公益通報に基づく調査結果および改善等の措置について  品川区では職員等が知り得た行政運営上の違法または不当な行為等に対する公益通報および相談について、「品川区職員等の公益通報に関する要綱(平成21年1月19日制定)」を定め、法令遵守の徹底および通報をした職員等の保護を図り、適法かつ公正な区政運営に資することを目的に通報窓口を設置しています。  この公益通報制度により、令和7年7月16日付で通報受付担当へ、職員派遣における服務制度の是正を求めて通報がありました。そこで、公益通報委員会において調査を行い、区長に対し、調査結果の報告を行いました。  区長は、これを踏まえ、本要綱第9条第1項に基づき改善等の措置を行いましたので、同条第3項に基づき公表いたします。 1 通報の概要 職員の派遣に際し、派遣先に対し当該職員に係る個人情報について不適切な提供があったほか、派遣にあたっての発令や派遣先での職責付与に関し、地方公務員法に基づく服務制度を違法運用している。 2 該当法令 個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」という。)、地方公務員法等 3 調査結果 公益通報委員会の調査により認定できた事実から、本件通報事項のうち区が職員の派遣に際し派遣先に対し当該職員に係る個人情報を提供したことについて、個人情報保護法の抵触が認められた。 その余の通報事項については違法もしくは不当と認められる事実は認められなかった。 4 違法性の判断理由 個人情報保護法第61条第1項では「行政機関等は、個人情報を保有するに当たっては、法令(略)の定める所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならない」と規定され、特定した利用目的の範囲内であれば、個人情報の利用または提供を行うことができるとされている。なお、同項にいう「その利用目的をできる限り特定」するとは、その利用目的を具体的・個別的に特定することの趣旨であり、具体的な利用行為が当該利用目的の範囲内であるか否か、合理的かつ明確に判断できるものでなければならないとされている(個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイド(行政機関等向け)参照)。 この点、本件では、区が派遣先へ個人情報を提供するにあたり、その根拠とする「職員の人事記録に関する規則(昭和53年特別区人事委員会規則第9号)」による規定(※)からは、派遣先への提供が合理的かつ明確に判断できるとはいえず、区から派遣先への提供にあたり必要とされる個人情報の範囲も不明確であった。 さらに、本件における区の個人情報に係る外部提供が、法69条第2項に規定する利用目的以外の目的による提供が許される場合(本人の同意があるときなど)に該当する事情もないことから、個人情報を派遣先へ提供した点につき同法の抵触が認められる。 (※)職員の人事記録に関する規則第2条 「特別区の任命権者(以下「任命権者」という。)は任用、給与、勤務能率、身分保障その他職員の人事に役立てるために人事記録を保管しなければならない。」 5 区の対応 他団体へ派遣する職員に係る個人情報の適正な取扱いを図るため、これに係る取扱基準を定め、利用目的や提供可能な保有個人情報の範囲、必要最小限の範囲で外部提供することなどを明確にした。取扱基準については、職員が必要に応じて参照できるよう掲載した。 また、効果的な派遣の実施および一層の適正な人事管理を図るため、派遣予定職員に対しその目的や派遣先での服務規律などをより明確に説明することとした。 個人情報の提供にあたっては、根拠法令を踏まえ個人情報保護法に則り適切な手続きを行うことはもちろんのこと、提供に係る個人情報の範囲についても意識して行うよう、職員研修や庁内ニュースなどの機会を捉えて全職員に対し周知・啓発する。