事業の進め方のことです。 品川区が発注する公共事業では、原則として、設計と施工を分離発注する「従来方式」を採用してきました。設計者が作成した設計図書に基づき価格競争入札で施工者を選定する方式です。 近年では、コスト縮減や工期短縮などを図れる場合があることから、設計段階で施工者の持つ技術的ノウハウを取り入れた事業手法を採用する他自治体事例も増えてきています。 2)事業手法の検討に当たって考慮すべき事項 事業手法の検討に当たって考慮すべき主な事項は、下記のとおりです。 <早期の事業着手・事業期間> ・現庁舎の老朽化や求められている庁舎機能の整備に速やかに対応するために、早期に事業着手できる手法であること。 <区民や区の意向反映> ・設計・施工の各段階で十分なチェック機能が働き、区民や区の意向を反映させやすい手法であること。 <コスト縮減・財政支出の平準化> ・コストの縮減や将来にわたる区の支出の平準化を行いやすい手法であること。 <区内経済の活性化> ・区内の企業が事業に参加しやすく、区民の雇用を創出できるなど、区内経済の活性化に資する手法であること。 <56ページ> 3)従来方式 ・区が自ら資金を調達し、設計と施工、維持管理を民間に分離発注する方式です。 ・設計段階での区民ニーズの反映や計画的な事業の推進・見直しなどが可能である一方で、その他の手法と比較するとコスト縮減は期待しにくくなります。 ・維持管理は単年度・個別発注が基本になります。 図表 6-1 従来方式の概要と主な特徴 早期の事業着手・事業期間 ・従来の手続きであるため、発注回数は多いが比較的早期に事業を進めることができる。 区民や区の意向反映 ・設計および工事を段階的に仕様発注(※1)するため、その都度チェックが可能であり、区民や区の意向を具体的に設計・施工に反映できる。 コスト縮減・支出の平準化 資金調達 ・区が自らの財源によって調達する。・区による調達は民間調達よりも金利が低いため、民間調達よりも初期投資費が抑えられる。 コスト縮減 ・設計・施工段階でのVE(※2)や総合評価方式の活用によって、一定のコスト縮減が期待できる。・施工に配慮した設計など、整備事業全体での効率化や品質向上は期待しにくい。 支出の平準化 ・基金と起債を活用することにより、区の支出を平準化できる。・ただし、一般財源分がある場合、その部分は平準化されず、設計・施工期間中に出来高に応じて支払う必要がある。 区内経済の活性化 ・設計・建設・維持管理の段階ごとに発注方法を検討できるため、区内企業も比較的事業に参加しやすい。 事例 ・世田谷区庁舎 ・川崎市本庁舎 ・町田市庁舎など 他多数 ※1 庁舎の配置・構造・建築材料など、業務に関わる詳細な要件などの仕様書を区が作成し、民間に提示して発注すること。 ※2 (value engineering)性能や価値を下げずにコストを抑えること。 <57ページ> 4)設計施工一括発注方式(DB方式) ・設計と施工を一括して設計・施工企業に発注する方式です。 ・設計段階から施工企業が関与することで、施工に配慮した設計が可能となり、コスト縮減が期待できます。 ・維持管理は従来方式と同様に単年度・個別発注が基本になります。 図表 6-2 設計施工一括発注方式の概要と主な特徴 早期の事業着手・事業期間 ・事業者選定には従来方式よりも時間を要するが、発注回数が少ないことや設計段階から施工企業者が関わることにより、事業期間の短縮は期待できる。 区民や区の意向反映 ・設計および工事を一括して性能発注(※)するため、チェック機能が働きにくく、区民や区の意向を設計・施工内容に反映しにくい。区や区民の意向を発注前に十分整理しておく必要がある。 コスト縮減・支出の平準化 資金調達 ・区が自らの財源によって調達する。・区による調達は民間調達よりも金利が低いため、民間調達に対して初期投資費が抑えられる。 コスト縮減 ・設計段階から施工企業が関与することで、施工に配慮した設計が可能となり、コスト縮減が期待できる。 支出の平準化 ・基金と起債を活用することにより、区の支出を平準化できる。・ただし、一般財源分がある場合、その部分は平準化されず、設計・施工期間中に出来高に応じて支払う必要がある。 区内経済の活性化 ・業務内容が複合化するため、従来方式と比較すると区内企業は事業に参加しにくくなる可能性がある。 事例 ・中野区庁舎・横浜市庁舎・米沢市庁舎 ※ 必要な施設の性能要件や業務水準のみを公共が提示して、民間の裁量の下で要求水準を満たす施設を整備させること。 <58ページ> 5)PFI方式(※) ・PFI法に基づき、設計・施工から維持管理までを包括的に民間事業者グループに発注する方式です。 ・設計段階から施工企業が関与することで、施工に配慮した設計が可能となり、コスト縮減が期待できます。 ・維持管理まで包括・長期発注することで、維持管理期間にわたるコスト縮減が期待できます。 図表 6-3 PFI方式の概要と主な特徴 早期の事業着手・事業期間 ・法に基づく手続きなどにより、従来方式と比較すると事業着手までに時間を要する可能性が高い。 区民や区の意向反映 ・設計および工事を一括して性能発注するため、チェック機能が働きにくく、区民や区の意向を設計・施工内容に反映しにくい。区や区民の意向を発注前に十分整理しておく必要がある。 コスト縮減・支出の平準化 資金調達 ・民間事業者が調達し、区が民間事業者に対して支払う。・民間調達は区による調達よりも金利が高くなるため、公共調達に対して初期投資費(=区の支払い額)が増える。 コスト縮減 ・設計段階から施工企業が関与することで、施工に配慮した設計が可能となり、コスト縮減が期待できる。 支出平準化 ・民間調達分を割賦・均等払いすることにより、区の財政負担を平準化できる。 区内経済の活性化 ・業務内容が複合化するため、従来方式と比較すると区内企業は事業に参加しにくくなる可能性がある。 事例 ・九段第3合同庁舎千代田区庁舎・京都市伏見区総合庁舎・大宮区役所庁舎 ※(Private Finance Initiative)民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設などの設計・施工・改修・更新や維持管理・運営を行う事業方式のこと。 <59ページ> 6)事業方式の比較 ここまでの整理内容を踏まえ、3つの事業方式を比較すると下表のとおりになります。 図表 6-4 事業方式の比較 従来方式 設計施工一括発注方式(DB方式) PFI方式 従来方式 早期の事業着手・事業期間 ○ (早期に事業着手できる) 区民や区の意向反映 ○ (段階毎にチェック・反映できる) 区内経済の活性化 ○ (区内企業も比較的事業に参加しやすい) 管理体制 ○ (管理支援業務の別途発注を検討する) 総合評価 ○ 早期の事業着手 ○ (着手にやや時間を要する可能性が高いが、工期短縮は期待できる) 区民や区の意向反映 △ (一括発注のため、チェック機能が働きにくい) 区内経済の活性化 △ (区内企業は参加しにくくなる可能性がある) 管理体制 ○ (一括発注の中で設計者が管理支援業務を行う) 総合評価 △ 早期の事業着手 △ (着手に時間を要する可能性が高い) 区民や区の意向反映 △ (一括発注のため、チェック機能が働きにくい) 区内経済の活性化 △ (区内企業は参加しにくくなる可能性がある) 管理体制 ○ (一括発注の中で設計者が管理支援業務を行う) 総合評価 △ ※ コストは、市場調査結果を踏まえ、3方式で大きな差は生じないものと想定。 新庁舎整備においては、基本構想に謳った基本理念・基本方針を具現化しつつ、区民の意向を柔軟かつきめ細やかに反映していくことが非常に重要です。その観点からは、従来方式は、設計・施工の各段階で区民や区の意見を反映しやすい手法です。設計施工一括発注方式(DB方式)およびPFI方式を採用する場合、区や区民の意向を発注前に十分整理しておくことが必要となります。 さらに、従来方式は、事業の進捗状況や情勢に合わせて段階的に発注方法を検討で きるため、最も区内企業が参加しやすい方式と言えます。 よって新庁舎整備における事業手法としては「従来方式」を採用することとしつつ、 一層のコスト縮減を目指すこととします。 なお、本事業は区にとって過去に例を見ない大規模な複合建築プロジェクトであり、区が実施する各種マネジメント(設計・施工などの各業務の発注や、工程・品質・コスト管理など)には高い専門性が求められます。そのため、建築の技術的知識を持つ 専門家が区の立場に立って各種マネジメントの支援を行うCM方式(コンストラクション・マネジメント方式)などの管理支援業務の導入も視野に入れ、万全の管理体制を構築し本事業を確実に推進していきます。 <60ページ> 2. 事業スケジュール 従来方式で事業を進めていくスケジュールは、以下のとおり想定しています。 ・令和4(2022)年度に、基本計画を策定します。 ・令和5(2023)年度から令和6(2024)年度にかけて基本設計・実施設計を行います。 ・令和7(2025)年度から建設工事を開始します。 ※今後、設計段階において工事期間を精査していきます。 図表 6-5 事業スケジュール 令和 3年度 (2021) 令和 4年度 (2022) 令和5年度 (2023) 令和6年度 (2024) 令和7年度 (2025) 令和8年度 (2026) 令和9年度 (2027) 基本構想策定 基本計画 パブコメ策定8月 発注準備・ 業者選定 基本設計 実施設計 発注 建設工事 移転・供用開始 <61ページ> 【用語解説】 あ行 ●ICT (アイ・シー・ティー) 情報通信技術(Information and Communication Technology)の略称。情報処理や情報通信(コンピューターやネットワーク)に関連する分野における技術・産業・設備・サービスなどの総称。 ●アクティブ技術 エネルギーを効率的に利用し、省エネルギーを図る技術のこと。 ● インタラクティブ 相互に作用する、対話的な、双方向の、などの意味。ITの分野では、情報の送り手と受け手の関係が固定的ではなく、その場で互いにやり取りできる状態を指す。 ● AI(エー・アイ) Artificial Intelligenceの略で、人工知能のこと。 ●SDGs(エス・ディー・ジーズ) 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称。2015年 9月の国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成される。 ●オストメイト 様々な病気や障害などが原因で、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)と呼ばれる便や尿の出口を手術により腹部に取り付けている人のこと。 か行 ●カーボンニュートラル 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、森林などによる「吸収量」を差し引いて、合計の排出量を実質的にゼロにすること。 ●CASBEE(キャスビー) CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、2001年に国土交通省主導のもと開発された、建築物の環境性能を評価するシステムのこと。資源循環や室内環境なども含めた総合的な環境性能を評価するシステムであり、環境負荷 L(Load)と環境品質 Q(Quality)を 2つの評価軸として明確に分けて扱っている点に特徴がある。 ●グリーンインフラ 自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能な魅力ある国土づくりや地域づくりを進めるという概念。 ●コア エレベーターや階段、機械室、パイプスペース(住宅では便所、浴室、台所も含む)などを集めた建物の核、主に中央部のこと。 さ行 ●再生可能エネルギー 一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギー(太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギー)のこと。 ●CM方式(シー・エム方式)Construction Management 方式の略称。建築や設備のプロであるコンストラクション・マネジャーが発注者のパートナーとなって、発注・設計・工事の各段階でマネジメントを主体的に推進する方式。 <62ページ> ●スケルトン・インフィル スケルトンは、建物の骨組みともいえる柱、梁、床などの構造躯体を指し、インフィルは、内 部の内装、設備部分を指す。耐久性の高いスケルトンと、経年劣化 などに応じて柔軟に変更ができるインフィルを明確に区分けして、耐久性と可変性の高い建築物を整備する手法のこと。 ●制震 建物に制震装置(ダンパー)を組み込んで、地震エネルギーを吸収することで、地震の揺れを低減する構造のこと。 ●ZEB(ゼブ) Net Zero Energy Buildingの略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。 省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができる。 ●ゼロエミッション 人為的活動から発生する排出を限りなくゼロにすることを目指した理念・手法のこと。 た行 ●耐震 建物自体を堅固にすることで、地震の揺れに耐える構造のこと。 ●脱炭素化 地球温暖化の原因となっている二酸化炭素など温室効果ガスの排出を防ぐために、石油や石炭などの化石燃料からの脱却を目指すこと。 ●DX(ディー・エックス) 進化した IT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念。 ●DB方式(ディー・ビー方式) 設計(Design)、建設(Build)を一括発注する方式。 ●デジタルサイネージ 液晶モニターなどを用いたデジタル方式により、各種の情報を表示・伝達するシステム。 は行 ●パッシブ技術 建物内の環境を適切に維持するために必要なエネルギー量(エネルギーの需要)を減らすことで、省エネルギーを図る技術のこと。 ●バリアフリー 〔「障壁のない」の意〕建築設計において、段差や仕切りをなくすなど高齢者や障害者に配慮をすること。 ●PFI(ピー・エフ・アイ) Private Finance Initiativeの略称。公共事業を実施するための手法の1つ。民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設などの設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う事業手法のこと。 ●ピクトグラム 何らかの情報や注意を示すために表示される「視覚記号(マーク)」のことで、文字表現の代わりに視覚的な図で表現することで、言語の違いによる制約を受けずに情報の伝達を行なう事ができるもの。 ●ヒートアイランド現象 郊外に比べ、都市部ほど気温が高くなる現象のこと。緑地や水面の減少やアスファルトやコンクリートに覆われた地面の増大、自動車や建物などから出される熱(排熱)の増大などが主な原因と考えられる。 <63ページ> ●フリーアドレス 個人の座席を固定せず、従業員がその日の業務内容などに合わせて自由に席を決めることができる形式のこと。 ●フロアマネージャー 庁舎内や窓口ヘの誘導を行う庁舎の総合案内役。 ●ペーパーレス 業務効率の改善やコストを削減することを目的として、紙で保存していた書類をデジタル化すること。 ま行 ●免震 建物と基礎との間に地震の揺れを受け流す部材を設置し、地盤と切り離すごとで、地震による建物の揺れを直接伝えないようにする構造のこと。 や行 ●ユニバーサルデザイン 文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用 することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)のこと。 ●ユニバーサルレイアウト 人事異動や組織の変更があっても基本的にデスクまわりのレイアウトを変えずに、人や文書が動くことで対応するデスクレイアウトのこと。 ら行 ●ライフサイクルコスト 製品や構造物などの企画、設計に始まり、竣工、運用を経て、修繕、耐用年数の経過 により解体処分するまでを建物の生涯と定義して、その全期間に要する費用のこと。 ●ライフライン 電気・ガス・水道などの公共公益設備や電話やインターネットなどの通信設備、圏内外に各種 物品を搬出入する運送や人の移動に用いる鉄道などの物流機関など、都市機能を維持し人々が日常生活を送る上で必須の諸設備のこと。 ●ランニングコスト 機械や設備などを稼働させたときに、継続してかかる一定期間のすべての運転に必要 な費用 (労務、燃料、電力、保全などのすべての費用)のこと。 ●ローカウンター/ハイカウンター ローカウンターとは、椅子などに腰掛けて使用するカウンターのことで、比較的長時間の相談対応などに適している。一方ハイカウンターとは、立ったまま対応するカウンターのことであり、比較的短時間の受付業務などに適している。 わ行 ●ワンストップサービス 関連するすべての手続きを、一度で、あるいは1か所で完了できる行政サービスのこと。 <64ページ> 庁舎食堂に関する職員アンケート調査 結果概要 (1)調査期間令和4年3月25日(金)~4月15日(金) (2)調査対象者品川区総合庁舎に勤務する職員1,933名 品川区役所、第二建設事務所、品川都税事務所、東京法務局品川出張所 (3)有効回答(Web 回答含む) 1,211人(回答率62.6%) (4)調査結果  ①回答者の所属 品川区84.9% 二建7.4% 都税 6.7% 法務局1.0% ②食堂の認知度 知っている98.5% 知らなかった1.5% ③食堂の利用頻度(②「食堂の認知度」で「知っている」を選択した1,193 人の回答割合) ほぼ毎日6.1%、週2~3回3.2%、週1 回3.5%、月2~3回11.0%、月1 回以下51.6%、利用したことがない24.6% <65ページ> ④食堂を利用しない理由(③「食堂の利用頻度」で「月2~3回」・「月1回以下」・「利用したことがない」を選択した職員1,040 人の複数回答の上位4 件) 1)自席で食べることが多い(41.5%) 2)混雑している(39.3%) 3)美味しくない(38.6%) 4)価格が高い(23.7%) ⑤食堂以外の昼食の取り方(複数回答、上位4件) 1)コンビニエンスストアやスーパーで購入(49.9%) 2)外部の飲食店の利用(店内飲食またはテイクアウト)(42.9%) 3)自宅から弁当を持参(42.6%) 4)弁当販売(配達)を利用(15.8%) ⑥食堂の改善点 (②「食堂の認知度」で「知っている」を選択した職員1,193 人の回答割合、上位3 位) 1)味の向上(58.5%) 2)価格を下げる(39.3%) 3)メニューを増やす(37.0%) ⑦新庁舎移転後の飲食店等の必要性・望ましい形態 レストラン・食堂50.2%、ファストフード店18.7%、カフェ・喫茶店19.6%、飲食店は必要ない9.1%、無回答2.4% ⑧食堂全般についての自由意見(複数回答、上位3件) 1)飲食スペースのコンセプトや方向性に関する意見(40件) 2)テナントや店の形態に関する意見(28件) 3)メニューや価格に関する意見(28件) <66ページ> 【資料編】 ※以下の資料は、今後、基本計画策定時に掲載する予定です。 1) 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会設置要綱 2) 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会 委員名簿 3) 品川区新庁舎整備について(諮問) 4) 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会 開催概要 5) 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会 委員からの主な意見 6) スチューデントシティにおける取組の概要 7) オフィス環境調査概要(業務委託受託者(株)イトーキ) 8) 職員ワークショップの概要 9) 区民意見フォームに寄せられた区民意見 10) 対話型市場調査 <67ページ> 品川区新庁舎整備基本計画(素案) 発行日編集・発行 令和 4(2022)年 7月品川区 総務部 新庁舎整備課 新庁舎整備担当 〒140-8715品川区広町2-1-36 TEL:03-5742-7801 FAX:03-5742-6873