(p.59) 第4章 計画における成果目標 (p.60) 1 施設入所者の地域生活への移行 (1)国の基本指針 令和5年度末時点で令和元年度末の施設入所者数の6%以上が地域生活へ移行すること、令和5年度末時点の施設入所者数を令和元年度末時点の施設入所者数から1.6%以上削減することを基本とし、地域の事情およびこれまでの実績を踏まえて目標を設定します。 (2)区の成果目標 区では、平成28年度末時点における施設入所者281人のうち、令和元年度末までに、地域生活に移行した人は2人、施設入所者数は3.6%(10人)の削減となりました。施設入所の実態を把握し、これまでの実績を踏まえて区としての目標を設定します。 障害の重度化・高齢化の状況や入所待機者(令和3年3月末時点:42人)の状況等を考慮し、令和5年度末における地域生活移行者数については、令和元年度末の施設入所者数の2%(6人)以上に前期計画の未達成分4人を追加し10人とし、施設入所者数については基準値である令和元年度末時点の271人を超えないという目標を設定します。 施設入所者の地域生活への移行の仕組みについては、「品川区地域自立支援協議会」等で検討し、構築します。なお、地域移行を希望している方がいることから、引き続き、相談の中で利用者の意向の把握に努めます。 (p.61) 2 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 (1)国の基本指針  長期入院精神障害者の地域移行を進めるにあたっては、自治体を中心とした地域精神保健医療福祉の一体的な取組みの推進に加え、地域住民の協力を得ながら差別や偏見のない、あらゆる人が共生できる包摂的(インクルーシブ)な社会の実現に向けた取組の推進が必要です。これを踏まえ、精神障害者が、地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めます。 (2)区の成果目標  精神障害者および保健・医療・福祉に携わる者を含む様々な関係者が情報共有や連携を行い、支援体制の整備を進めるため、現在の「品川区精神保健福祉地域連絡会」等を活用し、協議の場を開催します。  精神障害者の区内への地域移行について、東京都が算出する令和5年度末の長期入院患者の地域生活への移行に伴う地域の精神保健医療福祉体制の基盤整備量(利用者数)は84人が見込まれています。 * 精神障害者の地域移行後の安定した地域生活を支えるための社会資源等の誘致を図るとともに、連携による体制づくりを進めていきます。 * 地域活動支援センター等の機能充実を図り、発達障害や高次脳機能障害等も含め、精神障害者の通いの場の拡充を図ります。また、訪問看護事業所等との連携により、在宅生活の支援を行います。 * 保健・医療との連携により、精神障害者地域生活支援センター「たいむ」、区立発達障害者支援施設「ぷらーす」、区立心身障害者福祉会館等の相談機能の充実を図ります。 目標項目 保健、医療及び福祉関係者による協議の場の開催回数:年1回以上 保健、医療及び福祉関係者による協議の場への参加人数:25人/回 【参加機関等】保健、医療、福祉、介護、当事者・家族等、行政機関、学識経験者 協議の場における目標設定及び評価の実施回数:年1回以上 (p.62) 3 地域生活支援拠点等の整備                           (1)国の基本指針  地域には障害児者を支える様々な社会資源が存在しているが、それらの間の有機的な結びつきは必ずしも十分ではないことから、今後の障害者の重度化・高齢化を見据え、地域が 抱える課題に向き合い、地域で障害児者やその家族が安心して生活するため、緊急時にすぐに相談でき、必要に応じて緊急的な対応が図られる体制として、地域生活支援拠点等の整備を推進することが必要です。  地域生活支援拠点等については、令和5年度末までの間、各市町村又は各圏域に一つ以上の地域生活支援拠点等を確保しつつ、その機能の充実のため、年1回以上運用状況を検証及び検討することを基本とします。 (2)区の成果目標  区では、平成29年度から地域拠点相談支援センター3カ所(旗の台障害児者相談支援センター、東品川障害者相談支援センター、南品川障害児者相談支援センター)にそれぞれ地域生活支援拠点マネージャーを配置し、面的整備型地域生活支援拠点の機能を持たせてきました。  このうち、南品川障害児者相談支援センターは、令和元年10月に多機能拠点整備型の地域生活支援拠点の機能を有する拠点施設である品川区立障害児者総合支援施設「ぐるっぽ」に移転しました。  地域生活支援拠点のための主な機能である「相談、緊急時の受入れ・対応、体験の機会・場、専門的人材の確保・養成、地域の体制づくり」の地域生活支援拠点の機能の充実を図っていきます。 (p.63) 4 福祉施設から一般就労への移行等                      (1)国の基本指針  就労移行支援事業等(生活介護、自立訓練、就労移行支援および就労継続支援)の利用を経て一般就労へ移行した者の数を、令和5年度末までに令和元年度実績の1.27倍以上とすることを基本とします。  また、福祉施設から一般就労への移行推進のため、就労移行支援事業の利用者数および事業所ごとの就労移行率に関する目標値を設定することとし、就労移行支援事業の利用者数については、令和5年度末における利用者数が令和元年度末における利用者数(移行実績)の1.3倍以上とすることを基本とします。  また、就労継続支援については、一般就労が困難である者に対し、就労や生産活動の機会の提供、就労に向けた訓練等を実施することが事業目的であること等に鑑み、就労継続支援A型事業については令和元年度の一般就労への移行実績の概ね1.26倍以上、就労継続支援B型事業については、概ね1.23倍以上を目指すこととします。  また、障害者の一般就労への定着も重要であることから、就労定着支援事業の利用者数及び事業所ごとの就労定着率に係る目標値を設定することとし、就労定着支援事業の利用者数については、令和5年度における就労移行支援事業等を通じて、一般就労に移行する者のうち、7割が就労定着支援事業を利用することを基本とします。  さらに、就労定着支援事業の就労定着率については、就労定着支援事業所のうち、就労定着率が8割以上の事業所を全体の7割以上とすることを基本とします。 (p.64) (2)区の成果目標  障害者の就労意欲の高まりと企業における障害者雇用に対する理解が進むにつれ、障害者雇用の状況が変化してきています。そのような中で、障害者の一般就労への支援や就職後の定着支援が求められています。  区では、障害者の一般就労への移行や定着支援を引き続き進めるとともに、多様な希望や障害特性等に対応することで働き方の選択肢を拡大できるように一般企業での短時間労働やテレワーク等の実現を目指します。 目標項目 【福祉施設から一般就労への移行者数※】 目標:令和元年度の就労移行実績の1.27倍以上 【就労移行支援事業を通じた一般就労への移行者数】 目標:令和元年度の就労移行実績の1.3倍以上  令和元年度末時点:99人、令和5年度末目標:126人。 【就労継続支援A型から一般就労への移行者数】 目標:令和元年度の一般就労移行実績の1.26倍以上  令和元年度末時点:0人、令和5年度末目標:1人。 【就労継続支援B型から一般就労への移行者数】 目標:令和元年度の一般就労移行実績の1.23倍以上  令和元年度末時点:0人、令和5年度末目標:1人。 【一般就労移行者のうち就労定着支援事業の利用割合】 目標:令和5年度の一般就労移行者の7割以上 【就労定着支援事業による就労定着率】 目標:令和5年度の就労定着率8割以上の事業者割合を全体の7割以上 ※品川区障害者就労支援センター「げんき品川」の就労支援事業も含む目標値です。 (p.65) 5 障害児支援の提供体制の整備等                       (1)国の基本指針  児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築を目指すため、令和5年度末までに児童発達支援センターを各市町村または各圏域に少なくとも1カ所以上設置することを基本とします。  また、障害児のインクルージョン(地域社会への参加・包容)を推進するため、各市町村または各圏域に設置された児童発達支援センターが保育所等訪問支援を実施する等、令和5年度末までに保育所等訪問支援を利用できる体制を構築することを基本とします。  重症心身障害児が身近な地域で支援を受けられるように、令和5年度末までに主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所および放課後等デイサービス事業所を各市町村または各圏域に少なくとも1カ所以上確保することを基本とします。  医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、令和5年度末までに各都道府県、各圏域および各市町村において、保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を設けることを基本とします。  相談支援体制を充実・強化するため、令和5年度末までに、各市町村又は各圏域において、総合的・専門的な相談支援の実施及び地域の相談支援体制の強化を実施する体制を確保することを基本とします。 (2)区の成果目標  児童発達支援センター「品川児童学園」を療育拠点とし、相談機能の強化、療育支援の充実、保護者支援等を継続して取り組んでいきます。(再掲)  医療的ケアの必要な重症心身障害児を受け入れる事業者を対象として、一定の条件のもとで運営費および開設準備経費の一部助成を行い、区内の重症心身障害児の受け入れを促進します。  保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場を設置し、医療的ケア児が地域で必要な支援を受けるための課題や対応策について継続的に意見交換や情報共有を行い、医療的ケア児の成長を支える連携体制の構築を目指します。また、医療的ケア児が地域で安心して暮らしていけるよう、医療的ケア児等コーディネーターを、令和5年度末までに3名配置します。 (p.66) 目標項目 令和5年度末までに、児童発達支援センターを区内に少なくとも1か所以上設置する。 現況(令和2年度末):1か所、目標(令和5年度末):2か所 令和5年度末までに、保育所等訪問支援を利用できる体制を構築 現況(令和2年度末):実施、目標(令和5年度末):充実 令和5年度末までに、主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所を区内に1か所以上確保 現況(令和2年度末):児童発達支援事業所1か所・放課後等デイサービス事業所2か所。目標(令和5年度末):児童発達支援事業所2か所・放課後等デイサービス事業所3か所。 令和5年度末までに、医療的ケア児のための関係機関の協議の場を設置および開催。  現況(令和2年度末):未開催※、目標(令和5年度末):年1回以上開催 ※令和2年度は開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、延期となりました。 令和5年度末までに、医療的ケア児等に関するコーディネーターを3人配置する。 (p.67) 6 相談支援体制の充実・強化等  (1)国の基本指針  相談支援体制を充実・強化するため、令和5年度末までに、各市町村又は各圏域において、総合的・専門的な相談支援の実施及び地域の相談支援体制の強化を実施する体制を確保することを基本とします。  これらの取組を実施するに当たっては、基幹相談支援センター又は属性にかかわらず、地域の様々な相談を受け止め、自ら対応又はつなぐ機能、多機関協働の中核の機能及び継続的につながり続ける伴走支援を中心的に担う機能を備えた相談支援がその機能を担うことを検討します。 (2)区の成果目標 * 基幹相談支援センターにおける相談機能、地域の相談支援機関それぞれの役割と連携方法を整理し、相談支援体制の充実と周知を図ります。 * 相談支援事業所を充実させるため、人材の育成支援や専門的な指導助言を行うほか、社会的基盤の整備の実情を的確に把握し、必要な施策を確保していきます。また、これらの取組を効果的に進めるため、地域拠点相談支援センターや「品川区地域自立支援協議会」を有効に活用します。 【目標項目】 ・障害の種別や各種のニーズに対応できる総合的・専門的な相談支援の実施  現況:実施、目標:充実 ・地域の相談支援事業者に対する訪問等による専門的な指導・助言の実施  現況:実施、目標:充実 ・相談支援事業者の人材育成の支援の実施(福祉カレッジでの研修回数)  現況:8回/年、目標:8回/年 ・地域の相談機関との連携強化の取組の実施回数(相談支援事業所連絡会の開催数)  現況:6回/年、目標:6回/年 (p.68) 7 障害福祉サービス等の質を向上させるための取り組みに係る体制の構築 (1)国の基本指針  障害福祉サービス等が多様化するとともに、多くの事業者が参入している中、改めて障害者総合支援法の基本理念を念頭に、その目的を果たすためには、利用者が真に必要とする障害福祉サービス等の提供を行うことが重要です。  そのため、都道府県及び市町村の職員は、障害者総合支援法の具体的内容を理解するための取組を行い、障害福祉サービス等の利用状況を把握し、障害者等が真に必要とする障害福祉サービス等が提供できているのか検証を行っていくことが望ましいです。  また、自立支援審査支払等システム等を活用し、請求の過誤を無くすための取組や適正な運営を行っている事業所を確保することが必要となります。  そこで、これらの取組を通じて利用者が真に必要とする障害福祉サービス等を提供していくため、令和5年度末までに、障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に関する事項を実施する体制を構築することを基本とします。 (2)区の成果目標 * 都が実施する障害福祉サービスに係る研修その他の研修へ、区職員及び区内サービス提供事業所職員の参加を促します。 * 障害者自立支援審査支払等システムによる審査結果を分析し、その結果を活用し事業所連絡会を通じて共有します。 * 障害福祉サービス提供事業所に対し、定期的・継続的に福祉サービス第三者評価機関による評価を受けるよう、普及啓発を行います。 目 標 項 目 【障害福祉サービス等に係る各種研修の活用】 ・都道府県が実施する障害福祉サービス等に係る研修その他の研修への市町村職員の参加の有無  現況:有、目標:20人 【障害者自立支援審査支払等システムによる審査結果の共有】 ・障害者自立支援審査支払等システム等による審査結果を分析してその結果を活用し、事業所や関係自治体等と共有する体制の構築  現況:検討中、目標:体制構築