P.4 品川地区  Shinagawa area 【地図】 品川区の「近代」と「伝統」が融合しているエリアです。新幹線の停車駅でもある品川駅周辺や、オフィスビルや商業施設が広がる臨海部は、その利便性の高さが魅力。一方で、旧東海道品川宿や寺社仏閣には歴史的な風情と趣があり、訪れる人々を魅了しています。 01 旧東海道「品川宿」  江戸時代、東海道五十三次の最初の宿場町として栄えたのが、日本橋から約10kmの場所に位置する「品川宿」です。徳川家康が「宿駅伝馬制」を定め東海道が日本を代表する街道になると、第一の駅(宿)として、人やもの、文化、情報がここ品川宿を中心に行き交うようになり、益々発展していきました。明治維新以降は日本が近代化に向けて突き進む中、工業の中心都市へと変貌し、近代日本の経済的発展を支え続けてきました。  中世以来1千年にもわたって発展し続ける一方で、まちとしての品川宿はあまり変わることがありませんでした。21世紀になった今でも、どこか懐かしくて、人の温もりがある、そんなまちであり続けています。  多くの旅人や商人で賑わっていた品川宿。今でも人々の暮らしを支える活気に満ちた商店街や、周辺には多くの由緒ある社寺があり、当時の面影を残しています。観光スポットとしても人気です。 P.5 02 天王洲アート  「アートになる島 ハートのある街」をコンセプトに街づくりが進む天王洲アイル。運河沿いの建物を彩る巨大な壁画や、倉庫をリノベーションしたギャラリー、国内唯一の建築模型専門ミュージアムなど、エリアの至る所でアートに出会えます。特に、ビル約10階分にも及ぶ三味線を弾く女性の壁画は圧巻のスケールです。また、「アイルしながわ」の壁面には、オレンジと青の渦が描かれた鮮やかなアートも。街を歩くだけで世界レベルのアートに気軽に触れられる、アートファンならずとも楽しめるエリアです。 【photo cap】Photo by Shin Hamada 03 品川浦船溜り  江戸城に魚を納める漁村として栄えた場所。現在では釣り船や屋形船が係留されており、背景に古い家並みと、その向こうにある近代的なビル群との対比が独特の景観を織りなしています。なお、水路にかかる石造りの北品川橋は1925年に建造されたものです。 04 東品川海上公園  天王洲南運河と目黒川の合流地点に位置し、クジラ型滑り台や運河沿いボードウォーク、噴水広場などが整備されています。ミッフィーをモチーフにした花壇や遊具もあり、家族連れに人気のスポットです。春には「しながわ運河まつり」が開催されます。 05 品川神社  1187年に源頼朝が創建し、徳川家康が関ヶ原の合戦の際に戦勝祈願を行った神社です。毎年6月に行われる例大祭で見ることができる、宮神輿が急勾配の石段を昇り降りする様子は圧巻。「一粒萬倍の泉」は金運アップのパワースポットとして人気です。 06 T.Y.HARBOR  オリジナルのクラフトビールとボリューム感のあるアメリカンフードを楽しめる醸造所併設型のレストラン。天候の影響を受けないように対策がとられているテラス席からは運河が一望できます。青空の下でのランチ、夜景を眺めながらのディナー、両方ともおすすめ。 P.6 大崎地区 Oosaki area 【地図】 新宿や臨海部と鉄道でダイレクトにつながる職・住・遊・学の拠点エリアです。高層ビル群が立ち並ぶ大崎副都心のオフィス街を少し離れると、目黒川や池田山公園など豊かな自然を味わえる場所が点在し、閑静な住宅地が残る地域でもあります。 01 目黒川・水辺エリア  目黒川の両岸には区によって桜並木が整備され、東京でも有数の花見の名所として春にはその眺めを楽しむ人たちで賑わいます。初夏には五反田駅から徒歩5分の目黒川沿いにある「五反田ふれあい水辺広場」で七夕フェスタが開催され、大勢の来場者で賑わいます。冬にはイルミネーションで彩られる目黒川は、年間を通して多くの人が訪れる人気の散策スポットです。  川は世田谷区池尻を上流端とし、目黒区と品川区の住宅地や繁華街を横断して東京湾に注ぐ全長約8kmの二級河川です。支川は現在暗渠化され、下水道幹線として活用されており、上部の緑道は暮らしにうるおいをもたらしています。下流部は潮の満ち引きの影響を受けて水位が変化する感潮河川となっています。  河口付近はかつて「品川」と呼ばれ、これが地名「品川」の由来とされています※。明治期には川沿いに鉄道や官営品川硝子製造所が造られ、流域は近代工業の発祥地となりました。近年は工場跡地の再開発により新しい街が生まれています。 ※諸説あり P.7 02 五反田JPビルディング  2024年4月にオープンした大規模複合施設です。地上20階・地下3階、オフィス・シェアオフィス・ホテル・ホール・商業施設などから構成されています。  コンセプトは「TOKYO, NEXT CREATION」。スタートアップ企業が集積する五反田地区で新たな働き手たちをサポートする拠点として注目を浴びています。1階のフードホール「五反田食堂」には多彩な人気店が出店し、施設利用者だけでなく近隣住民も気軽に楽しめる「マチの食堂」を目指しています。 【photo cap】写真提供:品川経済新聞 03 五反田文化センター  プラネタリウム、図書館、音楽ホール、スタジオなど、様々な施設がある文化施設です。特に5階にあるプラネタリウム(大人200円、4歳〜中学生50円)は、色や明るさの再現に優れた投影機を導入していることから、リアルな星空を体験できるとあって人気。また、360度の映像が映せる全天デジタルシステムにより、迫力ある映像を全天に映し出すことで、多くの来場者を楽しませています。 04 大崎駅(マルシェ)  大崎駅南口改札前では毎週木〜土曜に駅前マルシェ「おおさき二十四節気祭」が開催されています。全国の生産者や近隣の事業者が多数出店し、新鮮な野菜や果物、海産物などが並び、大崎近隣に暮らす家庭の食卓に季節ごとの旬の恵みを届けています。 05 池田山公園  江戸時代初期、岡山藩池田氏の下屋敷があったことから「池田山」と呼ばれています。起伏に富んだ地形を生かし、高台から池を覗き見るように造られた回遊式庭園です。梅や椿、つつじ、花菖蒲、アジサイに紅葉と、多彩な四季の自然を楽しむことができます。 06 ねむの木の庭  上皇后の生家である正田邸の跡地に整備された公園。上皇后が高校時代に作った詩から命名されました。約50種の草花が植えられ、シンボルのねむの木は園内どこからでも目に入ります。春と秋にはオレンジ色のバラ「プリンセスミチコ」が見ごろとなります。 P.8 大井地区 Ooi area 【地図】 大井町駅周辺は商業施設や文化施設、区役所などが集まる区の中心拠点です。水族館、歴史館、競馬場などには区内外から多くの人が訪れます。勝島運河沿いには「しながわ花海道」が整備され、幅広い世代から親しまれる水辺の空間となっています。 01 OIMACHI TRACKSと新庁舎  3路線が乗り入れる大井町駅周辺で、2026年3月開業を目指して大規模な再開発が現在進んでいます。それが「OIMACHI TRACKS(大井町トラックス)」です。  大正時代の鉄道車両工場と線路(TRACKS)に始まり、歩行者デッキ(通り・TRACKS)を中心に新たな交流、新たな価値が生まれることで、大井町に居住、往来するすべての人々にとって、楽曲(TRACKS)のように、心豊かな生活が実現するまちづくりを目指して名づけられました。  オフィスタワーとホテル・住宅タワーの2棟や開放的なアウトモール型商業空間が整備され、災害時には広域避難場所となる広場や帰宅困難者受け入れスペースも確保されます。  品川区は、隣接して計画する品川区新庁舎(2029年度開庁予定)、OIMACHI TRACKS、周辺地域が連携することで、「一体的なまちづくり」「地域防災力の向上」などを目指していきます。  目玉となる歩行者デッキは大井町駅からOIMACHI TRACKS、新庁舎を結ぶもので、将来的にはしながわ中央公園方面へ接続するバリアフリーな歩行者動線となる予定です。歩いて回れる魅力ある町、災害に強い町として、大井町は大きく生まれ変わろうとしています。 【photo cap】品川区新庁舎 外観イメージ 【photo cap】OIMACHI TRACKS(大井町トラックス) 外観イメージ  提供:東日本旅客鉄道株式会社 ※掲載の画像はイメージであり、今後変更となる場合があります。 P.9 02 しながわ水族館  しながわ区民公園の中にあるしながわ水族館は、地元ゆかりの海や川とのふれあいをテーマにしています。イルカショーや全長22mで迫力満点のトンネル水槽など、生き物たちを身近に感じられる展示や、季節にあわせた企画展示が充実しています。2024年2月にはゴマフアザラシの赤ちゃんが誕生して話題に。毎月第4日曜には公式キャラクター「しなフィン」と記念撮影もできます。 【photo cap】しながわ水族館の公式キャラクター「しなフィン」です!しながわ水族館で待ってるよ♪ 03 勝島運河・しながわ花海道  勝島運河の防潮堤に「花畑を作ろう」と、立会川・鮫洲の両商店街が中心となって2002年に始まった緑化プロジェクト。地元の小学校や町会が自主管理し、約2kmに及ぶ防潮堤に、春は菜の花、夏はひまわり、秋はコスモスと季節ごとの花が楽しめます。 04 品川歴史館  品川区の歴史と文化の史料を収集、研究、保存、公開しています。映像で描く「品川歴史絵巻」や大森貝塚を調査したモース博士の紹介コーナーなどが見どころです。茶室や書院も併設され、日本庭園にある水琴窟では水の音で涼を感じることができます。 05 大井競馬場  勝島にある地方競馬の競馬場。愛称は「東京シティ競馬」。名物の「トゥインクルレース」は日本初のナイター競馬として1986年に始まりました。イベントスペース「UMILE SQUARE」では多彩なイベントを開催しており、競馬初心者や家族連れも楽しめます。 06 ニコンミュージアム  西大井に移転した本社ビル1階に2024年10月にリニューアルオープン。科学と産業の発展を支えてきた顕微鏡や測定機、約1,300点のニコン製品・技術をその歴史とともに展示しています。ミュージアムショップでは「ニコンひと口ようかん」が人気です。 P.10 荏原地区 Ebara area 【地図】 戸越銀座や武蔵小山、中延などの商店街が暮らしを支え、活気に満ちた声が響くエリアです。多くの住宅が立ち並ぶことから防災・減災が意識的に取り組まれています。戸越公園や林試の森公園は住民たちの憩いの場になっています。 01 戸越銀座商店街  戸越銀座駅の改札を出てすぐ目の前に伸びる通りが戸越銀座商店街です。東京一長いといわれる全長約1.3qの商店街には約400もの店舗が軒を連ね、地域住民の毎日の多様なニーズに応えています。食べ歩きが楽しめる商店街として知られ、休日になると国内外から訪れる観光客で賑わいます。  全国にある「〇〇銀座」という地名の元祖ともされています。1923年の関東大震災で瓦礫となった銀座通りのレンガを譲り受け、水はけの悪かった路面に敷き詰めたことから命名されたそうです。  名物は「戸越銀座コロッケ」。地元の立正大学との協働事業としてプロモーションが始まりました。おでんコロッケや餃子コロッケなど個性あふれるコロッケを約20店舗が競って開発・販売し、人気を博しています。そのほかにも、戸越銀座オリジナルのソースやお酒、マスコットキャラクターの戸越銀次郎(通称「銀ちゃん」)グッズなどがお土産品として人気を集めています。 【photo cap】戸越銀座商店街のマスコット、通称「銀ちゃん」です! 好物は戸越銀座コロッケです。 p.11 02 武蔵小山商店街  武蔵小山駅前から約800m続くアーケード商店街。店舗数は約250。雨の日でも傘をささずに買い物が楽しめます。流氷祭りやサンバカーニバル、たけのこ祭りなど年間を通じて様々なイベントを開催。地元神社の例大祭「小山両社祭」では、周辺の各町会と武蔵小山商店街が協力して、アーケードの中を連合渡御して盛り上がります。商店街独自のクレジットカードやポイントカードを発行。都心部では珍しく132台収容の大型駐車場も完備しています。 【photo cap】「パル・パム」です!見かけたら声をかけてね!こどもビーバーの名前は「アーチ」に決まりました! 03 戸越公園・文庫の森  どちらも熊本藩細川家の下屋敷跡に造られた公園で、春は桜が美しく、お花見をする人たちで賑わいます。戸越公園は、池や渓谷、滝が配された回遊式庭園で、敷地内には、子どもが喜ぶ複合遊具などがあります。文庫の森は、緑豊かな公園であり、シャボン玉などで遊ぶには最適です。 04 林試の森公園  林業試験場であった歴史から、絶滅危惧種を含み200種を超える多様な樹木を観察できる公園です。外周を徒歩で1周すると約45分の広さ。水遊びができる池やデイキャンプ場もあり、休日には家族連れやカップルなどで賑わいます。3月初旬には河津桜が見ごろに。 05 エコルとごし  自然豊かな戸越公園内にある環境学習交流施設。体験型の展示や講座・イベントを通じて、環境問題について楽しみながら学べます。開放的なラウンジや推奨対象年齢0〜3歳のキッズスペース、会議や勉強会に利用できる貸室もあります。 06 スクエア荏原  音楽、演劇、講演といったイベントに利用可能なホールのほか、展示室や大小の会議室、スタジオやアリーナなどからなる文化芸術・スポーツ活動の拠点施設。区民は割安で利用できます。併設の観光案内所を兼ねたカフェは自家製スイーツが評判です。 07 蛇窪神社  日本三大白蛇神社の一つで、白蛇と龍神をお祀りしているため、巳が辰(身が立つ)=立身出世のご利益があるといわれています。古くから白蛇様として地元の人々の崇敬を集め、白蛇様の縁日である巳の日は縁起の良い日とされて多くの参拝者で賑わいます。 P.12 八潮地区 Yashio area 【地図】 緑と水辺に囲まれ、各種公共施設も整備された大規模団地を中心にした、誰にとっても住み心地のよいエリアです。広々とした都立公園は、さわやかな海風のなかでスポーツやレジャーを楽しむ場として、多くの住民から日常的に親しまれています。 01 大井ふ頭中央海浜公園  品川区と大田区にまたがって京浜運河沿いに広がる大規模公園です。都内の公園のなかでも各種スポーツ施設が充実していることで知られます。ホッケー競技場は東京2020大会で熱戦の舞台となりました。東京モノレールやバスなどにより都内各地からのアクセスもよく、駐車場も完備されているため、区内外から多くの人々が訪れます。  園地は大きく二つに分かれ、「スポーツの森」は野球やサッカー、テニスなどのスポーツ、「なぎさの森」は釣りや磯遊び、バーベキューなどのレジャーの場となっています。さくら広場でお花見、芝生広場でピクニック、ドッグランで愛犬を遊ばせるなど、季節やライフスタイルにあわせた楽しみ方が可能です。森や干潟には多くの野鳥が集まり、バードウォッチングにも最適。園内では薪割りや焚火の体験イベント、木登り教室なども開催されています。水辺や雑木林を気持ちよく散歩したい、というときにもどうぞ。 P.13 02 IKUMOやしお  子育て家庭が安心して過ごせ、地域との相互交流を促進する場となることを目的に、2025年5月に開設された子育て支援施設。育児の「イク」と木育の「モ」から、あたたかく柔らかなイメージで名づけられました。木の温もりを感じられる遊具を備えた遊び場や一時預かりの「オアシスルーム」など多様なニーズに向けた部屋を用意し、親子で気軽に立ち寄れる空間を目指しています。また育児の情報提供や悩み相談などを通じて、子育て家庭を幅広くサポートします。 03 京浜運河緑道公園  品川ふ頭橋から東京モノレール大井競馬場駅近くの勝島橋まで、運河沿いに2.5q伸びる公園はウォーキングやジョギングにおすすめです。しながわシティランのコースの一部にもなる一方、釣り人たちにはハゼ釣りの好ポイントとして知られています。 04 こみゅにてぃぷらざ八潮  地域住民が「親しみ・ふれあい・学ぶ」ための活動拠点。旧八潮南小学校跡を改築したことから音楽室やスポーツ室を備えており、フェアトレードコーヒーを提供する喫茶コーナー、託児室なども併設。生涯学習など日々の各種活動に利用されています。 05 大井車両基地  JR東海新幹線事業本部が管轄する巨大な車両基地群です。新幹線の点検整備を担っています。基地内に立ち入ることはできませんが、周辺の陸橋などは新幹線や貨物列車などを眺める人たちが集まるスポットになっています。JR東海では見学ツアーも企画しています。