品川区新総合庁舎、都市計画概要説明会、 品川区、令和6年4月、 【目 次】 1.計画地および周辺の現況と課題 2.これまでの経緯 3.上位計画 4.整備方針 5.公共施設等の整備 6.品川区新総合庁舎 計画概要 7.品川区新総合庁舎の環境影響 8.都市計画の素案 9.今後のスケジュール スライド6、 1.計画地および周辺の現況と課題について、 スライド7は、航空写真に今回の計画地の位置を示したものです。 青点線で示す広町地区、地区計画区域については、 南側は都市計画道路、補助26号線と、 西側は都市計画道路、補助163号線と接する、 広さ約7.1ヘクタールの区域となっており、 計画地はその内側に赤枠で示している部分で、敷地面積約8,300平方メートルとなっています。 スライド8は、計画地の現況を示した図面になります。 計画地周辺には、西側にしながわ中央公園、 北側には、JR東日本の車両基地・車両工場である、東京総合車両センターが位置しています。 また、計画地東側には、JR線の鉄道軌道、計画地南側には、東急線の鉄道高架があります。 計画地は現在、令和5年4月のA-1地区、A-2地区の着工に伴い、工事現場となっています。 スライド9は、計画地と、計画地周辺の地盤高を示した図面になります。 「T.P.」とは、東京湾平均海面のことで、数字は標高を示しています。 広町地区は、周辺地区よりも高さが低くなっている特徴があります。 例えば、計画地南側に接する、補助26号線の歩道とは、3.5メートルほどの高低差があります。 大井町駅、品川区役所、周辺道路、計画地、それぞれの地盤高が異なっており、 歩行者にやさしいバリアフリー動線整備が、課題となっています。 さらに、これら周辺地区との高低差に加えて、鉄道軌道による、周辺地域との分断も見られます。 スライド10は、広町地区南側に接する、補助26号線の歩道の状況になります。 補助26号線の歩道は、大井町駅に接続していることもあり、朝の時間帯において混雑が見られます。 また、歩道内の歩行者と自転車の錯綜も見られ、安全な歩行空間となっていない点が、課題です。 加えて、大井町駅周辺には、歩行者が滞留するスペースが少なく、 安全な歩行空間の整備とあわせて、駅前の歩行者滞留空間の拡充が望まれます。 スライド11は、計画地、および周辺の総合危険度を示しています。 総合危険度とは、地震時のまちの危険性を表す指標です。 令和4年度の東京都調査結果では、計画地の西側の総合危険度が、比較的高くなっています。 計画地一帯は、災害時、地域の方々が一時的に避難する場所として、広域避難場所に指定されていますが、 高低差や、鉄道軌道による分断のため、周辺とつながる経路が限られています。 スライド12、 2.広町地区開発のこれまでの経緯について、 スライド13、 計画地を含む大井町駅周辺のまちづくりについて、平成23年に、「大井町駅周辺地区まちづくり構想」、が策定されました。 令和2年11月には、まちづくりの方針や整備方針を示した、「大井町駅周辺地域まちづくり方針」、が策定され、 先行的にまちづくりを牽引していく、『広町地区』、が位置付けられました。 その後、令和3年11月に、広町地区、地区計画、および土地区画整理事業の都市計画決定を経て、 令和4年5月に、広町二丁目地区土地区画整理事業の施行認可、令和5年4月にA-1地区・A-2地区が着工しました。 品川区新総合庁舎に関しては、令和3年12月には、新庁舎整備の、基本的な考え方や進め方を示した、 「品川区新庁舎整備基本構想」、を策定しました。 また、令和5年1月には、基本構想を具体化し、設計などの条件を示した、 「品川区新庁舎整備基本計画」、を策定しました。 スライド14、 3.上位計画について、 スライド15では、大井町駅周辺地域まちづくり方針より抜粋した、位置図を掲載しています。 公有地およびJR広町社宅跡地からなる広町地区は、駅前の貴重な大規模空間であり、 大井町駅周辺地区のまちづくりを牽引する役割が求められること、 また、周辺地区への波及効果を生み出し、段階的なまちづくりにつなげることが、方針として示されています。 スライド16では、 まちづくり方針における、広町地区の整備方針イメージに、計画地の位置を示しております。 広町地区の整備方針として、合理的な市街地環境の形成、駅とまちが一体となるまちづくり、が示されており、 大井町駅から、しながわ中央公園方面へとつながる歩行者デッキや、駅前の歩行者広場、 補助26号線と、広町地区をつなぐ回遊動線などが整備方針イメージとして描かれています。 スライド17、 4.整備方針について スライド18では、スライド9、10、11、で示した、3つの課題について、記載しています。  一つ目、地域の高低差や、鉄道軌道等により周辺地域との分断、 二つ目、補助26号線の歩道混雑、歩行者・自転車の錯綜、歩行者滞留空間の不足、 三つ目、周辺の総合危険度の高い地域の存在、 また、3つの課題の他に、上位計画に位置付けられる当地区の役割、および将来像を示しています。 〇当地区の役割、街づくりを牽引し、周辺への波及効果を生み出す、 〇当地区の将来像、合理的な市街地環境の形成と、駅とまちが一体となるまちづくり、 これらから、広町地区における整備方針をスライド19に示すとおり、定めます。 スライド19、 ここでは、先ほどスライド18に示した課題と、上位計画から、広町地区における整備方針を3つ示しています。 一つ目、地域の分断や、歩行者の交錯を改善する、歩行者回遊ネットワークや滞留空間の形成、 二つ目、みどりとオープンスペースが連続する、高質な都市空間の形成、 三つ目、行政機能や既存の公園と連携した広場の整備による、地域防災力の強化、 これらの3つの整備方針に基づいて、まちづくりを進めます。 スライド20は、整備方針を具体的に図に示したものです。 当地区は、大井町駅周辺地域まちづくり方針では、「行政機能・にぎわい集積ゾーン」として、 区民サービスの向上に資する区庁舎の再編により、生活サービス・公共公益機能・文化芸術機能等を集積させ、 区民活動を活性化し、交流促進による賑わいを創出することが示されています。 地域の高低差や鉄道軌道等による周辺地域との分断や、歩行者の錯綜を改善する、 歩行者回遊ネットワーク・滞留空間の形成を図ります。 また、大井町駅からしながわ中央公園につながる、みどりのオープンスペースが、連続する高質な都市空間を形成します。 スライド21は、令和5年1月に策定した、品川区新庁舎整備基本計画、に示された、  品川区新総合庁舎整備における、基本理念、および基本方針を示しています。 3つの基本理念、 一つ目、賑わい都市の魅力と発展をつなぐ、明るく親しみやすい庁舎、 二つ目、暮らしが息づく国際都市にふさわしい、誰にでも優しく、便利で機能性にあふれた庁舎、 三つ目、環境都市の実現とともに、災害時にも区民を守る、力強く持続可能な庁舎、 を掲げ、それに対し、 「区民サービス」、「区民協働・交流」、「行政・議会」、「防災」、「環境」、「将来変化・経済性」、 に関する6つの整備方針との関係性と、それから導き出される導入機能の整備方針を示しています。 また、必要な共通機能として、ユニバーサルデザインや、DX(デジタルトランスフォーメーション) の推進、セキュリティ対策、感染症対策、を掲げています。 スライド22、 5、公共施設等の整備について、 スライド23は、広町地区全体の歩行者ネットワークを示したものです。 高低差を解消するため、大井町駅からしながわ中央公園方面へとつながる、 デッキレベル、(3階レベル)、のバリアフリー歩行者ネットワークを、歩行者専用通路1号として、東西方向に整備します。 計画地の西側には、南側の広場1号を立体的につなぐ、歩行者ネットワーク機能を含む、広場3号を整備します。 なお、この広場1号に至る東急線の高架下部分2か所に、南側市街地との回遊性を高め、 災害時の避難ルートとなる、歩行者通路が整備されます。 また、計画地の北側の区画道路から、広場3号をつなぐ歩行者ネットワークを整備します。 スライド24は、先ほどの歩行者ネットワークを踏まえ、計画地内に位置付ける、広場・通路について示した図になります。 広場3号は、デッキレベル、及び広場1号を立体的につなぎ、区民活動の中心となるにぎわい拠点、 および災害時のサポート空間の形成を図る広場として整備します。 歩行者専用通路1号は、大井町駅から品川中央公園方面へと繋がる、安全で快適な歩行者デッキとして整備します。 高低差のある区画道路1号から、広場3号へのバリアフリーネットワークを形成する、 歩行者専用通路7号、及び歩行者専用通路8号、を整備します。 スライド25は、広場3号の整備方針を示しています。 デッキレベル、(3階レベル)、及び広場1号を立体的につなぐ広場として、約1,500平方メートル整備します。 スライド26は、広場3号を南西側からみたイメージパースです。 来庁者や、区民等の活動を支える拠点となる、みどり豊かな空間を整備します。 十分な歩行空間を確保しつつ、来庁者、区民等が、交流・活動・憩い・滞留することができる空間を形成します。 スライド27は、歩行者専用通路1号の整備方針です。 将来の歩行者交通量をふまえた歩行空間の検証により、歩行者通行に問題がないことを確認し、 大井町駅とつながる、雨の日でも快適に歩行可能な歩行者専用通路として、 東西方向のバリアフリー動線を、デッキレベル、(3階レベル)、に整備します。 スライド28は、歩行者専用通路7号・8号、の整備方針になります。 高低差のある区画道路1号から、広場3号をバリアフリーにつなぐ、歩行者ネットワークを形成します。 スライド29、 6.品川区新総合庁舎 計画概要について、 スライド30は、 品川区新総合庁舎のコンセプトと、配置計画を示したものです。 新庁舎のコンセプトとして、 一つ目は、区民の様々な活動をつなぎ、多様なにぎわいをつなぐ庁舎、 二つ目は、誰もが快適で使いやすく、気軽に立ち寄れる居心地のよい庁舎、 三つ目は、高い環境性能と防災性能を持ち、将来にわたって使い続けられる庁舎、 とします。 配置計画としては、南側の広場1号と、西側の将来整備地区との連携を考慮した広場を 西側に配置し、東側に品川区新総合庁舎を配置します。 スライド31は、建物計画と断面構成のイメージを示した図です。 計画概要については、 敷地面積約8,340平方メートル、 延床面積約61,000平方メートル、 建物高さは、約65メートル、 用途は、行政機能、区民交流スペース、駐車場、 などを予定しています。 断面構成としては、 主に行政機能を配置し、地下2階及び1階に、駐車場、を配置するものとします。 広場3号に面して、区民交流スペース、を配置します。 スライド32は、広町地区を、南側からみた全体の外観パースです。 東側から、先行開発であるA-1地区の宿泊・住宅機能棟、業務機能棟の配置と並び、 品川区新総合庁舎、を配置した群造形により、新たな駅前の複合拠点を形成します。 西側に、広場3号を配置し、そこに面して区民交流スペース、を配置します。 広場3号は、南側の広場1号と連携を図り、周辺市街地との回遊性向上と合わせて、 地域一体でのにぎわいの創出、防災拠点の形成、を図ります。 スライド33は、計画地を南東側からみた外観イメージパースです。 凹凸のある形状となっており、陰影を生み出すことで、表情豊かで親しみやすい庁舎を目指します。 スライド34は、歩行者空間について示した図になります。 大井町駅からつながる、デッキレベルの3階、隣接する南側の広場1号や、北側の区画道路と接続する2階、 東側の区画道路と接続するレベルの1階、 における、バリアフリーの通路や、エレベーターの位置を示しています。 1階には駐輪場、地下1階には駐車場を配置し、そこからエレベーターで、2階や3階へ、アプローチが可能です。 このように、様々なレベルから、周辺とシームレスに接続するアクセシビリティの高い歩行者空間を形成します。 スライド35、 品川区新総合庁舎の環境影響について、 スライド36は、 計画建物による、日影の影響範囲を、時刻別に示した図です。 8時から16時の時間帯で、日影が及ぶ予測範囲を表示しています。 スライド37は、等時間日影の範囲を示した図です。 冬至日において2.5時間以上日影が落ちる範囲を赤色のラインで、 4時間以上日影が落ちる範囲を青色のラインで示しています。 計画地周辺には日影規制が指定されていますが、計画建物による日影は、基準内におさまっています。 スライド38は、計画建物による、風環境の予測評価を示した図です。 模型を使用した風洞実験を行い、計画地内、および周辺地域の各ポイントにおいて、風環境を4段階で評価しています。 左側が建設前の評価結果、右側が建設後、計画地内で防風対策を行った場合の評価結果です。 建設後も、計画地内で適切な防風対策を行うことにより、 住宅地・市街地として、一般的な風環境とされる、領域B以内の評価となっています。 スライド39は、 計画建物による、地上デジタル放送のしゃへい障害を予測した図です。 影響範囲は、計画地南西のエリア、と予測されます。 影響範囲内の建物については、今後調査をし、必要な対策を講じていく予定です。 スライド40は、計画建物による、衛星放送のしゃへい障害を予測した図です。 影響範囲は、計画地近傍の、北東エリア、と予測されます。 スライド41、 8.都市計画の素案について、 スライド42からは令和3年11月に決定された、広町地区、地区計画から、 今回の、品川区新総合庁舎整備に伴い、変更する案として、検討している内容について示します。 スライド43は、広町地区 地区計画の変更を検討している内容です。 左側が現在の計画図、右側が今後変更するものとして検討している計画図です。 新庁舎の3階の高さに相当する、歩行者デッキのレベルを表しています。 計画地は、この図の中の、B-1地区、に位置しています。 歩行者専用通路1号については、計画地内の延長や、ルートを変更する予定です。 広場1号と3階の歩行者デッキを重層的につなぐ広場として、 広場3号、を新規に位置付けます。 スライド44は、スライド43で示した歩行者デッキレベルより下の、地上部、を表した図です。 階数でいうと、1階・2階、にあたります。 左側が現在の計画図、右側が変更案です。 スライド43でも示した 広場3号を、この階にも一部位置付けます。 これにより、広場3号はデッキ部・地上部にわたって位置付けることとなります。 区画道路1号から広場3号をバリアフリーにつなぐ歩行者ネットワークとして、 歩行者専用通路7号・ 8号、を新規に位置付けます。 スライド45は、建築物等に関する事項です。 B-1地区に新たに、 容積率の最高限度、600パーセント、 高さの最高限度、65メートル、 敷地の最低限度、5000平方メートル、 などを定める予定です。 スライド46、 9.今後のスケジュールについて スライド47は、 説明会以降の都市計画に関するスケジュールを示しています。 都市計画については、令和6年度中に都市計画案の公告・縦覧、および説明会が予定されています。 その後、都市計画審議会を経て、都市計画決定・告示の流れとなります。 その後、B-1地区の工事に着手し、B-1地区の竣工は令和10年度(2028年度)を想定しています。