写 品企企収第57号 令和6年1月24日 品川区監査委員 コウチ ユタカ 様 モリイ ジュン 様 タカハシ ノブアキ 様 オオクラ タカヒロ 様 品川区長 モリサワ キョウコ 令和5年度前期一般監査の措置結果について(通知) 令和5年9月8日付品監発第14号にてご報告のありました「令和5年度前期一般監査の結果について(報告)」における指摘事項につきましては、 地方自治法第199条第14項の規定に基づき、次のとおり措置をしましたので通知します。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 《対象部局共通》 1 電子決裁に係る財務会計処理について 主管課契約に係る電子上の財務会計処理において、全庁的な電子決裁の推進に伴い、次のとおり、対象部局のうち13課において不適切な処理事例が見受けられた。 各所管課においては、令和4年11月2日付け会計管理者通知「決裁電子化のさらなる推進にあたっての会計関連文書の取扱いについて」等を改めて確認し、適切な会計処理に努められたい。 また、会計管理室においては、関連部署と連携・協力し、財務会計システムによる事務処理が正確に行われるよう、 支出負担行為等に係る必要な添付書類やその注意点をより具体的に事務処理マニュアルに記載する等、各所管課への周知および指導を徹底されたい。 (1) 2者以上から見積書を徴収し見積合せを行っているものの、当該見積書が支出負担行為に係る電子決裁に添付されていない。 (2) 2者による見積合せを行い、そのうちの1者が辞退届を提出していたが、当該辞退届が支出負担行為に係る電子決裁に添付されていない。 (3) 業者推薦により特定の事業者と契約を締結しているが、当該業者推薦書が電子決裁に添付されていない。 (4) 見積合せにより徴収した見積書が契約締結請求に係る電子決裁に添付されていることから、品川区契約事務規則第74条に基づく契約締結の請求に係る意思決定がなされる前に、 2者以上による見積合せが行われている。 (5) 契約締結日より後の日付の見積書が電子決裁に添付されている。 処理経過 主管課契約に係る電子上の財務会計処理において、必要書類の添付漏れ等の不適切な処理を行ったことについては、電子決裁に係る事務処理方法の周知が徹底されていなかったことによるものです。 会計管理室では、今後も、経理課と連携・協力し、財務会計システム操作マニュアルにおいて適正な会計事務に係る具体的な記載を行うとともに、研修等の機会を捉えて、周知を行ってまいります。 また、全庁的な電子決裁の推進を踏まえ、令和5年9月28日付け会計管理者通知において、財務会計システムによる事務処理に関して改めて注意喚起を行ったところですが、引き続き所管課への指導を徹底してまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 《区長部局》 1 収入事務について (1) 平成29年7月付「収入事務の手引き」によれば、「歳入の調定は、その収入に対する請求権が生じたとき、すなわち収入の発生の原因となった事実が生じたとき、そのつど直ちに行わなければならない」とされているところ、 ふるさと納税寄付金において、次のとおり寄付金額が確定してから調定を行うまでに相当の期間を要している。 適正な収入事務の執行に努められたい。 ア 令和4年4月7日収納分37,000円 調定日:同年5月12日 イ 令和4年5月1日〜同年5月31日マルチペイメント収納分20,000円  調定日:同年6月30日 ウ 令和5年1月1日〜同年1月31日クレジット収納分10,000円 調定日:同年3月1日 エ 令和5年1月1日〜同年1月31日マルチペイメント収納分10,000円  調定日:同年3月1日 (税務課) 処理経過 寄付金額が確定してから調定を行うまでに相当の期間を要したことについては、事務処理を失念していたことによるものです。 今後は、調定手続きの進捗状況を職員間で共有し、事務処理の進行管理を徹底することにより、「収入事務の手引き」に則った適正な収入事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 1 収入事務について (2) キャッシュレス収納に係る収入事務について、次のとおり不適切な処理事例が見受けられた。 改めてキャッシュレス決済の処理方法や手順を確認するとともに、窓口業務の受託事業者への周知・指導等を徹底し、適正な収入事務の執行に努められたい。 ア 令和4年10月14日収納分の住民基本台帳証明手数料計900円について、受託事業者の社員が、キャッシュレス決済による徴収ができていなかったものと誤認し、 自らが用意した現金により二重で収納を行ったため、令和5年1月18日に当該事業者へ過誤納金計900円の還付が行われている。 イ 令和4年7月8日収納分の住民基本台帳証明手数料計600円について、受託事業者の社員が、キャッシュレス決済による徴収ができていなかったものと誤認し、 再度キャッシュレス決済を行ったため二重徴収となり、同年9月21日に過誤納金計600円の還付が行われている。 (戸籍住民課) 処理経過 キャッシュレス決済に係る二重収納に伴う還付処理を行ったことについては、窓口業務の受託事業者がキャッシュレス決済のエラー発生時における職員への連絡を怠ったことによるものです。 今後は、窓口業務の受託事業者との連絡体制を強化し、キャッシュレス決済の処理方法や手順の確認を徹底することにより、適正な収入事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 契約事務について (1) 令和5年3月24日付け請書「パズル他」295,542円および同月27日付け請書「ディスクカッター他」220,921円の物品購買契約について、同種の物品であるにもかかわらず、 近接した時期に同一の事業者と分割して契約が締結されている。 計画的に一括契約を行い、納期までの期間を十分に確保するとともに、事務の効率化と一層の経費削減に努められたい。 (保育課) 処理経過 近接した時期に同一の事業者と分割して契約を締結したことについては、各園から購入依頼を受けた物品を順次発注していたことによるものです。 今後は、年間を通して計画的に物品を購入するよう保育現場との調整を十分に行うとともに、依頼案件を一括管理し、十分な納期を確保した上で同種の物品をまとめて発注することにより、適正な契約事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 契約事務について (2) 月刊書籍の定期購読について、令和4年度は購読期間ごとの計4回に分けて契約締結を行っているが、すべての契約が各購読期間終了後に締結されている。 適正な契約事務の執行に努められたい。 (福祉計画課) 処理経過 定期購読する月刊書籍の購読期間終了後に契約締結を行ったことについては、契約締結時期の認識に誤りがあり、事務処理を失念していたことによるものです。 今後は、改めて「契約事務の手引」等を確認し、購読期間に合わせて契約締結を行うよう、課内のチェック体制の強化および進行管理を徹底することにより、適正な契約事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 契約事務について (3) 令和4年4月1日付け運送契約書「検体等運搬」4,258,980円について、仕様書では検体等の送付は区が指定する年70日行うこととなっているが、履行実績は年48日となっている。 適宜履行状況を把握し、必要に応じて契約変更を行う等、適正な契約事務の執行に努められたい。 (生活衛生課) 処理経過 仕様書の指定日数より履行実績が少ないことについては、過去の実績から見込んでいた想定件数に比べ、検体運送の必要件数が減少したことによるものです。 今後は、履行状況を適宜把握し、必要に応じて契約変更を行うとともに、契約形態の見直しについても検討し、適正な契約事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 契約事務について (4) 主管課契約における令和5年1月5日付け「品川区避難支援個別計画作成名簿更新に係る調査票等封入作業委託」550,543円について、契約書を作成すべきところ、請書により契約締結が行われている。 令和2年4月改訂版「契約事務の手引」等を改めて確認し、適正な契約事務の執行に努められたい。 (防災課) 処理経過 契約書を作成すべきところ、請書により契約締結を行ったことについては、契約事務を正確に理解していなかったことによるものです。 今後は、「契約事務の手引」を改めて確認し、契約書作成に係る事務処理を正確に理解するとともに、複数名によるチェックを徹底することにより、適正な契約事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (1) 令和5年3月3日付け請書「プロジェクター」198,000円の物品購買契約において、平成30年4月1日付け会計管理室発行「新財務会計操作マニュアル」によれば、 「購入価格が10万円以上のものは備品」とされていることから、予算科目を備品購入費とすべきであったところ、一般需用費により支払ったため、後日、備品購入費の科目設定および予算流用を行ったうえで、 一般需用費から備品購入費へ科目更正が行われている。 物品購入にあたっては予算科目を十分に確認し、適正な支出事務の執行に努められたい。                     (人事課) 処理経過 備品を購入する際に誤った予算科目にて支出したことについては、備品に関する認識が不足していたことに加え、予算科目の確認を十分に行わなかったことによるものです。 今後は、「新財務会計システム操作マニュアル」により備品管理の方法を正確に理解するとともに、複数名による物品購入時の予算科目の確認を徹底し、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (2) 令和3年4月に発注した名刺の代金計2,970円について、同月20日に納品後の検査を行っていたにもかかわらず、支払に係る事務処理を失念し、翌年度である令和4年11月18日に請求書を収受し、 同年12月2日に支払が行われている。 支出事務の進行管理は適切に行い、速やかな支出を徹底されたい。 (子ども家庭支援センター) 処理経過 名刺の代金に係る支払が、検査から適法な請求を受けて支払うまでに相当の期間を要していることについては、発注文書を誤った格納場所に保管したため、その後の事務処理を失念していたことによるものです。 今後は、各種支払に係る文書について、指定された格納場所への保管を確実に行い、発注段階から複数名で事務処理の状況を管理することにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (3) 単価委託契約に係る委託料の支払について、次のとおり不適切な処理事例が見受けられた。 単価契約に係る支払にあたっては履行実績の確認を徹底し、適正な支出事務の執行に努められたい。 ア 令和4年4月1日付け単価委託契約書「保育園定期利用保育実施業務委託(単価)」に係る同年4月分から令和5年3月分までの委託料(延長保育分)について、 利用実績がないにもかかわらず事業者からの請求どおりに支払を行ったため、令和5年4月28日に過払分計24,300円の戻入処理が行われている。 イ 令和4年4月1日付け単価委託契約書「保育園一時保育実施業務委託(単価)」に係る同年4月分委託料について、利用実績があるにもかかわらず事業者から請求がなかったことから、 利用実績がないものと誤認し支出事務を行わなかったため、令和5年5月22日に未払分計19,800円の支払が行われている。 (保育課) 処理経過 単価委託契約に係る委託料において、過払を行ったことについては、利用実績の確認を怠っていたことから、請求内容の誤りに気付かなかったことによるものです。 また、未払が発生したことについては、園から修正のあった利用実績の報告の確認を失念したことによるものです。 今後は、複数名で利用状況を確認する等、課内のチェック体制を強化し、園や受託事業者からの実績報告の内容確認を徹底することにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (4) 保育園仮設園舎に係る令和4年11月分電話利用料4,249円について、支払期限である同年11月30日を超えて、同年12月20日に支払を行ったことから、延滞利息6円が支払われている。 請求書受領後の速やかな支払を徹底し、支払期限は厳守されたい。 (保育課) 処理経過 電話利用料の支払が遅延したことについては、新たに契約締結した電話回線の情報が職員間で共有されておらず、別の書類に同封されていた当該電話回線に係る納付書を見落としていたことによるものです。 今後は、職員間の情報共有を密に行うとともに、支出関係書類の内容確認を徹底することにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (5) 令和4年度品川区私立幼稚園等保育料補助金(上半期)について、令和4年11月30日に対象者(計3,218世帯)へ交付していたが、後日保護者からの問合せにより、 補助金管理システムへの税情報の取込み漏れに伴う補助金の未払いが判明し、同年12月20日に全446世帯計9,769,050円の補助金が追加で交付されている。 改めてシステム処理を含めた事務処理手順を確認し必要な修正を加える等、適正な助成事務の執行に努められたい。 (保育支援課) 処理経過 保育料補助金の未払が発生したことについては、補助金管理システムにおける税情報の取込み処理とその確認方法を審査事務マニュアルに記載しておらず、税情報の取込み処理が漏れた結果、 補助金交付額が本来交付される額よりも低く算定されたことによるものです。 今後は、審査事務のチェック項目に税情報の取込状況確認を追加し、審査を行うとともに、複数名で審査内容のダブルチェックを徹底することにより、再発防止と適正な助成事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (6) 令和2年12月分の共同生活援助(都加算)について、支払後に請求金額(43,203円)の誤りが判明し事業者より正しい金額(33,203円)の請求書を受領した際に、 本来であれば差額分(10,000円)の戻入処理を行うべきであったところ、新規の請求であると誤認しそのまま支払ったため過払が生じた。 その後、事業者からの連絡を機に、令和4年6月14日に過年度の過払分43,203円に係る調定処理が行われている。 請求金額および内容を十分に確認するとともに、支払事務の進行管理を徹底し、適正な支出事務の執行に努められたい。 (障害者支援課) 処理経過 共同生活援助給付費の重複支払を行ったことについては、当該給付費が支払済であるかの確認を怠ったことによるものです。 今後は、支払済である月の請求書を受領した際には過去の支払実績の確認を徹底することにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (7) 品川保健センター事業実施に伴う非常勤報酬等に係る令和4年8月分および9月分の報償費について、本来支払うべき債権者と同姓同名である別の者に支払を行ったことから、 同年10月17日に誤払分48,857円の戻入および正しい債権者への支出処理が行われている。 昨年度においても同様の不適切な処理事例が発生していることから、従前からの事務処理方法の見直しを行う等、支払時における債権者の確認を徹底し、再発防止に努められたい。 (品川保健センター) 処理経過 報償費を本来支払うべき債権者と同姓同名である別の者に支払ったことについては、氏名のみを読み上げて債権者の確認をしていたことによるものです。 今後は、氏名に加えて職員番号も読み上げて照合を行い支払時の債権者確認を徹底することにより、再発防止に努めてまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 支出事務について (8) 確定払による健診等従事者の報償費について、次のとおり支出金額の算定を誤り、本来支払うべき金額よりも多く支払を行ったことから、過払分の戻入処理が行われている。 従事された実績の確認は正確に行い、適正な支出事務の執行に努められたい。 ア 栄養士に係る令和4年5月20日、同年7月15日および同年9月16日従事分の報償費について、同年11月28日に過払分計1,164円の戻入処理が行われている。 イ 保育士に係る令和4年9月2日、同年9月20日および同年9月30日従事分の報償費について、令和5年4月24日に過払分計16,964円の戻入処理が行われている。 (荏原保健センター) 処理経過 報償費の過払を行ったことについては、出勤簿に誤った事業名を記載したため、本来とは異なる単価により報償費を算定したことによるものです。 今後は、出勤簿作成時の事業名を記入する際、複数名によるダブルチェックを行うことにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 4 事務の執行方法について 令和4年10 月16 日実施の保育・児童系職種に係る主任職昇任選考について、選考実施後、受験者からの問合せにより、事前に通知した出題範囲と選考で出題された範囲とが異なっていることが判明したため、 全30題のうち誤って出題された6題分を採点の対象外とする取扱いがなされている。 各種選考等に係る事務処理については万全を期されたい。 (人事課) 処理経過 主任職昇任選考における出題範囲の誤りについては、出題基となる参考書の改訂に伴う章番号の変更に係る確認を怠っていたことによるものです。 今後は、選考等における公正性を確保できるよう、複数名により出題範囲の確認を徹底するなど、チェック体制を強化することにより、適切な事務処理を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 5 現金の管理について 庁有車使用時における有料駐車場利用のための資金前渡について、精算命令書に添付された領収書を確認したところ、令和4年5月31日分駐車場利用料金330円においては、他課職員のICカードによる支払が行われている。 平成30年6月改定「支出事務の手引」によれば、資金前渡とは将来の経費について会計管理者が資金前渡受者に資金を交付して現金支払をさせる制度であるとされていることから、 改めて全庁的な注意喚起を行う等、資金前渡による支払を徹底されたい。 (経理課) 処理経過 駐車場利用料金がICカードにより支払われたことについては、現金による支払を徹底していなかったことによるものです。 今後は、有料駐車場に係る支払方法に関してグループウェアのインフォメーションに掲載する等、全庁的な注意喚起および周知徹底を行うことにより、「支出事務の手引」に則った適正な現金管理を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 6 指定消耗品の管理について 保管する郵券を用いて葉書等を購入し、後日、使用した券種と同じ券種の郵券を追加で購入した事例が見受けられた。 郵券交換による支払には手数料を負担することとなるため必要最小限に抑えるとともに、指定消耗品の計画的な購入および適正な管理に努められたい。 (環境課) 処理経過 郵券を用いて葉書等を購入した上で同じ券種の郵券を追加で購入したことについては、郵券交換による支払に手数料が生じることを認識していなかったことによるものです。 今後は、指定消耗品の適正利用に係るチェック体制の強化および計画的な購入を徹底することにより、適正な管理を行ってまいります。 指摘事項等 第5 意見 最後に、「第4 定期監査(所管別監査)の結果」における「≪対象部局共通≫1 電子決裁に係る財務会計処理」について、補足して意見を述べる。 区民の利便性向上と業務効率化による生産性向上を図るため、「品川区DX 推進基本方針」に基づき、ICTをはじめとするデジタル技術を積極的に活用し、 あらゆる行政分野において様々なデジタル化の取組を進めてきていることは高く評価できるものである。 その一方で、電子決裁に係る会計関連文書の取扱いについて、従来の紙による決裁時には見受けられない不適切な処理事例が数多く発生している状況も確認できた。 これは、業務のデジタル化の進展に伴い、職員の適正な事務処理に係る意識の低下により高度な事務水準の維持が困難となるリスクが顕在化したものと危惧している。 更なるデジタル化の取組の展開にあたっては、各種マニュアルやシステムの最適化に加え実務に即した研修を充実させる等、重層的な対応を実践することにより、 デジタル変革の実践者である職員がその恩恵を享受し、意欲的かつ能動的に業務改革に取り組んでいけるよう、業務環境の整備に努められたい。 処理経過 「品川区DX推進基本方針」に基づき、業務のデジタル化が加速度的に進展する中で、基幹業務である財務会計の事務水準が従来より低下してきていることについては、 区として危機感を持って対応すべき課題であると認識しております。 一方で、区民生活における課題解決や発展を通じた区民の幸福(しあわせ)の実現のためには、デジタル変革の取組みをより一層推進していくことが不可欠となります。 このことから、今後は、財務会計に係る実務研修等による適正な事務処理方法の周知・徹底をこれまで以上に行うなど、全庁を挙げて職員のフォローアップ体制を強化し、高度な事務水準を維持できるよう努めてまいります。 写 品教庶収第213号 令和6年1月24日 品川区監査委員 コウチ ユタカ 様 モリイ ジュン 様 タカハシ ノブアキ 様 オオクラ タカヒロ 様 品川区教育委員会 教育長 イザキ ミユキ 令和5年度前期一般監査の措置結果について(通知) 令和5年9月8日付品監発第14号にてご報告のありました「令和5年度前期一般監査の結果について(報告)」における指摘事項につきましては、 地方自治法第199条第14項の規定に基づき、次のとおり措置をしましたので通知します。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 ≪教育委員会事務局≫ 1 契約事務について 令和4年10月20日付け請書「小型風力発電機保守点検委託」272,800円について、点検作業に要する設備が故障していたにもかかわらず、契約締結時における当該設備に係る現況確認等を怠ったことから、 令和5年2月に受託事業者より当該設備の修理が完了せず、履行期限までに保守点検を実施できない旨の連絡を受け、同年3月31日付けで契約解除が行われている。 契約締結にあたっては契約の目的を確実に達成できるよう、履行確保のための必要な調査および確認を徹底する等、適正な契約事務の執行に努められたい。 (学務課) 処理経過 設備故障のため保守点検に係る契約が履行できなかったことについては、履行確保のための事前調整および進捗管理が不十分であったことによるものです。 今後は、契約締結の前段階における関連設備等の現況確認を徹底するとともに、当該設備を所管する部署との情報共有を確実に行ってまいります。 また、契約締結後においては定期的に作業の進捗状況を確認することにより、適正な契約事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 支出事務について (1)武蔵小山図書取次施設が属する武蔵小山ビル管理協議会の分担金について、令和3年度までは地域活動課が負担し、令和4年度からは品川図書館が負担することとなっていたが、 支出事務を失念したことにより、令和4年4月分から8月分までの同分担金計103,300円が同年11月2日に支払われている。 事務引継ぎを確実に行う等、適正な支出事務の執行に努められたい。 (品川図書館) 処理経過 分担金の支払遅延については、職員間の事務引継ぎが不十分であったため、支払事務を失念していたことによるものです。 今後は、支払遅延が発生しないよう、歳出予算執行計画書を用いた正確な引継ぎを行うとともに、その後の進行管理を徹底することにより、適正な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 2 支出事務について (2) 令和4年4月1日付け単価委託契約書「武蔵小山図書取次施設運営業務委託(単価)」に係る同年4月分委託料1,070,400円について、契約書の単価内訳書においては「1回あたり」の契約金額が記載されているところ、 単価内訳書には記載がない「0.5回」単位での支払が含まれている。 契約内容に準拠した適切な事務処理を行い、適正な支出事務の執行に努められたい。 (品川図書館) 処理経過 単価内訳書に記載がない単位で支払を行ったことについては、受託事業者との協議により支払単位を任意に変更できるものであると誤って認識していたことによるものです。 今後は、単価契約における単価項目およびその価格の変更が、協議事項の範囲を超えるものであるとの認識を職場全体で共有するとともに、契約内容を遵守し、適切な支出事務を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 現金の管理について (1) 各学校におけるクラブ活動に係る大会参加費については、事前に学務課から前渡金を預かった上で支払うこととされているが、令和4年度においては、4大会分の参加費計24,500円が前渡金によらず学校職員の私費による立替払が行われている。 改めて各学校に対し参加費の支払方法について周知徹底する等、資金前渡による支払を徹底されたい。 (学務課) 処理経過 学校職員の私費による大会参加費の立替払が行われたことについては、資金前渡に係る事務処理の周知・徹底が不足していたことに加え、立替払は禁止であるという職員個々の認識が欠けていたことによるものです。 今後は、学校管理職による適切な指導が行われるよう、役員校長・園長・事務局調整会議や校長・園長連絡会等の機会を捉えて、大会参加費の事前申請による資金前渡の徹底を改めて周知し、 適正な現金管理を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 現金の管理について (2) 令和4年6月10日分有料駐車場使用料金200円に係る前渡金の精算について、精算命令書に添付された領収書を確認したところ、職員の取違いにより、現に発行された領収書とは別の領収書が添付されている。 支払証明書類の確認を徹底し、適正な現金管理に努められたい。 (品川図書館) 処理経過 前渡金の精算命令書に異なる領収書が添付されていたことについては、駐車場の精算機内に残っていた支払料金が同額である別の領収書を取り違えたことによるものです。 今後は、現場における領収書の確認を十分に行うとともに、前渡金の精算時における支払証明書類の確認を徹底することにより、適正な現金管理を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 3 現金の管理について (3) 品川区会計事務規則第85条第1項第1号の規定によれば、前渡金の精算は支払期間経過後5日以内に行うこととされているが、令和4年4月分から同年6月分までの前渡金に係る精算が行われていなかったことから、 同年8月分における一部の有料駐車場利用料金(4回分計2,100円)について、前渡金が不足し職員の私費による立替払が行われている。 同規則に則り精算処理を確実に行い、資金前渡による支払を徹底されたい。  (品川図書館) 処理経過 有料駐車場利用料金に係る前渡金の精算を行っていなかったことについては、前渡金の精算時期を誤って認識していたことによるものです。 今後は、前渡金を使用した際の現金出納簿への記帳を徹底し、残高を正確に把握するとともに、前渡金の精算処理を確実に行うことにより、適正な現金管理を行ってまいります。 指摘事項等 第4 定期監査(所管別監査)の結果 4 指定消耗品の管理について 令和4年7月から同年10月までの間において使用した郵券(84円)計112枚について、当該郵券に係る受払簿が作成されておらず、また職員の私費による立替払が行われていたことが判明したため、 同年11月4日に当該立替分の郵券を職員に返却している。 受払時の記帳(決裁)および購入時の資金前渡による支払を徹底し、指定消耗品の適正な管理に努められたい。 (教育総合支援センター) 処理経過 郵券に係る消耗品受払簿が作成されておらず、また職員による当該郵券購入費用の立替払が行われていたことについては、郵券の取扱に係る指導が不足していたことに加え、定期的な点検を行っていなかったことによるものです。 今後は、原則として通知文書等は児童・生徒経由とするよう郵便事務を改めるとともに、定期的な残数確認や購入時の資金前渡による支払を確実に行うよう指導を徹底することにより、指定消耗品の適正な管理を行ってまいります。