(p.23) 第2章 各論 (p.23) [1]「地域」「人」「安全」の3つの政策分野 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.24) 体系図 地域 にぎわい 活力  誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 学びとスポーツの楽しさが拡がる環境づくり 伝統・文化を継承し親しむ環境づくり 地域の活力を高める産業の振興 まちの魅力を活かした都市型観光の推進 魅力的で良好な都市景観の形成 水と親しむみどり豊かなまちづくり 人 すこやか 共生  地域における共生社会の実現 生涯を通じた健康づくりの推進 子どもの笑顔があふれるまちの実現 未来を切り拓く学校教育の推進 青少年の成長と自立の支援 高齢者が安心して暮らせる環境づくり 障害のある人がいきいきと暮らせる環境づくり 平和で人権が尊重され多様性を認め合う社会の実現 (p.25) 安全 あんしん 持続  区民を災害から守る対策の推進 地球環境にやさしいまちづくり 安全と安心を体感できる地域社会の実現 区民と進める交通安全のまちの実現 地域特性を活かした計画的なまちづくり 快適な交通環境の整備 (p.27) 第2章 各論 [1]「地域」「人」「安全」の3つの政策分野 1 地域 にぎわい 活力 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.28) 地域 にぎわい 活力 政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①地域課題を解決する自発的・自主的な活動を支援する ●町会・自治会への参加促進と活動支援 ●地域とマンション管理者や居住者との協力関係の構築と交流促進 ●企業の社会貢献活動の支援と在勤・在学者と地域との連携促進 ●企業、大学等との協働の推進 ②地域の活動を支える拠点施設の機能の充実・活用を図る ●コミュニティ施設の機能の充実 ●地域の活動への参加機会の拡充 ③地域のつながりの醸成と安定した団体運営に向けた支援をする ●誰もが気軽に立ち寄れる居場所づくり ●地域団体・NPO等の活動支援と連携促進 ●中間支援組織との連携 政策の柱2 学びとスポーツの楽しさが拡がる環境づくり 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①多様な活動を支援する ●さまざまな教育機関との連携による多様な学習機会の提供 ●学習やスポーツ情報の多面的な収集と発信 ②生涯学習・スポーツによるまちの活性化を推進する ●学習成果を地域に還元する課題解決型の学習のしくみづくり ●東京2020大会レガシーとしてのスポーツ活動などの推進 ●多様な協働・連携によるプログラムの充実 ③生涯学習・スポーツの環境を充実する ●文化・スポーツ施設の効果的な利用の促進と施設の整備 ●身近な地域で障害者スポーツに親しめる環境づくり ④図書館機能を充実する ●地域の情報拠点機能の充実 ●課題解決を支援する図書館サービスの推進 ●誰にでも開かれた身近な居場所としての図書館づくり 政策の柱3 伝統・文化を継承し親しむ環境づくり 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①区民の文化・芸術活動を支援する ●品川の文化・風習を感じられる文化プログラムの実施 ●文化・芸術に関する総合的な情報の発信 ●区内の団体や事業者が開催する文化的事業との連携 ②将来を支える次世代を育成する ●文化団体や文化施設等と連携した人材育成 ●子どもたちが創造性を育むプログラムや発表の場の提供 ③文化を継承・発展させる ●文化や伝統芸能の保存・継承の支援 ●伝統工芸の保護・育成 ●文化財の保存と、地域や観光のための公開・活用 ●地域の歴史を学ぶ機会の充実 政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①中小企業(地域産業)の経営と事業継続を支援する ●区内企業の経営力強化支援 ●後継者育成など事業継続の支援 ●中小企業の人材の確保、育成、働き方改革の支援 ②地域産業における創業や企業連携を支援する ●地域産業における創業支援 ③中小企業(地域産業)のチャレンジ(変革)と成長を支援する ●区内企業の競争力強化の支援 ●産学公連携の推進 ●企業間交流・連携の推進 ●国内外への販路拡大の支援 ④多様な就業を支援する ●関係機関と連携した就業支援 ●高齢者・女性等の就業機会創出の支援 ⑤区民の生活とにぎわいの中心である商店街を支援する ●地域団体や区民と連携した商店街事業の支援 ●活力ある商店街づくりへ向けた積極的な情報発信 ●魅力ある個店のチャレンジを促進するための育成・支援 (p.29) 政策の柱5 まちの魅力を活かした都市型観光の促進 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①品川ならではの観光コンテンツを充実する ●水辺を活用したイベント開催や散策ルート設定 ●商店街と連携したイベントの開催 ●歴史的資源やスポーツ、文化・芸術活動と連携した観光の推進 ②観光情報の集約と多様な情報発信をする ●外国人観光客に向けた多言語のプロモーションと情報提供 ●テレビや映画などのロケ地の誘致と情報発信 ●キャラクターを活用した多様な媒体による情報発信 ●情報集約のしくみづくりと分かりやすい情報発信 ③多様な協働・連携で品川の魅力をさらに向上する ●交通事業者との連携によるイベントやまち歩きツアーの開催 ●大井競馬場やしながわ水族館、区内の劇場などとの連携 ④魅力的な環境を創出する ●モバイルネットワーク環境の整備・充実 ●公共空間を活用したイベント開催等の推進 ⑤都市型観光を支える体制を充実・強化する ●観光ボランティアやボランティアガイドの育成 ●観光まちづくりを担う団体への支援と連携 ●先端技術の活用による観光客の動向などのデータ収集と活用 政策の柱6 魅力的で良好な都市景観の形成 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①地域特性を活かした景観形成を推進する ●景観計画の効果的な運用 ●機運をとらえた重点地区化の検討 ●景観アドバイザー制度の活用 ●屋外広告物等に対する基準づくり ②歴史あるまちの景観を再生・継承する ●旧東海道品川宿における修景事業 ③活気に満ちたにぎわいや調和の取れた景観を創出する ●無電柱化の推進 ●公共空間のライトアップの実施 ●イルミネーション事業への支援 政策の柱7 水と親しむみどり豊かなまちづくり 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ①水と親しむことのできるまちをつくる ●水辺空間の整備 ●水辺空間の利活用促進 ●河川・運河の水質改善 ②区内のみどりを増やす ●公共のみどりの保全 ●区民によるみどりづくりの促進 ●みどりの保全と育成の支援 ●みどりとふれあう空間の創出 ③区民とともに公園を育てる ●みんなに愛される公園づくり ●多様なニーズにこたえる公園管理 (p.30) 政策の柱1 誰もがつながる魅力ある地域社会の実現 10年後のめざす姿 ●町会・自治会活動に多くの区民が参加し、地域の支え合いや防災活動などの地域貢献活動が活発に行われ、町会・自治会を中心とした地域のつながりがより深まっています。 ●NPO、商店街、企業、大学等が地域ニーズに応えた社会貢献活動*を積極的に展開しています。 ●福祉、防災、子育てなどの身近に起きる課題に対し、町会・自治会をはじめ、社会貢献活動を行う団体がお互いの専門性や先駆性などの強みを出し合い、連携・協力しながら、地域共生社会*の実現に向けて活発に活動しています。 ●年齢、性別、国籍等にかかわらず、区民の誰もが地域の一員として、気軽に地域の活動に参加できるしくみが構築されています。 (p.31) 現状と課題 ●区は、2016(平成28)年度に「品川区町会および自治会の活動活性化の推進に関する条例*」を制定し、町会・自治会の位置づけや役割を明確にするとともに、区の支援、区民・事業者の役割を定め、町会・自治会がより力を発揮できるよう継続的な支援を推進しています。また、条例の主旨を踏まえ、町会・自治会とマンション住民との交流を深めるための取り組みを促進する必要もあります。 ●交通の利便性や住みやすさなど、区の魅力の高まりとともに、新しい住民の転入が続いています。新しい住民の多くは、地域への関わりが総じて弱い傾向にあり、人口の増加に比して町会・自治会への加入や地域活動への参加があまり進まず、地域のつながりの希薄化が見られます。また、町会・自治会の人材不足や高齢化・固定化が進んでいます。 ●NPOや社会貢献を行う団体の活動を支援するため、地域振興基金*を原資とする資金助成や、すまいるネット*の運用を行ってきました。また、区内企業の社会貢献活動を活性化するためのしながわCSR推進協議会*や、大学間の連携による地域活動等も活発になってきています。今後は、このような活動の相乗効果を高めるため、コーディネート機能の充実や連携体制の構築が求められています。 (資料) しながわCSR推進協議会 会員企業数の推移 2013年(平成25年):46企業 2014年(平成26年):56企業 2015年(平成27年):62企業 2016年(平成28年):70企業 2017年(平成29年):74企業 2018年(平成30年):77企業 2019年(令和元年)(見込み):81企業 (p.32) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 地域課題を解決する自発的・自主的な活動を支援する ●地域住民の親睦や、つながりを深める活動をはじめ、地域の支え合いや防災活動など、さまざまな分野での地域のニーズに合った活動を支援します。 ●ICT(情報通信技術)の活用により、地域活動の情報を容易に取得するだけでなく、新たなツールとして活用の促進を図ります。 ●町会・自治会が、各地区内に会館などの活動拠点を有し、その拠点を中心にさまざまな地域活動団体との協働の輪を広げられるよう支援します。 主な施策 ▶町会・自治会への参加促進と活動支援 ▶地域とマンション管理者や居住者との協力関係の構築と交流促進 ▶企業の社会貢献活動の支援と在勤・在学者と地域との連携促進 ▶企業、大学等との協働の推進 ❷ 地域の活動を支える拠点施設の機能の充実・活用を図る ●地域のイベントへの参加機会の拡充や、活動が持続的に行われていくための活動拠点の確保の支援など、環境の整備を進めます。 ●町会・自治会館の整備・充実とともに、公共施設の多機能化・機能融合を図り、誰もが気軽に集まり、地域のつながりを深められる施設運営を進めます。 主な施策 ▶コミュニティ施設*の機能の充実 ▶地域の活動への参加機会の拡充 (p.33) ❸ 地域のつながりの醸成と安定した団体運営に向けた支援をする ●日常の身近なことや地域のことについて区民が話し合い、お互いに支え合うなど、誰もが住みやすい地域をみんなでつくれるような取り組みを進めます。 ●町会・自治会や商店街、NPO、企業、PTAなどが、地域の課題やニーズを自主的に解決できるよう、それぞれの強みを活かした活動を支援します。 ●年齢や立場にかかわらず、あらゆる方の地域デビューを応援するためのコーディネーターの育成を推進します。 主な施策 ▶誰もが気軽に立ち寄れる居場所づくり ▶地域団体・NPO等の活動支援と連携促進 ▶中間支援*組織との連携 (p.34) 政策の柱2 学びとスポーツの楽しさが拡がる環境づくり 10年後のめざす姿 ●NPOやボランティア、区内大学・各学校などとの協働・連携が進み、人生100年時代において、生涯を通じて誰もが学びたい時に学ぶことができる環境と機会が提供されています。 ●東京2020大会のレガシーとして、スポーツを「する・みる・ささえる」ことが拡まり、年齢や障害等の有無にかかわらず、誰もがスポーツを通じて社会参画でき、お互いの違いを認め合える社会が形成されています。 ●「する」スポーツに加え、地域の活性化にもつながる「みる」スポーツの充実もめざし、施設が整備されています。 ●多様な区民ニーズに応えた図書館や読書環境づくりなど、課題解決支援も含め、図書館機能が充実しています。 (p.35) 現状と課題 ●学びの機会の充実に向けて、これまでの生涯学習に関する事業を体系化した、区内の文化センター・大学・史跡などを学び舎とする「しながわ学びの杜*」を開設し、多様なニーズに応える多彩な生涯学習講座を提供しています。 ●生涯学習を通じて、区民一人ひとりが新たな知識を習得し、地域を超えた新たなつながりが形成されています。これからは、より気軽にいつでも参加できる機会の場を提供することが重要です。 ●東京2020大会を契機として区民のスポーツへの関心は高まっている一方、スポーツをしない人へのスポーツの拡がりが求められています。 ●「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも」スポーツ・レクリエーションに親しむことができる、地域の、地域による自主運営の地域スポーツクラブ*を区内全域に設置してきました。これからは、地域スポーツクラブの認知度を高め、区民の身近なスポーツ拠点として機能を発揮していくことが求められています。 ●地域スポーツクラブでは、地域の障害のある方と交流をしながらスポーツを楽しむ取り組みが進んでいます。地域共生社会の実現に向けて、こうした取り組みを区内全域に展開し、誰もが気軽にスポーツにふれられる環境を整備することが求められています。 (資料) 地域スポーツクラブ実施事業の参加者数の推移 2014年(平成26年):3,957人 2015年(平成27年):10,078人 2016年(平成28年):9,147人 2017年(平成29年):8,655人 2018年(平成30年):12,688人 (p.36) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 多様な活動を支援する ●生涯にわたり、誰もが学習・スポーツにふれ、親しめるように、年齢や障害等の有無にかかわらず学びとスポーツが行えるしくみづくりを進めます。 ●人生100年時代に対応し、誰もが学びたい時に学び・学び直しができるよう、しくみづくりを進めます。 主な施策 ▶さまざまな教育機関との連携による多様な学習機会の提供 ▶学習やスポーツ情報の多面的な収集と発信 ❷ 生涯学習・スポーツによるまちの活性化を推進する ●生きがいや社会貢献、多世代交流などが拡がる持続可能な地域づくりのために、「しながわ学びの杜」等で得たネットワークや学習成果を、地域社会や学校の教育活動・部活動、観光ボランティアなどに還元するしくみづくりを進めます。 ●NPOやボランティア、区内大学・各学校などと協働・連携をした取り組みを進めます。 主な施策 ▶学習成果を地域に還元する課題解決型の学習のしくみづくり ▶東京2020大会レガシーとしてのスポーツ活動などの推進 ▶多様な協働・連携によるプログラムの充実 (p.37) ❸ 生涯学習・スポーツの環境を充実する ●文化センター、図書館、スポーツ施設、品川歴史館など施設の改修等を計画的に行います。 ●「する」スポーツに加え、地域のにぎわいや産業活性化にもつながる「みる」スポーツの充実もめざし、施設の整備を進めます。 ●学習活動やスポーツを行いやすい環境づくりを進めるため、ICT(情報通信技術)などの先端技術も活用した環境整備を進めます。 主な施策 ▶文化・スポーツ施設の効果的な利用の促進と施設の整備 ▶身近な地域で障害者スポーツに親しめる環境づくり ❹ 図書館機能を充実する ●地域のさまざまな課題に応えるため、課題解決支援への取り組みや施設整備を行います。 ●図書館を利用していない方や来館できない方、読書活動を身に付けるべき子どもたちに対して、図書館の有用性を広くアピールする事業やレファレンス*などのサービス強化に取り組みます。 主な施策 ▶地域の情報拠点機能の充実 ▶課題解決を支援する図書館サービスの推進 ▶誰にでも開かれた身近な居場所としての図書館づくり (p.38) 政策の柱3 伝統・文化を継承し親しむ環境づくり 10年後のめざす姿 ●古来の伝統文化や品川独自の文化・芸術を、町会・自治会をはじめとした地域で区民が継承し、また外国文化なども尊重し広く受け入れています。 ●芸術活動の発表の機会や多様な文化や芸術にふれる場の提供により、年齢や障害等の有無、ライフスタイルにかかわらず、誰もが幅広い文化・芸術や価値観を知り、親しめる環境が整備されています。 ●区内のさまざまな文化・芸術施設や団体、アーティストとのコラボレーションにより新たな文化・芸術活動が創造されています。 ●未来に向けた子どもたちの夢や人材の発掘・育成が進み、世界へ人材を輩出できる環境が整うとともに、品川のまちへの誇りが醸成されています。 ●区の歴史や伝統文化、伝統工芸、文化財等の価値が、広く区民に伝えられるような効果的な活用が行われています。 (p.39) 現状と課題 ●区民が気軽に参加し、芸術にふれ親しむ機会として、品川区民芸術祭*を開催しています。また、文化・芸術事業を一層充実していくことを目的として、「品川区文化芸術振興協議会*」を設置しています。 ●他分野との連携による総合的な文化・芸術の振興が求められており、既存の活動の支援を行うとともに、分野横断的な団体間の連携や文化・芸術に無関心な層の取り込みなど、裾野を広げる事業展開が必要です。 ●区の資源である劇場・能楽堂*など、数多くの文化・芸術施設の活用等を通じて、区民が文化・芸術にふれ親しむ機会を拡大し、環境を充実することが求められています。 ●日本考古学発祥の地として知られる大森貝塚をはじめ、縄文から近代までの多数の文化財や国の重要無形民俗文化財*である江戸の里神楽などが存在しています。これらを後世に確実に継承していくことが重要です。 (資料) 品川区民芸術祭の延べ来場者数(年間)の推移 2014年度(平成26年度):9,708人 2015年度(平成27年度):12,216人 2016年度(平成28年度):11,494人 2017年度(平成29年度):11,793人 2018年度(平成30年度):18,631人 (p.40) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 区民の文化・芸術活動を支援する ●区民が気軽に文化・芸術にふれ親しみ、参加・創造・発表に関わることができる環境を整えるため、「品川区文化芸術振興協議会」をはじめ、文化関係団体や観光・産業・福祉など他分野の関係団体との連携や協力を進め、ネットワーク形成を促進します。 主な施策 ▶品川の文化・風習を感じられる文化プログラム*の実施 ▶文化・芸術に関する総合的な情報の発信 ▶区内の団体や事業者が開催する文化的事業との連携 ❷ 将来を支える次世代を育成する ●将来の文化・芸術を担う人材の発掘や育成を行うため、気軽に文化・芸術にふれ親しむ機会や一流の文化・芸術活動にふれ、参加する機会を拡大します。 ●区民に品川の歴史を知ってもらい、品川への誇りと愛着を育む機会を設けます。 主な施策 ▶文化団体や文化施設等と連携した人材育成 ▶子どもたちが創造性を育むプログラムや発表の場の提供 (p.41) ❸ 文化を継承・発展させる ●区の伝統ある行事や風習をはじめとする伝統文化・芸能、伝統工芸を次世代へ継承・普及・発展させるために、これらを後世に継承するさまざまな活動に対して支援を行います。 ●地域の貴重な文化的資源を掘り起こし、その魅力を発信するとともに、大森貝塚をはじめとする文化財の計画的な保存・公開・活用に取り組みます。 主な施策 ▶文化や伝統芸能の保存・継承の支援 ▶伝統工芸の保護・育成 ▶文化財の保存と、地域や観光のための公開・活用 ▶地域の歴史を学ぶ機会の充実 (p.42) 政策の柱4 地域の活力を高める産業の振興 10年後のめざす姿 ●区内中小企業が地域産業の担い手として引き続き重要な役割を担う中、高い技術力を誇る製造業と、区内への集積がさらに進む情報通信業・ベンチャー企業などが、産業間での交流・連携を深め、さらなる技術革新と新たな製品・サービス開発を進めています。 ●「起業するなら品川区」といったブランドイメージが形成されるなど、区内で創業する人が増え、産業の活力を生み出しています。 ●区内企業において、高齢者や障害者、女性、外国人など多様な人材が活躍しています。 ●日常生活を支え、人々が行き交う交流の中心として、商店街が活気ある地域社会を支えています。 (p.43) 現状と課題 ●品川区は国内外へのアクセスに恵まれ高いポテンシャルを有する地域であるとともに、日本のものづくりを支えてきた高い技術力を誇る製造業が立地しているほか、新しい情報通信業の集積、魅力ある商店街の存在など、ほかの地域にはない産業特性を有しています。 ●区はこれまで、区内中小企業の経営力強化のほか、創業支援センター*や新産業・新ビジネス創出を目的とした品川産業支援交流施設(SHIP)*を運営するなど、地域における創業や区内中小企業の成長を支援しています。 ●後継者不足等の課題に直面している区内中小企業の支援として、事業承継支援事業*を実施しています。 ●商店街については施設環境の整備や、商店街イベントの支援、個店のPRなどハード・ソフト両面の支援を行っています。 ●産業構造*の変化やICT(情報通信技術)をはじめとするAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)等の新たな技術の進展、人材不足、経営者の高齢化、後継者不足等、区内産業を取り巻く環境は大きく変化しており、区内中小企業や商店街もこうした環境変化に積極的に対応していくことが求められています。 (資料) 品川区の情報通信業の事業所・従業者数の推移 事業所数 2004年(平成16年):663事業所 2006年(平成18年):738事業所 2009年(平成21年):975事業所 2012年(平成24年):786事業所 2014年(平成26年):824事業所 2016年(平成28年):831事業所 従業員数 2004年(平成16年):39,034人 2006年(平成18年):42,150人 2009年(平成21年):68,307人 2012年(平成24年):59,383人 2014年(平成26年):74,558人 2016年(平成28年):66,559人 ※総務書「事業所・企業統計調査」、「経済センサスー基礎調査・活動調査」より作成 (p.44) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 中小企業(地域産業)の経営と事業継続を支援する ●地域産業の経営基盤の強化を支援するとともに、産業構造の変化などに応じた区内中小企業の経営力の強化や事業継続への取り組みを強化していきます。 主な施策 ▶区内企業の経営力強化支援 ▶後継者育成など事業継続の支援 ▶中小企業の人材の確保、育成、働き方改革*の支援 ❷ 地域産業における創業や企業連携を支援する ●品川産業支援交流施設(SHIP)をはじめとした支援施設を活用し、創業準備期からそれぞれの成長段階に応じた継続的な創業支援を行うとともに、事業者間の交流を図り、次の成長につながるネットワークを形成します。 主な施策 ▶地域産業における創業支援 ❸ 中小企業(地域産業)のチャレンジ(変革)と成長を支援する ●区内中小企業が高い付加価値を生み出し続けることができるよう、ニーズや規模、成長ステージに応じた技術面、資金面などの支援を行います。 ●企業と企業、企業と大学・研究機関等をつなげることにより、新しい価値、イノベーションの創出を促進します。 ●Society5.0などを踏まえ、先端技術の導入や実証実験*への参加・支援等で産業の発展と社会課題の解決を図っていきます。 (p.45) 主な施策 ▶区内企業の競争力強化の支援 ▶産学公連携*の推進 ▶企業間交流・連携の推進 ▶国内外への販路拡大の支援 ❹ 多様な就業を支援する ●関係機関と連携し、高齢者や障害者、女性、外国人などへの就業支援を行います。 主な施策 ▶関係機関と連携した就業支援 ▶高齢者・女性等の就業機会創出の支援 ❺ 区民の生活とにぎわいの中心である商店街を支援する ●商店街や、商店街と地域団体等との連携によるにぎわいを創出する事業に対し支援を行います。 ●魅力ある個店の支援をはじめ、商店街の新たなチャレンジについても支援を行います。 主な施策 ▶地域団体や区民と連携した商店街事業の支援 ▶活力ある商店街づくりへ向けた積極的な情報発信 ▶魅力ある個店のチャレンジを促進するための育成・支援 (p.46) 政策の柱5 まちの魅力を活かした都市型観光の推進 10年後のめざす姿 ●魅力ある水辺を活用した観光が盛んになるとともに、新たな観光資源の発掘・形成が進み、にぎわいが創出されています。また、歴史的な名所旧跡、地域のお祭りや伝統文化、活気ある商店街などを活かした観光が広がり、観光客の多様なニーズに応えています。 ●地域の関係団体や民間企業との協働・連携による取り組みが進展し、快適に「しながわ観光」を楽しめるコンテンツが充実しています。また観光スポットにおける区民の「おもてなし」により、外国人観光客が増加しています。 ●多様な交通手段とサービスが連携することで、手軽で便利にまちめぐりができる環境が整い、観光客や区民が快適に地域の回遊を楽しんでいます。 (p.47) 現状と課題 ●区内には単独で強力な集客力を持つ観光資源が存在せず、地域の歴史や伝統が感じられる小さな資源が多く点在しているため、これらの魅力をテーマごとに横断的に束ねて効果的にアピールし、知名度の向上を図ることが重要です。 ●貴重な観光資源である目黒川や天王洲アイル、勝島運河等の多様な水辺の知名度の向上に向け、水辺利活用のための環境整備や活動団体間の連携が課題となります。 ●品川区都市型観光プランを策定するとともに、区内の観光事業者、区内団体などのさまざまな関係団体で構成する「品川区観光振興協議会*」を設立しました。今後は、この協議会を中心として、区民や周辺自治体などさまざまな主体との連携・協働による地域の特性にあった観光まちづくりが必要です。 ●外国人観光客が増加する中、しながわ観光大使*に㈱サンリオのキャラクター「シナモロール」を任命し、国内外に観光PR事業を展開しました。今後は、海外と日本の文化・風習やマナーの相違などへの相互理解の促進が必要です。 ●東京2020大会のレガシーを活用したスポーツ観光、文化・芸術観光に取り組んでいくことが必要です。 (資料) 品川区内宿泊施設への外国人延べ宿泊者数(年間)の推移 2014年(平成26年):161,702人 2015年(平成27年):267,782人 2016年(平成28年):293,711人 2017年(平成29年):286,081人 2018年(平成30年):315,389人 ※観光庁「宿泊旅行統計調査」より作成 (p.48) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 品川ならではの観光コンテンツを充実する ●身近な資源を観光資源として活用していくために、区民の生活や暮らしに密着した公園や商店街、水辺などをツアーやイベントの中で観光コンテンツとして位置づけ、付加価値を高めていきます。 主な施策 ▶水辺を活用したイベント開催や散策ルート設定 ▶商店街と連携したイベントの開催 ▶歴史的資源やスポーツ、文化・芸術活動と連携した観光の推進 ❷ 観光情報の集約と多様な情報発信をする ●区内の多種多様な資源を観光資源として活用するために、イベントなどの観光コンテンツを集約し、さまざまな手段で国内外に情報発信をしていきます。 主な施策 ▶外国人観光客に向けた多言語のプロモーションと情報提供 ▶テレビや映画などのロケ地の誘致と情報発信 ▶キャラクターを活用した多様な媒体による情報発信 ▶情報集約のしくみづくりと分かりやすい情報発信 ❸ 多様な協働・連携で品川の魅力をさらに向上する ●効果的に観光振興を推進し、魅力の向上を図るために、交通機関や多様な文化施設・団体や他自治体との連携により、ノウハウや情報を相互に活用していきます。 主な施策 ▶交通事業者との連携によるイベントやまち歩きツアーの開催 ▶大井競馬場やしながわ水族館、区内の劇場などとの連携 (p.49) ❹ 魅力的な環境を創出する ●区を訪れる多くの人が安全・快適に区の魅力にふれ、楽しめるよう、観光客の行動の基盤となる環境を整えます。 主な施策 ▶モバイルネットワーク*環境の整備・充実 ▶公共空間を活用したイベント開催等の推進 ❺ 都市型観光を支える体制を充実・強化する ●観光に携わる人々が、おもてなしの心をもって観光客と接することができる体制を整えるため、担い手の育成や推進組織の体制強化などを進めます。 主な施策 ▶観光ボランティアやボランティアガイドの育成 ▶観光まちづくりを担う団体への支援と連携 ▶先端技術の活用による観光客の動向などのデータ収集と活用 (p.50) 政策の柱6 魅力的で良好な都市景観の形成 10年後のめざす姿 ●旧東海道品川宿*に代表される区内の歴史・自然・文化的景観*が維持・保全されているとともに、個性的な商店街や水辺エリアなどの地域特性を反映した、快適でうるおいのある、区民がやすらぎと愛着を感じる都市景観が形成されています。 ●公共基盤整備や再開発事業と連携して、国際都市東京の表玄関としてふさわしい、まちのにぎわいにも資する魅力的な都市景観が形成されています。 ●イルミネーションやライトアップによる夜間景観の演出や、東京湾や目黒川、運河などの水面からまちを眺望する景観など、にぎわい創出や水辺利活用事業等と連携して、まちの新たな魅力を生み出しています。 (p.51) 現状と課題 ●品川区景観計画を策定後、地区の個性や特徴を活かした景観ルール(景観形成*基準)*を取り決めた重点地区*として4地区の指定を行うなど、区民とともに実効性のある景観形成を推進しています。 ●屋外広告物やライトアップ、案内サインなどは、景観に大きな影響を与える要素の一つであるため、現行の景観に対する基準をより地域特性に応じたものとして充実させていくことが必要です。 ●まちのにぎわいを創出するためには、観光施策と連携した景観まちづくりを進めることが必要です。また、水辺エリアにおいては、河川や運河を活かした景観形成や水面から眺望する景観への配慮が必要です。 (p.52) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 地域特性を活かした景観形成を推進する ●品川区景観計画について、東京都景観計画との整合性や重点地区での取り組み推進などを目的とした改定を行うとともに、都市計画におけるさまざまな手法と連携して効果的な運用を行い、それぞれの地域にふさわしい景観形成をめざします。 ●良好な景観形成には、地域での自発的な取り組みや継続的な意識啓発が不可欠であるため、区民、事業者、区が協働して推進することができるしくみづくりを進めます。 ●まちのにぎわいや魅力につながるアートやPRなどの屋外展示物は、街並みとの調和と個性づくりの面から、地区ごと・商店街ごとにルールを検討し、街中の公共サインについても、景観に配慮したデザインや機能性に留意し、統一感を持たせることでまちの魅力向上につなげます。 主な施策 ▶景観計画の効果的な運用 ▶機運をとらえた重点地区化の検討 ▶景観アドバイザー制度*の活用 ▶屋外広告物等に対する基準づくり ❷ 歴史あるまちの景観を再生・継承する ●旧東海道品川宿地区は、区の景観計画において重点地区に指定しており、かつての宿場町の雰囲気を伝えるため、歴史を継承する魅力ある景観形成を図ります。 ●旧細川家下屋敷跡地を活用した戸越公園は、区の重要な景観資源であり、戸越公園周辺では、落ち着きのある住宅地景観の形成を図ります。 主な施策 ▶旧東海道品川宿における修景事業* (p.53) ❸ 活気に満ちたにぎわいや調和の取れた景観を創出する ●商店街のさらなるにぎわい創出のため、街並みの連続性に配慮した店舗看板や建物のファサード*(正面)の統一的なルールづくりなどを検討するとともに、無電柱化*を推進していきます。 ●天王洲エリアや目黒川などの水辺空間においては、開放感のある街並みや眺望を大切にするとともに、ライトアップやイルミネーション等、夜間における「光」を効果的に演出することで、昼間とは違った新たなまちの魅力的な景観を創出します。 ●駅周辺における大規模な土地利用転換*や再開発等のまちづくりを契機として、新しいまちと既存の商店街等のそれぞれの個性が共存し融合する、魅力ある景観づくりを進めます。 主な施策 ▶無電柱化の推進 ▶公共空間のライトアップの実施 ▶イルミネーション事業への支援 (p.54) 政策の柱7 水と親しむみどり豊かなまちづくり 10年後のめざす姿 ●区民が水辺を身近に親しむことができ、外国人観光客を含めた多くの人でにぎわう観光・交流の軸となる水辺空間の整備やしくみづくりが進んでいます。 ●河川・運河の水質改善が推進され、水辺空間が区民生活において、さらに有効な資源として活用されています。 ●区民や企業の自主的なみどりづくりが進むとともに、区民ニーズを捉えた愛される公園が増加し、区民がみどりにふれあえる機会が充実しています。 (p.55) 現状と課題 ●区内には、東京湾に面して運河が南北に伸びているほか、両岸に桜並木の続く目黒川が区内の東西を流れるなど豊かな水環境があります。 ●目黒川の舟運・にぎわい拠点として、五反田リバーステーション*をはじめ周辺の道路・公園が一体的に整備され、川と人、住む人と働く人、地域と来訪者を結ぶ空間が形成されています。 ●水辺において、地域や舟運事業者と連携した水辺空間の利活用の促進が求められています。 ●目黒川や立会川では、浚渫*や浄化対策等の実施により水質の改善は見られますが、大雨の後などには、白濁化や臭気が発生しています。 ●大崎地区や、荏原地区などの密集市街地では、災害時に一時集合場所となる公園や広場のない地区もあり、町会・自治会などから公園の設置要望があります。 ●開発行為の対象とならない土地の宅地化等の影響により、屋敷林など民有地における既存のみどりが減少傾向にあります。 ●公園内における保育園等の設置や、園庭を持たない保育園等の遊び場としての活用など、公園に求められる機能が多様化しています。 (資料) 区立公園の数および面積の推移 区立公園数 2013年(平成25年)252カ所 2014年(平成26年)259カ所 2015年(平成27年)263カ所 2016年(平成28年)266カ所 2017年(平成29年)266カ所 2018年(平成30年)266カ所 2019年(平成31年)268カ所 区立公園面積 2013年(平成25年)602,572㎡ 2014年(平成26年)627,983㎡ 2015年(平成27年)630,906㎡ 2016年(平成28年)633,754㎡ 2017年(平成29年)638,994㎡ 2018年(平成30年)638,994㎡ 2019年(平成31年)639,430㎡ ※公益財団法人特別区協議会「特別区の統計」より作成 ※各年4月1日現在 (p.56) 10年後のめざす姿を実現するための基本的な考え方と主な施策 ❶ 水と親しむことのできるまちをつくる ●区民や外国人観光客等、多くの人が身近に水と親しむことができるよう、水辺空間の整備や利活用促進を図ります。 ●区民等が安心して水に親しむことができるよう、河川や運河の水質の改善を図ります。 主な施策 ▶水辺空間の整備 ▶水辺空間の利活用促進 ▶河川・運河の水質改善 ❷ 区内のみどりを増やす ●公共施設では品川区みどりの条例*に基づく整備を行うとともに、街路樹や緑道の管理・保全の徹底、みどりとふれあうためのマイガーデン*の運営を進めます。 ●区民のみどりづくりを推進するために、接道部や屋上の緑化助成、ボランティアへの支援、保存樹木や樹林の保全を行い、緑化啓発活動を進めます。 主な施策 ▶公共のみどりの保全 ▶区民によるみどりづくりの促進 ▶みどりの保全と育成の支援 ▶みどりとふれあう空間の創出 (p.57) ❸ 区民とともに公園を育てる ●区民のライフスタイルに応じた公園や、観光および歴史と文化、さらには憩いの拠点となる公園の整備を着実に進めます。 ●区民の多様なニーズに応えるため、多様な手法を用いて公園の整備や管理を進めます。 ●日常的な公園の維持管理を担う自主的な地域の団体などを支援します。 主な施策 ▶みんなに愛される公園づくり ▶多様なニーズに応える公園管理