資料No.6-2 品川区新庁舎整備基本構想・基本計画策定委員会 令和3年6月3日 1.現庁舎の現状と課題 (1) 施設概要 第二庁舎・防災センター 本庁舎・議会棟 第三庁舎 施設概要 本庁舎 議会棟 第三庁舎 昭和 43(1968)年築 延床面積 29,481 ㎡ RC 造地上 8 階・6 階・6 階 第二庁舎 防災センター 平成 6(1994)年築 延床面積 13,620 ㎡ RC 造地上 8 階 施設敷地面積 約 13,484 ㎡(本庁舎・第二庁舎・第三庁舎敷地を含む) アクセス 〇JR 線・東急線・りんかい線大井町駅徒歩 8 分 〇東急大井町線下神明駅徒歩 5 分 在庁職員数 1,449 人(区職員のみ) ※令和 3(2021)年 4 月 1 日現在 (2)フロア構成図 ※令和 3(2021)年 4 月 1 日現在 (3)現庁舎の活用状況 現本庁舎は、国の機関である東京法務局品川出張所、東京都の機関である第二建設事務所及び品川都税事務所が、それぞれ区分所有しています。 国・都・区の所有面積は、次のとおりです。 棟別・所有者別面積 単位:㎡ 延床面積(㎡) 本庁舎・議会棟・第三庁舎 国 765.33 都 6,241.42 区 22,474.57 計 29,481.32 第二庁舎・防災センター 区 13,620.55 合計 42,912.82 ※面積は計画通知時の床面積。登記簿に記載された専有部分の面積割合より算定 (4)現庁舎が抱える課題 昭和43年に建築された本庁舎・議会棟・第三庁舎は、築52年を超え、建物本体や設備の老朽化が進んでいる一方、区を取り巻く環境変化や多様化する行政需要に対応する機能が求められています。 ① 施設の老朽化に伴う維持管理負担の増大 ∙平成 29(2017)年度~令和元(2019)年度における現区庁舎の年平均維持管理費:約 5 億円 ∙令和 2(2019)年度~令和 6(2024)年度における設備機器想定維持更新費:約 9.2 億円 ② バリアフリー対応の強化 ∙3 階レベルがメイン(ロビー)フロアとして計画されており、実際のバリアフリー動線は 2 階レベルとなっている。 ∙トイレ入り口前に数段の階段があるフロアもある。 ∙来庁者が目的の窓口へ行くための導線・案内表示が十分とはいえない。 バリアフリー化未対応の例 ③ 設備の老朽化、情報機能・設備の強化 ∙雨漏りや床、壁のひび割れ等老朽化が進行している。 ∙増築の結果、一旦外部へ出なければアクセスできない室があり、外部にさらされているため、度々漏水が発生する。 ∙設備が老朽化しており、エネルギー効率が低いことから、環境負荷が大きく、省エネ対応が求められる。 ∙将来のICT化を想定した環境の整備が求められている。 老朽化の例 ④ 防災機能の強化 ∙災害対策本部機能が不足している。 ∙備蓄品の格納スペース・水防本部従事者の休憩室が確保されていない。 ∙災害時における非常用電源が不足している。 ∙災害時の機能維持のためバックアップ機能が不足している。 ⑤ 機能分散化による分かりにくさ、非効率性 ∙本庁舎に入りきらない機能が周辺施設に分散化している。 ∙議会棟3階の窓口では、待合スペースが2か所に分かれ、対応カウンターが奥にあるため分かりづらい。 ∙庁内動線が複雑であり、分かりづらい。 ⑥ 執務スペースの狭隘化、労働環境改善 ∙職員数増の課では現状高密に席が配置されており、面積拡大が必要となる。 ∙執務スペース内に打合せスペースや書庫を、必要に応じて増設・設置しているために執務スペースが不足している状況にある。 ⑦ 共用スペースの不足 ∙区民交流スペースが不足している。 ∙授乳室やバリアフリートイレが不足している。 ∙待合や記入スペースが狭く、通路空間に待合椅子や記入台が設置されており、通行者とのすれ違いが不便なところがある。 奥まった位置のカウンター 狭隘な執務スペース 狭い通路空間 2.これまでの検討経緯 時期 会議等名称 内容 平成 29(2017)年 6 月 13 日 区議会行財政改革特別委員会 総合庁舎における設備機器等の更新について経過、今後の方針等について説明 平成 30(2018)年 6 月 12 日 区議会行財政改革特別委員会 総合庁舎における設備機器等の更新について経過、今後の方針等について説明 平成 30(2018)年 10 月 31 日 区議会行財政改革特別委員会 庁舎について、ハード・ソフト両面で課題があり、庁舎の改築を含めた検討を進めることを説明 平成 31(2019)年 2 月 27 日 区議会行財政改革特別委員会 特定事件調査のまとめとして、庁舎のあり方について、新庁舎整備検討の必要性が認められる 令和元(2019)年 6 月 11 日 区議会行財政改革特別委員会 庁舎の建て替えについて、令和元(2019)年度の取組について説明(建て替え検討、現庁舎の課題整理、区分所有者との連絡・調整、他自治体の事例研究) 令和元(2019)年 8 月 27 日 区議会行財政改革特別委員会 4つの庁舎建て替え候補地を提示し、土地再編による広町敷地への庁舎移転に向けて検討を進めることを報告 令和元(2019)年 9 月~10 月 地域、関係団体等への説明 4つの庁舎建て替え候補地を提示し、土地再編による広町敷地への庁舎移転に向けて検討を進めることを説明 令和元(2019)年 12 月 5 日 区議会行財政改革特別委員会 関係団体への説明状況を報告 求められる庁舎機能について報告 今後の庁舎機能の検討の進め方を説明 令和 2(2020)年 3 月 庁内プロジェクトチームキックオフ 庁舎機能について、庁内プロジェクトチームでの検討を開始(ワンストップ窓口、保健衛生機能、教育機能、文化・スポーツ機能、防災機能・環境機能、他機関との調整、ペーパーレス・ICT推進、庁内動線) 令和2(2020)年 4月21日 区議会行財政改革特別委員会 品川区庁舎機能検討委員会の設置について説明 令和2(2021)年 7月13日 品川区庁舎機能検討委員会 第1回品川区庁内機能検討委員会を開催 新庁舎に導入を検討する機能について審議を開始 令和2(2020)年11月 品川区 「大井町駅周辺地域まちづくり方針」策定 令和3(2021)年 3月26日 品川区庁舎機能検討委員会 「新庁舎の機能に関する事項について」答申 令和3(2021)年 4月19日 区議会総務委員会 品川区庁舎機能検討委員会委員長から区長へ答申があったことを説明 3.広町地区におけるまちづくりの検討状況 土地利用の現況(令和3年3月31日現在) 検討状況 新庁舎建設候補地 4.令和2年度 庁舎機能検討委員会のまとめ 5.関連上位計画 基本構想・基本計画の検討をはじめ、今後庁舎整備を進めるにあたっては、主に次に示す区の上位計画との整合を図ります。 (1)品川区基本構想(平成20年4月施行) 【概要】 将来のあるべき品川区を実現するための区民と区との共同指針を示すもの。 品川区基本構想の構成 (2)品川区長期基本計画(令和2年4月策定) 【概要】 基本構想のさらなる実現に向け、区政の課題を明らかにし、将来に向けた区の方針と取り組みを示すもの。 品川区長期基本計画 4つの視点と3つの政策分野のイメージ 【関連する記載内容】 <変化に対応する区政運営> ワンストップ窓口など来庁者の利便性の向上や防災機能の充実を図るとともに、にぎわいの創出も見据えた新庁舎整備を検討する。 <魅力的で活力のある都市空間を形成する> 大井町駅周辺は、区の中心核としてふさわしい業務・商業機能が充実し、芸術や文化等、人々が集い楽しく安全に暮らすことができるまちとし、広町地区においてはさらなるにぎわい創出を図ります。そのため、区有地を含めた土地の再編や基盤整備を進めるとともに、新庁舎整備による行政機能向上や防災拠点機能の強化等を検討する。 <品川区長期基本計画とSDGs> 品川区長期基本計画が示す方向性はSDGsと重なるところが多く、長期基本計画において掲げる各施策を推進することは、SDGsの達成にも資するものと考える。 SDGs17の目標(出典:国際連合広報センター) (3)「品川区まちづくりマスタープラン」(平成25年2月策定) 【概要】 品川区全域や地区ごとのあるべき都市像や課題に応じた整備方針、住宅施策の方向性など、まちづくりの分野を総合的に定めた都市計画の方針を示すもの。 【関連する記載内容】 <都市活性化拠点 大井町駅周辺地区> 都市活性化拠点にふさわしい商業・文化機能の息づくまちづくりを推進する。 ・大井町駅周辺地域のポテンシャルを活かした新たな開発事業の促進 ・バリアフリー計画の検討 ・JR アパート・総合車輌センターにおけるまちづくりの推進 <防災拠点機能> 災害時の対策本部である区役所を、防災機能拠点として本計画の都市構造にも明確に位置付け、防災まちづくりを一層強力に進めていくとともに、区役所を補完し、現地の災害対策に即応していく新たな防災機能拠点について、その機能や配置のあり方について検討を行う。 めざすべき将来都市構造 (4)「大井町駅周辺地域まちづくり方針」(令和2年11月策定) 【概要】 「大井町駅周辺地区まちづくり構想」(平成26年策定)の実現に向け、まちづくりの方針を示すとともに、先行的にまちづくりを牽引していく「広町地区」の整備方針等を示すもの。 【関連する記載内容】 <土地利用方針> 行政機能・にぎわい集積ゾーン 区民サービスの向上に資する区庁舎再編により、生活サービス・公共公益機能・文化芸術機能等を集積させ、区民活動を活性化し、交流促進による賑わいを創出する。 <広町地区整備方針> 合理的な市街地環境 大規模土地利用転換による新たな都市機能の集積に加え、区庁舎再編と連携し区の中心核としてふさわしい複合拠点を形成する。 駅とまちが一体となるまちづくり 既成市街地・活力創造ゾーンと交通機能を相互につなぐ歩行者ネットワークを形成する。 広町地区整備方針 (5)「品川区公共施設等総合計画」(平成29年策定) 【概要】 区有施設の現状や課題を整理し、より効果的・効率的に区民サービスを提供するために今後の方向性を示すもの。計画期間:10 年(平成29~令和8年度(2017~2026 年度)) 【関連する記載内容】 <全体方針> ①財政負担を考慮しながらも、必要な施設は整備 ②施設の必要性や存在意義をゼロベースで検証 ③施設需要に合わせた弾力的な使用・運用及び転用等を検討 ④公設民営・民設民営をはじめ施設の民間への移行を検討 ⑤PPP/PFIを含め民間活力の活用を幅広く検討 <建物類型ごとの方向性> 現状と課題 総合庁舎(本庁舎・第三庁舎・議会棟)は、平成23 年度(2011 年度)に免震装置の導入が完了しているが、設備機器や内装材については劣化が著しい状況である。 マネジメントの方向性 庁舎については、大井町エリアの再開発の動向を注視しながら、賑わいを創出するまちづくりの視点も含めて、あり方を検討する。