政策評価の結果について 1.政策評価の概要 ………………… P 1 2.令和6 年度品川区政策評価……… P 3 品川区政策評価委員会から区に対する提言 3.改善の方向性 …………………… P 68 提言を受け、区の今後の対応について整理 令和7 年2月 品川区 1 政策評価の概要 (1)基本的な考え方 区の政策について課題の洗い出し・現状の評価を行い、区の行政経営・行政サービスの向 上につなげるため、区民・有識者等で構成する外部評価委員会を設置し、区民の意見を踏 まえた政策評価を実施します。 (2)評価の対象 評価の対象は政策分野(例:地域・子育て・教育・環境・防災等)を単位とします。 令和6年度における評価対象分野は次のとおりです。 令和6 年度評価対象分野 長期基本計画における政策の柱 地域社会 1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 4 地域の活力を高める産業の振興 15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 18 安全と安心を体感できる地域社会の実現 (3)評価の手法 ① 第1回、第2回政策評価委員会(事前検討会)(8月8日、8月15日開催) 委員に対して評価対象の政策分野に係る所管部局より区の取り組みを紹介し、参加委員 相互および区との意見交換を通じ、区の取り組みに対する疑問点を解消する等、区の政 策の理解の促進を図ります。 ② 第3回政策評価委員会(9月10日開催) 対象となる品川区長期基本計画の政策の柱で掲げる「10年後のめざす姿」に向けて現 状の区の課題・問題点や解決に向けて必要なことについてワークショップ形式で委員同 士の意見交換を行います。 ③ 第4回政策評価委員会(専門家分科会)(10月15日開催) 第1回から第3回政策評価委員会における各委員の意見および委員会としての評価をと りまとめた「令和6 年度 品川区政策評価(案)」について、委員長および副委員長に て協議を行います。 ④ 第5回政策評価委員会(11月8日開催) 第4 回政策評価委員会(専門家分科会)で協議した「令和6 年度 品川区政策評価 (案)」の内容について委員会内で共有・確認します。 「令和6 年度 品川区政策評価」を委員長から区長へ提出します。 (4)評価結果の活用 評価結果は、より効果的・効率的な行政運営を行うために、総合実施計画をはじめとす る各種計画や重点政策の進行管理、事業実施方法等の改善、予算編成などに活用しま す。令和6年度は、提言を受けた区の今後の対応について「改善の方向性」として整理 します。 (5)評価結果の公表 評価結果および「改善の方向性」については、議会報告後速やかに区のホームページ等 で公表し、区民への説明責任・透明性の向上を図ります。 令和6年度 品川区政策評価 令和6(2024)年11月 品川区政策評価委員会   目次 Ⅰ はじめに 1 1 あいさつ 1 2 政策評価の概要 2 3 政策評価委員名簿 3 Ⅱ 政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 4 1 政策の概要 4 2 政策への提言 5 3 政策全体に対する評価 7 4 個別の取組に対する評価 12 基本的な考え方1:地域課題を解決する自発的・自主的な活動を支援する 12 事業1:企業・大学等との連携促進 12 事業2:地域振興事業 16 事業3:地域環境整備等助成金 20 事業4:区民まつり経費 23 基本的な考え方2:地域の活動を支える拠点施設の機能の充実・活用を図る 26 事業1:地域活動基盤整備補助 26 事業2:ふれあい掲示板管理費 29 基本的な考え方3:地域のつながりの醸成と安定した団体運営に向けた支援をする 32 事業1:協働推進事業 32 Ⅲ 政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興 36 1 政策の概要 36 2 政策への提言 37 3 政策全体に対する評価 38 4 個別の取組に対する評価 42 基本的な考え方1:区民の生活とにぎわいの中心である商店街を支援する 42 事業1:商店街にぎわい創出事業 42 事業2:商店街ステップ・アップ支援事業 45 Ⅳ 政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 48 1 政策の概要 48 2 政策への提言 49 3 政策全体に対する評価 50 4 個別の取組に対する評価 53 基本的な考え方1:外国人に開かれた地域社会をつくる 53 事業1:地域住民と外国人の交流促進 53 Ⅴ 政策の柱18 安全と安心を体感できる地域社会の実現 56 1 政策全体に対する評価 56 2 政策への提言 57 3 政策全体に対する評価 58 4 個別の取組に対する評価 61 基本的な考え方1:消費生活の安全・安心を確保する 61 事業1:消費生活相談および支援 61 Ⅰ はじめに 1 あいさつ 本書は、令和6年8月から11月の間に5回にわたって開催された品川区政策評価委員会(以下「本委員会」という。)での検討結果を集約した区の政策に対する提言である。 品川区では、過去に実施してきた行政評価を通じて得た経験・課題を踏まえ、令和5年度から「新たな行政評価」として、 区による内部評価である全事業を対象とした「事務事業評価」と、区民意見を踏まえた「政策評価」を実施している。 本委員会は、この「政策評価」を実施するために設置された区民・有識者等で構成する外部委員会である。 令和6年度は区の政策分野のうち、「地域社会」について審議を行った。まず、第1回・第2回政策評価委員会では、 主要事業の説明を所管部局より受け、その内容の良い点や工夫すべき点について意見交換を行った。 そして、品川区長期基本計画で示されている政策分野の「10年後の目指す姿」の実現に向けて、近づいていると感じる点、 さらに工夫していくべき点などについて検討した。次に、第3回政策評価委員会はワークショップ形式で開催し、 委員同士のより闊達な意見交換のもと区の課題および解決に向けた方向性について議論を行った。 そして第4回・第5回政策評価委員会では、これまであげられた様々な意見を踏まえ、提言内容を検討し本書のとおりとりまとめを行った。 限られた時間ではあったが、公募区民や大学生、区内関係団体の代表者や学識経験者といった多様な視点から、 理想の「地域社会」の実現に向けた多くの意見が飛び交う有意義な議論が展開され、区民意見を反映した提言としてまとめることができた。 本提言を踏まえて、品川区の施策および事業の適切な進行管理と事業の見直しや次年度予算編成への反映など PDCAサイクルをより一層強化していくこと、そして、区民の幸福(しあわせ)のために 区民の視点に立った分析および検証が実現できる政策評価制度となるように引き続き取り組んでいくことを期待したい。 令和6年11月 令和6年度 品川区政策評価委員会 委員長 白石 小百合   2 政策評価の概要 (1)基本的な考え方 区の政策について課題の洗い出し・現状の評価を行い、区の行政経営・行政サービスの向上につなげるため、 区民・有識者等で構成する外部評価委員会を設置し、区民の意見を踏まえた政策評価を実施する。 (2)評価の対象 政策分野(例:地域・子育て・教育・環境・防災等)を単位とする。 令和6年度における政策評価の対象分野及び対応する品川区長期基本計画の政策の柱は次のとおり。 令和6年度評価対象分野 地域社会 該当する品川区長期基本計画の政策の柱 1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 4 地域の活力を高める産業の振興 15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 18 安全と安心を体感できる地域社会の実現 (3)評価の手法 ① 第1回、第2回政策評価委員会(事前検討会)(8月8日、8月15日実施) ・委員に対して評価対象の政策分野に係る所管部局より区の取り組みを紹介し、参加委員相互および区との意見交換を通じ、 区の取り組みに対する疑問点を解消する等、区の政策の理解の促進を図った。 ・政策分野に係る所管部局の取り組みについて、委員から良い点や改善点などの意見を集めた。 ② 第3回政策評価委員会(9月10日開催) ・対象となる品川区長期基本計画の政策の柱で掲げる「10年後のめざす姿」に向けて現状の区の課題・問題点や解決に向けて 必要なことについてワークショップ形式で委員同士の意見交換を行った。 ③ 第4回政策評価委員会(専門分科会)(10月15日開催) ・第1回から第3回政策評価委員会における各委員の意見および委員会としての評価をとりまとめた 「令和6年度 品川区政策評価(案)」について、委員長および副委員長にて協議を行った。 ④ 第5回政策評価委員会(11月8日) ・第4回政策評価委員会(専門分科会)で協議した「令和6年度 品川区政策評価」の内容について委員会内で共有・確認した。 ・「令和6年度 品川区政策評価」を委員長から区長へ提出した。 (4)評価結果の活用 評価結果は、より効果的・効率的な行政運営を行うために、総合実施計画をはじめとする各種計画や重点政策の進行管理、 事業実施方法等の改善、予算編成などに活用する。 (5)評価結果の公表 評価結果は、原則として、結果を取りまとめた後速やかに議会へ報告する。 その後、区のホームページ等を通じて、区民に分かりやすく容易に入手できる方法により公表する。 3 政策評価委員名簿(敬称略) (1)学識経験者(3名) 委員長 白石 小百合 横浜市立大学国際商学部・国際マネジメント研究科教授 副委員長 藤沢 烈 一般社団法人RCF代表理事 副委員長 高木 超 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任助教 (2)区内関係団体(4名)50音順 委員 大八木 繁 品川区町会自治会連合会 委員 亀井 哲郎 品川区商店街連合会 委員 駒崎 圭子 一般社団法人でっこぼっこ 代表理事 委員 橋本 久美子 東京商工会議所品川支部 (3)区内在学者(2名)50音順 委員 華垣 琴美 大学生 委員 三好 未緒 大学生 (4)区民(2名)50音順 委員 田中 ひろみ  公募区民 委員 六反 孝幸  公募区民   Ⅱ 政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 1 政策の概要 10年後のめざす姿 ①町会・自治会活動に多くの区民が参加し、地域の支え合いや防災活動などの地域貢献活動が活発に行われ、町会・自治会を中心とした地域のつながりがより深まっています。 ②NPO、商店街、企業、大学等が地域ニーズに応えた社会貢献活動を積極的に展開しています。 ③福祉、防災、子育てなどの身近に起きる課題に対し、町会・自治会をはじめ、社会貢献活動を行う団体がお互いの専門性や先駆性などの強みを出し合い、連携・協力しながら、地域共生社会の実現に向けて活発に活動しています。 ④年齢、性別、国籍等にかかわらず、区民の誰もが地域の一員として、気軽に地域の活動に参加できるしくみが構築されています。 計画策定時の現状と課題 •区は、2016(平成28)年度に「品川区町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例」を制定し、町会・自治会の位置づけや役割を明確にするとともに、区の支援、区民・事業者の役割を定め、町会・自治会がより力を発揮できるよう継続的な支援を推進しています。また、条例の主旨を踏まえ、町会・自治会とマンション住民との交流を深めるための取り組みを促進する必要もあります。 •交通の利便性や住みやすさなど、区の魅力の高まりとともに、新しい住民の転入が続いています。新しい住民の多くは、地域への関わりが総じて弱い傾向にあり、人口の増加に比して町会・自治会への加入や地域活動への参加があまり進まず、地域のつながりの希薄化が見られます。また、町会・自治会の人材不足や高齢化・固定化が進んでいます。 •NPOや社会貢献を行う団体の活動を支援するため、地域振興基金を原資とする資金助成や、すまいるネット*の運用を行ってきました。また、区内企業の社会貢献活動を活性化するためのしながわCSR推進協議会や、大学間の連携による地域活動等も活発になってきています。今後は、このような活動の相乗効果を高めるため、コーディネート機能の充実や連携体制の構築が求められています。  (*)品川区のまちづくりを支える団体活動を広く区民にお知らせし、活動への参加や団体間の交流、情報交換に役立つ情報発信の場として開設されたホームページ。   2 政策への提言 品川区長期基本計画で掲げる「政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現」に紐づく地域社会に関連する7つの主要な事業について説明いただき、その内容について政策評価委員の間で良い点や工夫するべき点について意見交換を行った。全体を踏まえた上で次の3点をこれから区に率先して取り組んでいただきたい事項として提言する。 ①地域活動の活性化 多くの方に地域活動に参加していただくためには個人の「活動したい」という意識を高めるとともに、参加するための負担感を軽減していくことが重要である。現在、本区では美化活動や防犯対策などの環境整備や、区民まつり等にかかる活動に助成を行うことで、その取り組みを促進しているが、このような町会・自治会の活動内容や活動結果を可視化していくことは、住民意識の向上を図る上で非常に効果的であると考える。今後は、こうした各種取り組みが形骸化しないよう時代の変化や政策の目的を的確に捉え内容のアップデートを行うとともに、新たな取り組みに対するモデル事業を展開することで、地域活動の重要性を住民に訴求されたい。 また、区民活動情報サイト(しながわすまいるネット)といったポータルサイトの運営や助成制度により区民活動の活性化を図っていることは効果的である。昨今は団体、個人、営利・非営利機関等、活動の担い手が多様化してきていることを踏まえ、多様な主体が区民活動を実施できるよう制度の在り方について見直しを図られたい。 そして地域活動の負担軽減については、現在、町会・自治会の会計処理の負担軽減のためのサポート制度等を設けているが、このような形で地域活動に付随する事務処理等のルーティン業務の支援を行い、その分の労力・時間を地域活動そのものに充てられるようにすることは効果的な取り組みである。今後も、例えば町会・自治会費の回収や会員への各種連絡など事務的な負担軽減に対する支援を行うことで、地域活動に参加しやすい環境を整備されたい。 ②地域の担い手の育成 地域社会の担い手である町会・自治会役員の高齢化や加入率の低下などの問題で、今後、様々な地域活動を実施する上で担い手不足が懸念される。そのため、まずは多くの住民に町会・自治会に加入していただき、町会・自治会活動に積極的に参加していただく必要がある。特にマンション住民を如何にして巻き込むかは課題であり、マンションの理事会を経由しなくても個人で町会・自治会と関わりを持てるような仕組みをつくることが効果的である。また、若者世代の加入・参加についても重要であるため、町会・自治会で扱うテーマが若者世代にとっても関心のあるものになるよう見直しを行うとともに、働く人、子育て中の人など様々な事情がある中でも参加しやすい仕組みを整えていただきたい。 一方で、町会・自治会といった地域住民主体の組織だけでなく企業や学校、NPO法人、区民活動団体なども地域の担い手の1つと捉え連携を促進していくことが重要である。本区では既に区内企業や大学との連携を図っているが、今後は企業や大学側のニーズに対応するとともに、商店街、町会・自治会、地元企業等における人材交流の機会を設けるなど横の連携を深めながら積極的に区の課題の掘り下げを行い、新たな課題の解決に向けた連携を推進されたい。 ③地域活動を行う上での活動基盤の整備 大きく活動場所の整備と情報伝達の手段の整備について言及する。まず活動場所については主なものとして町会・自治会会館があげられる。現在、区では町会・自治会会館の賃貸料や耐震改修費用などを助成しており、活動拠点を維持するための重要な取り組みであると考える。今後はこれらの場が一部の人だけに利用されるものではなく、地域のための活動を行う人や地域住民など多くの人に利用されるように各施設の機能の充実を図られたい。 また、情報伝達手段については現在、「町会・自治会専用掲示板」や「ふれあい掲示板」といった街中に設置する掲示板による方法をとられている。デジタル化の推進が図られている昨今の社会において活用場面が限定的になってきていると思われるが、高齢者等デジタルに不慣れな住民を取り残さないこと、また、取得する情報の選択を相手方に委ねるデジタルコンテンツによる情報発信と異なり、普段の生活で自然と目に入る掲示板は行政や町会・自治会が必要な情報を相手方に発信できる点で長けていることなどから今後も維持していくべきものと考える。一方で、「町会・自治会専用掲示板」と「ふれあい掲示板」といった類似している点もあるので、各掲示板の効果を測定しながら機能役割を見直し、効率化を図られたい。そして、スマートフォンなどのデジタルデバイスを活用する層に対しては、オンライン上でコミュニティの醸成を図るなどデジタルを活用した効果的な情報伝達の方法を検討し、必要な情報を漏れなく行き届くように工夫されたい。 以上が「政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現」に関連する本委員会からの提言である。本提言内容とあわせて「政策全体に対する評価」と「個別の取組に対する評価」に記載したワークショップ形式による委員同士の意見交換の内容や、個別意見についても参考にしていただきながら、品川区の町会・自治会を始めとする様々な担い手による地域活動の活性化を図られたい。   3 政策全体に対する評価 めざす姿の実現に向けた課題・問題点と解決の方向性(ワークショップによる意見交換結果) 〇ワークショップテーマ:理想の地域活動(誰もがつながる魅力ある地域社会の実現) 〇意見 ★担い手不足 (要旨) 町会・自治会については役員の高齢化が進む一方で、加入率の低下や役員の負担の大きさから次世代の担い手が不足している。これまでは自営業の方が中心に役員を担っていただいていたが、そうではない民間企業に勤めている方や共働き世帯の方など多くの方が参加しやすい環境を整える必要がある。また、地域活動を持続可能なものとしていくために住民と地域の関わる機会を設ける必要がある。 今後の方向性としてはまず、町会・自治会の仕事の棚卸をして本当に必要なもののみ町会・自治会の役割として残していくべきである。また、過度に町会・自治会に依存するのではなく大学など他の地域の担い手との連携を推進するべきである。そうすることで町会・自治会の役員の負担が軽減されることが期待される。また、子どもを含め多くの人が地域活動に気軽に関わることが機会をつくることで、地域への愛着を高め、加入率の増加や新たな担い手の育成へとつなげられると良い。 (課題・問題点) ・町会以外のリーダーの育成 ・担い手不足 ・自治会役員の高齢化 ・個別の家族で町会・自治会に加入している意識がない ・これまでは自営業の方が中心 ・町会・自治会の高齢化 ・町会・自治会の役員不足 ・定年後から入る 定年後も入ってこない ・仕事が忙しくなる サラリーマンではできない ・町会の新しいリーダー育成の仕組み化 ・町会・自治会の会費が集まらない ・町会・自治会の加入率が低い ・つながれる仕掛けを作る側の運営の仕組み ・地域への愛着 (解決の方向性) ・つながりの担い手自体はいるので町会依存をやめる ・町会の仕事の棚卸 ・活動している側がやっていて当然と思っているのを変える ・子供たちが運営側として携われる仕組みづくり ・リーダー育成、他の自治体事例、コミュニティスクール ・小学生から知る ・各世代のリーダーを育成する ・大学との連携強化 ・転入時にわかりやすく説明 ・管理会社と大家さんを巻き込む ・「お試し入会」でメリット(友達作り)を感じてもらう ★情報発信・世代間交流 (要旨) 地域の活動については、町会・自治会などがどのような活動をしているかを広く伝えることで関心を高めていくことが重要だと考えるが、現状こうした情報にアクセスしにくい状況となっている。また、世代間交流を推進することで様々な世代に地域の担い手となっていただくことも重要だが、現状そういった機会が少なく、特に若者世代の地域への参加を如何にして促していくかが課題といえる。 今後の方向性としてはデジタルとアナログを組み合わせた多様な情報発信手段を用いて、多くの人に情報を届ける工夫が必要である。特に若者世代へのアプローチとしてはデジタルの活用を重要視する傾向があるが、ブースを設け対面でコミュニケーションをとる場をつくることも効果的であると考える。また、まつりなどの地域のイベントを活用して世代間交流を促進するとともに、様々な情報発信を行っていけると良い。 (課題・問題点) ・つながれる仕掛けを作る側の運営の仕組み(再掲) ・情報をどう流し、どう受け取れるか ・多様な情報発信手段 ・連携の情報にアクセスしにくい ・事業の内容がイメージしにくい ・掲示板 回覧板 移転 ・世代間で交流できる場が少ない ・横のつながり強化(弱い) ・大学生・高校生など若者世代の地域への参加 ・多様なステークホルダーの参加コミット (解決の方向性) ・コミュニケーション ・自治会の活動のウェブサイトを作成・更新 ・アナログとデジタルの組み合わせ ・地域のイベントで町会主体をアピールする ・回覧板やアプリの活用 ・区役所や地域センターで情報の拾い方を選択できる ・世代ごとの情報収集ツールをよく調べる ・区民まつり等で町会に誘えたり話せたりするブースを作る ・勧誘ブース (参考)実際のワークショップの意見   政策に対する委員意見 【町会・自治会の在り方に関する意見】 •町会・自治体は防災、高齢化への取り組みの1つの核になるため、気軽に参加でき、区民の輪が広がることを期待する。 •町会・自治会が多様な活動を区民がより活用し、地域の関わりを持てる場となるような方向性が望ましい。 •町会・自治体に関わりやすいような新しい企画に対して、補助金が使えたり、提案できる人がいると良いと考える。 •町会・自治会の会合や催しへの参加割合を高めるための新しい施策が不足していると感じられるため、予算編成の改革を前提として、ハイブリッド参加型運営の支援、将来的には仮想空間を用いた区民参加の仕組みの整備等の変革が必要だと考える。 •10年後のめざす姿の中心として町会を位置づけていたが、町会の高齢化や担い手不足等、町会側の課題がある中でどの程度の現実性があるか疑問を感じたため、町会の改善シナリオ以外に複数のシナリオを想定して対応を検討する必要があると考える。 •町会の役割を段階的に行政が引き上げていく必要があると考える。 •町会を運営する新しいリーダーを育成するためのプログラムの実施と募集等の仕組みを意図的に作る必要があると考える。 •自治会の存続のためには次世代区民の加入が必要だが、ただ数を増やすことを目的とせず、数年の区の人口、年代比率を考慮しながら、自治会自体の目的やメリット等を考え直す必要があると考える。 •町会のあり方について方向性を検討するために区民貢献意識に関する調査を実施する必要があると考える。 •社会環境変化を考慮し、将来的な町会・自治会のあり方や位置づけを検討する必要があると考える。 【地域活動の促進や地域のイベントの活性化に関する意見】 •地域で活動したい意識と負担感の大きい活動の乖離をいかに埋めるかが課題であると考える。 •町会・自治会活動に参加しようとすると、準備や会合などもあり多くの労力が必要となる。日中仕事があったりするとそこが負担になり参加が難しくなるのではないか。 •区内大学でボランティアサークルがあれば、サークルと協働して地域活動を大きくできると考える。 •町会・自治会の場で、高齢・中年齢・若年世代が気軽に活動できるような仕組み作りが課題であると考える。 •高齢化が進む中、高齢者主体から若者主体を意識すべきであり、大学生の運営への参加や小中学生の授業の一環として運営を考える企画等を検討する必要があると考える。 •地域活動は、現在の担い手である高齢者の活動の場という位置づけもあると思うので、世代交代をつなげられるようなサポートが必要だと考える。 •現在の町会・自治会のように、地元出身の人・高齢者を中心としたコミュニティとは異なるルートから地域に参加することで、町会・自治会とも連携・融合する形も描けると考える。 •自治会同士での連携だけでなく、自治会と様々な関係機関と連携するための補助金が今後増えると良いと考える。 •地域の町会・自治会以外のNPOとの連携が大きな課題だと考える。 •地域のNPOや企業を絡めるような観点の良さと今までの良さを合わせたシステムを考えられれば効果的だと考える。 •区民まつりに対する区民の多様な考えに柔軟に対応できるような仕組みを整えることで、部分的でも貢献を引き出すことができると考える。 •子どもをお客様扱いする傾向があるが、もっと子どもがもてなす側になるような取り組みも必要ではないか。 •女性参加のしやすさやビジネスの要素を取り入れるなど工夫が必要。現在の取り組みを生かしながら、新しい試みを取り入れていってほしい。 •次世代の担い手が「やってもいい」と思えるようにならなくてはならない。 •地域の活動に若者が参加したいと思える場づくりを期待する。 •地域課題やニーズを自主的に解決し、強みを生かした活動を支援できるように時代に合った柔軟な考え方を持ち続け、話し合いをすることが効果的だと考える。 •「しながわすまいるネット」のような様々な活動団体の案内を集約したサイトをより多くの区民に活用してもらうための工夫ができればサイトの良さがより活きると考える。 【地域住民への情報発信に関する意見】 •ITのみでは限られた人に情報発信されてしまうため、これまで地域活動に参加できなかった人に対して、事業活動内容をアウトリーチする仕組みの導入が必要であると考える。 •掲示板、SNS、ホームページなどいろいろな情報発信ツールがあり、それぞれ長所がある。個人的に良いと思うのは品川区のメルマガなどプッシュ方式で情報を取得できるものである。こうした取り組みも広められれば良いと思う。 【企業や大学等との連携に関する意見】 •日常的に災害と隣り合わせの中、地域社会が相互に協力していく必要がある。 •商店街や企業が積極的に地域社会に貢献することが重要である。 •やりがいや新しいことへのチャレンジに意欲的な若年層に、新たなものを提案できる場のイメージを伝えることで、興味関心を持ってもらいたい。 •区と企業、区と大学が、相互に目に見える形での連携体制を形成すべきである。 •地域課題を解決する企業や大学等の自発的な活動を支援している点が効果的だと考える。 •企業および大学に属している昼間区民も含めた区民の活躍を後押しする仕組みが見えにくいため、地域横断型の魅力ある地域社会の実現を図る必要があると考える。 •スタートアップや中小企業等を含め、区民関連産業団体を巻き込むことで、連携の広がりが期待できる。 •商店街や町内会等との人材交流、人材交流の機会があると「10年後のめざす姿」に向けた進捗が見込めると考える。   4 個別の取組に対する評価 基本的な考え方1:地域課題を解決する自発的・自主的な活動を支援する •地域住民の親睦や、つながりを深める活動をはじめ、地域の支え合いや防災活動など、さまざまな分野での地域のニーズに合った活動を支援します。 •ICT(情報通信技術)の活用により、地域活動の情報を容易に取得するだけでなく、新たなツールとして活用の促進を図ります。 •町会・自治会が、各地区内に会館などの活動拠点を有し、その拠点を中心にさまざまな地域活動団体との協働の輪を広げられるよう支援します。 事業1:企業・大学等との連携促進 概要及び取組状況 (目的) 区と企業の協働により様々な施策を展開するとともに、企業同士の連携を促進し、地域の活性化につなげる。また、区と大学等との包括的な連携のもと、区と大学および大学間等での一層の協力関係を構築し、地域課題の解決や大学等の教育・研究機能の向上を促進し、地域社会の発展に寄与する。 (概要) ・「しながわCSR推進協議会」の活動を通して、会員同士(区および企業)の連携を深める機会を設定する。会員が連携し、それぞれの特性を活かすことで、地域の活性化や地域課題の解決に向けた活動を実施する。 ・「しながわ大学連携推進協議会」を通じて、区と大学が連携を深め、地域に根差した事業を展開することで、地域活性化につなげる。事業実施を促進するため、地域社会貢献活動支援補助金を支給し、大学が事業を実施しやすい環境を整備する。 (取組内容・実績) ・区内企業との連携促進について、総会、幹事会、課題別分科会、CSR講演会・活動事例発表会、合同活動等を実施した。会員からの相談に対し、所管課と連携し、地域貢献などの活動へ繋げた。 ・大学等との協働の推進について、会員6大学による区との連携事業や地域貢献活動を掲載したリーフレットを作成・配布した。地域社会貢献活動支援補助金交付実績4校である。 (必要性・有効性) ・区内企業との連携促進について、「SDGs」「サステナビリティ経営」等が注目され、企業による地域課題の解決に向けた活動の動きも活発化しており、協議会への関心が高まっている。企業による地域課題への取り組みが活発になることで、区や地域とのかかわりが深まり、地域のにぎわい創出・課題解決につながっている。 ・大学等との協働の推進について、大学との連携事業は、環境・教育・福祉・地域活動など区と大学の様々な協働を円滑にするとともに、地域社会貢献活動支援補助金を活用し、各大学の研究と地域の課題を結びつけることで、大学の社会貢献活動を促進している。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 2,198 1,578 0 620 71.8% ※額は千円単位 (指標の達成状況) ・区内企業との連携促進について、毎年、3~4企業の協議会加入があり、企業の区の地域課題への関心が高まっている。令和5年度末の会員企業数は97企業となり、目標を達成している。 ・大学等の協働の推進について、区内大学7校のうち、6校が協議会へ加入している。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •区には有力な企業や大学が複数あり、連携を推進している点を評価する。 •区に所属するほとんどの大学と連携できている点が良いと考える。 •区内企業との連携促進および大学等との協働の推進を実施している点が良いと考える。企業や大学等との連携・協働により、多様な地域課題を解決する契機となり得ると考える。 •企業の社会貢献活動ニーズと連携できている点が良いと考える。 •企業や大学との連携をすることで、地域の課題を解決することは非常に重要だと感じた。 •昨今、企業も大学も地域社会との連携活動の実行と見える化が必要とされているが、協議会形式で組織的に取り組まれている点が良かった。 •大学という地域資源を活用し、新たな可能性を検討する姿勢は良いと考える。 •商店街や企業が積極的に地域社会に貢献することが重要である。 •区民や自治会の声を聴き、反映した取り組みを行っている点が良いと考える。 •学生として、区との協働プロジェクト等に取り組みたいと思ったときに、品川区役所なら話を聞いてくれるという安心感が、連携の成果として表れていると感じる。 •既に企業と区、大学と区、地域主体団体と区の連携ができていることは効果的である。   ◆改善・工夫が必要な点 【情報発信、制度周知に関する意見】 •連携を深めるために窓口を増やし、情報共有を分かりやすくしてほしい。 •リーフレット等での取組の認知度が低い。 •連携に関する情報収集できる場が限られ、情報にアクセスしづらいため、参加へのハードルが上がってしまっている。 •区・協議会作成のパンフレットやリーフレットの意義が分かりにくいため、デジタル化や協議会未加入組織等へのPR等、受け手のニーズに合った情報発信の方法を検討する必要があると考える。 •区民や行政と連携しながらプロジェクトに参加したい学生が多い反面、その情報にアクセスしにくいことが課題としてあげられる。 •大学のゼミで教授から連携している事業があるということを教えてもらうことが多いが、直接生徒自身には情報が回ってこないと思っている。大学側もハードルを下げ、生徒に直接、事業や取り組みの説明をし、参加を呼び掛けるよう工夫することが必要だと感じた。 •ゼミの中で、品川区内で活動したいが、学生1人のプロジェクトは規模が小さく発展が難しいという人がおり、他大学との連携もツールが無くて困っている状況であると聞いた。本事業が周知されれば、活用されるのではないかと思った。 【効果検証についての意見】 •指標の設定について、区内でCSR推進協議会の会員になり得る企業がどのくらいあり、目標値は全体の何%にあたるのか。検討会内で回答いただいたが、入るメリットが企業に伝わっていないのではないか。 •本事業の進捗を測る指標として、「会員学校数」を使い続けることは事業改善につながらないと考える。 •しながわCSR推進協議会やしながわ大学連携推進協議会の会員数のみが指標になっており、枠組みに入らない企業の取り組みや質的なアウトカムが指標として含まれていない。 •評価指標を連携大学数でなく、助成事業数や助成事業自体の成果の方が、事業の効果を捉えやすいと考える。 【その他の意見】 •企業は、様々な属性によってニーズが異なるため、連携を広げるためには企業にニーズを直接うかがって、戦略につなげていくと良いと考える。 •大学は、加入数がほぼ上限に達しているため、連携活動の質の向上を図ることが望ましい。 •連携を活かして、横のつながりを広げる必要があると考える。地域主体である区民(町会、自治会、商店街等)、課題解決に取り組みたい企業、大学をつなげるシステムが発展すべきであると考える。 •区と企業、区と大学といった主体別の連携・協働に留まっているため、多様な地域課題を解決するためには、産官学民連携の強化や企業、大学、組織・団体に限定せず、個人の能力を資産化する仕組みが必要であると考える。 •協議会経由ではなく学生が直接応募可能な事業とすることで活性化が見込めると考える。 •企業や大学、昼間区民を含めた企業の従業員や大学の学生が抱える地域課題への対応ができる仕組みができると良いと考える。 •個人や団体が当事者意識を持てるように、興味を持って参加できる仕組みづくりや参加によるインセンティブ等の提供できればよいと考える。 •品川区が見えている範囲の連携にとどまっている可能性があるため、区が見えていない取り組みに対して手が上がるのを待つのではなく、発掘する必要があると考える。  事業2:地域振興事業 概要及び取組状況 (目的) 「品川区町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例」(平成28年4月制定)に基づき、地域社会の福祉と住民生活の向上発展のため、地域に関心を持った区民がともに地域の問題を考える。その地域の問題を解決し、互いに助け合う連帯感に支えられた地域社会が形成されるよう、コミュニティ活動の担い手である町会・自治会および品川区町会自治会連合会や各地区の町会・自治会連合会に対して、活動助成を行う。 (概要) ・町会自治会連合会助成、町会・自治会児童参加地域事業補助、町会・自治会新規事業定着化補助、町会・自治会運営事務サポート、町会・自治会加入促進、町会・自治会法人化事業、地域情報発信事業、地域課題の自主的解決支援、町会・自治会活動活性化支援、地域力連携促進補助に取り組んでいる。 (取組内容・実績) ・各種補助制度の活用を促すため、各地域センターの町会長・自治会長会議等で制度説明を行った。 ・町会・自治会の事務会計処理等の支援では、行政書士による補助金申請書や予算書、決算書の作成支援など運営に係る事務処理をサポートし、役員等の負担の軽減を図った。 ・令和元年度から町会・自治会加入ハガキへのQRコード掲載により電子申請を可能にすることで、区民の利便性を向上させた。加入件数はハガキ、電子申請合わせて89件だった。 ・区HP(町会・自治会ページ)へアクセスできるQRコードを貼付した加入促進用紙袋を作成し、転入者へ配布することで町会・自治会への加入促進を図った。 (必要性・有効性) ・役員の高齢化や担い手の減少などの影響から、書類の作成など事務処理に時間がかかり運営が滞ってしまうケースが見受けられるため、町会・自治会の運営に関する事務的作業を行政書士に代行させることにより、円滑な運営を図っていく必要がある。加入申込ハガキ等を活用し、町会・自治会加入促進を支援することが、各組織運営の担い手不足解消に対して有効である。 ・また、マンションの町会加入について苦慮しているケースも多く、併せて支援していく必要がある。令和2年度から令和3年度にかけて実施した「町会・自治会活動活性化促進調査」の結果を踏まえ、町会・自治会の活動に対し、ハード面・ソフト面、両方への様々な支援を進めていくことが求められている。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 74,175  67,923 0 6,252 91.6% ※額は千円単位  (指標の達成状況) ・児童参加地域事業補助金について、令和5年度のみの特例措置として、補助率・上限額・申請回数を拡充したため、実績が目標値を大きく上回った。 ・運営事務サポートについて、東京都への補助金申請について件数が増加している。引き続き制度を丁寧に説明し、積極的な活用を促していく。 ・町会・自治会への加入申込件数について、目標を達成した。令和5年度は電子申請52件、ハガキ申込37件と利便性の高い電子申請がハガキを上回っている。 ・町会・自治会の会合や催しへの参加割合が高まるよう、町会・自治会活動の活性化に向けた様々な支援を引き続き進めていく。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •町会・自治会の事業推進のため、児童の参加、会計処理、加入促進、催し物開催に支援することは良い取り組みであると考える。 •幅広い町会・自治会活動の発展を支援する助成活動は、重要かつ有効であると考える。 •防災をはじめ、多機能を有する自治会を多方面から支援している点が良いと考える。 •制度を丁寧に説明し、活用率が増えた点が良いと考える。 •運営停滞回避につながるような町会・自治会運営事務サポートの都への補助金申請件数が増加している点が良いと考える。 •コロナ禍後に町会や自治会の加入が増え、町会や自治体を中心とした地域のつながりを深めていく未来に可能性を感じた。 •町会同士の好事例集の共有やサポーター派遣制度は、高齢化している町会運営に効果的だと考える。 •サポーター参加という考え方が良いと考える。 •自治体加入前のサポーター制度は、加入前の制度として安心できるため良いと考える。 •町会・自治会運営役員による運営にとどまらず、外部のマンパワーの活用およびICT導入を実施している点は効果的だと考える。 •町会・自治会はコンサルタントを入れて積極的に課題解決に向かっている点が良いと考える。 •町会・自治会専門のコンサルタントを活用することで専門性を補完し、持続可能性が高まるため、効果的であると考える。 •23区ではじめて条例を制定したのは素晴らしい。目標をたてているので、どのように達成していくかが重要だと考える。いろいろと事例調査などをして、好事例を町会に還元していくとよい。 •活動助成の支援金が利用者である品川区町会自治会連合会からも助かっていると意見が出たため良いと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 【町会・自治会加入、地域活動への参加についての意見】 •町会・自治会加入促進について運営側でどのような検討や対策が講じられているか分かりにくい点を改善する必要がある。 •町会・自治会の加入について、データ分析に基づいて加入促進することが必要である。 •会員減少傾向や参加率低迷状況の根本的な原因の追求と対応が必要である。 •自身はマンションの住人であるが、マンションの理事会によって地域との関わり方が異なっている。地域と関わりたいという個人はいると思うが、マンションの理事会の役員にならないと地域に関わることが難しかったりもするので、そうした人たちが地域活動に参加しやすくなる仕組みがあると良いと思う。 •助成金については町会としては助かっている。課題としては役員の高齢化があげられる。あとはマンション住民などの加入率が低いことも課題である。年々、町会・自治会会員が少なくなっている。マンションについても小さい規模が多くなっており特に加入者を集めることが大変である。 •町会については参加率も重要だが、町会費をおさめることの納得感を高めることも重要。 【若者の巻き込み方についての意見】 •若年層が運営側ではなく、参加側としてしか参加しにくい点を改善すべきであると考える。 •若者の加入率の課題に対して、自治会等で扱う内容が若者向けのテーマであるか考え直す必要があると考える。 •世代や属性等対象に合わせたテーマ設定が必要であると考える。 •小さい頃、おまつりなどに参加していたが、大人になるにつれ、関わる機会がなくなってきた。若い人も同年代で仲間を集めて町会活動に関わる機会があると、興味ある若者が参加しやすくなると思う。 •各地域の若者に、町会・自治会に加入する良さや納得感をどう伝えていくかが問題である。近隣住民や移住住人は入りにくい雰囲気の町会・自治体が多いように感じるため、NPOや企業にファシリテーターとして入ってもらい、ハードルを下げることが必要だと考える。 •町会や自治会への加入を促すチラシの配布のみでは加入率は伸びにくいと考えるため、若年層の区民に根差したSNS等のツールを積極的に活動し、町会や自治会の活用をより広く発信する必要があると考える。 【町会・自治会運営についての意見】 •町会・自治会運営にあたり、会計処理等の説明責任が重くなっているため、事務処理の省力化ができる仕組みを区民とともに開発し、浮いたエネルギーを活動本体に向けることが望ましい。 •町会・自治会の役員の高齢化や自治会費の徴収の課題に対する改善が必要である。 •事務処理等をサポートする行政書士等に"その地域で得意な人"につなげられるようなイメージを加えられると良いと考える。 •「町会自治体活動好事例集」の活用や町会自治体連合会と協働での働きかけ、小規模単身向け集合住宅の管理会社や管理人との連携強化の仕組みが必要だと考える。 •高齢化により町会・自治会の機能が弱まっているように感じられたため、地域のNPOや企業との連携を図る取り組みに対する支援を継続する必要がある。 【効果検証についての意見】 •既存の経常的な予算とは別に、新しい取り組みに対するモデル事業の実施等を検討するべきである。 •毎年同様の事業が継続しているため、形骸化しやすい点は改善すべきである。 •補助上限額や補助件数を操作して目標値に近づけるのではなく、アウトカムから逆算するアプローチを継続してほしい。 •指標「町会・自治会の児童参加地域事業の支援」について、既に目標値を大きく上回っている。目標設定をコロナ禍の数値を基準にしている場合、見直す必要があると感じた。 •SNSやその他サービスを用いて、オンラインコミュニティの評価や活動をする必要があると考える。   事業3:地域環境整備等助成金 概要及び取組状況 (目的) 町会・自治会が町会内の環境整備等のために実施する交通安全や町内美化等の各種事業の拡充強化を図り、当該事業の運営に寄与する。また、区民の良好な生活環境を保全し、快適で住みよい地域社会の形成に寄与するため、13地区連合町会が実施する美化推進事業に補助金を交付し、環境美化の推進を図る。 (概要) ・環境整備助成、競馬場周辺地区環境整備特別助成、地域コミュニティ活性化助成、美化推進事業補助に取り組んでいる。 (取組内容・実績) ・町会・自治会内の環境整備等のために実施する事業の拡充強化および地域コミュニティの活性化を図るため、町会・自治会の交通安全、町内美化、青少年育成、福祉増進、防犯対策等への取組に対し助成金を交付する。令和5年度は199町会・自治会へ交付した。 ・美化推進事業について、品川区13地区各町会・自治会連合会がそれぞれ実施する美化推進事業に補助金を交付する。令和5年度は計画通り13地区へ交付した。 (必要性・有効性) ・町会・自治会の様々な活動に対し支援していくことは、地域コミュニティの一層の活性化を図るために必要である。 ・13地区各町会・自治会連合会に補助金を交付し、自主的に美化推進活動を実施することに要する経費を助成し、清掃活動が促進されることで、地域への愛着力や連帯感の醸成および快適で住みよい地域社会の形成に寄与することが期待できる。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 99,985 99,139 0 846 99.2% ※額は千円単位   (指標の達成状況) ・各町会・自治会に対し助成金を交付した。なお、令和5年度の実績(環境整備助成金、地域コミュニティ活性化助成金)のうち、コロナ禍以降、活動が低調となっている1町会、1自治会からは、申請がなかったため未交付である。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •町会・自治会の活動が広範であり、地域社会に大きな貢献していることが確認できた。 •町会と自治会が関わりながら地域の美化活動を行う取組として重要である。 •手厚い助成を整備し、町会の活動を積極的に支援している点が良いと考える。 •町会・自治会の環境整備等を目的とした事業の拡充強化に助成金を交付していることが良い点だと考える。地域環境が整備されていることが可視化しやすく、防犯対策や町会・自治会加入促進のPRにもつながり、地域コミュニティの活性化を図るために住民参加型の施策は必要だと考えるためである。 •町会自治会連合会が実施する環境美化の促進を目的とした事業に補助金を交付している点は、住民が日常生活の中で美化活動の恩恵を受けていることを感じることができ、地域への愛着へのきっかけに有効なため、良いと考える。 •緑化活動は、定期的に花壇に植えられている花を見ると気持ち良いうえ、高齢者と子供のかかわりが生まれる良い活動だと考える。 •吸い殻回収活動は、ボランティアで実施されているおかげで景観が保たれていると実感している。 •町会・自治会の環境整備等によって地域のつながりに注力している点は効果的であると考える。 •街中に花が植えられていたりしてきれいだと感じる。こうした見える形で活動の成果が住民に伝わると良いと思う。   ◆改善・工夫が必要な点 【活動の継続性についての意見】 •毎年同様の事業が継続しているため、形骸化しやすい点は改善すべきである。 •助成金申請の有無に関わらずコロナ禍以降活動が低調となっている町会・自治会への働きかけが見えないため、助成金の執行状況の精査と活動活性化のための人的介入の実施が必要だと考える。 •助成の金額だけでなく、活動の内容として継続できているかを見ていく必要がある。また、企業との連携、NPOとの連携など新しい事例を共有して、良い取り組みを横展開していく必要がある。 •区として、受け身の事業とならないように考慮し、助成金に加えたサポート体制が必要であると考える。 【活動の活性化についての意見】 •既存の経常的な予算とは別に、新しい取り組みに対するモデル事業の実施等を検討するべきである。 •具体的にどのような人が活動しているのかが見えるようになれば、参加していない人の意識が高まる可能性がある。 •美化活動について地元企業との連携等も検討したい。 •良い活動についてはさらにPRすると参加者が増えるのではないか。 【効果検証についての意見】 •指標の設定について、「競馬場周辺地区環境整備の支援」の件数は達成が容易であるため、関連する有効な指標を別途設定する必要があると考える。 •補助金の成果のフィードバックが分かりにくいと感じたため、分かりやすくまとめられた資料などがあれば、区民にとっても効果的だと考える。 •指標の設定について、「10年後のめざす姿」(アウトカム)から逆算して検討する点が不足していると考える。 •指標の「競馬場周辺地区環境整備の支援」と「美化推進事業支援」については、元々支援対象となる対象が27と13で、助成を断る団体もないので当然のように補助金を出せているだけのように思える。アウトカムを意識した指標に変えたほうが良いのではないか。 •計画の見直しのタイミングなどで指標についても検討いただきたい。 【その他の意見】 •自身の経験上、取り組み自体に魅力があるものの、情報が拾いにくいため、地域の"生活の中にある教育"というような視点でも意識的に広められるような取り組みにできたらよいと考える。 •緑化活動などは予算を開示し公募することで、地域内から町会を経由せずに担い手が現れる可能性があると考える。  事業4:区民まつり経費 概要及び取組状況 (目的) 区内在住、在勤者等を含め、区民のだれもが気軽に参加し、楽しめるまつりを幅広く行う。また、このまつりを通じて、人と人とのふれあいや連帯意識を深めることにより、明るく豊かなまちづくりを進めていく。 (概要) ・町会・自治会、青少年対策地区委員会等が組織する実行委員会が実施する区民まつりの経費の一部を補助することで、運営する地域の方々をはじめ、まつり参加者間の地域のふれあいおよび連帯意識の向上を図っている。 (取組内容・実績) ・計13地区にて区民まつりの実行委員会が企画運営を行い、区立小中学校の校庭や体育館、公園等を会場に、盆踊りや模擬店、子どもコーナーなどを実施している。参加延べ人数は、74,325人であった。 (必要性・有効性) ・盆踊りや子どもコーナーなど大人から子どもまで楽しめる内容を実施することで、地域のふれあいおよび連帯意識が向上し、明るく豊かなまちづくりとコミュニティの醸成が期待できる。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 19,445 19,109 0 336 98.3% ※額は千円単位 (指標の達成状況) ・全13地区で開催し、開催地区、参加人数がともに目標に達しており、コロナ禍前以上のにぎわいを取り戻している。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •全ての地区で区民まつりを毎年開催していることが良いと考える。 •コロナ禍以前を超える集客があったことが良いと考える。 •経済面での開催を断念する心配がないことから、経費補助を行っていることが良いと考える。 •コミュニティを維持するために区民まつりは有効であると考える。 •誰もが参加できる区民まつりを通じて、地域のふれあいや連帯意識の向上を図っている点が良いと考える。 •町会自治会等を中心に区民まつりを通じて、明るく豊かなまちづくりを推進している点が効果的だと考える。 •区の公共施設を会場にしている点が、行政ならではの取り組みで良いと考える。 •地域の人が集まる場が、普段と違った目的の場であるため、地域の人がその場を知るきっかけにもなり、様々な活用方法を今後柔軟に考えていけると資源が活きると考える。 •事業全体として、準備の段階から実施、片付けまで、全て地域の人達のみで実施していることが良いと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 【新たな課題への対応についての意見】 •熱中症対策等、取り組むべき課題への対応を着実に行う方向性が重要だと考える。 •人手不足や熱中症対策等の新しい課題への対応が求められると考える。 •区民まつりで苦労するのは開催場所や開催時間の問題である。特に夏場の日中は暑く熱中症の危険なども出てくる。 •クレームによって開催場所に困っているという意見があったため、打つ手があると良いと考える。 【継続性についての意見】 •資金面以外でも課題があることが明らかなため、継続するために区と町会・自治会が相談しやすい関係で、開催者の声を聞くべきと考える。 •区民まつりがマンネリ化しないために、毎年テーマを変えたり、催し物に統一感を持たせたりする取り組みが効果的ではないかと考える。 •好事例の収集と共有は図られたい。 •少子高齢化という視点から、イベント自体を縮小する方向性も一つの選択肢としてあげられる。 •13地区のあり方についての検討がなされているか不透明なため、企業・大学、団体等と連携し、資金や運営面での支援を検討する必要があると考える。 •区民まつり自体が歴史的には自発的・自主的な活動として捉えられる形でも、その下部組織やその末端会員においては義務的になっており、持続性に疑問を感じるため、参加者が地域の自主的なお祭りであることを認識することを促し、参加者が運営側に回ってでも存続に貢献したいという流れができればよいと考える。(区民まつり経費)   【効果検証についての意見】 •「区民のだれもが気軽に参加」するという事業目的に沿うよう、バリアフリーの工夫を導入する場合は補助金を増額する等、目指す姿に誘導する工夫を施す必要があると考える。 •各地区での恒例行事として内容が定番化している印象を受けたため、複数地区の連携や開催テーマ設定による効果測定等工夫が必要であると考える。 •外国にルーツのある住民の参加率等のより詳細なデータに基づいて補助金の傾斜を検討する必要がある。 •指標「開催地区数」については、おそらく全地区が対象で全地区を支援しているという内容になっていると思うが、これでは助成金の必要性等については見直されず漫然と助成金を支給するだけになってしまうのでないか。アウトカムから逆算して指標を設定することが望ましい。 •指標については何を達成しようとしているかを意識したものにしてほしい。   基本的な考え方2:地域の活動を支える拠点施設の機能の充実・活用を図る •地域のイベントへの参加機会の拡充や、活動が持続的に行われていくための活動拠点の確保の支援など、環境の整備を進めます。 •町会・自治会館の整備・充実とともに、公共施設の多機能化・機能融合を図り、誰もが気軽に集まり、地域のつながりを深められる施設運営を進めます。 事業1:地域活動基盤整備補助 概要及び取組状況 (目的) 区内の町会・自治会が会館や掲示板等の整備を行う場合、その費用の一部を助成にすることで、地域住民の自治意識を高め、区政への参加を促進する。 (概要) ・町会・自治会会館建設等補助、耐震診断・耐震補強設計補助、耐震改修補助、町会専用掲示板設置補助、町会・自治会施設賃借料補助、町会・自治会会議室等使用料補助に取り組んでいる。 (取組内容・実績) ・町会・自治会館の耐震改修工事を実施しようとする町会・自治会に対し、工事に必要な経費の一部を助成した。 ・町会・自治会が掲示板の新設・建て替え・修繕を行う経費の一部を助成した。 ・賃貸借契約等により活動拠点を構える町会・自治会に対し、賃借料の一部を助成した。 (必要性・有効性) ・町会・自治会活動の拠点となる会館の耐震性の向上を図ることは、災害に強いまちづくりの推進とともに、ハード面から町会・自治会活動を支えるために有効である。 ・町会・自治会専用掲示板を整備することは、活動のための地域情報を発信する上での必要なツールであり、地域活動の活性化に効果的である。 ・品川区の特性として地価や物件価格が高く、町会・自治会が会館を自己所有することが財政的に困難であるが、賃借により町会・自治会が活動拠点を確保することで、会議、催物、グループ活動等の場として広く地域住民に利用され、地域コミュニティの活性化が期待できる。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 66,390 21,007 0 45,383 31.6% ※額は千円単位   (指標の達成状況) ・令和5年度は、1件の耐震改修工事に対する補助を行った。引き続き、耐震診断に対する補助事業を含め、耐震改修の必要がある会館についての支援を実施していく。 ・町会・自治会専用掲示板の新設・建て替え・修繕を行った。地域の情報発信がさらに活発化するよう、支援を継続する。 ・活動拠点賃借料補助金の令和5年度申請件数は目標を達成した。 ・より一層活用されることを目指し、引き続き制度の周知を図っていく。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •区民が活動できる場所の整備が重要であると考える。 •地域活動基盤整備補助を通じて、地域活動を支える拠点施設の機能の充実・活用を図っている点が、福祉・防災・子育て等への共助につながり、効果的だと考える。 •町会、自治会館の拠点となる会館の耐震性向上や維持の支援が良いと考える。 •掲示板は、デジタル化で取り残される人々に対するフォローが重要であると考える。 •町会・自治会への加入の有無に関わらず、会館や掲示板等を介して、活動を知ることに効果が期待できるため、会館や掲示板等の整備にかかる費用を一部助成している点が良いと考える。 •掲示板は自分から情報にアクセスせずとも目に入るものであり、街全体のイベント告知に効果的であるため、それに対する修理や建て替えの助成は良い取り組みであると考える。 •今後ICTの導入が進んだとしても、掲示板は有効なものとして継続して使っていくべきだと考えるため、修繕や建て替え補助の取り組みは効果的である。 •SNSについては特定の人しか見ないなど偏りもあるので、掲示板は必要と考える。 •指標として挙がっている3事業は、区民や民間では難しいため、区が支援することに意味があると考える。 ◆改善・工夫が必要な点 【会館等活動拠点についての意見】 •地域の拠点の使い方の説明を丁寧に実施する等、若年層や働く世代の地域住民への取り組みの内容の伝え方に工夫が必要だと考える。 •各町会・自治会による会館の使途が明確になっていないため、情報公開し、閉ざされた空間になることを回避する必要があると考える。 •町会会館は、耐震工事や修繕等に維持費がかかっているため、高頻度で使用されている状態が望ましいと考える。 •町会会館が一時的にしか使用されていない場合は、若者の町会加入の課題と併せて、コミュニティスペースとしての利用を促進することが良いと考える。 •昨今の状況もあり、予算の配分の工夫等により、改修が必要な会館への改修を加速化する手段が必要だと考える。 •助成金を支給しているため、町会会館の具体的な使途をしっかりと確認する必要があると考える。 【掲示板や情報発信手法についての意見】 •SNSやホームページから情報発信できる仕組みを導入する必要があると考える。 •ふれあい掲示板と統合することで予算を削減することも視野に入れる必要があると考える。 •各ポスターの掲示板にネーミングライツを導入し、設置事業の経費を回収する等、税の再配分以外の工夫が必要であると考える。   事業2:ふれあい掲示板管理費 概要及び取組状況 (目的) 地域におけるコミュニティ活動の促進を図ることを目的としており、平成4年から区掲示板の位置づけを「行政情報の周知版」から「地域の情報伝言板」へと見直し、町会・自治会に開放している。 (概要) ・平成6年に名称を「ふれあい掲示板」と改称し、区内に約480基ある掲示板の建て替え、移設、修繕等は区が行い、ポスター掲出、掲出物の整理・整頓等は町会・自治会に依頼している。 (取組内容・実績) ・ふれあい掲示板1基につき、年間約80枚のポスター・チラシの掲示を町会・自治会へ依頼している。そのポスター・チラシの掲示および除去業務、掲示板の整理、掲示板および掲示板周辺の点検業務に対して、補助金を交付した。 ・区は、町会・自治会からの要望に基づき、ふれあい掲示板の必要な建て替え・移設を実施している。 (必要性・有効性) ・誰もが気軽に見ることができる行政情報・地域情報の公的な発信ツールとして、ふれあい掲示板は必要である。各地区の路上など区民の見やすい場所にくまなく設置するなど、有効に情報発信できるよう工夫を図っている。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 6,822 6,004 0 818 88.0% ※額は千円単位 (指標の達成状況) ・令和5年度も引き続き、各地区の町会・自治会連合会に補助金を交付した。 ・町会・自治会からの要望に基づき、ふれあい掲示板の新設およびより視認性の高い場所へ移設した。また区民が安全に利用できるようガラス戸の修繕等を実施した。   事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •区の広域で、地域活動を発信できる掲示板が維持されていることが重要だと考える。 •行政の情報を多くの住民に伝えるために重要であると考える。 •年間約80枚のポスターやチラシを掲示しており、ツールとして活用できている点が良いと考える。 •多様な媒体での発信をすることで、地域共生社会の実現を見据えて行政情報・地域情報の公的な発信方法を改善している点が効果的であると考える。 •デジタルアクセスが困難な区民にとっても地域の情報を入手しやすい掲示板を活用し、かつ町会・自治会に開放、行政情報・地域情報の公的な発信ツールとして活用している点が良いと考える。 •デジタル化が進行する中、掲示板の必要性が少なくなってきているように思われるが安易に廃止にもっていかない方がよい。掲示板のようなアウトリーチの方法は、デジタルに不慣れな人にとって有効は情報伝達手段であると考える。 •SNSなどによる情報収集が多くなっているが、検索ワードなどを意識しないと情報を取得することができない。そうした中で掲示板をみたことで情報を手に入れるという人もいる。 •SNSの情報より掲示板の情報の方が、更新が早かったりもする。そうした意味で掲示板は必要だと感じる。 •日頃掲示板を意識することはあまりないが、コンビニの近くにあるなど分かりやすい場所にあるものは存在を認識している。認識しやすい場所に設置することは重要だと感じる。 •ふれあい掲示板は以前に比べて整理されるようになった。今は枚数も整理され見やすく掲示されるようになった。 •掲示板の管理費用への予算が可視化されている点が良いと考える。 •掲示板の効果を定量化することは難しいため、費用対効果ではなく、活用していく方向性で工夫できると良いと考える。 •掲示板が何気ない地域のふれあいの場として活用されていくことを期待する。 ◆改善・工夫が必要な点 【「町会・自治会専用掲示板」と「ふれあい掲示板」の位置づけについての意見】 •めざす姿(アウトカム)から逆算した際に、役割が自治会用の掲示板と重複していると考える。 •ふれあい掲示板は、比較的大通りの広い道に置かれているようだったが、実験的に町会自治会掲示板のように少し奥まった場所においてみることも効果的ではないかと考える。 •「町会・自治会専用掲示板」および「ふれあい掲示板」を個々に設置する意義が分かりにくいため、設置意義や管理体制、視認性の効果的な場所等を精査し、掲示板の一部廃止や統合、新設を再検討する必要があると考える。 【デジタル化が進展する中での掲示板の意義についての意見】 •掲示板を通じた情報発信が、デジタル化が進む現在だからこそ有効であるということを証明するような取り組みを期待する。 •デジタル化が進む中で、掲示板が担う役割を検討する必要があると考える。 •掲示板にQRコードの併記があれば、デジタルと紙の融合を図ることができると考える。 •情報を知るきっかけとして有効だという意見があったため、きっかけから検索につなげるまでの流れが重要だと考える。 【効果検証についての意見】 •掲示板による効果が曖昧で、新設することが適当な対応なのか疑問に残る。 •区の掲示板の全数に占める割合から、管理の進捗度合いが分かると考える。 •エリアを絞った定量調査によって掲示板の効果測定自体はコンパクトに実施可能だと考える。 •地域コミュニティ活動の促進を図る目的の達成度が不透明なため、掲示板を管理する人員や補助金額等を精査した上で、地域コミュニティ活動の促進を図る目的に妥当性があるか検討が必要だと考える。(ふれあい掲示板管理費) 【持続性についての意見】 •地域で発信をしたい人が掲示板を活用できるように、区民による整備が必要であると考える。 •町会の担い手不足といった課題を抱えながら多様な役割を担っている中、張替え作業等を町会が行っているため、掲示板維持のためには、町会に依存しない形での張替えを実施する実証実験やコスト評価が必要だと考える。 •掲示板張替え作業は、町会への有償委託や町会を経由せず地域住民有志への公募や有償依頼等のパターンで試し、掲示板の持続性の検証の必要がある。 【その他の意見】 •本取り組みについて、若年層や働く世代の地域住民への伝え方を検討すべきだと考える。 •データだけでなく、必要としているターゲットがいるという話し合いをしながらあり方の検討を進めることが必要と考える。   基本的な考え方3:地域のつながりの醸成と安定した団体運営に向けた支援をする •日常の身近なことや地域のことについて区民が話し合い、お互いに支え合うなど、誰もが住みやすい地域をみんなでつくれるような取り組みを進めます。 •町会・自治会や商店街、NPO、企業、PTAなどが、地域の課題やニーズを自主的に解決できるよう、それぞれの強みを活かした活動を支援します。 •年齢や立場にかかわらず、あらゆる方の地域デビューを応援するためのコーディネーターの育成を推進します。 事業1:協働推進事業 概要及び取組状況 (目的) 地域課題の解決や伴走的な支援、多様な団体との連携や情報発信の場を提供することで、区民のウェルビーイング向上や地域活動の活性化を図っている。 (概要) ・区民活動助成制度では、助成金交付により、区民活動団体の育成を図るとともに、地域課題を解決することで、区民のウェルビーイングの向上を目指す。 ・相談・研修会等では、NPOサポートセンターと連携し、地域貢献団体への伴走的な相談機能の充実と補完的な研修により、活動の充実を図る。 ・しながわ地域貢献活動展では、NPO、ボランティア団体、社会貢献活動をしている企業等を対象に、地域の多様な団体との協働を推進するため、団体相互の協働促進と区民向けの協働啓発を図る。 ・区民活動情報サイト(しながわすまいるネット)では、様々な分野の団体・サークル等の情報を集め、活動の紹介、メンバー募集、イベント案内等を自ら発信・検索を行う場を提供することで、活動の活性化を図る。 ・協働推進室運営経費等では、協働推進室の運営と地域貢献団体への活動の場の提供を目指す。 (取組内容・実績) ・地域振興基金を活用した区民活動助成制度については、令和5年度の助成金事前相談が12団体(延22回)で、申請が7件、採択が7件、助成額が3,762,000円であった。 ・相談・研修会等のうち、団体相談については、令和5年度の相談件数(年12回)が35件、 オンライン研修については令和5年度(全3回、1回につき2週間配信)の参加者数が89人、視聴回数が200回であった。 ・しながわ地域貢献活動展については、令和5年11月11日(土)きゅりあんイベントホールの出展団体数が30団体、来場者数が約500人であった。 ・区民活動情報サイト(しながわすまいるネット)については令和6年4月現在、登録団体数は136団体、アクセス件数が約13,000件/月であった。 ・協働推進室運営経費等については、交流スペース利用団体数が19団体であった。 (必要性・有効性) ・区民活動団体が自立して連携しあい、地域課題を解決するためには、各団体の組織面、資金面などの基盤強化支援が必要かつ有効である。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 21,535 16,076 0 5,459 74.7% ※額は千円単位 (指標の達成状況) ・区民活動助成申請件数については、令和5年度は申請団体すべてが助成金の採択をされ、目標値を達成している。 ・個別相談件数については、令和5年度に相談実施回数を増やしているが、それに応じた相談件数も目標値を達成している。 ・しながわすまいるネット新規登録団体件数については令和5年度まで毎年新規登録団体数は目標件数を達成しており、登録団体総数は136団体となっている。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •社会課題を中心として集まった組織への支援があることは、新しく生まれる課題に迅速に対応するために良い枠組みだと考える。 •民間NPO団体の取り組みが昨今みられるが、行政発信で事業を行うことに意義があると考える。 •NPOや企業等が活動するための基盤が重要であるという視点が良いと考える。 •ソーシャルビジネスに取り組んでいる企業も増えているので、そういった活動も重要である。一方で事業性を求めることでコストが高くなってしまうこともあるので、ボランティア団体の活動などを支援することも合理的ではある。 •市民団体の多面的な支援・育成を進めた結果、「区民活動助成申請件数」が安定している点が良いと考える。 •地域振興基金を活用した区民活動助成制度は、地域の活動を育成する良い取り組みである。 •区民活動団体の組織面および資金面等から基盤強化を支援している点は活動の基盤整備と活性化を図ることができるため、良いと考える。 •団体研修や相談により、取り組み方が分からない人たちの助けになっていると考えられるため、活動をより活発化させられるという意味で効果的な取り組みだと考える。 •「しながわすまいるネット」について、利用者としてイベント情報を知りたいとき、情報が集約化されているため、探しやすいと考える。 •行政または民間に、課題と人、人と人をつなげるハブのような役割ができる人材が増えると良いと考えるため、コーディネーターの育成は効果的だと考える。 •協働推進事業として位置づけられており、区民活動団体が連携することで、地域課題解決に変革をもたらす可能性が期待できる。 ◆改善・工夫が必要な点 【区民活動支援の対象や方向性についての意見】 •区内では幅広いNPOや企業活動しているため、補助を受けていない団体の巻き込みが必要だと考える。 •「区民活動助成申請件数」が横ばいならば、次のステップに進むサインであると感じたため、ソーシャルビジネスをサポートするなど異なる状況に対応する必要があると考える。 •助成金のルールは進化しているが、地域課題をともに解決する人にかかる人件費に対する問題の解決法があると良いと考える。 •行政と民間NPO団体が相互に情報共有、民間に任せる取り組みを移管する等、連携に期待する。 •「自立」についても経済的な自立については実現が難しいところがあるので、運営や担い手など組織的な自立を目指した方がよい。 •「経済的に自立を促す工夫ではなく、組織的な自立を促す工夫を。経済面には必要な支援を。」という話に共感した。 •区民のウェルビーイングの向上を目指すための活動の定義が曖昧で、区民活動の妥当性が分かりにくいため、各団体の活動や課題解決の貢献度等の可視化、協働による実効性の向上が必要だと考える。 •助成対象の区民活動の要件をみると非営利の活動であることが含まれている。社会貢献イコール非営利活動という認識を改めたほうが良いのではないか。昨今はソーシャルビジネスとして民間企業も取り組んでいる。 【しながわすまいるネットについての意見】 •しながわすまいるネットが登録だけでなく、情報発信の場として活用されるように工夫が必要である。 •「しながわすまいるネット」の団体登録条件に5名以上と制限している点について、合理性を提示する必要があると考える。 •「しながわすまいるネット」の認知度が低いため、ポスターの貼り出しや区のSNSを活用して、積極的な広報活動が必要だと考える。 •「しながわすまいるネット」の外国語表記がないため、国籍問わず募集をかけるのであれば、英語・中国語表記は必須だと考える。 •事業自体が非営利目的であれば、営利団体の1事業でも参加可能な形があっても良いと考える。 【その他の意見】 •多面的な支援に移行していたことによる申請件数の減少であればポジティブに捉えたい。ただ、そうであれば指標についてもアウトカムを図れるものにした方がよいと考える。 •大学生の中には地域活動に興味をもっている人はいるので、大学内で周知できると良いと思う。 •区内活動団体相互の連携・協力体制が見受けられないため、団体相互と活動による地域課題解決、社会貢献活動としての仕組みの強化と区民活動助成制度を活用した申請件数に関する助成額の妥当性の可視化が必要であると考える。 •成果の公表や広報によって、活動の活性化、事業活用の活性化、事業継続価値をアピールする必要がある。   Ⅲ 政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興 1 政策の概要 10年後のめざす姿 ①日常生活を支え、人々が行き交う交流の中心として、商店街が活気ある地域社会を支えています。 計画策定時の現状と課題 •品川区は国内外へのアクセスに恵まれ高いポテンシャルを有する地域であるとともに、日本のものづくりを支えてきた高い技術力を誇る製造業が立地しているほか、新しい情報通信業の集積、魅力ある商店街の存在など、ほかの地域にはない産業特性を有しています。 •商店街については施設環境の整備や、商店街イベントの支援、個店のPRなどハード・ソフト両面の支援を行っています。 •産業構造の変化やICT(情報通信技術)をはじめとするAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)等の新たな技術の進展、人材不足、経営者の高齢化、後継者不足等、区内産業を取り巻く環境は大きく変化しており、区内中小企業や商店街もこうした環境変化に積極的に対応していくことが求められています。 2 政策への提言 品川区長期基本計画で掲げる「政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興」に紐づく事業のうち、 商店街に関連する2つの事業について説明いただき、その内容について政策評価委員の間で良い点や工夫するべき点について 意見交換を行った。全体を踏まえた上で次の3点をこれから区に率先して取り組んでいただきたい事項として提言する。 ①商店街の在り方・魅力向上 商店街を活性化させるためには中長期的なビジョンを設定し具体的施策を講じる必要がある。商店街は単に買い物の場としてだけでなく、防災拠点としての役割や地域住民のコミュニティの形成などの生活インフラとしての機能を担うものである。イベントの開催に際しても、こうした商店街の役割を認識した上でテーマ性のあるものを実施することで、商店街の価値を高めていっていただきたい。 ②商店街の担い手の育成 品川区は都内随一の賑わいのある商店街が集まっているが、高齢化に伴う担い手不足が課題となっている。次世代の担い手の育成という観点から、大学との連携や商店街をフィールドとした子どもたちの職業体験の実施等、より若い世代が商店街と関わるきっかけをつくり、商店街に対する関心と愛着を高めていく必要がある。 さらに、町会・自治会やNPO等とのつながりを強化するとともに、商店街の課題を解決したいと考える区民が商店街の活動に参加できる仕組みをつくることで、新たな担い手を確保していくことが重要である。 ③商店街の持続可能性(時代の変化等への対応) 今後、商店街を持続的に発展させていくためには時代の変化や、来訪者のニーズに柔軟に対応していく必要がある。具体的にはキャッシュレス化やインバウンド需要の増加が挙げられ、区にはキャッシュレス化に向けた支援や、インバウンド需要をさらに取り込むため、外国人向けも意識したイベントの開催などの支援を充実していただきたい。また、多様化するニーズに対応するため商品力やサービスの充実を図る必要があることから、大学等と連携し、若者の意見を取り入れるなどして時代の流れに対応していくことも必要である。個々の商店街が持つ特性や強みを認識しながら、それぞれのニーズに応じた支援を継続していただきたい。 以上が「政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興」に関連する本委員会からの提言である。本提言内容とあわせて「政策全体に対する評価」と「個別の取組に対する評価」に記載したワークショップ形式による委員同士の意見交換の内容や、個別意見についても参考にしていただきながら、品川区の地域特性である商店街の持続的な発展を図られたい。   3 政策全体に対する評価 めざす姿の実現に向けた課題・問題点と解決の方向性(ワークショップによる意見交換結果) 〇ワークショップテーマ:商店街の活性化(地域の活力を高める産業の振興) 〇意見 ★担い手不足 (要旨) 商店街の店主の高齢化等に伴い閉業する店が増えるなど、後継者不足が課題となっている。 今後の方向性としては、店を続けたいと考える事業主に向けて継続するための課題を伺い、解決するための支援を行っていくことが重要である。その上で新たな担い手を確保するため、地域の内外関わらず商店街の活性化に関心をもつ多くの人が商店街と関わる機会をつくることで、商店街での起業や事業承継につなげていくことが効果的である。また、子どもたちの職業体験を商店街で実施することによって、将来の担いの育成につながることが期待される。 (課題・問題点) ・後継者不足 (解決の方向性) ・商店街で職業体験 ・地域以外からの人が入りやすくする ・活動内容の書き出し→タスクの見える化 ・継続支援 ★顧客の多様化 (要旨) 電子マネーを使用する顧客や外国人の増加など商店街を取り巻く環境も変わってきているなか、こうした新しいニーズに対応していくことが課題となっている。 今後の方向性として、まず、電子マネーについては、特に事業主が高齢者である個人店などでは費用面、ノウハウ面の双方において負担が大きいことから支援をすることが必要である。また、外国人対応については言語の問題が大きいことから外国語のできる案内役の配置や、掲示物の多言語表記などの支援を行うことが有効である。 (課題・問題点) ・現金しか使えない ・顧客の多様化 ・インバウンド需要の取り込み ・外国語での対応が難しい (解決の方向性) ・ニーズに答えられる何かを入れる ・品川区のサポート(電子マネーの導入) ・外国語のできる案内役 ・地域の資源(人々)とつながる ★商店街・イベントの在り方 (要旨) 商店街は単に買い物する施設ではなく地域のつながりを形成する社会的インフラとしての性質をもっている。こうした商店街の役割や魅力が伝わらないと、商店街の衰退につながっていく恐れがある。 今後の方向性として、商店街のあるべきビジョンを関係者間で共有し、効果的なイベントを実施していくことが必要である。また、商店街が地域コミュニティの形成や居場所づくりに寄与できるように商店街特有の付加価値を提供するための工夫をしていく必要がある。 (課題・問題点) ・商店街の良さがどんどん伝わりにくくなっている ・商店街でないといけない理由があまりない(買い物以外の魅力を創出する) ・大型店に客を取られる ・イベント実施が目的化している ・商店街イベントに住民等が参加できる仕組みが必要 ・防災面での商店街の役割 ・商店街≠買い物するところ ・持続的な集客につなぐ仕組み (解決の方向性) ・防災訓練(住民巻き込み) ・イートインスペース、食べ歩き ・(商店街連合会が)イベントで魅力をアピール ・商店街として、商店が集まっていることの意義を再確認 ・商店街間の連携 ★持続可能性・商店街の規模の格差 (要旨) 商店街がこれからも持続していくためには、地域性や規模など商店街による違いを認識し、特に規模の小さい商店街向けの支援を充実させていく必要がある。 また、新たな時代の流れを捉え、顧客のニーズに柔軟に対応してくためには、若い世代の意見を取り入れていくことが有効であり、そのためには大学との連携を深め学生のアイデアや活力を活用していく仕組みを構築することを検討されたい。 (課題・問題点) ・品川区の商店街が今後も発展できる道筋が不明 ・個人に負担がかかっているかもしれない(商店街活動) ・資金援助だけでなく、長期的にサポートしていく必要がある ・規模ごとの課題がある ・イベントができない ・地域によって商店街が違う (解決の方向性) ・大学生と共創 ・若い人や学生に意見を聞く ・「現在」を少しずつ取り入れていく ・品川区のサポート(規模の小さい商店街) ・小規模商店街向けイベントサポート   政策に対する委員意見 【商店街の在り方に関する意見】 •明確なビジョン設定とテーマを持った活性化の策を増やせることが重要だと考える。 •商店街の担い手や訪れる区民の高齢化が進むと考えられる。中長期的なビジョンを立てて、具体策を打ち出すことが必要だと考えられる。 •商店街の役割を「買い物をするための場所」にとどまらず、コミュニティや防災拠点のように捉えなおしている点が重要であると考える。 •日本有数の商店街の町であると理解しているため、商店街と行政が連携しながら区内で盛り上げつつ、全国の商店街に発信することもビジョンに入れられれば良いと考える。 •10年後の品川商店街のあるべきビジョンを商店街連合会とともに打ち出す必要があると考える。 •テーマを持ったイベントを増やしていくことで、商店街を買い物するだけの場所だけではなく、地域のインフラとして機能することが必要。 •高齢化が進む中、商店街のあり方を考え直すべきだと考える。(商店街連合会の会長は、商店街について生活インフラ等のような社会的役割を意識しており、素晴らしいと感じた。) •商店街は、欲しいものを欲しい時に買えないということがあるが、テーマを持って地域住民に生活インフラとして必要だと思っていただける形に変えていくことで、商店街を残す必要があると思ってもらいたい。 【ステークホルダー間の連携、商店街の担い手不足に関する意見】 •後継者不足等の商店街の課題の整理と、それらを改善するための取り組みが必要である。 •町会・自治会、商店街、NPO等の地域のつながりを大切にしたいと考えている一方で、NPOと近隣町会がうまくコミュニティ形成できているのか疑問に感じる。 •商店街という地域の共有資産をフィールドとして活用できる連携を進めていければよいと考える。 •商店街関係者以外でも商店街の価値を実感している区民は多いと考えられるため、商店街の課題をオープンにし、解決に寄与したいと考える区民を巻き込む枠組みを作ることで、商店街を支えることができると考える。 •次の商店街を担う人材の育成機会を仕組化されている点が、中長期的に効果があると考える。 •自治体や商店街の連携とも切り分けずに、大学と商店街との連携も事業を通してできればよいと考える。 【商店街の魅力向上に関する意見】 •イベント時だけでなく、継続的に商店街に訪れてもらうための工夫をする必要があると考える。 •インバウンド需要をさらに取り込んだイベントを実施することで良い効果が見込めると考える。 •商店街で、ニーズに応えられる商品力やサービスの充実を支援していくことが将来につながると考える。 •様々な企業に商店街をフィールドとして使っており、一緒にイベントを作っていくことで新店舗の出店や商店街の盛り上げにつなげている。以前の商店街は行政支援をいただくことが当たり前だったが、時代のニーズに合わせた商店街活動が必要。  4 個別の取組に対する評価 基本的な考え方1:区民の生活とにぎわいの中心である商店街を支援する •商店街や、商店街と地域団体等との連携によるにぎわいを創出する事業に対し支援を行います。 •魅力ある個店の支援をはじめ、商店街の新たなチャレンジについても支援を行います。 事業1:商店街にぎわい創出事業 概要及び取組状況 (目的) 商店街の持つ地域的な商業核および地域コミュニティの役割を支援することにより、地域社会に貢献する商店街の振興とにぎわいの創出を図る。 (概要) ・区振連によるイベント事業資金貸付事業について、区が区振連に無償貸付し、これを受けた区振連が商店街等に助成相当額を無償貸付する。 (取組内容・実績) ・商店街イベントについては、商店街等がイベントを実施する際にかかる経費の一部を助成(令和5年度は59件)しており、実施主体(単体または複数の商店街、若手・女性、地域団体との連携等)により、都・区の事業支援が行われている。 (必要性・有効性) ・商店街イベント助成実施件数について、商店街の担い手不足や加盟店減少による会費減少等の課題もある中、地域のにぎわい維持のためには、本助成金により経費助成を行いながら、地域的な商業核および地域コミュニティの役割を高めていく必要がある。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 199,169 136,261 0 62,908 68.4% ※額は千円単位   (指標の達成状況) ・商店街イベントについては、令和3年度以降、申請件数が増加傾向となっており、令和5年度はコロナ禍前の水準に戻ってきている。 ・イベントの維持・運営が困難となりつつある商店街に対しては、エリアサポーターと協力し、積極的に働きかけていく。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •区の特徴を生かすために商店街を支援することは、区民も誇れる取り組みだと考える。 •商店街の担い手を充実させることに焦点を当て、検討していることが良いと考える。 •商店街でのイベント等の事業の推進をしている点が良いと考える。 •商店街がイベント等で活性化することは良いと考える。 •商店街は買い物だけでなく、地域のインフラとして連携を実現できる場所であり、その先に地域産業の振興があると考える。 •商店街の利用者は多様化していると考えられるため、商店街の新たなチャレンジを支援している点が効果的だと考える。 •助成金支給だけでなく、運営に必要な人材を派遣する点が画期的な取り組みだと考える。 •区振連および商店街を資金面から支援している点が良いと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 【担い手不足についての意見】 •後継者不足等で店を閉めるところもあり、商店街として成り立たないことへの対応が必要だと考える。 •担い手不足の課題が顕在化しているのであれば、その点を評価の中心とした指標設定した方が良いのではないか。 【効果検証についての意見】 •指標について、令和5年度目標と達成年度の目標値が同じである点が気になった。 •指標が事業助成に限定されている点について、にぎわい創出の仕掛けの可能性を引き続き探索してほしい。 •指標はイベントの実施件数にとどまっており、実施したことによるアウトカムの検証が必要であると考える。 •商店街イベントを実施することが重視され、期待される効果が可視化されていない点を改善すべきだと考える。購買意欲を引き出す仕組み作りやイベントにおけるにぎわい創出の効果を測定する指標が必要である。 •人口減少・超高齢化社会を見据えた、にぎわい創出施策が見受けられないため、連携体制や魅力度等を測定するための指標が必要だと考える。   事業2:商店街ステップ・アップ支援事業 概要及び取組状況 (目的) 地域商圏や消費者ニーズの変化、デジタル技術の進展、後継者問題など、商店街をめぐる環境の変化と課題に対する様々な取組を支援する。 (概要) ・ホリデー・トレーニング事業について、土・日曜等の商店街の集客力向上および次代の商店街活動を担う人材養成を主な内容とするミニイベント等の活動を支援する。 ・商店街情報発信事業について、日本語または外国人による商店街の積極的な情報発信を支援する際の制作経費の一部を助成する。 ・商店街サポーターによる商店街活動の支援について、商店街のイベントや販売促進事業に協力する地域ボランティアや、日々の商店街運営に豊富な経験を有する商店街OB等の地域サポーターを派遣し、商店街活動を幅広く支援する。 (取組内容・実績) ・ホリデー・トレーニング事業について、商店街が実施するミニイベント等の経費の一部を助成するもので、1イベント(商店街)につき最大20万円の支援を行っている。 ・商店街情報発信事業について、紙媒体(冊子、マップ等)または電子媒体(ホームページ等)により、各商店街の取組のPRを行う場合の経費支援を行っている。 (必要性・有効性) ・ホリデー・トレーニング事業は、小規模イベントを対象とした支援制度であり、若手後継者や初めてイベントを開催する商店街にも利用しやすく、商店街の活動促進に有効な支援ツールとなっている。 ・商店街情報発信事業については、商店街の各種イベント・取組や社会的役割(生活インフラ・地域コミュニティの場・にぎわい創出など)を地域に認識してもらう上で不可欠であり、継続的に支援していく必要がある。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 15,361 12,327 0 3,034 80.2% ※額は千円単位   (指標の達成状況) ・ホリデー・トレーニング事業について、行動制限の緩和・解除を経てミニイベントも復活しつつある。一方で、こうしたイベントを実施していない商店街に対しては、にぎわい創出の観点から、今後はエリアサポーターによる働きかけ・支援を強化していく。 ・商店街情報発信事業について、情報発信についても、コロナ禍の期間中は取組が少なくなっていたが、行動制限の緩和・解除に合わせて商店街マップやホームページ等によるPR活動が活発化していく見込みである。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •商店街に関わる方がエリアサポーターとして活躍していることは、「商店街のプロ」の育成や連携の点でメリットがあると考える。 •イベント実施を支えるエリアサポーター制度は、イベント経験がない商店街がチャレンジできる環境づくりに良いと考える。 •エリアサポーターの活用により、商店街の抱える課題等が抽出しやすくなり、効率的に対策が講じられていて良いと考える。 •後継者不足に対応するために「ホリデー・トレーニング事業」を設けている点を評価する。 •助成金の支給があるだけで、新しいことにも挑戦しやすくなるため、「ホリデー・トレーニング事業」は良いと考える。 •イベント初開催者等が利用しやすく、次世代人材養成につながっているため、「ホリデー・トレーニング事業」は良いと考える。 •外国語対応ツールを用いて「商店街情報発信事業」を実施していて良いと考える。 •小規模にチャレンジできる機会を作る事業があることが良いと考える。 •商店街のさらなる改善に向けたサポートに取り組んでいる点が良いと考える。 •個々の店の魅力ある資源を発掘、創造していくために必要な事業だと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 【エリアサポーターについての意見】 •エリアサポーター等と連携し、広く周知していければ成果も得られると考える。 •エリアサポーターの活動範囲が限定されているように見えるため、商店街利用者のニーズ分析やガイド・通訳の役割を担う等、活躍の場を広げるとともに人材育成する必要があると考える。 •エリアサポーターを区民以外にも募集することで、より多様な視点からの意見をイベント、商店街の運営に反映できると考える。 •人口減少・超高齢化社会を見据えたエリアサポーターの活用における展望が見受けられないため、企業や大学等の連携で商店街の課題を抽出し、企業人や学生をエリアサポーターとして育成・活用すべきと考える。 【ホリデー・トレーニングについての意見】 •「ホリデー・トレーニング事業」に区内大学生等も幅広く参加できるようにすればより多くの人に本制度を使ってもらうきっかけになると考える。 •「ホリデー・トレーニング事業」の企画・運営において、スタートアップ企業や大学生など様々な人が区で新しいことに挑戦しやすくすると良いと考える。助成金の支援でなくても、フィールドとして提供することも挑戦の環境整備になると考える。 【外国人対応・デジタル化についての意見】 •商店街を訪れる外国人は属性によって目的が異なることを念頭に置きながら、コンテンツを考えると効果的だと考える。 •区内在住外国人にも商店街の活性化に加わってもらうために、商店街と国際交流センター等との連携を推進すると良いと考える。 •「商店街情報発信事業」の情報発信ツールが定番化しているため、区で普及しているICTを商店街でも活用する等、検討すべきだと考える。 【その他の意見】 •事業対象者のニーズはエリア、時期、経年によって移り変わるので臨機応変なサポート体制が望ましい。 •指標をイベント実施件数とするだけでなく、ホリデー・トレーニングを実施することによる成果の検証が必要であると考える。 •多様な主体との連携を考えるのであれば、助成する際の条件を追加することも必要だと考える。 Ⅳ 政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 1 政策の概要 10年後のめざす姿 ①在住外国人が、積極的に行事に参加するなど地域の一員として溶け込み、安心して快適で豊かな日常生活を送っています。 計画策定時の現状と課題 •在留資格の見直しや日本文化への関心の高まりなどにより、区内の外国人が年々増加する一方、文化や習慣の違いによるトラブルや情報不足による孤立など懸念すべき事項が想定されます。   2 政策への提言 品川区長期基本計画で掲げる「政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現」に紐づく事業のうち、多文化共生に関する事業について説明いただき、その内容について政策評価委員の間で良い点や工夫するべき点について意見交換を行った。全体を踏まえた上で次の2点をこれから区に率先して取り組んでいただきたい事項として提言する。 ①言語や文化の壁の解消 普段の生活シーンにおいて外国人との接点が増加するなかで、言語だけでなく文化や習慣が分からないこともコミュニティを形成する上での課題となっている。こうした課題を解決するためには翻訳機の導入や動画によるレクチャー(ゴミ捨ての仕方)等の技術的な支援が効果的である。また、文化の壁については、外国人と日本人、あるいは外国人同士といった異なる文化の相互理解が不可欠であり、そのためには外国人にまつりなどのイベントへの参加を促したり、料理教室により互いの食文化を学ぶなど、相互の文化に触れる機会を設けていくことで理解を深め合うことが必要である。 ②外国人の受け入れと交流促進 まず、多文化共生社会の形成のためには区民個人の意識の変容が必要であり、これを促すため学校や企業、町会・自治会役員等の理解を深化させることが重要である。また、在住外国人やインバウンド需要の多い先行地域から事例を学び、課題を予見し対策を講じることも検討されたい。さらに外国人と日本人が関わりを持てるように、町会・自治会行事や子ども食堂といった地域コミュニティ形成の場への参加を促す仕組みをつくることも重要だと考える。 以上が「政策の柱15 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現」に関連する本委員会からの提言である。本提言内容とあわせて「政策全体に対する評価」と「個別の取組に対する評価」に記載したワークショップ形式による委員同士の意見交換の内容や、個別意見についても参考にしていただきながら、多文化共生社会の実現を図られたい。   3 政策全体に対する評価 めざす姿の実現に向けた課題・問題点と解決の方向性(ワークショップによる意見交換結果) 〇ワークショップテーマ:多文化共生(平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現) 〇意見 ★文化、言葉の壁 (要旨) 多文化共生のためには、まずはコミュニケーションが不可欠でありそのためには言葉の壁が課題として挙げられる。さらに、外国人と日本人、あるいは異なる外国人同士の共生を推進するためには互いの文化や習慣を理解する必要がある。 今後の方向性として、まず言語の問題については翻訳機の導入などツールを活用していけると良い。特に地域コミュニティの基本となる町会・自治会において導入支援をすることが有効である。さらに言語だけでなく、伝えたいことを動画で発信するなどして視覚的な情報伝達についても検討できると良い。また、コミュニケーションを図るために日本人と外国人の双方が参加しやすい地域イベントを開催し、相互理解を深められると良い。 (課題・問題点) ・言語だけでなく文化・慣習が分からない ・まだまだある言葉の壁 ・文化が違う ・英語・中国語だけでは分からない (解決の方向性) ・自動翻訳への対応 自動翻訳用の書き方 ・町会・自治会としていろいろな言語が必要? ・ポケトーク導入 ・情報発信ツールの多様化 ・在住外国人用の掲示板(SNS)意外と非デジタル化 ・動画でのレクチャー ・慣習(ごみの捨て方等)の講座 ・地域のコミュニティづくりを意識的に行う(座談会や子ども食堂等) ・外国籍住民と自治会の交流機会 ・おみこしに在住外国人参加 ・料理教室など外国人とかかわる機会を増やす ・町会に入ってもらう ・各イベントに意識して企画をいれる ・外国人の意見を聴けるワークショップの実施 ・在住外国人が町会に入会するきっかけづくり ・在住外国人が商店街に参加するきっかけづくり ★外国人の社会参加、住民の受け入れ意識、コミュニティの形成 (要旨) 在住外国人が増加している中で、外国人にも地域づくりに参加してもらうことが重要であるが、在住外国が地域づくりに関わる機会が少ないことが課題としてあげられる。 今後の方向性としては日本人の外国人を受け入れる意識の醸成や体制づくりが必要であると考える。また、地域とのつながりを深めることによって外国人の地域に対する愛着を醸成することなども効果的である。さらに地域と外国人のコミュニティとの懸け橋となるリーダーを育成するなどして、外国人の意見を聞く機会を設けることで、外国人も地域づくりに担い手として活躍することが期待される。 (課題・問題点) ・外国人向けの仕事が限られる ・在住外国人の参加チャンスが少ない ・在住外国人との接点が少ない ・在住外国人の方の意見を聴けていない ・区民の意識(排外的雰囲気になっていないか) ・集団への受け入れ体制 ・外国人住民に地域への愛着を持ってもらう機会が少ない ・LINEが外国人住民に普及していない ・大学(留学生)、企業(働く外国人)との連携が弱い (解決の方向性) ・教育者の理解促進→研修 ・身近な窓口で品川区の方向性をアピールする ・課題先進エリアの情報収集 ・コミュニティとつなげる ・コミュニティリーダーリスト ・外国人住民のリーダー育成 ・防災訓練・町会イベント等でコミュニティを広げる   政策に対する委員意見 【外国人への理解や共生のための環境整備に関する意見】 •外国人が増え、商店街内でも就労している方が増加している。環境整備が必要だと考える。 •「共生」の具体的なイメージづくりを行い、外国人と日本人双方に言語化する取り組みが必要だと考える。区民ボランティアや企業等と協力して、「共生」の支援や基盤づくりを進める体制を検討してほしい。 •区内在住外国人の各種での受け入れ態勢整備と日本人の言葉の壁を解消する施策・情報提供が弱いため、やさしい日本語講座の普及・啓発促進に加え、区民個人の意識変容を促すために学校や企業、地域役員等の理解を深化させる情報提供が必要だと考える。 •区内在住外国人やインバウンド需要の多い先進地域から情報収集し、課題の予見と対応策の検討ができると良いと考える。 •学校や職場での外国人との関わりは、地域や企業規模、業種によって偏りが生じていると考えられるため、受け入れる側の区民の定点意識調査等を実施することも良いと考える。 •区内在住外国人の増加に伴い、排外主義的な活動が広がる可能性があるため、事前に対処できることが望ましい。 【外国人との交流促進に関する意見】 •町会・自治会と外国人の交流がうまくいっていない。町会行事等に参加できるよう情報発信してほしい。 •一方的な情報発信だけでなく、区内在住の日本人と外国人の体験での交流に向けた取り組みが必要だと考える。 •外国人同士の既存コミュニティの活性化支援、形成支援、コミュニティ経由での交流促進ができるのではないか。   4 個別の取組に対する評価 基本的な考え方1:外国人に開かれた地域社会をつくる •外国人が日常生活や災害時においても、日本人と同様に安心して快適な生活ができるよう外国人の視点に立った情報提供や伝達方法の環境整備を進めます。また、地域の活動に参加するなど、地域社会に溶け込むことができるよう体制を整えていきます。 事業1:地域住民と外国人の交流促進 概要及び取組状況 (目的) 区では16,000人以上(区総人口の約4.0%)の外国人が生活している。異なる文化・習慣を持つ外国人とのコミュニケーションや多様な価値観・考え方の理解を進め、地域に住む日本人と外国人が共生できるよう事業を展開する。 (概要) ・区内大使館等(大使館11か国、総領事館2か国、名誉領事館1か国)を介した文化交流により、異なる国の習慣への理解や、互いの文化を身近に感じられる環境を整備する。また、区民の多文化共生理解を推進するため、講座等を開催し啓発を行う。 (取組内容・実績) ・区内在住外国人が日常生活の中で情報弱者にならないよう、区内イベントや生活情報などをLINEで週2回配信している。(配信開始時期:令和3年10月15日 LINE登録者数:英語659人、やさしい日本語539人 令和6年3月12日時点) ・区内向けに多文化共生理解促進のための講座(多文化共生講座、やさしい日本語講座)を開催し、異なる文化・習慣を持つ外国人について理解を促し、同じ地域で共に安心して暮らせるようにする。また、区内大使館等や外国人関連団体と連携し、区内イベント等で区民が多様な文化に触れる機会を創出している。 (必要性・有効性) ・国は少子化による労働力確保のため、新たな在留資格創設など様々な施策を実施している。現在、品川区には120か国以上の国籍の方々が生活しており、今後も増え続けることが予想されるため、多文化共生は重要な課題となる。 ・令和6年6月1日現在、品川区の在住外国人数は16,284名と過去最高値に達している。国も外国人材受入に積極的である状況を踏まえると、今後も増加していくことが想定され、引き続き多文化共生への取り組みを継続していく必要がある。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 5,068 1,798 0 3,270 35.5% ※額は千円単位   (指標の達成状況) ・外国人向けLINE情報発信は、チラシの配架等による周知を継続し、登録者数は目標を達成することができた。 ・多文化共生理解促進のための講座については、令和5年度の目標に達しなかったが、多文化共生講座の出席率が60%台と低かったことや、やさしい日本語講座が定員を超える応募があったことを考慮すると、実施回数を増やすことなどの改善により、令和6年度の達成を見込むことができる。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •在日外国人の数は今後も増加見込みがあるため、本事業は効果的だと考える。(地域住民と外国人の交流促進) •外国人を主役とした多文化共生講座は、地域との交流促進のモチベーションにつながると感じた。 •区内在住外国人と日本人の相互尊重の機運が醸成されるため、区民向けの多文化共生理解促進のための講座を開催し、多文化共生理解を促進している点が良いと考える。 •やさしい日本語講座が単なる日本語講座ではなく、区内在住外国人の話を直接聞く機会になっている点が良いと考える。 •在住外国人に向けての取り組みだけでなく、日本人に対して外国人の理解を促進する取り組みも実施している点が良いと考える。 •異なる文化・習慣などの理解が促進され、多文化共生社会の基盤整備が行われているため、区内大使館等を介した文化交流を実施している点が良いと考える。 •今後増加が予想される外国人への情報発信の取り組み等の推進が良いと考える。 •区内在住外国人が情報弱者にならない取り組みが良いと考える。 •プッシュ型でLINEの情報発信を進めていて良いと考える。 •LINEで情報発信を行っている点が良いと考える。在日外国人のLINE利用率は高いと考えられ、個人チャットに連絡が来るため、外国人の利用者数が多い他SNSの情報発信よりも確認する確率は高いと考える。 •在住外国人向けのLINE情報発信の実績が目標値を上回っており、地域住民と外国人の交流は今後増えていくと考えられるため、引き続き情報発信してほしい。 •災害発生前に情報提供できることは予防的観点で強みだと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 (多文化共生理解についての意見) •やさしい日本語講座や多文化共生理解促進のための講座をオンライン配信、アーカイブ配信等の工夫をすれば、受講者数が増加すると考える。 •地域との連携により、区外在住外国人が地域のおまつりに出店側で参加できる支援ができると良いと考える。 •2講座(やさしい日本語講座と多文化共生理解促進のための講座)を連動して誘導する等の工夫をすることで、多文化共生理解促進のための講座の出席率を上げられるのではないか。 •大学で日本語教員課程があるため、やさしい日本語講座を履修生と協働してプロジェクトに取り組むことも一つの手段であると考える。 •区民向け多文化共生理解促進のための講座の実施効果が広く周知されていない点を改善すべきだと考える。参加者属性の分析の上で情報提供の仕方の検討や区内企業・大学等へのPR、関心層の意識や行動変容の推移を指標に用いる等が改善策としてあげられる。 •講座の定員設定や周知方法に工夫が必要である。 •異文化交流×食育等をテーマとし、在住外国人による料理教室等、ワークショップ型の講座を開講すると面白いと考える。 (外国人向け情報発信についての意見) •LINEでの情報発信は、日本に馴染みのある外国人にはアクセスしやすいと考えるため、他SNSでLINEに呼び込む広報を仕掛けとして設定しても良いと考える。 •情報発信がLINE登録者に限定されている。 •LINEを利用する外国人が少ないイメージがあるため、同内容を外国人にとって身近な他SNSでも発信した方が見てもらえると考える。 •LINE配信利用者数が少ないため、改善が必要である。他SNSでのLINE情報発信に関するPRも一案としてあげられる。 •本当に情報が必要な人に届いていないと考える。LINEの登録者数の属性等が気になった。 •実際に外国人が閲覧したか、情報自体が有効であるか検証すべきである。 •様々なデジタルツールの積極的な活用が必要だと考える。 Ⅴ 政策の柱18 安全と安心を体感できる地域社会の実現 1 政策全体に対する評価 10年後のめざす姿 ①消費生活相談に加え、消費者教育や啓発により自立した消費者を育成し、トラブルに巻き込まれやすい高齢者や若者等には関係機関や周囲の人々の見守りが行われています。 計画策定時の現状と課題 •消費者を巡る環境の変化を背景に、従来にない契約トラブルも発生しています。特に高齢者や若者に悪質巧妙な手口による被害が増加しています。消費者が安心して暮らせる社会を築くために、消費者教育を推進し、地域住民や関係機関と連携して消費者被害防止の見守りを進めることが求められています。   2 政策への提言 品川区長期基本計画で掲げる「政策の柱18 安全と安心を体感できる地域社会の実現」に紐づく事業のうち、消費生活に関する事業について説明いただき、その内容について政策評価委員の間で良い点や工夫するべき点について意見交換を行った。全体を踏まえた上で次の3点をこれから区に率先して取り組んでいただきたい事項として提言する。 ①見守り体制の強化 高齢者を狙う悪質商法や、知らず知らずのうちに若者が消費者トラブルに巻き込まれるといったことが起きないよう、町会・自治会等の地域の担い手との連携強化や、消費者教育の充実を図られたい。 ②デジタルトラブルへの対応 近年ECサイトでの買い物する人やオンラインゲームを利用する人が増加するなか、商品が届かないといったトラブルや知らず知らずのうちに高額な課金をしてしまうなどのトラブルが増加している。また、今後はAI技術の悪用等で消費生活におけるデジタルトラブルは一層複雑化することが懸念される。こうした中で、デジタルトラブルの実態を現在進行形で把握するとともに相談体制やオンラインでの見守り強化を図られたい。また、あわせてデジタル時代の消費者課題に対応していくためのビジョンを策定するなど、デジタルトラブルに対する効果的な取り組みを検討されたい。 ③エシカル消費の推進 エシカル消費とは「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援したりしながら消費活動を行うこと」であり、近年SDGsの推進とともに注目を集めている考え方である。エシカル消費については、一般的な区民の間ではまだまだ浸透していない考え方であり、また、意味は理解できても具体的な行動のイメージが湧かない人も少なくないと考えられる。エシカル消費の概念の周知とともに、実際の行動の具体例を示すなどして、エシカル消費の啓発を推進されたい。 以上が「政策の柱18 安全と安心を体感できる地域社会の実現」に関連する本委員会からの提言である。本提言内容とあわせて「政策全体に対する評価」と「個別の取組に対する評価」に記載したワークショップ形式による委員同士の意見交換の内容や、個別意見についても参考にしていただきながら、安全安心な消費生活の実現を図られたい。   3政策全体に対する評価 めざす姿の実現に向けた課題・問題点と解決の方向性(ワークショップによる意見交換結果) 〇ワークショップテーマ:消費者の安全(安全と安心を体感できる地域社会の実現) 〇意見: ★見守りや社会の体制 (要旨) 昨今高齢者を狙った悪質商法などが懸念されるなか、見守り体制の整備と自身もトラブルに巻き込まれるかもしれないという意識を如何に持たせるかが課題である。 今後の方向性としては悪質商法に巻き込まれやすい高齢者を対象とした見守り体制を町会・自治会等の地域の担い手とともに構築し、万が一トラブルに巻き込まれた際の対応策についても周知していく必要がある。 (課題・問題点) ・消費者トラブルに関心が低い人にどうやって情報を届けるか ・見守る人が少ない ・見守る人を超えて消費者として自立することの重要性 ・トラブルに巻き込まれたときに相談する場所がわからない ・未だに悪質商法がある (解決の方向性) ・予防施策の広報(あえて狙いたい区にならないように) ・教育で巻き込まれやすい若者から減らしていく ・事故事例や失敗例の共有 ・見守りを増やす ・相談できる場所がある(口コミを活用) ・トラブルが身近に起こりうることを伝える工夫 ★デジタルトラブル (要旨) ECの普及に伴いオンライン上の消費者トラブルなどが増加する中、今後はAI技術の発展などにより、その手口も複雑化することが懸念される。 今後の方向性としては、複雑化するデジタルトラブルについて現在進行形でその実態を把握するとともに、トラブルに巻き込まれた際のサポート体制を構築する必要がある。 (課題・問題点) ・デジタルトラブル(年齢問わず対策が必要) ・トラブルのシーンで近い形で情報伝達しないといけないのでは ・オンライントラブルにはオンライン経路でのコンタクト (解決の方向性) ・デジタルトラブルの現在進行形の実態把握 ・オンライン上でのサポート窓口設置 ・見守りのデジタル化 ・デジタル広告で告知 ★エシカル消費 (要旨) エシカル消費については重要な考え方ではあるが、まだまだその言葉は浸透しておらず啓発する必要がある。また、言葉として理解できたとしても、実際の個人の行動に落とし込むことが重要であるため、エシカル消費の具体例を動画で示すなど、行動変容につながる取り組みを展開することが効果的であると考える。 (課題・問題点) ・エシカル消費の具体的なイメージが持てない ・エシカル消費とは何か分からない ・エシカル消費の言葉が理解できない ・エシカル消費の認知度が低い ・○○ウォッシュ(上辺だけの対応)にならないように (解決の方向性) ・具体例で示す ・エシカル消費について動画で説明 ・エシカル消費の認知度を高める ・エシカル消費具体的なメリットを発信 ・エシカル消費のマップ/フローなど可視化 政策に対する委員意見 •社会環境の変化に対応した消費者教育や情報提供を推進している点が良いと考える。 •若年層への教育・支援の効果を経年的に把握することで、政策の見直しに生かしてほしい。 •トラブルに巻き込まれやすい人を見守る人々の育成に関する取り組み・事業が必要だと考える。 •超高齢化社会の中で起こり得るトラブルを想定した上で、情報共有や法整備が必要だと考える。 •見守り体制の対象が広範に及ぶ可能性が考慮されていないため、改善が必要だと考える。 •正しい消費生活を送るためのノウハウが区から提供されていて、心強いと思った。エシカル消費は今後行政に対するニーズが拡大するのではないかという印象を受けた。 •今後AIの悪用等で消費者問題は複雑化すると考えられるため、デジタル時代の消費者課題への対応法のビジョンが必要である。 •デジタル対応は考える必要があるテーマである。消費者がデジタルトラブルに巻き込まれることを未然に防ぐサポートと相談を受ける側がいかにデジタル化するかという観点で改善ができるだろうと考える。   4 個別の取組に対する評価 基本的な考え方1:消費生活の安全・安心を確保する •一人ひとりが自立した消費者として行動できるよう、高齢化、成年年齢引き下げ、多様化する販売形態など社会環境の変化に対応した消費者教育や情報提供を推進します。 •消費者トラブルに巻き込まれやすい高齢者や若者に対して、行政、消費者、消費者団体、教育関係者、福祉関係者、民生委員・児童委員、町会・自治会、各警察署などとの連携を強化し、見守りの体制づくりを推進します。 事業1:消費生活相談および支援 概要及び取組状況 (目的) 講座の開催等による消費者教育の提供を通じて、トラブル等の未然防止および自立した消費者の育成を進め、区民の消費生活の安定および向上を図る。また、人や社会・環境等に配慮した消費行動(エシカル消費)を幅広い年齢層に啓発することを通じて、持続可能な社会の実現およびSDGsの推進を目指す。 (概要) ・消費者一人ひとりが正しい知識を身につけ、消費者の権利を認識し、自立した消費者になるよう着実な育成を図る。 ・契約をめぐる消費者トラブル・悪質な訪問販売等による被害の未然防止のための啓発活動を行う。 ・地域の見守りネットワークの構築・消費者教育の推進により、消費者被害の早期発見と防止を図る。 ・エシカル消費の普及に向けて、一般消費者に対し、イベントや講座などを通じて啓発し、SDGsの推進に寄与する。 (取組内容・実績) ・消費者育成講座・教室では、「契約のきほん」や「スマホ・ネットのトラブル回避」などをテーマとして、消費者の意識の向上を図るための講座等を実施している。 ・一般消費者のエシカル消費に対する理解を深めるとともに、持続可能な社会の構築に寄与すること等を目的としたエシカル消費イベント(エシカルイベント in しながわ)を令和5年10月22日(日)に開催した。   (必要性・有効性) ・悪質な訪問販売やインターネット・スマートフォンの利用による定期購入等をめぐる被害など、消費生活上の問題・トラブルは年々複雑・多様化しており、消費者意識・知識の向上を目的とする講座・啓発活動等が引き続き求められている。 ・エシカル消費は、関連企業や団体だけでなく、一般区民が身近に感じ、具体的な行動につなげていくことが重要であり、幅広い分野の企業・団体等の協力を得ながら、わかりやすい情報発信・啓発と体験の場として、エシカル消費イベントを継続開催していく必要がある。 (予算執行状況) 予算現額 決算額 翌年度繰越額 不用額 執行率 12,260 10,833 0 1,427 88.4% ※額は千円単位 (指標の達成状況) ・消費生活教室をはじめ、消費者力アップ連続講座、出前講座等を定期的に開催しており、目標値に迫る参加人数となっている。消費者をめぐる新たなトラブルが新たに発生し、これらに合わせた啓発が求められており、継続した実施および参加が重要となる。 ・エシカル消費イベントについては、初めてエシカルファッションショーを開催するとともに、ワークショップ、ブース展示などを取り入れ、累計18の企業・団体や区の関係課と連携・協力して実施した。 事業に対する意見 ◆良いと感じた点 •消費生活相談と支援は重要な政策であり、消費者を保護する視点だけでなく、「自立した消費者として行動すること」を目指す点が良いと考える。 •自立した消費者の育成を進めている点が良いと考える。 •消費者育成講座の対象となる参加者もテーマごとに意識して変化させている点が良いと考える。 •消費者のトラブルは近年多様化しているが、これに対して対策事業を実施している点が良いと考える。 •情報が氾濫する中で正確な情報伝達ができる行政支援が重要だと考える。 •消費生活教室をテーマ別で実施している点が良いと考える。 •相談内容によって参加者のターゲット層を変えていることが良いと考える。 •トラブル発生前に、トラブル未然防止のための活動を区で実施していることが良いと考える。 •エシカル消費の理解を深化させるためのイベントや講座が実施されており、持続可能な社会の実現およびSDGsの推進を目指している点が良いと考える。 ◆改善・工夫が必要な点 (自立した消費者の育成についての意見) •デジタル空間上の消費者問題が近年増加しているため、デジタル面でのトラブルを扱うことやオンライン上での講座の実施が必要だと考える。 •自立した消費者育成の方法をインプット学習にとどめることなく、自ら消費者教育や啓発を行える仕組みを作り、当事者意識を持たせる必要があると考える。 •講座の告知経路や受講をオンライン化することで、より届けるべき対象に効果的に発信することができると考える。 (その他の意見) •本事業実現のためには、「エシカル消費」の認知度向上がカギになると考えられるため、区が積極的に取り組んでいる環境分野との連携が有効であると考える。 •各団体が正確な情報を適切に共有する手段を早期に確立すべきだと考える。 •エシカル消費イベントは、参加者数も評価指標に含めた方が良いと考える。