#26 ウーヴ
東海林拓也さん ∞ 平嶋悦子さん
赤ちゃんから高齢者まで
『楽しく生きる日常をみんなでつくる』を理念に
地域を元気にするまちづくりを目指し
活動する「ウーヴ」
その中核を担う お二人に話をうかがった
ーーNPO法人ウーヴの理事長をされている平嶋さんに、ウーヴはどのような活動をされているのかうかがった。
平嶋さん
以前は、(絵本の)お話会を中心に活動していたボランティア団体でした。2005年にNPO 法人として法人格を持ち、品川区の委託事業として、児童センターの運営、学校図書館司書の配置、すまいるスクールの運営を行なっています。また、2018年9月に、この場所(戸越公園)に@ウーヴという拠点を開設して、地域を元気にするまちおこし、まちづくりを行うとともに、子どもの健全育成を目指して活動しています。
ーー平嶋さんはウーヴの理事長に就任した際、まず活動の拠点となる場所を探すことから始めた。拠点である@ウーヴの開設にあたり、平嶋さんが目指したこととは。
平嶋さん
今は乳幼児の活動から高齢者の活動まで行なっていますが、職場や学校、家庭でもない第三の居場所を作ることが私の目的です。
ーー@ウーヴでは、会員支援事業として会員の方々の特技を生かした数多くのイベントが開催されている。会員支援事業が生み出す効果や、参加されている方の様子についてうかがった。
平嶋さん
(ウーヴの事業で)ボイストレーニングを行なったこと際、最高齢90歳くらいの方が大きな声を出して、みんなとおしゃべりをして帰っていく姿を見た時は、すごくここ(@ウーヴ)を開いて良かったなと思った瞬間でした。
あとは、仕事をしている方が(気持ちの)スイッチを入れ替える場所として開催している、自分の特技を生かせる「編み物教室」「ヨガ」などのイベントが、社会とつながるというシーンにもなり、私たち「ウーヴ」の名前も広がるWin-Winの良い関係が(会員と)作れていると思っています。
ーーNPO法人ウーヴで、地域サービス事業部の責任者として活躍されている東海林さん。東海林さんがウーヴに入職されたきっかけについてうかがった。
東海林さん
以前は、地元 秋田の保育園で働いていましたが、深刻な過疎化が進んでおり、子育て支援でまちを元気にできないかなと思っていたところ、他のまちには児童館があって、子どもを真ん中にしながら地域がつながり、まちが元気になっていくことを知ったのですが、私のまちには児童館がなくて。そんなときに品川区に住んでいる友人から(品川区でウーヴが受託している)児童館のチーフを探しているという連絡がちょうど来て、ちょっと勉強しようかなという思いで児童館に入ったのがウーヴとの出会いでしたね。
ーー@ウーヴでは、親子で絵本を自由に読んだり、木のおもちゃで遊んだり、マイペースで過ごすことができる「絵本タイム」を開催しており、スタッフによる読み聞かせも行なっている。絵本に関する活動の中で、東海林さんが大切にされていることについてうかがった。
東海林さん
絵本は、その子によって好きな絵本の好みがやっぱり違っていて、子どもが絵本の絵を見てパッと手にすることは、興味のきっかけとして良いと思っています。ウーヴが、その入口になれば良いなと思っているので、ウーヴで紹介する絵本のテーマも毎月変えて紹介しています。
ーーNPO法人ウーヴは、品川を本であふれるまち、親子で楽しく本を読み合うまちにしたいと願い、2005年3月に設立。
ーー拠点である@ウーヴでは、地域の人たちと一緒にできる絵本の読み聞かせなど、さまざまな独自のイベントを開催している。
ーー共にウーヴで精力的に活動されているお二人。お互いの印象についてうかがった。
東海林さん
私と平嶋さんが一緒にNPO活動を行なっている中で、打ち合わせもなく(自分と)同じ言葉を話している人と出会ったのは平嶋さんが初めてだったので「あっ、同じ考えの人がいた」ということがすごく嬉しくて。だから自分の熱量を思い切りぶつけても、受け止めてくれる人だと思っています。
平嶋さん
東海林くんは至近距離で全力投球してくるよね。それが若さゆえというか、可能性をすごく秘めている人だなと思っています。
ーー地域の人々とふれあいながら、子どもから大人まで楽しめる企画や場所づくりに尽力してきたウーヴ。お二人の思う、今後の展望とは。
平嶋さん
少子化と言われているけれど、老後の生活を楽しくというところも、私たちはやっていかなければいけないと思うのね。東海林くんは責任者として具体的な策は、今ありますか?
東海林さん
子どもたちがここ(@ウーヴ)に来て、親ではない大人と遊ぶ “子どもブカツドウ”をやりたいということと、今は親子、小学生、大人、それぞれが別々に活動しているけれども、世代をつなぐ事業が必要だと思っていて。別々の世代がつながる事業が@ウーヴで出来ると、つながれる場所として大きく変わっていくと思います。
「まちを元気にする」共通の目的をもとに
地域の人々や団体とつながり合いながら
活動の幅を広げている ウーヴ
今後の新たな試みに 話を弾ませるお二人からは
世代をこえて いきいき暮らせるまちの未来が感じられた
最後に、お二人から地域で活躍されている区民の方をご紹介いただいた。