(p.123) 第2章 各論 (p.123) [2]変化に対応する区政運営 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.124) 変化に対応する区政運営 現状と課題 ●区民の幅広い意見を区政に反映させるため、区民ニーズの把握と、区政に参画する機会の拡充が重要です。そのためには、さまざまな媒体を活用して区の情報や魅力を引き続き積極的に発信していく必要があります。 ●地域課題を解決していくためには、行政だけでなく多様な主体間の協働・連携をさらに促進していく必要があります。 ●昭和30、40年代に建設された公共施設は老朽化が進んでおり、今後更新時期を迎えます。 ●人口の増加やこれまで以上に多様な区民ニーズに応えた施策を実行するには、職員一人ひとりの能力をさらに高めるとともに、変化に対応できる組織体制を構築していく必要があります。 ●財政構造の弾力性を図る指標である「経常収支比率*」は、2018(平成30)年度は71.9%となっており、18年連続で適正水準の範囲にあります。今後も不断の見直しや歳入確保などの取り組みを実行し、健全財政を堅持する必要があります。 (p.125) 今後10年間の方向性 ❶ 区民参画と情報発信を推進する ●世論調査や審議会への区民委員の参加など、多様な手法を適切に活用して区民の声を聴くとともに区政への参画を推進します。 ●区の情報を分かりやすく届けるため、紙や電子など多様な広報媒体を活用するとともに、ICT(情報通信技術)を活用して必要な情報を対象者に直接かつ個別に提供するしくみを構築します。 ●シティプロモーション*や戦略的な情報発信により、区の魅力や施策を国内外にアピールしていきます。 ●透明性の高い区政を推進するため、行政情報の公開や地域課題の解決につながるオープンデータ*の利活用などを進める一方、個人情報の保護を徹底します。 ❷ 協働によるまちづくりを促進する ●区民・地域活動団体・事業者・NPO・大学・ボランティア等との関係をより一層深め、あらゆる分野での連携を強化するとともに、すべての区民がみんなで品川区をつくるという機運を醸成します。 ●地域のさまざまな主体が相互にネットワークを構築し、継続的に活動できるよう、情報提供や交流促進等の支援を行います。 ❸ 変化に対応して効果的・効率的に施策を展開する ●社会経済状況や人口構造の変化等に対応した施策を効果的・効率的に推進するとともに、不断の行財政改革に取り組み、民間活力*の活用、財務情報の把握や行政評価などを推進します。 (p.126) ❹ 中長期的な視点で施設マネジメントを推進する ●長寿命化や複合化・機能融合などにより、公共建築物や道路などの土木インフラの的確な維持補修・更新・有効活用を図ります。 ●ワンストップ窓口*など来庁者の利便性の向上や防災機能の充実を図るとともに、にぎわいの創出も見据えた新庁舎整備を検討します。 ●旧第一日野小学校跡地や国家公務員宿舎跡地などの公有地等について、多様な行政ニーズを踏まえた利活用に向け、民間活力の活用等、あらゆる手法を視野に入れ整備を進めます。 ❺ ICTなどの先端技術を活用して利便性向上を推進する ●ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)をはじめとする先端技術や、マイナンバーカードなどの活用により、区政運営のデジタル化・ペーパーレス化を推進し、来庁不要なサービス提供などの利便性向上や業務プロセスの改善を実現します。 ●区が有するデータの分野横断的な利活用を促進し、より効果的に施策を展開するとともに、情報セキュリティ対策を強化します。 ❻ 区民に信頼され実行力ある職員の育成と横断的な組織運営を推進する ●研修やジョブローテーション*などを通じた能力開発により、専門性や多様な主体と連携するコーディネート能力のある職員の育成を推進します。 ●新たな課題に広い視野と新しい発想で取り組み成果を出す職場づくりを推進するとともに、仕事の進め方・働き方改革を行い、区民サービスの向上と業務効率化を両立させます。 ●社会の変化に対応するため、柔軟で横断的な組織運営を行います。 (p.127) ❼ 地方分権・全国連携*を推進する ●区民にもっとも身近な基礎自治体として地域の実情にあった行政サービスを一層展開できるよう、国や東京都に対して役割分担の見直しを働きかけていきます。 ●日本全体が人口減少社会を迎え地域の活性化が求められる中、ともに発展・成長できるよう、23区や連携協定締結都市*はもとより、全国各自治体との交流・連携の拡大を図ります。 ❽ 健全財政を堅持する ●今後の財政需要を見据え、計画的に基金を積み立てるとともに、経済状況を勘案しながら効果的・効率的に予算を編成し、健全な財政運営を引き続き堅持します。 ●自主財源の安定的な確保に必要不可欠な税や保険料について、高い収納率を維持・向上させるとともに、キャッシュレス納付の推進など利用性の向上に努めます。 ●都区の税財源配分*について、基礎自治体が担う役割にふさわしい適正なものとなるよう他区と連携して東京都へ働きかけ、財源を確保します。 ●法人住民税の一部国税化などの不合理な税源偏在是正措置*の見直しや、ふるさと納税制度のあり方等について、東京都や他区等と連携して国へ働きかけ、適切な制度運用を行います。 (資料) 経常収支比率 2009年度(平成21年度):74.6% 2010年度(平成22年度):78.8% 2011年度(平成23年度):78.4% 2012年度(平成24年度):77.2% 2013年度(平成25年度):76.8% 2014年度(平成26年度):74.1% 2015年度(平成27年度):71.1% 2016年度(平成28年度):71.8% 2017年度(平成29年度):75.3% 2018年度(平成30年度):71.9%