品川区内保育園等あり方基本方針【概要版】 序章 方針の目的 品川区では、品川区内保育施設については待機児童対策や地域需要等を考慮し、私立保育園の新規開設のほか、区立保育園の改築および民営化計画を進めてきた。 しかしながら、未就学児の人口や国の保育施策の動向の変化等、区内保育施設を取り巻く社会情勢は、大きく変化している。そのため、区立保育園としての役割を明確化するとともに、統合等のハード面にかかる方針を策定することが必要とされる。一方、その際には品川区全体の保育の質を維持・向上させていく観点も必要であることから、区内の保育需要やその動向を踏まえたうえで、今後の品川区が目指す保育、その際の区立保育園、私立保育園のあり方を考えなければならない。 以上から、本方針では、区立保育園を中心とした区内保育園のあり方を整理したうえで、区立保育園の建替えを契機とする統合、その際の私立保育園との連携等の方向性を示す。本方針により、今後の品川区における保育の充実を図り、その際の区立保育園のあり方と実現性を高めることを目指す。 第1章 区内保育園の現状 区立保育園は43園(保育所型認定こども園・民営化対象園含む)あり、令和5年4月1日現在における定員数は4,300人、在籍数は3,852人となっており、448人分の定員余剰がある。地区別・年齢別にみると、すべての地区・年齢で定員に余剰がある状況となっている。  一方、私立保育園が103園(保育所型認定こども園含む)あり、令和5年4月1日現在における定員数は7,722人、在籍数は6,737人となっており、985人分の定員余剰がある。地区別・年齢別にみても、ほとんどの地区・年齢で定員に余剰がある状況となっている。 第2章 区内保育園に関する今後の見通し ●第二期品川区子ども・子育て支援事業計画中間年度見直し改定版における、令和2年度〜令和6年度の教育・保育の量の見込みと確保方策の状況をみると、令和4年度〜令和6年度における2号認定の量の見込み(ニーズ量)は減少しており、2号認定及び3号認定ともに確保方策には余力分が発生している。 ●品川区の人口のピークは令和23(2041)年の429,304人であり、0〜4歳は減少しているが、5〜9歳は増加し、年少人口としては増加する見込みである。 保育の量の見込みは減少傾向にあることから、保育施設数の見直しの段階として捉え、方向性の検討を進める必要がある。一方で、品川区の現時点での将来人口推計から、0〜5歳児の人口動向は注視する必要があるとともに、不定期な保育ニーズや配慮が必要な子どもへの対応などについては支援の検討が必要となる。 第3章 区立保育園に関する課題 1.定員の見直し  2.保育需要増減時のバッファとしての役割の確保 3.建物の融通性、可変性 4.地域での子育て支援への対応 5.医療的ケア児等への対応 6.就学後の特別な支援が必要な子どもたちへの対応 第4章 区立保育園のあり方 区立保育園の事業展開 区立保育園の統括機能や在宅子育て支援を担う統括(SV)園を整備 区内保育施設をサポート(研修・施設訪問等)するサポーター園を整備 統括(SV)園/サポーター園 機能例 統括(SV)園 地区内の区立保育園統括機能(人材育成・応援体制管理) 在宅子育て世帯の定期的な預かり サポーター園 地区内の保育施設への訪問 地区内の保育施設向け保育実技研修の実施 1 良好な保育環境の確保とニーズへの確実な対応 2 区内全体の保育の質の向上を牽引 3 包括的な支援の実現 4 多様な子育てニーズへの対応 5 区立保育園職員の働きやすい環境づくり・資質向上・連携強化 区立保育園の再整備方針 1.区立保育園の統合を含めた再整備 第4章の「区立保育園の事業展開」および区内全体や各地区の保育需要、施設の築年数を考慮し区立保育園の統合を含め、再整備を検討する。統合する場合、使用しなくなった施設を代替施設(仮園舎)として活用し、当該施設の近隣園を優先とした施設更新を順次進め、保育環境という視点から保育の質の向上に努める。 2.今後の区立保育園民営化    施設更新した区立保育園(統括園・サポーター園除く)の一部を、民営化候補園とする。区立保育園民営化ガイドラインに基づき、現公設民営保育園を含め、当初5年間は公設民営保育園として運営し、その間の運営状況等を効果検証のうえ、設置者を運営事業者へと変更する。効果検証は、運営内容(保育関係書類・保育所視察等)、財務状況、第三者評価、利用者意見(利用者アンケート・三者協議会)等の項目を審査し、総合的に判断する。