品川区庁舎跡地等の活用に関する検討報告書(案) 概要版 第1章 検討の目的・背景 1.目 的 品川区が計画を進めている新庁舎への庁舎機能移転後の跡地は、区民ニーズの実現と区民負担の軽減が両立できる、庁舎周辺の一体的なまちづくりが求められる。 「品川区庁舎跡地等の活用に関する検討報告書」(以下、「検討報告書」とする)は、「品川区庁舎跡地等活用検討委員会」(以下、「検討委員会」とする)が、跡地活用の基本的な考え方について提案し、今後の区による検討に役立てることを目的として、区民ニーズを把握するとともに、活用のテーマ等についての検討結果をとりまとめたものである。 本検討では、品川区役所現庁舎の敷地に加えて、近接するまとまった区有地(しながわ中央公園、中小企業センター)を範囲に含めて検討することとした。(以下、検討範囲を「庁舎跡地等」とする) 検討範囲 しながわ中央公園 中小企業センター 第二庁舎  本庁舎 議会棟 第三庁舎 2.立地の特性 品川区役所現庁舎は、本区のほぼ中央に位置し、大井町駅と下神明駅の中間にある。 品川区役所現庁舎の敷地には、補助26号線に面する南側から、第三庁舎、議会棟、本庁舎、第二庁舎が並んでいる。 3.関連計画等 「大井町駅周辺地域まちづくり方針」では、現庁舎跡地を「行政機能・にぎわい創出ゾーン」と位置づけ、区民サービスの向上に資する区庁舎再編により、生活サービス・公共公益機能・文化芸術機能等を集積させ、区民活動を活性化し、交流促進による賑わいを創出するとしている。 4.検討報告書の検討の経緯 検討委員会の設置および開催(令和5年8月〜) 庁舎跡地等「まちの未来を考える」ワークショップの開催(令和5年10月〜11月) 庁舎跡地等活用に関する「対話型市場調査の実施」(令和5年9月〜11月) アンケート調査(区民(郵送)、電子申請サービス、児童・生徒)の実施(令和6年1月〜2月) 5.活用に向けた意見・世論等 検討委員会では、ワークショップや対話型市場調査、アンケート調査の結果を踏まえながら、庁舎跡地等の活用の基本的な考え方について意見交換・審議を行った。 ワークショップの総括イメージ どのような場所・使われ方かどのように過ごしたいか 集う・めぐる・遊ぶ・みる・発信する お祭りやイベントに参加する 食やフリーマーケットを楽しむ 創作物を展示・販売する 文化芸術・スポーツを発信する 地域の魅力等を発信する 街全体を歩く・巡る 憩う・くつろぐ 自然を楽しむ 誰もが憩う ゆったり過ごす つながる・交わる 親子スポーツ教室に参加する 世代を超えて遊ぶ 活動団体同士や産学で交流する 暮らす・働く 安心して暮らす 安心・安全を維持する 防災イベントを開催する 緑を残す・増やす 子どもが遊ぶ 体験する・学ぶ・つくる・発表する・育む 伝統行事を開催する 体験学習を行う 和の文化をつくる・体験する 創作活動を行う アート等の活動を発表する 新しいことにチャレンジする 考えたことを試す・実験する 第2章 活用の基本的考え方 1.活用のテーマ ・「活用によって何を叶えたいか」という観点から審議した結果、以下の5つの「活用のテーマ」が抽出された。 5つの「活用のテーマ」 生活環境の向上〜暮らす・働く〜 安全で安心できるまちづくり 誰もが過ごしやすい環境の形成 子育て環境の充実 若者が過ごしやすい環境の整備 福祉の充実 憩いの充実〜憩う・くつろぐ〜 居場所・憩う場の創出 みどりの充実 区民活動の活性化〜体験する・学ぶ・つくる・発表する・育む〜 芸術活動の促進 文化活動の活性化 スポーツ活動の促進 チャレンジできる場の創出 交流・連携の促進〜つながる・交わる〜 多世代交流の促進 区民交流の促進 地域間交流の促進 国際交流の促進 産学連携の促進 産業間交流の活性化 にぎわい・魅力の創出・発信〜集う・巡る・遊ぶ・みる・発信する〜 にぎわいの創出 特徴の創出 地域の魅力発信 2.活用にあたって重視する視点 ・「活用にあたって何に留意するか」という観点から審議した結果、以下の6つの「活用にあたって重視する視点」を提案する。 6つの「活用にあたって重視する視点」 区民負担を軽減する 新庁舎整備に際する財政負担を軽減する 区民が安心して気軽に利用できる 持続可能な運営ができる 多様な用途と柔軟な使い方ができる 時代の変化に応じて更新を続ける 長期的視点に立った計画 周辺と一体的にまちをつくる 既存施設と連携したまちづくり 面的なまちづくりへの寄与 協働して実践する 民間のノウハウを活用する 区民の参加による運営を行う 地域の特性を活かす 地域の個性や文化に配慮する 地元店舗等と連携する 災害対応力の向上 災害に強いまちづくり 平時と災害時の垣根がなく利用できる 3.導入機能の整理 ・検討委員会で挙がった、跡地活用において導入していく機能にかかわる意見について、5つの活用のテーマのうち関連が深いと考えられるテーマ別に分類し整理した。 活用のテーマ 大項目 生活環境の向上 憩いの充実 区民活動の活性化 交流・連携の促進 にぎわい・魅力の創出・発信 小項目 安全で安心できるまちづくり 誰もが過ごしやすい環境の形成 子育て環境の充実 若者が過ごしやすい環境の整備 福祉の充実 居場所・憩う場の創出 みどりの充実 芸術活動の促進 文化活動の活性化 スポーツ活動の促進 チャレンジできる場の創出 多世代交流の促進 区民交流の促進 地域間交流の促進 国際交流の促進 産学連携の促進 産業間交流の活性化 にぎわいの創出 特徴の創出 地域の魅力発信 機能(ワークショップや検討委員会で提案のあった機能) 安全が確保された場所 災害時の避難者や物資の受け入れが可能な施設 経済状況によらず柔軟に利用できる場所 新規居住者も訪れやすい場所 健康な暮らしに寄与する場所 妊娠・出産・子育てをサポートする場所 子どもの居場所 教育の充実に寄与する場所 障害の有無によらず過ごせる場所 雨でも過ごせる多目的スペース 若者や子どもの居場所になる空間 椅子やベンチを設置した無料で誰でも座って休める空間 高齢者の居場所になる空間 緑を感じられる街並みや建物 夏でも「緑の日傘」として樹木の木陰が区民の居場所となること 自然を楽しめる場所 文化を体験できる場所、アート等の活動の発表など 伝統行事を体験できる場所 和の文化をつくる・体験する場所 スポーツできる場所、親子で体を動かせる場所 汚れても心置きなく遊べる工夫 子どもが練習できる場所 体験学習を行う場所 新しいことにチャレンジする場所 考えを試す・実験する場所 世代を超えて遊べる場所 食を通して交流できる場所 シェアすることで交流を促す空間 共通点を通じて交流できる場所 周辺エリアを回遊できる仕組み 異なる属性の人と交流できる場所 新たな発見や出会いが生まれるきっかけになる場所 国際交流の場 大学等の教育機関の誘致 活動団体同士や産学で交流できる場所 文化的な活動や産業活動が発信できる場所 プロスポーツやエンターテイメントに触れられる場所 お祭りやイベントに参加できる場所 品川区の将来的な発展の象徴かつ地域のランドマークになる施設 多機能に使える公園空間 創作活動を行うことができる場所 創作物を展示・販売できる場所 地域に根付いた文化を体験できる・地域の魅力を発信できる場所 街全体を歩く・巡ることができる空間 4.今後の進め方 検討委員会やワークショップなどを通じて、「活用のテーマ」や「活用にあたって重視する視点」が区民意見を積み上げる形で導かれてきた。 今後は、それらを具体化していく上で、「活用コンセプト」や「施策・取組」の検討が必要である。 検討委員会で導かれた活用の基本的考え方 5つの「活用のテーマ」 6つの「活用にあたって重視する視点」 今後検討すべき内容 活用コンセプト テーマを実現する上で柱となる基本理念 施策・取組 コンセプトを具体化するための手法等(導入機能・事業手法など) 今後の検討の留意点 庁舎跡地等の周辺と緑のネットワーク・動線のつながりを意識することや、各施設の機能と連携・分担・補完していくことが期待される。 区民に対して検討の進捗状況を段階的に伝える情報発信の機会を設けるとともに、区民からの意見を聞き、計画へフィードバックしていくことが期待される。 【ポイント@】緑のネットワーク・動線のつながり 【ポイントA】各機能の連携・分担・補完 下神明駅 しながわ中央公園 中小企業センター スポーツ活動の促進 居場所・憩う場の創出 みどりの充実 にぎわいの創出等 第二庁舎 本庁舎・議会棟・第三庁舎 新庁舎 区民交流の促進等 JR開発 業務、商業、住宅、宿泊機能等の多様な機能が導入される予定 イベントや地域活動などを通じて憩いの空間となる広場が整備される予定 大井町駅 連携を図っていく 庁舎跡地等活用事業想定スケジュール 項目 庁舎跡地等活用 令和5年度 活用の考え方 令和6年度 準備期間 令和7年度 活用計画策定 令和8年度 令和9年度 令和10年度〜 今後調整(事業者募集要項作成)→(公募・選定)→(活用事業)