DVに悩んでいたら 決してひとりで我慢しないでください 配偶者などからの暴力であるDV(ドメスティック バイオレンス)。 いかなる理由があろうとも、暴力は決して許されるものではありません。 大切なのは、DVの事実をしっかり受け止めて、この状態から抜け出すことです。 周囲も、被害者も子どもたちの見えないSOSに目を向けることです。 暴力のない社会は、すべての人が安心して暮らせる社会です。 DVは増え続けています DVという言葉が社会に浸透した反面、DV被害は2021年(令和3年)に過去最高の83042件を記録するなど、DV防止法施行以降も被害が減る兆候は見られません。 警察が把握したDV被害件数 平成13年  3608件 平成14年 14140件 平成15年 12568件 平成16年 14410件 平成17年 16888件 平成18年 18236件 平成19年 20992件 平成20年 25210件 平成21年 28158件 平成22年 33852件 平成23年 34329件 平成24年 43950件 平成25年 49533件 平成26年 59072件 平成27年 63141件 平成28年 69908件 平成29年 72455件 平成30年 77482件 令和元年 82207件 令和2年  82643件 令和3年  83042件 DV被害者の割合 女性74.8% 男性25.2% 品川区男女共同参画センター品川区東大井5-18-1 きゅりあん3階 電話03-5479-4104 FAX03-5479-4111 DVとは DVとは、配偶者または事実婚のパートナーなどの親密な関係の間で起こる「暴力」のことです。 かけがえのない、大切なあなたへ 誰かに相談し、DVから逃げてください 被害女性の約4割が誰にも相談せず、約6割が「別れたい(別れよう)」と思っているにもかかわらず、別れた人はわずか約16%です。 しかし、被害者の約5人に1人は、「命の危険を感じたことがある」と答えています。 また、被害者がひとりで我慢した結果、自分だけには留まらずに子どもや親族などにも危害が及ぶケースがあります。 勇気を持って誰かに相談し、DVから逃げる(加害者から逃げる)ことが、あなたとあなたの大切な人を守ります。 出典 内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査報告書(概要版)(令和3年3月)」 被害者が加害者から「離れられない」背景 DVには下図のようなサイクルがあるといわれています。 暴力を受けてもDV被害者は、ハネムーン期に今度こそ加害者が変わってくれるのではないかとの希望を持ち、その言葉を信じがちです。 しかし現実は、サイクルがくり返されるたび、暴力は段々とエスカレートしていきます。 加害者による暴力のサイクル 暴力の爆発期 激しい暴力をふるう → ハネムーン期 謝罪をくり返し、甘い言葉やプレゼントで、被害者に優しく接する → 暴力の蓄積期(緊張期) イライラが続き、緊張が高まる。非難、大声で怒鳴ることが多くなり、ピリピリした状態が続く → 暴力の爆発期 子どもの存在、世間体、経済的な問題、無力感 絶望感、逃げたらより危険な目にあう などの状況も複雑に絡み合い、加害者との関係を断ち切ることを困難にしています。 さまざまな形のDV(暴力) 出典 内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査報告書(概要版)(令和3年3月)」 身体的暴力 殴る、蹴る、物を投げつける、突き飛ばすなど 心理的攻撃 人格を否定する暴言、交友関係や行き先 電話 メールなどを監視する、長期間の無視、恐怖を与える脅迫など 経済的圧迫 生活費を渡さない、貯金を勝手に使う、外で働くことを妨害するなど 性的強要 嫌がっているのに性的な行為を強要する、ポルノ映像などを無理に見せる、避妊に協力しないなど DVに関する法律 DV被害者を守るための法律 通称DV防止法 2001年(平成13年)成立 正式名称「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」 対象 夫婦、元夫婦、事実婚関係にある男女、同居する恋人、同居していた元恋人 周囲のみなさんへ DVは、あなたの身近で起こっています 「身近にDVの話なんて聞いたことがない」と思う人もいるでしょう。 DVの実態が表面化しないのは、多くの被害者が誰にも相談しないためです。 家庭という密室では、何かが起こっても証人になってくれる第三者はいません。 DVは見えないところで起こる犯罪です。 家族、親戚、友人、会社の同僚 あなたの身近なところにも必ず被害者がいます。 既婚女性の約4人に1人がDV被害を経験 何度もあった 10.3% 約10人に1人 1、2度あった 15.6% まったくない 72.5% 無回答 1.6% 出典 内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査報告書(概要版)(令和3年3月)」 あなたが相談を受けたときは 相談を受けたら、正論で諭したり、被害者の言うことを否定したりせずに、じっくり話を聞いてあげてください。 そして、暴力を振るうこと自体が許されない犯罪だと伝え、専門機関(裏表紙)に相談することをすすめてください。 聞いた話は、第三者に話さないでください。加害者に伝わり、被害者が危険にさらされる可能性があります。 DVと子ども虐待 深刻な子どもへの虐待が社会問題となっていますが、その背景にDVが潜んでいる事実を見落としてはいけません。 DVのある家庭に育つことで、子どもたちの心は深く傷つきます。 子ども自身が虐待されていなくても、家庭内のDVを見聞きする「面前DV」は、「児童虐待(心理的虐待)」にあたると定義されています(児童虐待防止法)。 こうした被害を受けた子どもは、過度に緊張する、暴力的になる、不登校など、いろいろなSOSのサインを出しています。 周囲の大人には、早い段階で子どものサインに気づき、対策をとることが求められています。 DVは被害者の心身や生活に深刻な影響を及ぼします DVは打撲や骨折といった身体的なケガではなく、うつ病やPTSD、自殺傾向、不安障害、アルコールや薬物乱用など、被害者の心身に深い傷を残し、生活に支障をきたすことも少なくありません。 (複雑性)PTSD 自尊心を傷つけるような行為をくり返し受けることによって起こる心的外傷後ストレス障害。 相談できる場所があります。ためらわず相談しましょう。 下記の専門機関では、専門家の視点から適切なアドバイスをもらえます。 相談する中で自分の状態に気づき、DVから抜け出すきっかけをつかむことがあります。 また加害者から逃げる、加害者を引き離すための支援を受けられる場合もあります。 品川区男女共同参画センター(事前予約制) 土 日 祝日 年末年始を除く 電話03-5479-4104 予約は平日、午前9時〜午後5時 DV相談 毎週金曜日(第2を除く) 午後1時〜4時 第2金曜日 午後5時30分〜8時30分 その他にも、女性相談員による法律相談やカウンセリング相談などがあります。お問い合わせください。 しながわ見守りホットライン(DV) 電話03-3777-6601 東京ウィメンズブラザ 電話03-5467-2455 午前9時〜午後9時(年末年始を除く) 東京都女性相談センター 電話03-5261-3110 午前9時〜午後8時(土 日 祝日 年末年始を除く) 警察相談専用電話 電話#9110 月〜金 午前8時30分〜午後5時15分(土 日 祝日 年末年始を除く) DV被害のほか、生活の安全に関する不安や悩みを相談できます。 DV相談ナビ〔内閣府男女共同参画局〕 #8008 最寄りの相談機関の窓口につながります。 よりそいホットライン 電話0120-279-338 女性の人権ホットライン〔法務省〕 電話0570-070-810 午前8時30分〜午後5時15分(土 日 祝日 年末年始を除く) 夜間 緊急の場合 警察(事件発生時)電話110 東京都女性相談センター電話03-5261-3911 このほか、DV相談に対応できる窓口には、保健所 保健センター 福祉事務所 弁護士会の法律相談センター 日本司法支援センター(法テラス)などがあります。 DV被害者からの相談内容が加害者、周りの人に知らされることはありません。相談の秘密は守られます。 令和5年2月作成