ページ1 品川区教育振興基本計画 品川区教育ビジョン (概要版) 2025年度(令和7年度)から2029年度(令和11年度) 2025年(令和7年)3月 品川区教育委員会   ページ2 ビジョン、私たちが望む品川の未来 本計画の示すビジョンは以下のとおりです。 子どもたちの笑顔でつながる共生社会 みんなのウェルビーイングを目指して    区教育委員会は、目指す未来(ビジョン)の実現に向け、これまでの教育改革の中で積み上げてきた教育環境を基盤とする3つの基本的な柱および12の方針を定めました。  また、本計画を通じて、子どもたちが個人と社会のウェルビーイング実現の担い手となることができるよう、その資質、能力を育むにあたり「品川区版、学びの羅針盤2030」を作成しました。  私たちは、学びの羅針盤を手にした子どもたちが他者を尊重し、協働して社会全体をより良くするために学び合うことができるよう取り組みを進めます。    品川の未来(ビジョン)に込めた想い    国の第4期教育振興基本計画ではウェルビーイングを以下のとおり定義しています。 身体的、精神的、社会的によい状態にあることをいい、短絡的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念   多様な個人がそれぞれの幸せや生きがいを感じるとともに、個人を取り巻く場や地域、社会が幸せや豊かさを感じられることも含む包括的な概念    国の教育振興基本計画を踏まえ、区教育委員会は、ウェルビーイングが実現した社会を以下のとおり定義しました。  「誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会」    そして、本計画では、この考えを、  「子どもたちの笑顔でつながる共生社会、みんなのウェルビーイングを目指して」  と表現し、目指すビジョンへと位置付けました。   区教育委員会は、個人と社会のウェルビーイング、即ち「みんなのウェルビーイング」を目指し、「子どもたちの笑顔でつながる共生社会」の実現に向けた子どもたちの資質・能力の育成に取り組みます。 ページ3 私たちが育みたい「個人と社会のウェルビーイングを実現する力」の図式があります。  上記の図式に基づき、本計画における「品川区版、学びの羅針盤、2030」を作成しました。 <参考>、国の「第4期教育振興基本計画」(2023年(令和5年)6月策定) 2019年(令和元年)にOECDが公表した「OECD ラーニングコンパス(学びの羅針盤)2030」を参考としました。 将来の予測が困難なブーカの時代、少子化、人口減少、高齢化など、社会の現状や変化を背景に、今後の教育政策の方向性を示す羅針盤として、2040年(令和22年)以降の社会を見据えた基本方針を示しました。    ブーカとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった、将来予測が困難な状態を指す造語です。   <参考>、OECDラーニングコンパス(学びの羅針盤)2030 OECDは2015年(平成27年)より「OECD Future of Education and Skills」プロジェクトを進め、2019年(令和元年)に研究の成果として、私たちが望む未来を実現するための学習の枠組みを「OECDラーニングコンパス(学びの羅針盤)2030」にまとめ公表しました。 「学びの羅針盤」はウェルビーイングの実現を最終目標とし、この目標を目指して歩んでいく子どもたちが、周囲の人々や社会をよりよいものにするべく学びを進める中で、責任ある有意義な行動をとるためのツールとして示されました。 ページ4 品川区版、学びの羅針盤―2030― 子どもたちは、コミュニティの中で仲間、教師、家族、地域等、周囲の方々に囲まれ、協力しながら、自らも共生社会の担い手としての当事者意識をもってみんなのウェルビーイングを目指します。大海原の中、学びの羅針盤を頼りに周囲の人々が乗る船とともに自らの船を進めます。 子どもたちが、将来予測が困難で変化の激しい時代の中にあっても、自分らしく幸せな人生を送るためには、ウェルビーイングの実現に向けて自身が進む航路を自ら選択できるように学ぶことが必要です。 区教育委員会は、子どもたちが自分自身の手で自らの航路を選択することができるよう、OECDラーニングコンパス(学びの羅針盤)2030をベースとした「品川区版学びの羅針盤2030」を作成しました。「品川区版学びの羅針盤2030」を手にした子どもたちが、見通しの困難な社会を乗り越えるための「知識やスキル、態度および価値観(コンピテンシー)」を身に付け、そして「自ら目標を決めて学び、責任をもって行動する力(エージェンシー)」を発揮することで、共生社会の担い手となれるよう育みます。 子どもたちが主体的に目的意識を働かせ、自分自身の責任を果たしながら、周囲の人々と共に協力し高め合い、社会全体をより良くするために学んでいくことができるよう、区教育委員会は子どもの視点を尊重し意見を聴きながら、地域社会の一員である区民との協働により取り組んでいきます。 ページ5 重点施策 ウェルビーイング教育の推進 レジリエンス(コメジルシ)育成の推進 ダイバーシティ&インクルージョン(コメジルシ)を実現する教育の推進 個別最適で協働的な学びを実現する環境整備 コメジルシ、レジリエンス:直面した困難に対してたくましく、しなやかに立ち向かい、乗り越える能力 コメジルシ、ダイバーシティ&インクルージョン:多様な人々がそれぞれの違いを認め合い、個々の特性を生かして活躍することができる状態 ページ6  本計画における施策体系 施策体系の図があります。 ページ7 目指す姿 方針1 持続可能な社会の担い手として知性と感性に富み、希望に満ちた未来を自ら切り拓いていける基礎となる幅広い知識、スキル、態度および価値観を身に付けるとともに、それらを活用して様々な場面で適切に対応することのできる子どもたちが育っています。 方針2 子どもたちは、自主、自立の志をもち、自信に満ちた人生を創造できるよう新しい時代を切り拓くための学力と学び続ける態度が身に付いています。 子どもたちは、自己の在りかた、生きかたを考えながら課題を発見し、よりよく解決していくために教科の概念を学び、本質を理解し、教科横断的に活用することができています。 方針3 直面した困難に対してたくましく、しなやかに立ち向かい、乗り越える能力(レジリエンス)、差別や偏見なく他者を尊重する態度、基本的な運動習慣と生活習慣を身に付けた子どもたちが育っています。 方針4 子どもたちは、社会と向き合う態度、価値観をもち、自ら考え主体的に責任をもって行動する力、他者とともに持続可能な共生社会づくりに貢献できる力、未来の社会をよくするために何か行動しようとする資質、能力を身に付けています。 人々が手を取り合い生きていく共生社会の中で必要となる規範意識を身に付け、よりよい社会を目指して励ましあうことのできる思いやりある子どもたちが育っています。 次のページに続きます ページ7の続きです 方針5 豊かな語学力、異文化、多様性理解、国際貢献の精神、好奇心、創造性、開かれた考え方を身に付けた子どもたちが育っています。 異なる文化、価値観を乗り越えて他者と上手に関係を構築し、協力するコミュニケーション能力を身に付けた子どもたちが育っています。 社会の仕組みや地域社会における個人の役割を学ぶとともに、リテラシー(多様な情報を読み、解釈し、意味付けしコミュニケーションをとる能力)やニューメラシー(生活に必要な様々な情報を活用し、解釈し、計算する能力)を身に付け、自分の人生を豊かにし、Societyごーてんぜろの中で新しい価値を創造する意欲と力を備えた子どもたちが育っています。 方針6 学校、家庭、地域の人々と共に、自らも地域における共生社会の担い手として主体的に協力、参画し、相互によい影響を及ぼすことのできる子どもたちが育っています。 方針7 全ての子どもたちがよりよくあるために互いを認め合い、一人ひとりの能力と可能性を最大限に伸ばすことのできる教育が実現しています。 全ての子どもたちが互いの違いを受け入れることができ、また、自分らしさを存分に発揮しながら共生社会を担うことができるよう育っています。 方針8 子どもたちの将来の夢を実現する力と社会を変革する力が育まれるよう、経済的理由や社会状況により就学の機会が損なわれることなく、全ての子どもたちが平等に質の高い教育を受けることができています。 方針9 地域の歴史と文化を継承する担い手となり、世代を超えてお互いがつながり、地域と社会を自ら創造する意識が区民に浸透しています。 方針10 学び続ける教員が養成され、新しい時代の幼児教育、義務教育を先取りする区独自の学校運営が実現しています。 方針11 ICTの活用が日常化し、全ての子どもたちと教職員にとって魅力があり、学習効果の高い教育ができています。 方針12 ハード、ソフトの両面における安全で安心な教育環境の中で、子どもたちが常に新しい時代の学びを享受することができるようになっています。 ページ8 本計画の概要 目的 区教育委員会が所管する就学前教育、学校教育、家庭教育支援、文化財、図書館に関する施策を推進するためのビジョンと、その実現に向けた方針および計画期間における施策の目指す姿を明らかにする計画です。 位置づけ 教育基本法第17条第2項の規定に基づいて策定しており、区における教育振興のための施策に関する基本的な計画です。 本計画の策定、推進にあたっては、国および東京都の「教育振興基本計画」を参酌し、「品川区基本構想」、「品川区長期基本計画」、「品川区教育大綱」および関連分野の個別計画等との調和と連携を図るものです。 計画期間 本計画の期間は、2025年度(令和7年度)から2029年度(令和11年度)までの5年間です。 なお、法律や制度の改正等により、教育行政を取り巻く状況に大きな変化があり、計画内容を変更する必要性が発生した場合は、計画の見直しを検討します。 策定体制 子どもの意見をはじめ、地域代表、PTA代表、幼稚園、保育園、学校関係者、学識経験者等の教育関係者、教育委員会及び関係部署の意見を集約し、多角的な視点で策定しました。 策定体制の図があります。 子どもの意見聴取(ワークショップ)の様子の写真があります。     品川区教育振興基本計画、<品川区教育ビジョン>、概要版 発行げつ:2025年(令和7年)3月 発行:品川区教育委員会 編集:品川区、教育委員会事務局、庶務課