第4回品川区ジェンダー平等の推進に関する検討委員会 日時:令和5年12月4日(月)15:00〜17:00 場所:品川区役所 議会棟6階 第一委員会室 出席:8名 欠席:2名 傍聴:5名 1.(仮称)ジェンダー平等を推進するための条例に盛り込むべき考え方に関するパブリックコメントの結果について 2.答申(案)について 3.その他 ■事務局  皆さまお揃いになりましたので、これより始めたいと思います。  会議の次第に入ります前に、事務局より、本日の配付資料の確認をさせていただきます。 (資料の確認)  それでは委員長、会議の進行をよろしくお願いいたします。 ■委員長  それでは、第4回品川区ジェンダー平等の推進に関する検討委員会を開催いたします。  本日は5名の傍聴者の方がいらっしゃいますので、これを許可いたします。 (異議なし)    それでは、本日の議題に入ります前に、前回、第3回会議録要旨についてですが、資料1として、皆様のお手元に議事録の案をお配りさせていただきました。  それぞれご自身の発言内容に修正がなければ、お手元のとおり区ホームページに掲載したいと思いますが、よろしいでしょうか。 (異議なし)  特に異議がないようですので、議事録を区のホームページに掲載いたします。ありがとうございます。 1.(仮称)ジェンダー平等を推進するための条例に盛り込むべき考え方に関するパブリックコメントの結果について ■委員長  それでは、次第の1、(仮称)ジェンダー平等を推進するための条例に盛り込むべき考え方に関するパブリックコメントの結果について、事務局より説明をお願いいたします。 ■事務局  では、次第の1について、資料2、資料3、資料4の3点を使って、私のほうから説明させていただきます。10分ほどお時間をいただきますがご了承ください。  まず、資料2、こちらのパブリックコメントの結果につきましては、本来であれば議会報告を先に行うものになりますが、本検討委員会の趣旨を考慮し、事前に検討委員会に説明をさせていただくものですので、委員のみに配布をさせていただいております。そのため、お取り扱いにはご注意をいただければと思います。  それでは、資料2からご説明いたします。冒頭5ページがパブリックコメント、意見の概要をまとめたもので、6ページからいただいた意見の全文を掲載しております。主に最初の5ページを使って説明させていただきます。  まず、このパブリックコメントは募集期間として、本年10月12日から11月10日までの30日間実施をいたしました。応募方法は記載のとおりです。意見の応募状況といたしましては、応募人数74人で、その中で重複したものを整理いたしますと、意見件数は65件となります。主な意見につきましては後ほど説明をさせていただきます。区からの結果の公表時期ですけれども、令和6年2月に公表を予定しているところでございます。公表方法といたしましては、広報しながわ、それから区ホームページを予定しております。  それでは主な意見をいくつかかいつまんでご紹介いたします。  まず1ページ目の条例についてですが、bUほか6件とございますのが、パブコメをいただいた中で、条例に賛成と思われる表現を含む肯定的な意見をまとめています。例えば、丸ポチの2つ目ですと、「ジェンダー平等への条例制定を歓迎する。これからちょうどいい落としどころを見つけていく時代になると思う。少しずつジェンダーについて考える機会が増えてよかったと思う」等のご意見がございました。  一方で、bQほか28件ですけれども、こちらは条例について否定的なご意見でございます。 丸ポチの2つ目ですが、「なぜジェンダー平等を品川区の条例で謳う必要があるのかわからない」、その下は「区として取り組むべき課題の順序を完全に間違えている。障害者福祉施策の改善など、先に手を打つべき課題があるのではないか」などのご意見がございました。  恐れ入ります、2ページ目をご覧ください。2ページ目の頭の条例名称についてですが、こちらは後ほど資料4を使ってご説明申し上げますので、いったん割愛をさせていただきます。  本来でしたら、上から一つ一つ、皆様のご意見を伺いたいところではあるのですけれども、本日は限られた時間でございますので、特にご意見をいただきたい部分を3つほどピックアップして、事務局のほうからご説明をさせていただければと考えております。  まず、基本理念等についてのところ、上から3つ目、bU1他1件というご意見ですけれども、基本理念1の中に性別に関する説明を「条例に盛り込むべき考え方」の中に入れております。その考え方の中では、性別が生まれたときに割り当てられた性と説明をしておりますが、この意見の中では「「生まれもった性」とする方が妥当だと思う」とか、その下、「生物学的性別等とするべき」とのご意見をいただいております。後ほど表現について、もう一度皆様のご意見をいただければと考えております。  おめくりいただきまして、3ページをご覧ください。  女性のエンパワーメントについてという見出しが、上のほうにございますが、その下bP8他3件という意見です。  こちら丸ポチが2つございますが、「トランス女性を女性として参画させることで、身体女性の性差別が透明化することを懸念している」というご意見があり、「女性のエンパワーメント」ですとか、「附属機関における委員構成比から、ジェンダーアイデンティティに基づく女性の文言を削除して欲しい」とのご意見が4件ございました。このご意見についてどう思われるか、こちらも後ほどお伺いをさせていただきたいと考えております。  こういった表現の削除を求める背景として、パブコメ全件に目を通した中で感じておりますのは、数行飛んで、ジェンダーアイデンティティ(性自認)についてというところに、bP3他11件のご意見がございます。パブコメを寄せてくださった方々のご不安の声として、一番多かったのが、丸ポチの1つ目、「ジェンダーと肉体的性別は分けて考える必要があるので、男性器を有する人はどのようなジェンダーであっても、肉体的女性の専用スペースの立ち入りは許されてはいけないと思う」、それに類するご意見がございました。  恐れ入ります、4ページをご覧ください。  パブリックコメントを行った際に、禁止事項についてというところで、人権侵害の禁止、それから、カミングアウトの強制やアウティングの禁止などの考え方を入れておりますが、それについて寄せられた意見の中で、委員の皆様からご意見をいただきたいものがございます。  まずbP8ですけれども、丸ポチの2つ目ですが、こちらは「女装をし女性スペースに侵入する人に性別を確認する、そしてお互いに穏便に退出してもらう。そういうことができなくなる」という不安の声が寄せられました。また、bQ3については、「同性愛当事者としてこのような条例ができるのに非常に息苦しさを感じる」とあり、「特にアウティングの禁止については、秘密にしておくことが道義的に望ましい優しさであるのは間違いないかもしれないが、一方的に告げただけで相手を秘密に巻き込める、押し付けられるものだろうかと思う。これでは当事者が腫れ物みたいに扱われるような世の中になってしまうように思えてならない。ぜひ考え直しを」というご意見がございました。これについて、後ほど委員の皆様から禁止事項についてのお考えを今一度お伺いしたいと考えております。  ざっとですが、こういったご意見がございました中で、本日、議論のための資料として、資料3、パブリックコメント時の資料、A3で2枚ホチキス留めの資料を用意させていただきました。  それから、後ほどご説明をと申し上げましたが、条例名称について、現在のところはペンディングであり、パブリックコメント時には会議体の名称を冠して、「(仮称)ジェンダー平等を推進するための条例に盛り込むべき考え方について」としてパブリックコメントを行いましたが、実際にこの条例が動き出していく際にどのような名称がふさわしいかというのを、本日もう一度、資料4を使ってご議論いただければと思い、ご用意をさせていただいたものでございます。  簡単ではございますが、次第1に関する私からの説明は以上でございます。 ■委員長  ありがとうございました。  先ほども課長から説明がありましたけれども、検討委員会の趣旨を考慮して、議会報告前に説明をいただいたものですので、お手元の資料2につきましては、委員のみへの配布ということで傍聴者には配布しておりません。委員の皆様にはくれぐれもお取り扱いにはご注意いただきますよう、よろしくお願いいたします。  また、本日は限られた時間でありますので、事務局のほうから提起された4点について、順々に検討していきたいと思います。  1つ目は、性別に関する定義の部分です。  2つ目については、女性のエンパワーメント、それから附属機関等における男女構成における女性および男女に関する表現ですね。  3つ目としては、禁止事項に関する表現ということでございます。  最後に、条例の名称ということで4点の検討課題が挙がりました。  一つ一つ順番に皆様のご意見を伺っていきたいと思います。  それでは、まず1つ目の性別に関する定義ということで、先ほどのパブリックコメントをまとめた資料2の2ページ、bU1他1件のところなのですけれども、この性別に関する定義について、皆様から順にご意見を伺いたいと思います。皆様、挙手にて適宜ご意見をいただければと思います。 ■委員  このパブコメがこのままの文章だったのかをお聞きしたいです。「生まれたときに割り当てられた性」よりは、「生まれ持った性」とするほうが妥当だと思うというのは、なぜそれを妥当だと思うかということが書いていないのですけど、そこの部分を少しお聞きしたいなというふうに思いました。  同じく、不正確というのも、どう不正確で、どう在ると正確かということがちょっとわかりにくいなと思ったので、懸念点がわかれば、それをお聞きして、それに対して皆さんで議論するのがいいのかなと思ったのですが、このあたりはいかがでしょうか。 ■事務局  ご質問ございました理由、懸念の部分ですけれども、bU1のご意見の全文につきましては、25ページから始まって、27ページまでございます。  その中で26ページの下のほうに「2.基本理念について」とあり、ここで性別の定義についてのご意見を述べていらっしゃいます。当該の2行目ですけれども、「主体的に割り当てる者がいないこと、現在のところ生物的に、生命誕生にあたって、偶然のDNA配列で決まる肉体的な特徴であること、社会的にも、この肉体的な特徴によって、古い価値観の社会では役割分担をせざるをえない影響下で、慣習的に決まってきた区別があること、などから考えると、「割り当てられた」というよりは「生まれ持った」とするのが妥当」と書かれています。  それから、他1件の部分はbU5の方、28ページの下のほう、@人権侵害の根絶のところです。「生まれたときに割り当てられるというのは不正確です。生物学的性別等とするべきで、まずDSDs(性分化疾患)の方の包摂を指すのであれば、彼らも生物学的に男女どちらかであるのでやはり不正確です」と書かれております。 ■委員  ありがとうございます。  この生まれたときに割り当てられた性別という言葉が、結構最近使われ始めているのは、さまざまな行政文書とかが、その言葉遣いによって一部の方を傷つけてしまう、尊厳を損なってしまう可能性があるという視野に立って、たぶん、いろいろなところで使われ始めている言葉かなというふうに思います。  性別ということでいうと、例えばトランスジェンダーの方とか、もしくはノンバイナリーと呼ばれる方とか、自分の性のあり方に悩んでいらっしゃる方からすると、ご自身が生まれ持ったというけれど、選びとったものでもなければ、自分が生まれたときに持っている性別というものは、もしかしたらご本人にとっては、性自認のほうが強いかもしれないときに、それをベースとして考えるという言葉を使ってしまうと、その言葉によって傷ついてしまうかもしれない。あくまでも割り当てられたという言葉を使っているというのが私の認識でした。  そこで、いろいろな言葉を行政上で使うときに配慮をするということの一環なのかなという認識であります。 ■委員  ここに書いてある、生物学的性別とか、生まれ持った性というのは、生物学的って、では精神は生物ではないのというような思いが、僕はちょっとするのですね。  生まれ持ったというのも、生まれた後にいろいろな影響でなることもあれば、無意識になる場合もあるので、本人にとってはそれが生まれ持ったものなのかなというふうに解釈すると、この場合は、表現的にちょっと良くないかもしれませんけど、例えば、肉体的性別とかというふうに分けやすいような形で表現するというのも一つかなと思いました。 ■委員長  ほかにいかがでしょうか。今のご意見は、肉体的性別というのはどうかということでよろしいですか。 ■委員  なんだか、あまりいい言葉ではないなと思いつつも、誤解は少ないかなと感じました。 ■委員長  ありがとうございました。こういったご意見も出ていますけれど、ほかにいかがですか。 ■副委員長  確かに、この意見を見て思ったのですけれども、割り当てられたと言えば、誰が割り当てたという、その主体が出てくるという疑問は当然でしょうし、でもだからといって、生まれ持ったと言えば、自分で選んだのかというような感覚も入ってくるので、いつも使う法律用語的には、生物学的というほうが一番わかりやすいし、肉体的というよりは誤解が少ないのかなと。肉体的だと改造した場合とか、あるじゃないですか。  生物学的だと、最初から持っているというようなニュアンスにも当たるような気がするので、主体とか誰がというのをあまり考えないような言葉のほうがおそらく誤解は少ないのかなというふうに感じました。 ■委員  割り当てられたというと、誰が割り当てたということになるので、今のご意見のとおり、生物学的性別でいいのではないかと思いました。 ■委員  読んだときの印象として、生まれたときに割り当てられた性ということになると、生まれてきた赤ちゃんを見たときに、男児、女児、男女という割り当てという印象ですね、どちらか。  生まれ持った性となると、それだけではない、もう少し多様性、広がりのあるという捉え方ができるのではないかなというのが個人的な印象です。だからといって、この文全体でどちらが妥当なのかということは、今の段階では自分自身としてはわからないというところです。 ■委員  本当に不勉強でよくわからないのですが、赤ちゃんが生まれてきたときに、病院で男の子ですねとか、女の子ですねと言われるのは、これは生物学的性別になるということなのですか。そのときに、これはちょっとどちらともわからないね、みたいに保留にされるというようなことがおこるのですかね。  そうではなくて、自認の話とかがいろいろ、こんがらがるから、まずはそこのところをシンプルに分けたほうがいいという議論をされているのだろうなというふうに思って聞いているのですけれども。  そこら辺が先ほどの委員のお話と似ているかもしれないですけれども、割り当てる主体が本当はいない、医者がその権限を持っているというわけではないのにもかかわらず、そういうふうにされてしまうのも違うのだろうというふうに思うと、すごく深いのだなと思って聞いていました。 ■委員  生まれてから14日以内に届出をするのが性別で、それが法律上の性別として登録されるということになっているというのが私の認識ですけど、そこには男、女という欄があって、不明なDSDと呼ばれる、身体的な特徴が典型的な男性 女性ではないという方もいるので、そこで、お医者さんとかではなく、保護者というか、親が14日以内に届出をして、それが法律上の性別になっていくというのが仕組みかなと感じての理解でした。 ■委員  不明というものがあるのだということと、親が最終的には戸籍を届けるというところが、ある意味割り当てるという言い方はおかしいですけれども、引き受けるというところなのだなということは今理解しました。  そういうことが、実はみんなわからない、私はあまりよくわかっていなかった。子ども2人だけどという感じです。 ■副委員長  あくまでも法律的な意味というか、行政上の分け方であって、おっしゃるとおり不明ということがあるのは私も存じ上げていて、そのあとどうするかというのはそこまではわからないのですけれども、見た目で判断できない子がたまにいるというのは、聞いたことがあります。たぶん検査とかをして、それこそ生物学的に男女を判断するのかなという気もしてはいるので、あくまで住民票とか戸籍に届け出るのは、法律的な意味での男女かなというふうに認識はしております。 ■委員  最初にまず事務局が説明していただいたところで、生まれ持った性ではなくて、生まれたときに割り当てられた性のほうが、性自認とかを踏まえると、内包できるものが多いというのはすごく納得しました。一方で、生物学的性別だと、どういう方がこう傷つく可能性があるのかというのも一緒に伺いたいなと思いました。この条例としては、文言によって傷つく人がいるというのはやはりすごく避けたいなと思うので、例えば、法律的には生物学的性別のほうが正しいのであっても、この条例を見たときに当事者が傷つくことがあるのであれば、傷つくことがなるべく少ない、生まれた時に割り当てられた性にしたほうがいいのかなと個人的には思っています。 ■委員  今おっしゃっていた判断不明の人というのは、性分化疾患のカテゴリーになるのですけれども、その人から見たら、割り当てられた性別のほうがきついのではないかなと思うのですよ。  どうしてかというと、判断不明の子の場合は、医者と親が相談して、男の子でいきましょうとか、女の子でいきましょうみたいな話になってくるので、それこそ割り当てられているのですね、性別を。だから、検査して、どっちの方向に行ったほうが、その子が生きやすいかみたいなことも含めて考えていく。なので、そういう意味でいくと、割り当てられたというのは、性分化疾患の方から見ると、ちょっときついのではないかなと思います。 ■委員長  どちらかというのはなかなか難しいところもあるかと思うのですけども、ほかにご意見あればどうぞ。 ■委員  DSD、インターセックス、性分化疾患の方々は本当に多様なので、難しいのですけれど、その言葉に対して、すごく否定的に捉える方もいれば、そうじゃない方もいらっしゃるという構造はありますね。  例えば、生物学上という言葉を使ったときに、何をもって生物学上とするかというのは結構難しくて、遺伝子を見るとXY遺伝子の方で、だけど生まれたときの身体の状態はいわゆる男性器がない、女性器を持った状態で生まれる方も実はいらっしゃいます。  その方は、停留睾丸とかが見つかったりすることもあるのですけれど、見た目は女性として生まれてきているのです、外見的な見た目としては。けれど、DNAをチェックするとXYになっているという方もいらっしゃって、その方の自認の性はというと次の話になると思うのですけれど、その方をどういう身体的な性別だと捉えるかは、結構難しい話だと思うのですよね。  そうなったときに、この性別というのは、後々条例と紐づくのは、要は登録上どうなっているかという性別を表す言葉だと思うので、親がそのときに、もちろん医者と相談して、割り当てることしかできないと思うのですけれど、それが事実でしかなくて、身体の性別と言ったときは、その場合どちらを身体の性別として捉えるかというのは結構難しいかなと思いました。  自分は男性だと自認している、女性だと自認しているというのは、2番目の性だと思うのですけれど、1番目の性がどういうというのが結構難しいなと思っています。なので、法律上の性別が1番目の性として日本では登録されて、それが体の特徴と紐づいているのが一般的なのですけれど、そうではない方もいらっしゃるので、体の特徴ということだけにフォーカスされてしまうと、明確にできない方が出てくるから、たぶん登録上、もしくは法律上の性別とあらわすときに、割り当てられた性別という言葉を使っているのではないかと。私も法の専門家ではないのですが、DSDの一部の方とお話したときにはそういう情報がありました。 ■委員長  なるほど。どの言葉が適当なのかというのは、やはり悩ましいところですよね。そういう遺伝学的なものとかも含めて、生物学的というふうに捉えられなくもないけど、概念が非常に広くなりすぎる気もしますよね。 ■副委員長  盛り込むのであれば、やはり誤解が一番少ない言葉を選ぶ必要があるのかなと思うのですね。なるべく皆さんが共通認識を持てる言葉といったとき、確かに割り当てられたというのがわかりやすいとすごく思います。でも、そういう誤解もあるのかなというのを、今回のパブコメを読んで、なるほどなと思ったのです。どちらがいいのかなというのも、たぶん正解はないような気もします。 ■委員  同じ意見で、本当に難しいし、正解はないと思うのですけれど、これまで当たり前に使ってきた言葉だから、それが一番わかりやすいという視点に立ってしまうと、すべての言葉は、いろいろな情報が得られてないときにつくられた言葉だったりするので、それが皆さん理解しやすいから使い続けるとなってしまうと思うのですよね。  なので、条例を考えるときには、特にこのジェンダーとか性のあり方に関することがテーマの条例なので、そこを1回立ち止まって、この言葉が本当に、当事者と呼ばれる方々やその周りの方々にとって傷つける言葉になっていないかということを検討したほうがいいかなと思います。  結果、やはり身体的な性別のほうがいいのであれば、それに落ち着くのかもしれないですけれど、そのほうが理解しやすいとか、そのほうが流通している言葉だというのは少し危険かなと思います。だからこそ立ち止まることが必要かなと。結論を言えていなくてすみません。 ■委員長  重要な指摘かと思います。次のテーマに進んでいいでしょうか、それとも事務局からもコメントされますか。 ■事務局  では、コメントさせていただいてもよろしいでしょうか。  ご意見ありがとうございます。先ほど委員が最後におっしゃられた、わかりやすい、流通しているというだけで言葉選びをしてしまうと、見えていないものができてしまうというところのご意見は腑に落ちる部分がありました。  そういう中で、今、パブコメでは生物学的性別とかというご意見がありましたが、特別区の条例の中に表現として出てきます。なので、それぞれの区の考え方によるのですけれども、今私たち品川区が位置している東京都の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」では、どういう表現がされているかというと、出生児に判定された性という言い方をしていて、これもわかりやすいかもしれないなと思ったのですけれども、もし皆様からご意見がございましたら、ぜひこの点についてもお伺いさせていただければと思います。   ■委員長  出生児に判定された性というご意見ですけれども、これについてはいかがですか。 ■委員  僕も今、法的に出生児に登録した性とかみたいに言おうと思っていたのですけれど、判定というとやはりちょっとこの割り当てられたに近いニュアンスを感じるので、要は誰かが主体に、医師か助産師かわからないですけれど、さっきのDSDの話もそうですけど、親が決めるのであれば、それは主体があるわけですから、例えば何だろう、判定というよりは、出生時に決めた性というか、登録された性とかというのはどうですかね。 ■委員長  出生時に登録された性ですか。 ■委員  何だろう、こう書くわけじゃないですか、出生届に。男、女みたいな感じに。わかりやすければドクターがやるのでしょうし、わかりにくければ親と医師が相談してやるのでしょうから、相談して決めたというようなニュアンスの言葉があれば。では、出生時に判定というと、ちょっと何かね。出生時に決められたというと、何か押しつけがましいので。 ■委員  届け出たとかではだめですか。ものすごく自然なのは、きっと悩みながら、これで届けとくかと、親は思うような気がするのですよね。  だから、それが一生涯正しいかどうかはわからないけれど、14日以内だし、ここにしとくかということで、1度は性別が決まるのだなということをみんなが知ったらいいなと思いました。   ■委員  ありがとうございます。それに賛成します。 ■委員長  今のご意見は、出生児に届出をされた性ということですかね。 ■副委員長  届出って、確かに義務なのですけども、事実上届けられないお子さんも結構いたりするので、届出というと逆に差別感をよんでしまう気がしてしまうのですよね。  生まれたときに判定というと、誰かが決めてくれたというふうに聞こえるかなと。本当に無戸籍の子、本籍無い子とかも結構いらっしゃるので、そうなると届けていないという前提になってしまうので、すごくいい案なのですけれども、逆にそういうふうに思われてしまうかな、と思いました。 ■委員長  ここでは結論が出ないかもしれないのですけれど、いろいろなご意見も出ましたので、検討要素として入れていただければいいのではないかなと思います。 ■事務局  ここまでのご意見ありがとうございます。ご意見がまとまらないものがございましたら、後ほど検討委員会の代表として正副委員長にご相談させていただければ、事務局としては大変ありがたく思います。 ■委員長  はい、わかりました。そうしましたらちょっと時間も押してきていますので、2つ目のテーマに行きたいと思います。  2つ目は、女性のエンパワーメントおよび附属機関等における男女構成について、女性および男女に関する表現ということで、先ほどの資料2の3ページ、女性のエンパワーメントというタイトルがついておりますが、bP8他3件のところと、それから、bP3他11件のところでのご意見になりますかね。  トランス女性を女性として参画させることに対する懸念というのが先ほども紹介されていましたけれども、そのあたりを読んでいただき、もう1回確認していただいて、ぜひご意見を伺えればと思います。 パブコメ時の資料ということで、資料3のF、女性のエンパワーメントという項目がありますが、そこのところに「女性(性別またはジェンダーアイデンティティに基づく女性をいう。以下同じ。)」となっていて、このあたりに引っかかりを感じた方のコメントということであろうと思いますけれども、いかがでしょうか。 ■副委員長  最初に引っかかったのは確かに、身体的なことによって発生する差別というのがこれまで一番多くあったからこそ、男女共同とかの話があったのは否めないのですけれども、この条例ができたからといって、身体的な女性と心や外見上の女性等をすべて画一的に均一に扱えとまでは言ってないと思うので、そこはちょっと懸念すぎるのではないのかなと思ったのが私の印象です。  個々の具体的事例についてどうかというのに取っかかりするための条例であって、すべて全部一緒に扱えと言っていないのではないのかなと思った次第です。 ■委員  たびたび委員会の中でも議論されてきたものだと思うのですが、基本的には、トランス女性を女性として入れるべきだと思うことは変わらなくて、この方が書いてくださっているように、例えば、出産において、それが生物学的、社会構造的に女性に不利益が生じてしまっているというのはもちろん事実ではあるかもしれないけれども、出産以外でも、女性はいろいろなところの社会構造なりで不利益を被っていて、それはトランス女性も同じだと思うのですよね。なので、ここは変わらず、性別またはジェンダーアイデンティティに基づく女性というのを書くべきだと思うし、それが方向性として変わらないのは確かかなと思います。 ただ、ここに限らず、想定したとおりかなと思いつつ、パブリックコメントの多くがトイレ問題や、トランスジェンダーの方によって身体的な女性が被る被害をどうするのだ、みたいな意見がすごく多いので、そこをどうやったらもう少し和らげられるのか、対話ができるのかなというのを最初からずっとすごく考えていました。  苦情 相談の申出 対応のところを書いておけば、違う意見を持った方々に対しても丁寧に対応できるとしてこのままにしておくのか、あるいは、最初の検討の経緯 目的のところで、現状がどうなっているのか、それに対して、品川区としてはこういう条例を制定したいというのを、この現状のところをもう少し分厚くして書くのか。例えば、トランス女性とかトイレにまつわってこういう現状で問題があるというのをもう少し書いておくことで、そういう状態なのだというのを知らなかった方とかが、困っている現状とかに対して想像ができたりするのかなとか。2つぐらいしか解決策が思い浮かばなかったのですけれど。結論としては、このまま書くべきだと思うのですけれど、こういったご意見に対して、どうやったらもう少し対応がなされるかなというのを考えていますという感じです。 ■委員  難しいのですが、女の人たちは自分たちが占める席を取られてしまうのではないかという心配を結構持っているのではないかと思うのです。  ただ、実際のところは、日常生活のエンパワーメントか、委員の男女構成比の検討なので、エンパワーメントのところはそんなに何かあれっというわけでもないし、委員構成のところは、品川区が、生物学的な性の男女とそうではない枠みたいな、3つの枠をつくるということを実際のところでやっていけば、事実上その懸念はなくなるのではないかなと思いました。だから、運用で何とかできるのではないかなと思います。 ■委員  パブコメでの懸念というのは、女性は出産し育児の負担が多くなりやすいという、そのことにフォーカスを充てているように見えるのですけれど、もしかしたらトランス女性を女性として扱うことは嫌だ、みたいな、もしかしたら裏側の思いがあるのかもしれないなというのを少し見受けました。ちょっとわからないのですけれど。  女性のエンパワーメントに関しては、性別という、まだ決まっていないですけれど、生まれたときに判定された性別だけではなく、今は性同一性障害特例法という法律が日本に存在していて、戸籍の性別が変わる方もいらっしゃれば、先日の最高裁の判決もありますので、そうではないジャーニーを通って女性として今社会で暮らしてらっしゃる方も含むというのは、事実上もう日本の社会ではあり得ることなのです。もしかしたら、トランス女性ではないシスジェンダー女性とトランス女性が持っている社会的な背景におけるいろんな課題とかが、違うのではないですかということへの問題提起なのだとしたら、例えば、資料3のFの文章に、そこの違いとかそれぞれが抱えている課題に向き合ってみたいなことを足すことによって、この「女性(性別またジェンダーアイデンティティに基づく女性をいう。以下同じ。)」という、ここの女性というのが、いろいろな女性がいるのだということをちゃんと文言の中で拓いて、いろいろな女性の方々に対する尊厳と誇りだけではなく、社会的に置かれた状況にも配慮していくみたいな文言を足していけば、もしかしたらこの部分をどうクリアしていくのかということに答えられるのではないかなというふうに思いました。  なので、今紋切型のように、これは女性としておきましょうと言って、バッと文章が続いてしまっているので、女性の中に多様な女性がいるのだということを、この文章で拓いていくというやり方はどうなのかなというのを今読みながら思いました。 ■委員  基本理念のF、女性のエンパワーメントの文章を読んでいくと、女性が尊厳と誇りを持って自分自身の生活と人生を決定する権利を保障し、あらゆる参画の機会において女性個人が持つ力を十分に発揮できること、と書かれています。  この女性の中に、ジェンダーアイデンティティに基づく女性も含まれるということですけれども、実際に女性に限らず、誰もがということになるのだろうと思うのですが、特にあえて項目立てしているということは、今までの歴史 社会の中で、やはり女性が非常に辛い思いをしているということなのだと思うのですね。  そういうふうに考えると、生物的な女性だけではなくて、トランスジェンダー、トランス女性の方も含まれるべきだろうなというふうに思います。  たくさん懸念されることがあるとは思いますけれども、それについては具体的な事例対応をしっかりと考えて、区のほうの方針として、それをもって安心して生活していただけるような形を、今、別の委員がおっしゃったようなことになるのだろうというふうに思いますけれども、そこをしっかりとある程度説明ができていけばいいのかなというふうに感じます。私もこのまままでいいのではないかな、というふうに思います。 ■委員長  SDGsはまさに誰も取り取り残さないというのがスローガンですし、品川区のマイセルフ品川プランも、誰もが自分らしくというスローガンのもとにつくられていますから、それとの整合性というと、そういう意味では、トランス女性も当然含まれて、取り残さない、誰もが自分らしくというところにつなげていくという点では、そちらのほうがしっくりくるし、説明等を少し工夫するというところが確かに大事かもしれないですね。  それでは、次にいかがでしょうか。 ■委員  私は中小企業の経営者なのですよね。そういう中で、女性の賃金格差みたいなのがあるわけでしょう。それからDVの話だと、1割が男性で他は女性が多いわけでしょう。法律は整っているのですよね。何て言うのかな、賃金格差がないように整っているのだけれども、みんな辞めて、その間パートとして130万円の壁の中でみたいに、実際に差が出るわけでしょう。こういう事実があるのだということが本当に共有されているのかなというところのもどかしさみたいなものをすごく感じて、こういうのを後から読んでいると、いや女も十分強いだろうみたいな感じの論調もいっぱいあって、なんかもう、北欧がこんなでジェンダーギャップ指数とか言っているじゃないよ、みたいなことが書かれているわけなのだけれども、もうそういう人たちの声高ってすごくってね。  だけど、数字の事実というのがあるわけなので、何かそういうものを、これを打ち出すときに補助資料として、区民だよりみたいなところに、実際には女性ばっかりこう持っているみたいに見えるけど、実際にはこうなのですよ、みたいなことが言えるといいな、なんていうことを思いました。  なので、もちろんトランスジェンダーどうのこうのなんていうのは小さな問題で、もちろん一緒にしたほうがいいと思っているけど、まず女性のエンパワーメントということを声高に言われることに対する嫌悪感みたいなものとか、男女別役割分担意識に対する根強い支持みたいなのも、町内会の婦人部に行ってお祭りに行ったら、もうそんなような話ですからね。  ですから、そういうものが根強くあるということを理解した上で出してくということが、机上の空論にならないのではないかなというふうに思ったりしました。 ■委員  先ほど別の委員がシスジェンダーとか、トランスジェンダーとかいろいろおっしゃっていたのですけれど、性別またはジェンダーアイデンティティに基づく女性というのがどういうことなのかという具体例を、この条例を中心にみんなに認知させていくという過程を丁寧にやっていくというのも一つの手段かと。 あまり配慮ばかりすると、配慮する場なのかもしれませんけど、そういう配慮ばかりすると、おそらく結局何かよくわからないものになってしまうような気がするので、ある程度方針を決めたらこれはこれでいくけれども、見捨てるわけではなくて、もう完全にばっちり寄り添っていくからあえてこういう書き方をして、こういう姿勢でいきますということを示してもいいのかなというところで、やはり緩急をつけてここはもう死んでも守るというようなものを暗に打ち出すということも手かなと思うのです。なので、ここは、僕はこのままでもいいのかなというふうに思っています。 ■副委員長  基本理念ですから、これがスタートだというところなので、おっしゃるとおり、誰も落とさないよというのが明確に書いてあるほうがいいのではないのかなと個人的には思いますね。 ■委員  種類がそんなにたくさんあるのも知りません、すみませんという感じです。そんなにあるのだとか、でも特別養護学校からLGBTQのこういう子が来ますと言ったら、一生懸命になって、その子を中心にしてどうしたらいいのとか言って、着替えるところの問題なのだねとか、トイレが問題なのだねと言って一緒にやって、結構仲良しになってやっているのですよね、現場って。  だから、ここからは大切で、今はよく知らないのだけれど、男女みたいにわかりやすくない時代になったから、いろいろなことが出てくるからそのために、同じ人だし、どこならうまくいくかなとか言って対話するみたいなことこそが未来を拓くと思っているのですよね。だから、その一歩目になるといいなと思っていて、みんな平等ですよねと口で言っているだけで、実際には排除しているよりはよっぽどいいのではないかなと思います。 ■委員長  基本理念に関わるところですからね。本当に譲れないところは譲ってはいけないとかということが、あるかと思いますよね。この点について補足意見とかございますか。 ■委員  例えばですが、もしかしたら女性という一言で括って、その中にシス女性もトランス女性も入ることがという視点でコメントがあったのかもしれないので、先ほど私自身が話した多様な人たちというニュアンスを込めるために、例えば、今「女性(性別またはジェンダーアイデンティティに基づく女性という。以下同じ。)が尊厳と誇りを持って自分自身の…」と書いてあるところを、女性一人ひとりがとか、それぞれがとか、そこには個々のそれぞれの方がいらっしゃるという、そういうニュアンスを含めることができたら、その背景も含めて想像するような文言にならないかなと思いました。  いただいたパブコメも一つの大切なご意見だと思うので、その気持ちを酌み取るための工夫ができないかなというのを考えていて、もしかしたら、一括りにしているように見えているだけかもしれないので、そういうことではないですよと、いろんな方がいらっしゃるのですということを、言葉で補う工夫ができたらどうかなと思いました。 ■委員長  ありがとうございました。  これまでのお話を聞いて、事務局のほうで何かございますか。 ■事務局  ご意見ありがとうございます。  恐れ入ります、ただいま委員がおっしゃっていた表現の工夫の部分というのは、女性のところの括弧以下をとって、「女性一人ひとりが」というような工夫をということでしょうか。 括弧内は残したままで「一人ひとりが」ということですね。 ■委員  その部分をどうクリアしていくのか明確にしてほしいと書いてあったので、身体性ということでは、トランスジェンダー女性はもしかしたらこの方が言う女性の中には含まれないというふうに定義をされているのであれば、そういう方もこの中に含まれるということをどうクリアしていくのですかということだと思いました。なので、女性と括られる方の中にはさまざまな方がいらっしゃるということを、文章上で少し補うことができれば、パブコメいただいた方のご意見に対して寄り添って答えるための一つの工夫になるのではないかと思った次第です。 ■事務局  誤解があって失礼いたしました。もともと第1回で女性のエンパワーメントというのを提示させていただいたときには、性別またはジェンダーアイデンティティに基づく女性をいう、という表現は実は入ってなかったのです。  ただ、第1回のご意見の中で、委員から複合的差別についてのお話があって、トランスジェンダー女性が女性ということと、それから性自認において二重のマイノリティ性を有していて、そういった方々も支援していくということを言葉で表せないかというのが、そもそもここに書き足した出発点だったのです。  ただ、こうしてパブリックコメントをいただいたときに、なかなか意識といいますか、区民の中にこれからもっともっと理解を促していかなければいけない、周知啓発を図っていかなければならないと考えたときに、どう表現の工夫を図っていったらいいのかというのが一つ大きな課題だなと思ったのです。  今日ご意見をいろいろ聞かせていただいて、女性の括弧の後に「一人ひとりが」を入れたらどうかですとか、皆様からこのまま入れていくべきだとかというご意見をいただいたので、これを踏まえて、正副委員長とご相談させていただければと思います。 ■委員長  それでは、3つ目にいきたいと思います。禁止事項に関する表現ということで、4ページのところのですね、禁止事項についてbP8他2件という部分ですね。アウティングの禁止についてのコメントに関するところだったかと思います。  「アウティングの禁止というのが、女装して女性スペースに侵入をする人に性別を確認する、お互いに穏便に退出してもらう、そんなことすらできなくなる」というコメントがありました。  トイレとか、更衣室とか、そういう問題にも関わっているということですね。アウティングの禁止がかえって差別ということにつながりかねないというふうなご意見などもあるわけですね。また、アウティングの禁止という言葉を入れることで、当事者の方は息苦しさを感じるといったようなことも、コメントとして出ております。  このあたりのところについては、いかがでしょうか。 ■副委員長  そうですね、心配されていることはすごくよくわかります。確かにそういうことにつながりかねないというご意見はわかるのですけれども、あくまでここから始めようというところであって、何でもかんでも差別ではなくて、合理的な区別ということもありえますし、当然内在的制約というのですかね、公共の福祉という言葉もありますので、何でもかんでも駄目よと言っているわけではなくて、こういう概念を持って、これからいろいろ判断していきましょうという一つの方向性を示しているだけの文言なのだよねというところをもう少し理解してもらう必要があるのかなと思いました。  ただ、確かに書いてしまうことによって、それが暴走するということも確かに懸念はあると思うので、言葉遣いをどうするかということは慎重に考える必要があるかなとも思いました。アウティングは少しきつい言葉かなと思うので、誤解はないけれども、きつい言葉であるのは否めないかなというような感覚を持ちました。 ■委員  私はこれを読んだときにちょっと考え過ぎというか、神経質になり過ぎかなと思いました。ここに公表を強制または禁止すること、もしくは本人の意に反して公にすることとあって、だから、この本人の意に反して公にするというのが、女装して女性トイレに来た人に「あなたの性別は何ですか」と聞いて、性別を聞き出すことがアウティングになるという解釈なのだと思うのですけど、私の考えだと、それは別にアウティングにはならないのではないかと思うので、禁止というのを何にするかですけども、私はこのままでいいのではないかと思います。 ■委員  私も同じ意見です。文言自体はこのままでいいと思うのですけれど、もしかしたらアウティングという言葉自体がそれだけだと伝わりにくいのかもしれないなと思ったので、アウティングというのはどういうことを指すのかというのを丁寧に拓くのがいいのかもしれないなと思いました。それによって命を落としている方もいらっしゃる実情があるので、パワハラ防止法の中でも、企業としてはアウティングを防止することが義務づけられている時代ですので、言葉を補足することで、ご意見いただいた方にもより理解していただけるような工夫をするのがいいかなと思いました。 ■委員  学校では、例えば、いじめであるとか、虐待であるとか、性的な自認等について、誰かに相談するということを今いろんなところで話をしています。  まずは困っていたら相談するというのが当たり前の権利としてあるのだよということを子どもたちには伝えていて、我々としても、子どもたちも含めて、アウティングされたらどうするのかということを学んでいくということも、一方で必要なことなのだろうなと。  小学校、中学校の発達段階がありますので、発達段階に応じてくり返し指導していく、話をしていくということは大事にしたいなというふうに思っています。  何よりもやはり、人権であるとか、多様性を認め合う社会をつくっていく、そして、すべての方の命を守っていく、心を豊かにしていくというためには、これは必要だろうと。  ただ、確かにわかりづらい言葉ではありますし、どうしたらいいのだろうかということについて、もっともっと議論しあえたらいいのかなというふうに思います。そういうきっかけにもなったらいいなと思います。 ■委員  禁止事項が厳しいのはいいことだと思うのですけれど、私は、苦情という言葉が文句言うみたいですごく嫌だわ、みたいな話をしたところから、でも苦しい事情を訴えるということが苦情なのだというので、さっきすごく腹落ちしたのですね。  でも、このアウティングの禁止とか、苦情って、実は底流ではつながっているのではないでしょうか。苦しいことを言える、助けてくれる人がいるという一方で、厳しく禁じる。そうじゃないでしょう、という。そこがつながっていなくて、こうバラバラに差し出されている感じがして。本当にね、対話していくしかない。この世の変化の中で、何かぶつ切れになっていることに、禁止事項がきついとか、アウティングの禁止というのをやめたほうがいいということを言いたいわけではないのですが、そういう言葉を使うのであれば、もう一方で、苦しい事情があったときには、本気で耳を傾けようと思っているのだというような、そういう深みみたいなのがあったほうが、バランスがあったほうがいいのではないかなというふうに感じました。  ■委員  このアウティングに関するところを読んで、アイデンティティに対して公表を強制するのはだめだと思うのですけれど、公表を禁止することも、禁止なのだなというのを改めて思いました。ただ、アウティングに関して言えば、禁止されないときの被害のほうがとても大きいことになっていた事例もあったので、それを考えるとやっぱり禁止は禁止でいいなというふうには思っています。  ただ、やっぱり今、過渡期なのだと思うのですね。過渡期がどのくらい続くかはわからないのですけれども、ただ、過渡期の中で方向を間違わなければ社会も成熟していって、そのたびに文言の理解というのが深まったり、合意ができたりとかしていく社会になっていくことを僕たちは目指していると思っています。なので、その一助になるような補完的な文章なり、もしくはそういう取組みなりというのは、それに合わせてしていくことが大切なのかなというふうには感じました。 ■委員  私も、基本的にこのままでいいと思います。アウティングがわかりにくい部分があるのであれば、拓くの方向性でいいと思います。  最初におっしゃっていたように、この気持ちは私もすごくわかるなと思いました。言葉をお借りすると、少し神経質に考えると、例えば、女性スペースに入ってきて、何か悪いことをしようとしている人に対して、性別を聞くことがアウティングに当たるのかということに、怒りの感情をもってしまうみたいなのも、気持ち的にはすごくわかるなと思っています。でも一方で、何の危害も加えていないけれど、自分の目から見ると、もしかしたら女装なのかもと思った人に対して、あなたの性別は何ですかと言うことはやはりアウティングだと思うし、その人の尊厳を傷つけることになるので、禁止というのが正しいと思います。また一方で、犯罪行為をしようとしている人に対して、あなたの性別は何ですかと言うことは、アウティングではなくて、犯罪防止として正しい行為だと思うので、そこが違うものであるというのだったら、わかりやすくなるかなと。アウティングをかみ砕くことによってわかりやすくなるのか、あるいは最終的にこの条例を教育現場とかで、冊子みたいな感じでもう少しかみ砕いてお渡しすることがあるのであれば、具体的な事例とかと一緒にわかりやすくかみ砕けると、もう少しいろいろな方の想像の中で受け入れてもらえるものになったりするのかなと思いました。 結論としては、このままでいいと思っています。 ■委員長  ありがとうございました。  それでは、最後に条例の名称です。これは資料4として別立てで作成してくれているので、これがいいのではないかというところで皆様のご意見を聞かせていただければと思います。 ■委員  ジェンダーという言葉を使ってもいいというのであれば、ジェンダー平等を推進するための条例がいいと思います。 ■委員  この4案だと、男女平等にするのか、ジェンダー平等にするのかというのはあるのですけれど、私は最後の4番目が一番しっくりきました。  男女平等と性の多様性、またはジェンダー平等と性の多様性にするのかはわかりませんが、取り残される人がいないように感じました。 ■委員  私は、3つ目です。女性および男性ならびに多様な性を尊重し合いという文言がいいかなというふうに思いました。2番目はないかなというふうには思います。 ■委員  3番目と4番目で迷うかなという感じで、ジェンダー平等というとわかったようでわからないみたいなことになりそうな気がして、ちょっとリスクを感じるので、先ほど別の委員がおっしゃられたみたいに、「ジェンダー平等と」と言ったほうがいいのかな。でも、ジェンダーという言葉はあるしというようなところで、ちょっと迷っています。絶対に一票と言ったら、3番目。でも4番目も捨てがたいみたいに揺れております。 ■委員  この条例の名称というのは、見直しのときに変えるというのはあまりしないほうがいいのですよね。何の条例なのかわからなくなってきてしまいますものね。 ■事務局  おっしゃるとおり、条例名称が数年おきに変わったりすると、区民への浸透をまた一から図っていかなければいけないので、名称についてはできればそんなに変更はしないほうがいいだろうというところです。 ■委員  ですよね。未来の理想は一番上なのだと思うのですけれども、たぶんそこに行くまでに時間がとてもかかりそうなので、そうですね、3番を推します。 ■委員  私は4番目の男女をジェンダーに変えて、ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合いがいいかなと思います。  大きな目で見たときに、30年後とか50年後だと、例えば、男女平等という言葉自体がこう2つにきっかり分けているからよくないみたいな話になっているかなと思うので、大きな流れの中で、ジェンダー平等を率先して使っていこうとか、それが浸透していくための先陣を切るみたいな意味合いも含めて、最初のほうの話に出た、今すごく慣れ親しんでいるからそれを使うということではなくて、今後使ってほしいものだったりとか、それがより正しいものであり、いろんな人を内包できるものであるならば、それを使っていくのがいいのかなと思うので、ジェンダー平等と性の多様性という形に変更して、4番がいいかなと思います。 ■副委員長  私も3か4かなと思っていたのですけども、今回のパブリックコメントにおいて、カタカナ語を多用することにすごく抵抗のある方もいっぱいいらして、確かにジェンダーだと何でも含んでいそうな気がしますけども、入ってこない人も多いのであれば、浸透させる意味できちっとした日本語のほうがいいのかなと思いました。あとは女性が先に出たほうがいいかなという気もしました。  2回目の資料で他の特別区の条例の名前を今また見ていたのですけれども、墨田区だけが女性と男性及び多様な性というふうに、女性が先に出てきていて、他は男女となっているのですよね。そう思うと、これから考えていくには、女性を先に持ってきた方がいいのかなというふうに思いまして、そうすると3かなというふうに今の段階では思っています。 ■委員長  以前にお話をしたときは、3番目は男性が入っているというので、反対の意見も当時かなり多かったかと思うのですけど、今日は3が結構人気というのは、私は聞いていて意外な感じもしました。 ■副委員長  誰も取りこぼさないという意味であれば男性も入れたほうがという。普通にシフトしているというか。 ■委員長  そうですね、ただ、この条例の趣旨からすると、私は1番かなと。かえって2番とか、3番はない。逆にそんな感じはちょっとしたのですけれども。やはりこの委員会の中でも意見が分かれているようですね。  最終的には、議会にどういう名称で出て、議会でどういうふうに審査されるのかということにもなるのでしょうけれども、どこにポイントを置くのかとか、ターゲットですよね、そういう問題もあるし、やはりそのターゲットの中で排除される人ができるだけ少ない名称というのは求められるところだと思います。今日もかなり意見が分かれましたが、事務局のほうは、今のご意見を聞いていかがでしょうか。 ■事務局  ご意見ありがとうございます。  2つ目は、おそらく皆さんの総意としてあまりないのかなというふうに思ったところですが、本日ご欠席の方にもご意見をお伺いしたいと思います。今のところジェンダー平等を推進するための条例が2票で、3つ目と4つ目にそれぞれ1票を入れた方もいらっしゃったので、 0.5でカウントすると、3つ目と4つ目が3票ずつになります。  均衡していますので、欠席の方にもご意見を聞きつつ、ここもご意見が割れたので、正副委員長と相談いたしまして、最終的に何をもって議会提案するかというのは区側のほうで決定させていただくことになるかと思います。 ■委員長  はい。ありがとうございます。  そうしましたら、ざっと4つのポイントについて意見を出していただきましたけれども、何か今、特に事務局の方から指摘しておきたい点とかございますか。よろしいですか。  そうしましたら、次の議題、答申案に進んでよろしいでしょうか。 ■委員  委員長、すみません。盛り込むべき考え方について提案があるのですが。 ■委員長  はい、どうぞ。 ■委員  確か前回に言ったと思うのですけれど、品川区が目指す姿ということで、四つの丸がついているのですが、この順番を変えたほうがいいのではないかと思っています。以前にも申し上げたのですが、1番目と2番目はマイナスをプラス、またはマイナスをゼロにするみたいな感じなので、1番が重要だとしたら、順番としては1-4-2-3で、差別や暴力を受けることのない社会というのは、マイナスをゼロにするというので、1番下においたほうがいいのではないかと。1−4−2−3にするか、3−4−1−2というように順番を変えたほうがいいのではないかと思います。  それから、Aの多様な生き方の選択のところに、固定的な性別役割分担意識とあるのですけれど、内閣府とかでは分業意識なので、分業にしたほうがいいかと思います。 ■委員長  はい。ほかに何かございますか。どうぞ。 ■委員  ちょっとずれてしまうかもしれないのですけれども、もしかしたら前に話が出ていて、私が忘れてしまっただけかもしれないのですが。  パブリックコメントの3ページ目の教育のところのbR9やbT1の方が言っているように、性教育に関して触れていないので、入れたほうがいいのではないかという声に対して、個人的には賛成です。それが基本理念のジェンダー平等を推進する社会を支える教育に入るのか、性教育だったらリプロダクティブ ヘルス/ライツとかのほうに教育として入れるのか、どっちがいいかわからないのですけども、性教育というのは確かに入れてもいいかなというふうには思いました。 ■委員長  はい、ありがとうございました。  今の点について、事務局からよろしいでしょうか。 ■事務局  ご提案の点も含めて、正副委員長と一度整理させていただければと思います。 ■委員  言い忘れてしまったことがあと2点あって、1つ目がパブリックコメントの6ページ目のご意見bPで、このコメントの方が、「数年前の品川区は」と書いてあるので、今はもしかしたら良くなっているのかもしれないのですけれど、「DVに対する対処法や連携が数年前の品川区は機能しておらず」弁護士が驚いていたとかというのが、どういうことなのかがあまりわかりませんでした。もし他区と比べて、すごく遅れているであったり、整備されていないところがあるのであれば、そこはもう一度見直したほうがいいのかなと思いました。もう1点が、パブリックコメントを送ってくださる段階で、性別を入力するのに、男か女かの2択しかなかったことについて、25ページ目のbU0の方が、性別の欄でその他を設けることが多いかと思いますと書いてあるということはなかったのかなと思いました。もしこのパブリックコメントに限らず、品川区で、性別をコメントとして集めなければいけないときに、もしその他というのが今設けられていないのであれば、ちょっと細かいことにはなるのですけれど、設けるというのは、条例においても、実施段階のものとしてはすごく重要なことだと思うので、やっていきたいなというふうに思いました。 ■委員長  ありがとうございました。それでは今の4点についてですが、修正の内容が確定した状況にはならなかったので、いずれの点も、このあと正副委員長で相談し、修正したものを次回に皆様にご提示させていただくという形にさせていただきたいと思います。 2.答申(案)について ■委員長  それでは、ちょっと時間も押していますので、次第の2、答申案についてご意見を伺いたいと思いますが、これについて事務局より説明をお願いいたします。 ■事務局  それでは皆様、資料5、左肩止めの資料をご覧ください。  こちらは今、条例名称にパブコメ時の名称をそのまま用いております。(仮称)ジェンダー平等を推進するための条例に盛り込むべき考え方についてということで、第3回までの皆様からのご意見を踏まえて、それを要約したものを記載しています。  本日前半での意見を受けて修正すべき点が出てくるかもしれないのですが、第3回終了時点のものまでということで作成をしておりますのでご了承ください。それでは、中身をご説明いたします。  おめくりいただきますと、まず委員長挨拶の案になります。  次のページにつきましては、「基本理念」について条例に盛り込むべき事項ということで、いくつか記載をしております。要点のみ説明させていただきますが、まずジェンダー平等が実現された社会、区が目指す姿として4点のポイントを記載しておりますのと、それを実現していくための基本理念について、人権の尊重、ジェンダー平等と多様性があります。ジェンダー平等と多様性につきましては、いくつか細かく分けて書いておりまして、多様な生き方の選択、それから、あらゆる分野への参画機会の確保、おめくりいただきまして2ページ、生活と仕事等の社会活動の調和、リプロダクティブ ヘルス/ライツの尊重とございます。  女性のエンパワーメントの部分につきましては、こちらは先ほどジェンダーアイデンティティに基づく女性も含むというご意見をいただいております。「私たちは、性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、すべての人が多様な生き方を選択でき、…」というのを2段落目に記載しております。  その下の性的指向およびジェンダーアイデンティティの多様性につきましては、理解増進法の施行について触れておりまして、すべての人に意識啓発と理解を促していく必要があるという文章と、その下にアウティングによって起こった過去の痛ましい事件のことで、アウティングが人格権の侵害として認定されたということを記載しております。  また、カミングアウトを強制したり、禁止したりすることやアウティングの禁止についても、3ページの冒頭に記載しております。  ただ、女性専用スペースの安心 安全というところでご意見いただいておりますので、なお書き以下ですが、性自認に関する自己決定についての議論が法律の制定を巡る中でございましたが、「性自認や性的指向は自己決定あるいは選択できるものではなく、性自認を詐称しての暴力や犯罪は絶対に許されるべきではありません」という文言を加えております。  それから、教育に関すること、また、複合的な視点ということで、第1回検討委員会での意見を踏まえて、複数の要因が合わさると差別が悪化しやすいということが懸念されているなどを記載しております。  おめくりいただきまして、4ページですが、こちらは区 区民 教育関係者 事業者の役割、それから、全体としてというのを記載しておりまして、区につきましては、ジェンダー平等の推進に係る施策を総合的かつ計画的に実施していくこと。また、区民につきましては、それぞれ活躍の場において、生活や職場、学校、地域等における活動において、ジェンダー平等に関する理解を深め、推進に努めていくこと。教育関係者につきましては、ジェンダー平等の推進に関する教育の重要性を認識し、教育を行うよう努めることと。事業者につきましては、事業活動にあたってジェンダー平等についての理解と推進に努めるとともに、ワーク ライフ バランスの実現に向けて、環境の整備に努めることなどを、それぞれ記載しております。  最後に、5ページですけれども、推進体制というところで、区として基本理念を推進していくために、会議体の設置、計画の策定、それから苦情 相談への対応とございます。区民からの苦情 相談というのはクレームではなく、区民が直面している苦しい辛い事情として捉え、対応を行っていくということを記載しております。  変化への対応につきましては考え方に記載のとおりです。  6ページ以降につきましてはこちら付録資料になりますが、パブリックコメントを実施した際の資料で、実際にこれが答申になるときには今日のご意見を受けて正副とで整理させていただいたもので、修正を図らせていただくことになるかと思います。  それから、第1回で諮問させていただいた文章、検討委員会の設置要綱は9ページと10ページに、最後に委員の名簿と開催の経緯を載せまして、現時点をもっての答申案とさせていただいているところでございます。 ■委員長  ありがとうございました。それでは、今の説明を受けて、皆様からご質問、ご意見ございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ■委員  5ページの変化への対応のところで、見直しと書かれていると思うのですけれども、この答申では何年とかというようなものは、記載されないことが通例なのでしょうか。また、どのくらいのインターバルがいいのかなというのはどこで決まるものなのかなと。お金もかかることですので、いろいろな要件があると思うのですけれども、教えていただければ幸いです。 ■事務局  特に時限を設けるとか、設けないとかというのは、全体のご意見の中ではなかったように思うので、今記載はしておりません。パブリックコメントの中には、期限といいますか、目途を設けてもいいのではないかというご意見がございました。今すぐ何番だったかは出てこないのですけれども。  あくまで考え方の一つですけれども、人権課題はこの間複雑化 多様化していて、新しい課題が生まれてきているというような状況もございますし、期限を設けないほうが機動的に動けるのではないかなと思いまして、今あえて記載はしておりません。ですが、必要だというご意見が検討委員会から出てくるようであれば、区としてその視点をどうするかというのは考えていかなければいけないと思っています。何か特段決めはございません。 ■委員  ありがとうございます。 ■委員  2ページ目の性的指向およびジェンダーアイデンティティの多様性のところで、結構具体的な話も盛り込んであるのが、他の項目と違っているなと思いつつ、個人的にはすごくいいなと思っていて、ここのところは現状だと知識だったり、経験だったり、意識だったりというのが特に差がある、人によって違う部分だなと思うので、こういった実際に起きてしまったことだったりとか、現状どういった議論が起きているのかというのをある程度具体性も含めて書くことによって、そもそも何でこの条例を制定すべきなのかの土壌が統一されていくので、すごくいいなと思いました。  なので、そういった意味では、女性のエンパワーメントのところにも、こういった部分をもう少し書いてもいいのかなというふうに思いました。例えば、パブリックコメントにもあったように、最近は女性、女性、ばかりでとか、たぶん世の中一般でも男尊女卑じゃなくて、反対のことが起きているとか、下駄を履かせすぎだ、みたいな議論がやっぱり起きてしまうのは、そもそもの前提として、どういう違いが起きてしまっているのかというところに対しての意識だったり、知識だったりっていうのに差があるからなのかなと思います。なので、例えば、男女における賃金格差だったり、非正規の割合だったりとか、それこそ品川区における職員なのか、いろいろな項目においてのパーセンテージの違いを示すなのか、あるいは、アンケート結果とかがあるのであれば、男女それぞれの希望に対して現実がどうなっているのかみたいな数字も含めて具体性を持つと、女性というところに関しても、同じように土壌として意識を統一できるところがあるのかなと思ったので、ここはもう少し分厚くしてもいいかなと思いました。 ■委員  何か文字なのだなと。文字なのですよね、こういうのって、きっと。なんて言うか、いろいろな種類の性の多様性があるみたいなことが、言葉で、カタカナで書かれていても、あまり入ってこないな、みたいなところがあって、ここに書くべきじゃないのかもしれないけれど、何か補足的なものがあって、そういう一歩になるといいなと思いました。 ■委員長  データとかグラフみたいなものということですか。 ■委員  データとかグラフとか、性について自分で「あれ?」って違和感があるのだろうとか、すごく素朴な疑問なのですけど。データがあるのか、ないのかもわからないのですけれど、そういうのが知れたら、うちの子もそうかもみたいな感じで、こういろいろなことがすぐ近くで起こっていることになれたら、いいのではないかなというふうに思いました。  女性のことで言うと、M字カーブというのがあって、1回はパートさんとかになるから、賃金格差は生まれるのですけれども、今きっと政府はそこを撤廃しようとしていますよね、税金がほしいから。というような中で、女が働き続けたほうが絶対に得だ、世帯年収みたいなものがあってもいいのかなと思いました。 自分は経営者をやっていて、いつの間にか刷り込みされて、それが家庭の幸せのためだよねと言って、女性が長いこと育児休業を取ることによって、社員さんが戻ってくるのを、すぐ戻りたい、フルタイムでだって、男性の家庭進出と女性の社会進出はセットだから、変に下駄を履かされると、迷惑なのですよ、お父さんはお手伝いってなるからとか言われて、自分としてよかれと思っていることは、実はスカートの裾を踏んでいたのだなというふうに思ったりするので、世の中の人はよかれと思って違うことをしてしまうことも多いのではないかなと思うので、そういうようなことがあぶり出されるものが一緒についていたらいいな、こんな素敵なことするのだなと思いました。 ■委員  全体的に、いいなというふうに思いました。  3ページのところ、ジェンダー平等を推進する支える教育となっているので、ちょっと文言の修正が必要かと。この1番目に、知らないことは差別や偏見を生む要因ですという、まさしくそのとおりだなと。鍵括弧をつけてこれを先頭に持ってきたというのは、とてもわかりやすいというふうに思いました。  そのほかにも、例えば、技術的な側面というのでしょうか、先ほどのカミングアウトに対する対応の仕方であったり、自分がどう行動したらいいかということも、実際のイメージを学んだりとか、また、人権感覚は知るということから始まりますけれども、問題のある状況を変えようとする気持ちだったりとか、また、それを何とかしようという意識や行動力なども、さらに踏み込んでいくと、教育の中でおさえていく必要はあるのだろうなというふうには感じるのですけれども、まず第一歩としては本当に知るということだろうというふうに思います。  そこら辺を踏まえて、品川区の人権教育を進めていきたいなと思います。 ■委員  本当にすばらしくまとめてくださっていて、ありがとうございます。  7番の推進計画の策定というところになると思うのですが、たぶん今回の議論やパブリックコメントも含めて、この条例をつくったあと、この条例自体をどう区民の方々に伝えて知っていただき、理解していただいて、これをどう咀嚼していくかということに本当に力をかけていくことが必要なのかなというふうに感じました。  なので、この条例ができて、そのあとは具体的な基本計画というふうにいきがちなのかもしれないのですが、実はこの条例自体をどう理解していただくかにもっとフォーカスを当てるようなものが、もう予定されていればいいのですけれど、そういうのがないと、結構具体策に入っていってしまう可能性があって、ここにたどり着くまでの経緯とか、ここに込めた思いはこうなっていますとか、この条例を広げていくためのものがこのあと予定されているのか、それをちゃんとします、みたいなことがどこかに書いてあればいいなと思いました。  それがどこに当たるのかはわからないのですけれど、行政上の進み方として、条例ができたら次は具体的な基本計画になってしまうのか、条例自体の普及そのものが最初にあるのか、そこがわからなかったので、もしわかれば教えていただければと思います。 ■事務局  資料3の考え方のところで、3番に各主体の責務があって、(1)区の責務のところの丸の1つ目ですが、区は条例の基本理念に基づき、ジェンダー平等の推進に係る施策を総合的かつ計画的に実施するとなっております。  この総合的かつ計画的という部分が推進計画に結びついてくるのですけれども、計画だけで理念が浸透していくわけではないので、委員会の中でもご提案いただきましたが、予算がつきましたら、まず区のほうでリーフレットを作っていきたいと思っております。それから、年に何回か講演会や講座を実施いたしますので、そういったところで条例の内容をご紹介して、区民、事業者等に対して意識の浸透を図っていく。  それから、庁内です。庁内で具体的な施策が出てこないと、条例だけ掲げても名ばかりになってしまいかねないので、実際に、他自治体ではジェンダー平等の名のもと、こんな施策をやっていますという具体的なお話してくれる講師がいないかなと探している最中でございます。 ■委員  ありがとうございます。この議論は議事録に全部もちろん残っているのですけれど、それを全部読み込む区民の方はなかなかいないだろうなと思ったので、リーフレットとかの中に、この文言にたどり着くにはこういうことが背景にあって、ここにたどり着きましたということが、少しでもいろいろなところに書かれていると、今回パブリックコメントでご意見いただいた方々も、そういうことかと納得度が高くなったりするのかなと思いましたので、その工夫があるといいなと思います。 ■委員長  事務局からお願いします。 ■事務局  1点だけ補足させてください。  今日ご紹介いたしましたパブリックコメントのご意見に対する区の考え方、回答なのですけれども、冒頭ご説明したとおり、令和6年2月1日に区民の皆様に対して公表してまいりますので、本日のご意見も踏まえて、まず区側としての考え方を示していきたいと考えております。 ■委員長  はい。ありがとうございます。  それでは、他にいかがでしょうか。 ■委員  先ほど申し上げたのと同じなのですが、1ページ目の上に書いてある4つのひし形については、順番として上から1-4-2-3がいいのではないかと思います。  それから、多様な生き方の選択のところ、性別役割分担となっているところを分業にしていただければありがたいなと。  あと、4ページなのですけど、区民の役割のところで、「尊重され、差別や暴力を受けることなく」とあるのですが、「自らの意思であらゆる分野に参画」を先にしたほうがいいのではないかと思っています。修正案としては、「性別、性的指向、ジェンダーアイデンティティに関係なく、尊重され、自らの意思であらゆる文化に分野に参画し、差別や暴力を受けることなく」としたらどうかと思います。  それから、区が実施するジェンダー平等の推進に関する施策に協力するよう努めることが必要ですとあるのですが、教育関係とか事業所とかについてはこれがあってもいいと思うのですけれど、区民に努めることが必要ですと入れてしまって大丈夫なのかなと思いました。  それから、1つだけ気がついたところがあるのですが、条例に盛り込むべき考え方の2枚目で、区民 教育関係者 事業者等の責務のところ、上から4つめの丸ポチで、「区民はジェンダー平等について理解を深め、生活、職場、学校…」とあるのですけど、これは生活ではなくて家庭のほうがわかりやすいかなと。これは私からの修正提案です。 ■委員長  家庭については、以前に議論しましたね。すべての子に家庭というもののイメージが統一されていなかったり、家庭で虐待されていたりとか、いろいろなケースがあるから、生活というふうにした経緯があったかと思います。なので、それで大丈夫ですか。 ■委員  はい。 ■副委員長  皆様からほとんど言っていただけたので、一つだけ。  これは当然、今日の議論を踏まえる前の文書なのです。まず、条例の名前がジェンダーになってしまいそうだなと思ってしまって、このジェンダーという言葉は多用されているので、どこかに本当はジェンダーとしての定義があってもいいのかなというふうに思った次第です。 ■委員長  ジェンダーを使うのであればですよね。 私も皆様のご意見に賛成だし、あと今までの議論がかなりうまく答申案にまとめられているように、感じました。  だから先ほど委員がおっしゃっていた、エンパワーメントというところに、女性のエンパワーメントがすごく大事なのだというところの事例なり、もう少し説明があってもいいのかなという感じがします。  あとは、すごくよくできているというような印象を持ちましたし、あと今の行動計画推進会議で作ったマイセルフ品川プランというのが、ちょうど5年目で見直しに当たりますよね。  そのタイミングに向けて条例ができるということで、今度見直しをするのですよね。マイセルフしながわプランは10年プランだから、今5年が終わったところで、それと結構マッチングというか、調和していけるのかなというふうに私は見たのですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ■事務局  現行の行動計画は平成31年に策定されましたので、今年がちょうど5年目に当たります。現在、条例の検討中ということもあって、中間見直しを延期しているのですけれども、この条例が固まりましたら、基本理念に基づいて、計画にある施策ですとか目標というのを整理していかなければならないと思っています。  例年ですと計画改訂に入る前に、区内のデータを集計しますので、そういったことも間に挟みながら、改訂の作業に入っていく予定でおります。 ■委員長  この答申案については、皆様から一通り発言していただいたのですけれども、事務局のほうから特に何かコメントはよろしいでしょうか。はい。  それでは、いただいたご意見をもとに答申案を修正したいと思います。修正内容については、正副委員長で検討いたしまして、次回にお示しさせていただきたいというふうに思いますけれどもいかがでしょうか。 (異議なし) ■委員長  はい。ありがとうございます。  それでは正副で修正した答申案を次回提示させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 3.その他 ■委員長  その他で何かございますか。  それでは、事務局からお願いします。 ■事務局  次回、第5回は12月18日で、同じく15時から17時までを予定しております。次回の進行の大体のイメージといたしまして、本日いただいたご意見をもとに正副で整理させていただいた修正案を、改めて机上にお配りさせていただきます。それをもとにもう一度ご議論いただいて、再度修正があれば、いったん休憩をし、反映をして、委員長から区長に答申をさせていただく形になります。  なので、議論が早く終わった場合には、ちょっと間が空いてしまう、休憩時間が長くなってしまうこともあるのですけれども、その点だけご了承いただければと思います。 ■委員長  はい、わかりました。  それでは、最後に事務局を代表してご挨拶をお願いいたします。 ■事務局  本日も活発なご意見を本当にありがとうございました。  もう第4回ということで、今課長から説明がありましたけども、次回がいよいよ答申ということで、いよいよここまで来たかというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次回以降ですが、いただいた答申を区のほうで受けまして、実際の条例にどのように表現していくかというのを、区の内部でも検討して、成文化していくという形になります。いただいたご意見をしっかりと反映する部分と、先ほどお話がありました、例えば、出生時に判定された性ですとか、生まれたときに割り当てられた性ですとか、不利益とか不便が生じている方が傷つかないようにどういう表現をしていくかというのは、なかなか唯一の正解がないというところで、時代によっても変わっていく部分もありますので、そこのところどう表現していくかという部分があります。 あとは、言葉で補うという形をどこまでできるか、条例でできない場合には、計画ですとか、条例より下の部分でやっていくという部分ですとか、そもそも条例は基本的な考え方を示すものですので、そこをどのようにやっていくか。表現も大事なのですけども、いい意味での切り分けをしていかないと全体が前に進んでいかないという部分もありますので、そこをしっかり考えていきたいと思っています。 また、ご意見ありましたけども、パブコメでいただいたご意見の気持ちを酌み取っていくというのも大事だということで、さまざまな角度からご意見を頂戴しましたので、しっかり検討させていただき、また正副委員長とご相談させいただいて、次回お示しをできればというふうに思ってございます。  本当にいつも活発なご意見をいただいてありがとうございます。また次回もどうぞよろしくお願いいたします。 ■委員長  それではこれで本日の委員会を閉会いたします。  皆様お忙しい中、本日はありがとうございました。 次回もどうぞよろしくお願いいたします。