(表紙) タイトル:八潮五丁目地区まちづくりガイドライン(考え方) 副題:住民・事業者・行政がそれぞれの役割をにない・連携し魅力あるまちとしてさらに発展していくために 策定:令和5年11月 品川区 (はじめに) 品川区では、令和5年3月にまちづくりの方針「品川区まちづくりマスタープラン」を改定しました。このマスタープランでは、区全体のまちづくりの方向性を示すとともに、地域ごとのまちづくり方針を定めています。八潮地区においても、「八潮団地エリア」、「臨海部エリア」、「鉄道車両基地エリア」、「東八潮エリア」に分け、それぞれについてまちづくりの方針を定めています。 そのうち「八潮団地エリア」においては、これまでもそれぞれの事業主体によってまちづくりの取り組みが行われてきましたが、今後もさらに八潮団地が魅力あるまちとして発展していくため、マスタープランに示す方針に基づき、今回新たに地域の特性を生かした具体的なまちづくりの考え方を示すガイドライン(考え方)を策定しました。 策定にあたっては、アンケートの実施やワークショップの開催、ご意見の募集などを行い、様々な角度から貴重なご意見をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。 なお、今後も社会情勢の変化や八潮団地エリア周辺の土地利用の変化等に応じて本ガイドライン(考え方)を適時・適切に見直しをおこなっていきます。 (目次) 1.八潮五丁目地区まちづくりガイドライン(考え方)の策定 1ページ 2.関連する上位計画等での位置づけ 2ページ 3.現在につづくまちづくり ~八潮団地のあゆみ~ 3ページ 4.八潮五丁目地区の概要と現状 5ページ 5.八潮五丁目地区の魅力と課題 17ページ 6.まちづくりの目標と取り組みテーマ 18ページ 7.まちづくりの実現に向けて 27ページ (本文1ページ目) 1.八潮五丁目地区まちづくりガイドライン(考え方)の策定 ■策定の背景・目的 八潮団地は、昭和58年の入居開始以降も、平成21年の地区計画による学校跡地の福祉施設への機能更新や、団地内道路の歩道の拡幅、自治会や事業者による敷地内通路の改修など、それぞれの主体のもと取り組みが進められてきました。 今後も、住民や事業者、行政がそれぞれの役割のもと、地区の課題を共有し、連携を図りながら、地区全体が魅力あるまちとしてさらに発展していくために、八潮五丁目地区まちづくりガイドライン(考え方)を策定します。 本ガイドライン(考え方)は、アンケートやワークショップを通じて頂いた、八潮五丁目にお住いの皆様のご意見を踏まえ、各主体が八潮地区で取り組みを行う際の一助になるよう、様々な内容を記載したものです。将来、地区全体が一体的で魅力あるまちとしてさらに発展することを目的としています。 (本文2ページ目) 2.関連する上位計画等での位置づけ ■品川区まちづくりマスタープラン(令和5(2023)年3月改定) 【八潮地区のまちづくり方針】 ・公有地の活用や空き室の改築による生活支援機能の導入・集積 ・団地内のバリアフリー化の促進 ・区内の各拠点との移動ネットワーク充実に向けた舟運の検討 ・地域外からの新たな居住者の定住の促進 ・次世代の良好な住環境の形成に向けた行政と住民と事業者が連携したルールづくり ■品川区地域防災計画(令和3(2021)年度一部修正) 区立しおじ公園には応急給水槽(1,500立方メートル)があり、給水拠点として位置付けられている。 災害時における断水期間に必要な飲料水および生活用水については、都との相互協力体制のもと、応急給水槽による飲料水の確保を行う。 ■水とみどりの基本計画・行動計画(令和4(2022)年3月改定) 【八潮地区の方針】 ・地域の生態系を支える豊富な水とみどりの資源の保全に取り組む ・水辺の散歩道の充実や舟運ルートとしての運河の活用 ・移動する人の玄関口としての良好な眺めの形成 ・水辺と一体となった空間の形成 ■品川区景観計画(平成23(2011)年1月) 【景観まちづくりの基本方針】 ・京浜運河から八潮団地への眺望は、区を代表する水辺景観の一つとして、今後とも貴重な緑とともに保全育成を図る ・海辺の景観を活かした八潮団地の住宅地景観の形成 【主な景観資源】京浜運河緑道公園、かもめ橋からの眺望 (本文3ページ目) 3.現在につづくまちづくり ~八潮団地のあゆみ~ 現在に至る八潮五丁目地区におけるまちづくりについて、振り返ります。 創設期 埋め立て時代 ・昭和初期より本格的な埋め立てが開始 ・昭和31年に、天王洲・東品川・勝島の埋め立てが完了 ・昭和49年時点で、周辺も含め埋め立てが完了 昭和58年(第1期入居開始) ・都営バス、京浜急行バス運行開始 ・各施設オープン  八潮地区コミュニティセンター、八潮北小学校、八潮中学校、しいのき幼稚園、八潮北保育園、八潮児童センター 等 昭和59年(第2期入居開始) ・東京水上警察署八潮派出所開設 ・各施設オープン  八潮南小学校、八潮南中学校、かえで幼稚園 昭和60年(入居完了) ・八潮南保育園開園 ・八潮橋開通(交通の便が格段に向上) (本文4ページ目) 初期 ・八潮五丁目地区は複数の設置主体のもと、多種多様な集合住宅により構成 ・昭和58年、各地区に自治会が結成し、八潮自治会連合会が発足 ・昭和59年、青少年対策委員会・老人クラブ「八潮やよい会」が発足、初めての「八潮まつり」が開催 ・昭和60年、「第1回八潮ファミリー運動会」が開催 中期 ・平成元年、交通防犯協議会が発足 ・平成2年、防災協議会地区協議会が発足 ・平成17年からは、中学校の授業でも防災訓練を実施し、中学生が高齢者を避難所まで誘導する避難行動要支援者訓練を開催 ・平成18年、寝たきり老人ゼロを目指す健康づくり「あひるの会」が発足 ・住民が健康で安全に暮らせるまちづくりに向け、歳末・夏季パトロールを実施 ・平成20年に小中一貫校八潮学園が開校 現在 ・学校跡地利用として、こみゅにてぃぷらざ八潮、特別養護老人ホーム等が建設 ・重症心身障害者通所施設「ピッコロ」の開業等、高齢者・障害者施設の充実が進展 ・ 八潮自治会連合会は「まつり」、「美化運動」といった事業のほか、少子高齢化への対応やふるさとづくり、ふれあいサポート活動など、様々な取り組みを行っており、まちづくりは今も進行中 (本文5ページ目) 4.八潮五丁目地区の概要と現状 概要 ■地区概要 敷地面積:約40.8ha 住宅棟数:住宅団地69棟、他2棟(八潮寮、八潮わかくさ荘) 全戸数 :住宅団地5,248戸、他60戸 (分譲住宅:1,859戸、賃貸住宅:3,389+60戸) 自治会数:28自治会(8棟570戸は自治会がない) 分譲住宅管理組合数:6組合 住宅管理者・分譲事業者 ・東京都住宅局(都営住宅)15棟(賃貸) ・日本勤労者住宅協会 1棟(分譲) ・UR都市機構41棟(分譲28棟、賃貸13棟) ・東京都住宅供給公社(JKK)11棟(分譲7棟、賃貸4棟) ・ビレッジハウス・マネジメント1棟(賃貸) ■人口 (令和5年1月現在) 11,570人 ■世帯 (令和5年1月現在) 5,706世帯 ■商業施設 (令和5年4月現在) 店舗名:パトリア品川店 店舗の種別:食品スーパー・ホームセンター、ATM、保険代理店、クリーニング、宅配集配所、飲食店(パン、和食、そば、丼もの)、ドラッグストア、整骨院、歯科、100円ショップ、理容、美容、不動産仲介、フットサルコート(5コート)、コンビニエンスストア、クリニック・調剤薬局 店舗名:シティマーケット品川八潮店 店舗の種別:食品スーパー、歯科 ■医療機関 (令和5年4月現在) 場所、医療機関名、診療科目 68号棟八潮クリニック 内科、小児科 68号棟八潮歯科医院 歯科 68号棟ポッポ堂薬局八潮店 薬局 37号棟園田クリニック 外科、内科、小児科、呼吸器科、循環器科 37号棟むらくに皮フ科 皮膚科 37号棟八潮耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科 37号棟ちの歯科医院 歯科 37号棟八潮調剤薬局 薬局 47号棟川村内科クリニック 内科、循環器科、小児科、在宅医療 47号棟永津クリニック 内科 パトリア品川店(2階)パトリア品川整骨院 整骨院 パトリア品川店(2階)パトリアデンタルクリニック 歯科 パトリア品川店(別館)東京シティクリニック品川 内科、糖尿病内科、小児科、皮膚科、アレルギー科、耳鼻咽喉科 パトリア品川店(別館)オダファーマシー品川八潮薬局 薬局 シティマーケット品川八潮店パークタウン歯科 歯科 (本文6ページ目) ■小・中学校 ・八潮北小学校跡地:明晴学園(私立ろう教育学校) 平成20年4月開校、マイスクール八潮(品川区適応指導教室) 平成20年度移転 ・八潮中学校跡地、八潮小学校跡地:八潮学園(小中一貫校) 平成20年4月開校(平成28年度より義務教育学校に校種変更) ・八潮南中学校跡地:八潮南特別養護老人ホーム 平成23年5月オープン ・八潮南小学校跡地:こみゅにてぃぷらざ八潮(区民活動交流施設) 平成23年2月オープン ■幼稚園・保育園 平成9年にしいのき幼稚園とかえで幼稚園が統合され、かえで幼稚園の場所に八潮わかば幼稚園が開園した。保育園はこれまで適宜建物の修繕を行ってきたが、施設内の老朽化が進んでいたため、大規模改修工事を行った八潮わかば幼稚園内に八潮南保育園が移転し、並列型の幼保一体施設として運営。八潮南保育園の移転によって空いた旧八潮南保育園を仮園舎として活用し、八潮北保育園、八潮西保育園、八潮中央保育園の順番で、八潮地区の保育園の大規模改修を行った。令和5年度からは、仮園舎としての使用を終えた旧八潮南保育園跡地を活用し、在宅子育て支援施設として整備を進め、令和7年度の運用開始を目指す。 ■郵便局・ポスト 郵便局:1箇所(品川八潮郵便局) ポスト:6か所(ローソン内含む) ■街路灯 区道および区立公園(八潮公園、しおじ公園)に、等間隔(20~30メートルごと)で設置 ■防犯カメラ ・区道:なし ・区立公園:5か所 ※その他、自治会が設置しているものがある (本文7ページ目、本文8ページ目) ■地区マップ (本文9ページ目) 現状 ■人口と世帯の推移 ・人口総数を世帯数で割った1世帯当たりの人員は、ピーク時は約3人であったが、現在は約2人となっている ・入居完了以降は世帯数に大きな変化が見られない (本文10ページ目) ■年齢別人口推移 ・入居完了以降、18歳未満の若年層は減少傾向にある ・高齢化率は入居当初は横ばいであったが、平成7年以降急激に上昇している ■年齢別人口 ・品川区全体では生産年齢人口が多いが、八潮五丁目では65歳以上の高齢者が多い ・八潮五丁目では、およそ3人に1人が65歳以上である ■高齢単身世帯の推移 ・平成17~27年の推移をみると、各地区で高齢者単身世帯は増加しているが、 八潮地区では10年間で約2倍に増えている (本文11ページ目) ■土地の利用状況 ・地区内は、建ぺい率60%、容積率300%として指定されている ・地区計画では地区区分ごとに建ぺい率、容積率が定められている ■建物の昇降設備 ・6階以下の低・中層住宅建物では、ほとんどエレベーターが設置されていない ・中層住宅建物のうち2棟は増築でエレベーターを設置している(都営住宅) (本文12ページ目) ■防災 ・総合危険度はランク1となっており、地震の揺れによる建物倒壊や大規模延焼火災の危険性が非常に低い ・住宅敷地の標高はおおむね12~13mで、高潮による浸水被害の可能性が低い ■道路 ・区道の歩道は拡幅やバリアフリー化が図られた (本文13ページ目) ■かもめ橋 ・京浜運河を横断する昭和61年3月に完成した橋で橋長は約170メートル ・令和2年6月22日にライトアップが開始された ■建物の高さ制限 ・羽田空港の高さ制限に伴い、建築可能な建物高さはおよそ67~88メートルである ※現在の高層棟の最高高さは約55メートル ■区道の通行規制 ・地区内の区道は、交通管理者(警察)によって積載量3tの通行規制がされている ■事業所数・従業者数 ・事業所数は平成26年時点で106箇所あり、ほぼ横ばいで推移している ・従業者数は、おおむね1,000人前後で推移している (本文14ページ目) ■交通 ・都営バス、京浜急行バスによる路線バスが運行され、近隣駅へのアクセス性が高い ・付近では、JR東日本による羽田空港アクセス線の計画が進行している ■景観 ・緑や水辺空間が街並みに彩りを添え、計画的に配置された建物とのバランスが特色ある景観を形成 ・地区内は無電柱化が図られている (本文15ページ目) ■水辺 ・京浜運河の護岸上部を活用した公園と一体的な整備が行われ、親水性が高い ・京浜運河緑道公園の運河に面した部分は釣りが可能なエリアとなっている ■みどり ・敷地内の小公園、区立公園、都立公園が住宅を囲むように位置し、豊富な緑地空間を形成 ・地区内の公園は、品川区全体の公園面積のうち約10%を占めている (本文16ページ目) ■地域コミュニティ ・地域が主体となった防犯パトロールや清掃活動、行政等と連携した自助・共助で対応するための防災訓練などが積極的に実施されている 時期、内容、場所 通年(9、12月を除く) 緑道清掃 緑道公園 7月 八潮まつり 八潮公園多目的広場 10月 八潮地区総合防災訓練 明晴学園、八潮公園多目的広場、こみゅにてぃぷらざ八潮 1月 新春餅つき 八潮地域センター前広場 3月 八潮美化運動 明晴学園校庭、八潮学園校庭、69号棟前児童公園、こみゅにてぃぷらざ八潮裏児童公園、こみゅにてぃぷらざ八潮前グラウンド、緑道公園 (本文17ページ目) 5.八潮五丁目地区の魅力と課題 これまで、八潮のまちづくりについて住民アンケートの実施やワークショップの開催を行いました。これらの意見をふまえ、地区の魅力や課題などについて整理しました。 魅力 ・豊富な緑で四季を感じ、気持ちよく散歩することができる。 ・運河に囲まれ、水辺を感じ、憩える場所を形成している。 ・車の道と人の道が分離され、安全に散歩や通学ができる。 ・団地からの眺望や運河沿いのロケーションがよい。 ・自治会によるコミュニティがある。 ・広い公園や広い屋外遊技場のある保育園で、のびのび子育てできる。 課題 ・遊具の整備や落ち葉の清掃など、公園の適切な維持管理がされていない。 ・仕事ができるスペースなど、公園の新たな利活用ができるとよい。 ・公園や団地内は街灯が少ない場所があり、夜は暗い。 ・医療、福祉だけでなく、お店や公共交通などの生活サービスの充実が必要。 ・施設や住宅の老朽化を踏まえた改修や更新が必要な時期となっている。 ・さまざまな世代に対応した住まいの充実やバリアフリー化が必要。 ・多様な人々や地域住民同士が交流できる屋内・屋外施設があるとよい。 ・外国人居住者の増加を踏まえたルールやコミュニティの面での対策が必要。 ■住民アンケート概要(平成30年度実施) 八潮五丁目地区における維持・保全すべきまちの魅力や解決すべき課題に適応した計画的なまちづくりを推進するため、広く住民の皆さまのご意見をお聞きしました。 ・対象:八潮五丁目全戸に配布(約5,300戸) ・回収率:約32% ■ワークショップ概要(令和3~4年度実施) 自治会関係者、分譲管理組合関係者、子育て世代の方々を対象に、八潮のまちづくりについて意見交換を行うワークショップを開催しました。 ・開催回数:延べ9回 ・参加者数:延べ75名  (本文18ページ目) 6.まちづくりの目標と取り組みテーマ ■まちづくりの目標 地区の魅力を伸ばし、課題を解決していくために、まちづくりの目標を定めます。 ・緑の豊かさと水辺の潤いを守り、感じられるまち ・安全で安心な暮らしと快適な居住環境を有したまち ・世代を越えたコミュニティとにぎわいがあふれるまち ■まちづくりの取り組みテーマ まちづくりの目標の達成に資する4つの取り組みテーマを示します。 環境:地域に親しまれ、憩いの場となる緑・水辺づくり 安全・安心:人々の様々な活動を支える安全・安心づくり コミュニティ:持続的な暮らしとコミュニティづくり にぎわい:多様な魅力を備えたにぎわいづくり ■まちづくりの目標から導き出される“八潮の将来像” 水がきらめく 緑がかがやく 人がときめく 八潮 (本文19ページ目) 環境 1.緑とふれあえる ■四季を感じられる植栽を有した、地区内のポケットパークや緑道の整備などにより、快適で身近な憩いの場を創出 地区内の点在するポケットパークなどに花壇やベンチ、小さな遊び場を整備するなど、まちの様子を眺めながら休憩できる身近な憩いの場の充実を図ります。 ■地域の活動や学校等と連携した緑育活動を通じて、子どもたちが緑を学びふれあう機会を創出 地域住民や学校等と連携して、地区の公園や緑をフィールドとした緑育活動などに取り組みます。 ■緑の維持管理を適切に行い、樹木の健全な育成と更新を促進   行政が管理する道路・公園だけでなく、事業者が管理する通路・小公園についても適切な維持管理に努め、豊富な緑を保全します。 (本文20ページ目) 2.水辺のうるおいを感じられる ■水辺をより身近に感じられるように、親水性を高める水辺空間の整備と利活用を促進 公園を活かした親水空間や広場空間を確保し、日常的に水に触れ合うことのできる環境の充実を図ります。 ■運河沿いのライトアップなど、魅力的な水辺景観を創出 橋や公園におけるライトアップなどを、周辺の民間施設と連携して取り組むことで、新たな観光資源やにぎわいを創出します。 3.自然環境の機能を活かす ■都心に立地しながら有する豊かな自然環境を、土地利用との調和を図りながら活用 緑や水辺を生かした魅力ある景観形成を図っていくとともに、公園にカフェ等を誘致することで、緑や水辺を楽しめる環境づくりを検討します。 ■地区を囲む緑道公園などを活用し、健康増進や交流機会の増加を目指した散策路の整備を目指す ウォーキングコースやプレイパークの整備など、自然に触れながら子どもから大人まで気軽に健康づくりに取り組むことのできる環境の充実を図ります。 (本文21ページ目) 安全・安心 1.日常の安全性を高める ■通学路や生活道路における防犯灯・防犯カメラの整備や死角解消、自転車走行空間の整備など、安全な通行と犯罪の抑止を促進 暗い場所を把握し、効果的な樹木剪定や街路灯の整備により、明るく安心できる環境づくりを進めます。 また、子どもが身の危険を感じた時に駆け込める場所の確保を促進し、周知に努めます。 ■建物や歩道の段差解消など、歩行者空間の連続的なバリアフリー整備を促進 地区内の主導線の整備とともに、これを活用し住宅棟や施設をつなぎ、回遊性の高い歩行者ネットワークの形成を図ります。 ■屋外空間における衛生面に配慮したトイレや手洗い場の整備を促進 清潔感のある公衆トイレの整備や砂場の近くにおける手洗い場の充実など、衛生面への配慮に努めます。 (本文22ページ目) 2.災害に備える ■学校や地域における一層充実した防災知識の普及を促進 災害時における地域の協力体制を構築するため、八潮地区総合防災訓練などの防災活動を充実していきます。 ■耐震性・耐火性の高い地域での防災力の強化を推進 防災タブレット等を活用した情報伝達訓練や防災資機材点検を定期的に行い、より一層の防災力の強化と防災意識の向上を図ります。 3.地域とつながる ■地域の人による子どもや高齢者の日常的な見守りを促進 住民、在宅介護支援センターや支え愛・ほっとステーション、八潮児童センター、協力事業者などが連携した子どもと高齢者の見守り体制づくりを進めます。 ■防災イベントなどを通じて住民同士の顔を合わす機会を増やし、地域コミュニティによる防災力の強化を促進 防災意識の向上とコニュニティ形成のため、地域ごとに深く防災について学び、考えるしながわ防災学校を断続的に実施します。 (本文23ページ目) コミュニティ 1.誰もが暮らしやすい ■多様なライフスタイルに対応する良好な居住環境の整備を促進 自宅でのテレワークや在宅学習、空き部屋を活用したシェアオフィスなど、新たな日常にも対応した住環境の整備を促進します。 ■買い物の場所や移動手段など、日常生活に不可欠な機能の維持・向上を促進 地域のニーズに対応した飲食店や商業施設など、生活に必要な都市機能の充実を促進します。 また、民間路線バスの充実に向けた働きかけや新たなモビリティサービスの導入など、交通手段の充実による回遊性の向上を図ります。 ■障害の有無や特性にかかわらず、すべての人が生き生きと暮らせる環境整備を促進 インクルーシブ遊具の整備など、だれもが同じ場所で過ごし、同じ機会を得られる環境の整備を促進します。 (本文24ページ目) 2.多世代交流ができる ■地域の一員として気軽に地域の活動に参加しやすい環境づくりを促進 様々な住民の地域デビューを支援するため、SNSでの情報発信を行うとともに、コーディネーターの育成推進を図ります。 ■多世代交流や賑わい創出を支援するまちづくり拠点の整備を促進 地域の活動への参加機会の拡充に向けた、既存建物や屋外空間を活用した拠点施設の機能の充実を図ります。 3.多文化が共生できる ■外国人居住者が快適な生活を送ることができるよう、多言語案内板やマナーブックの作成を促進 マナーや生活習慣が異なる外国人が理解しやすいよう、外国人の視点に立った情報提供や伝達方法の環境の充実を図ります。 ■国籍にかかわらずお互いに支え合えるコミュニティの形成を促進 外国人との交流機会となるようなイベントの開催や交流ボランティアの募集など、国際交流の取り組みを図ります。 (本文25ページ目) にぎわい 1.にぎわいとやすらぎが調和する ■子どもの成長に応じた遊び場や居場所を整備 親子が安心して集い、交流することができる子育て支援施設や、多様な遊びを提供する屋外空間の充実を図ります。 ■公園やグラウンドなどのオープンスペースを活用したイベントの開催を促進 公園等のオープンスペースにおいて、集客力のあるイベントや移動販売車等を誘致し、にぎわいの創出を図ります。 (本文26ページ目) 2.地域資源を活かして魅力を高める ■学校等の施設開放により、地域住民のスポーツ活動や交流を促進 八潮学園や明晴学園、こみゅにてぃぷらざ八潮や八潮南特別養護老人ホーム地域交流室などの施設を学習・スポーツ活動の場としてさらなる活用を図ります。 ■公園の整備や運営に民間活力を導入し、魅力向上を促進 民間事業者のノウハウを活用することで、カフェやイベント空間など、地域の人々が集う施設整備の充実を図ります。 3.個性とポテンシャルを活かす ■公共交通を補完するオンデマンド交通などの導入を促進 公共交通を補完し、住民の日常利用や地区を訪れた人たちの回遊性の向上を図るため、シェアサイクルポートの充実や水上交通の可能性についての検討を行います。 ■デジタルツールを活用し、地区の魅力やコミュニティの活動などを広く発信 区外への魅力発信や転入者へのコミュニティ紹介などができるよう、SNS等の活用やホームページの充実を図ります。 (本文27ページ目) 7.まちづくりの実現に向けて ■八潮五丁目地区のまちづくりのルール 本ガイドライン(考え方)は、住民・事業者・行政等の間で地区全体の将来イメージを共有するためのまちづくりの指針となり、そして良好なまちづくりへとつなげ、将来へ渡って引き継がれていくことが重要となります。 そのため、以下のような八潮五丁目地区のまちづくりのルールを定め、持続発展に向けたまちづくりを目指します。 (本文28ページ目) ■五者協定 昭和57年に、当時の建設事業主体「東京都住宅局」、「東京都住宅供給公社」、「住宅・都市整備公団」、「日本勤労者住宅協会」、「雇用促進事業団」の5者で締結された「品川区八潮パークタウンに係る土地等の管理等に関する協定書」のことです。 良好な住環境を維持するため、土地等の管理および使用に関して必要な事項が定められています。 ■八潮五丁目地区地区計画 平成21年に、八潮五丁目地区全体を区域とした地区計画が定められました。当時、人口構成の変化とともに施設ニーズも変化し、教育施設、地区住民の活動交流施設、高齢者福祉施設等が必要とされたためで、従前の一団の住宅施設を廃止して地区計画に移行することにより、より柔軟なまちづくりを行うことができるようになりました。 ■一団地認定に関する八潮五丁目地区のルールブック 建築基準法第86条に規定する一団地認定を受けている八潮五丁目地区において、一団地認定制度を適正に管理・運用するために、今後検討を重ねて定める予定です。当地区内での建物の新設や増改築等を行う場合、このルールブックに沿って調整・申請・共有を行うこととします。 (裏表紙) 八潮五丁目地区 まちづくりガイドライン(考え方) 2023(令和5)年11月発行 発行:品川区 編集:品川区 都市環境部 都市計画課