大崎第一地域ニュース はなぐるま 第164号 令和5年4月20日発行 音声案内 編集  はなぐるま編集委員会 住所  西五反田3丁目6番3号 電話  03-3491-2000 FAX   03-3491-2002 発行元 大崎第一地域センター 1ページ 品川区に今も残る伝統工芸 皆さんのご自宅には桐箪笥はありますか?衣類を保管するために使っている方、今は使っていないが母親が使っていたという方も いらっしゃるかと思います。今回は、桐箪笥が重宝される理由と職人のこだわりについて、桐箪笥職人の林(はやし)正次(まさつぐ)さんと林(はやし)英知(ひでのり)さんに、お話を伺いました。 防虫、防腐、防火、気密性、デザイン… 語り尽くせない桐箪笥の魅力 品川区二葉にある「林タンス店」。二代目の林 正次さんが桐箪笥職人になるため父親に弟子入りしたのは十八歳のとき。「習うより慣れよ」の環境で、他の職人たちと共に技術を磨きました。「弟子入りして最初の仕事は続飯(そくい)という米(こめ)糊(のり)を作ることでした。今はボンドがありますが、当時は糊も手作りだったんです」。正次さんは当時を振り返ります。 東京都から送られた優秀技能章と東京都伝統工芸士章の盾 桐箪笥の最大の魅力は機能性です。桐には適度の通気性があり、防虫効果のある成分を含んでいるため、着物や毛皮の保管に最適です。屏風や文献などの歴史的資料の保管のため、間口が二メートル以上の大きな桐箪笥を博物館に納品したこともあるそうです。桐は、伸縮性が低いため長年使っても寸法が狂わず、古くなった箪笥も表面を削って加工すれば新品同様に美しくなります。 驚くのはその気密性です。桐箪笥の引き出しには隙間がありません。一つの引き出しを閉めると中の空気が押され、他の引き出しを押し出します。まるで魔法のようです。気密性の高さに伴い防火性も高く、たとえ火事になったとしても箪笥の中に火を通しません。ほとんどの家財が燃えてしまっても、桐箪笥の中身だけは無事だったという例があります。 また、デザイン性も魅力の一つです。洗練された外見は優雅さと気品を感じさせる一方、木の目が空間に癒しを与えてくれます。 柔軟な頭と妥協を許さぬ腕 その意志と技術は受け継がれていく 林タンス店で使われる桐は主に会津のもの。寒暖差の激しい気候が桐の生長に適しているのだそうです。伐採されてから三年程度自然乾燥させ、仕入れてからも半年以上は外に干して乾燥させます。桐箪笥の気密性に関わる重要な工程です。 店舗の二階が工房になっており、桐箪笥製作に必要な機械や道具がありました。「鉋(かんな)や鑿(のみ)にも木が使われています。桐という木を扱う私たちだからこそ、いかに道具をものにするかで職人の腕が問われます」。そう話してくれたのは三代目の英知さんです。 製作には何種類もの道具を使います。 木材、道具、そして製作の全ての工程において、一切妥協しない姿勢が伝わってきます。 桐箪笥はその人気ゆえ、粗悪品も出回っています。質の高い桐箪笥を作ることは「ごまかさないこと」だと正次さんは語ります。使う人のこと、買ったあとのことを考えられており、末長く使用できる桐箪笥こそが本物なのです。 最後に、父であり師匠である正次さんについて、英知さんに伺いました。「幼少期の私から見た父は、とにかく大変そうだな、という印象でした。それでも、父の桐箪笥やその技術が途絶えてしまうのはもったいないことだなと感じ、 二十歳の頃に弟子入りを決めました」。師匠である正次さんは、厳しく指導するのではなく遠くで見守るタイプ。「父は柔軟な発想の持ち主で、あきらめない・妥協しない職人だと感じます。私だったら難しいな、無理かもな…と思うことでも、父はそうは思わないのでしょう。様々な方法を考えて、実行し、ひたむきに桐箪笥と向き合う父は、本当にすごいと思います」。伝統工芸士としての正次さんと、その意志と技術を受け継いだ英知さん。今日も林タンス店には、桐の匂いと木槌の音が響いています。 (写真)正次さん(左)と英知さん(右) (編集委員 古郡) 2ページ 3年ぶりの不動前駅通り商店街お餅つき 2月12日、日曜日に第四日野小学校さんのご協力で、小学校内にて不動前駅通り商店街の「お餅つき」のイベントが開かれました。商店街加盟店で、この1週間で買い物したレシートを持参すると、当商店街と友好提携を結んでいる山形県西川町産の山菜やキノコが入ったお雑煮が食べられるという企画です。さらに小学生以下の子供たちや、餅つきを手伝ってくれた子にもお雑煮が配られました。 毎年恒例となっていたこのイベントも新型コロナウィルスの影響で3年ぶりの開催となりました。当日は快晴で気温も暖かく地元の睦野球クラブさんなどの応援もあり、沢山の方が参加してくれました。盛況で心あたたまる催しでした。 (不動前駅通り商店街 菅沼教光) 五反田モルック大会2023 2月26日(日)、北風が吹く澄んだ青空のもと、日野学園校庭で、「五反田モルック大会2023〜五反田駅前商店会杯〜」が開催されました。 モルックとは、フィンランド発祥のスポーツで、木製の棒を数字が書かれた12本の木製のピンに投げ、複数チーム戦で得点数を競うゲームです。五反田に事務所を持つお笑い芸人の「さらば青春の光」の森田哲矢さんらが世界大会に日本代表として出場したことで、一気に知名度があがったスポーツで、区民まつり等で体験した子どもたちもいることと思います。 同大会は、「モルックで五反田を元気に。」をコンセプトに、モルックを通じて五反田エリアの地域・企業間コミュニティを促進し、健康経営の街としての活性化とモルックの普及を目指し、コロナ禍で2度の延期の末に、初めて実施されました。 当日は、五反田周辺企業・団体のチーム対抗戦が行われ、90超団体の申込みの中から選ばれた、24チームが出場。リーグ戦、トーナメント戦を勝ち抜いた「五反田 Little A.」さんが栄えある初代チャンピオンに輝きました。 参加された皆さんは、モルックの魅力を、手軽に始められること、老若男女が一緒にチームとなって戦えるところ、と口を揃えて話してくださいました。 日本ユニバーサルモルック協会会長の山口順さんによる小中学生向けの体験会もあり、最後には、森田さん率いる日本代表の「キングオブモルック」と優勝した「五反田 Little A.」さんとのスペシャルマッチも行われ、楽しい一日となりました。(編集委員 外山) 毎週水曜の朝、開催!モーニングパーク! 毎週水曜日の朝9時から、西五反田3丁目にあるE-Parkで、朝の体操イベント「モーニングパーク」を開催しています。ラジオ体操をした後、ピラティスや太極拳、真向法などのレッスンを週替わりで30分程度行います。ご近所のシニアの方やママさん、出勤前の会社員の方など、毎回30人ほど参加され、レッスンの後は焚き火を囲んで美味しいコーヒーを飲みながらちょっとおしゃべりしたり。地域でゆるやかなつながりが生まれる時間になっています。「モーニングパークのおかげで元気になりました」という言葉をいただけると、開催してよかった!とありがたい気持ちになります。どなたでもご参加いただけますので、お気軽に覗きに来てくださいね。 【モーニングパーク】 今後の開催日:4月26日、5月10日、17日、24日、31日 時間:朝9時スタート、体操は10時ごろまで、そのあとも滞在OK 場所:E-Park(品川区西五反田3-1-2/マンションドレッセ目黒前の材木屋さん側が入口です) (一般社団法人めぐもり 洪愛舜) 1.コロナ禍に 友と見上げる 月うれし・・・西五反田3丁目 大島 道子 2. 泣き笑い 命あっての 苦楽あり・・・・旗の台6丁目 松本 悦子 3.余る菓子 喧嘩の種と 食べる母・・・・・旗の台4丁目 泉 喜久雄 4. 背の曲がり 影を直して また一歩・・・大井3丁目 金輪 健 5. 運動会 子供らの声 光る風・・・・旗の台6丁目 野村 美恵子 6.地図の道 逸れて出合った 花の山・・・・西五反田6丁目 久保田 公二 編集後記  年度始めの4月は多くの人が学校や社会などへ新しくスタートして行きます。 これまで歩いてきた自分の過去の道は誰にも変えられませんが、これから歩き 出す未来の道は自分で選択して行くことができます。今や人生100年時代とか! これから先の道をどう歩いていくか一寸考えてみては如何でしょうか?寄り道や回り道をすることは勇気の要ることかもしれませんが。そこには思いがけない新しい発見や、兎年にふさわしい飛躍の手がかりが見つかるかもしれません! お問い合わせ 品川区地域振興部地域活動課大崎第一地域センター 電話 03-3491-2000 FAX  03-3491-2002