2025年1月1日号 広報しながわ
 新春座談会 2025

あけましておめでとうございます

新年おめでとうございます。

2025年巳年のスタートです。

本年が皆さんにとって、幸せで笑顔あふれる一年であることを心からお祈り申し上げます。

今年の新春座談会は、品川区内に本社を構える日本航空株式会社社長の鳥取三津子さん、株式会社ポーラ前社長の及川美紀さんにお越しいただきました。

よりよい社会をつくっていくためには、今、どのような視点が必要でしょうか。

行政、民間企業と立場は異なりますが、女性リーダーとして活躍する3人がそれぞれ考えを述べ、意見を交換し合いました。

新年のご挨拶写真
左から及川さん、森澤区長、鳥取さん〈五反田JPビルディング内「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」〉

鳥取 三津子さん
日本航空株式会社代表取締役社長執行役員
及川 美紀さん
株式会社ポーラ前代表取締役社長
森澤 恭子
品川区長

女性リーダーが語るこれからの品川区

新春座談会写真

区長 あけましておめでとうございます。

鳥取・及川 おめでとうございます。

区長 今年の新春座談会はお二人のゲストにお越しいただきました。区内企業である日本航空株式会社の鳥取三津子社長、株式会社ポーラで昨年まで社長を務められてきた及川美紀さんです。今日はよろしくお願いいたします。

及川 今回はお声をかけていただき、ありがとうございます。ポーラは1971年に現在のビルが竣工(しゅんこう)し、それからずっと五反田に本社を構えています。2029年に創業100周年を迎えるのですが、そのビジョンとして「We Care More.」を掲げ、人・社会・地球の3つのケアを打ち出しています。今日はよろしくお願いします。

鳥取 今日は楽しみにしておりました。日本航空は天王洲に本社を移したのが1996年です。約30年にわたって品川区とともにあり、様々な機会で地域とつながりを持ってきました。今日はよろしくお願いします。

これからは個性活躍の時代 性別や障がいの有無にとらわれないダイバーシティな土壌づくりを

区長 女性リーダー3人が集まっているということで、まずは共通するテーマからお話しさせてください。品川区は昨年の4月に「品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例」*1 を制定しました。その中では、女性のエンパワーメント*2 を基本的な考え方の一つに入れています。いわゆる「女性活躍」ではなくて、一人ひとりが持つ力を十分に発揮できるように後押ししていくことが重要だと思っています。そうした意味で、女性のエンパワーメントについてどう考えていらっしゃるのかお伺いします。

鳥取 私が社長に就いた時に、くり返し「女性社長」という言われ方をしました。長く客室乗務員の職にありましたので、客室乗務員から社長になるという経歴がちょっと珍しかったのかもしれませんが、いつまでも言われることに正直とても驚きました。自分の中では、「女性活躍」という言葉すら古いと思っていまして、活躍できる人材に性別も、障がいの有無も関係ないと思っています。

及川 同感です。限られた数の社員の方たちにフルに活躍してもらうためには、性別なんて言っていられません。ですから女性活躍の先にある、個性活躍を重視してきました。性別とか年齢とか出身校とか、そういうことによらない「自分の個性」で活躍する人です。しかし、その個性活躍の機会が与えられない人の一番の集団が女性だったのかもしれません。半数いる女性がチャンスをつかむためには、まずはトップの意思、そしてジェンダーを取り巻くバイアスの除去、ライフステージの壁といったものを順番にクリアして、最後に女性の意識、エンパワーメントを高めていくことが大切だと思います。

区長 大事な考え方ですね。

鳥取 私が長く籍を置いていた客室乗務員の世界は、女性が多数を占めます。管理職もほぼ女性ですし、キャリアプランはある程度描きやすいのですが、一方、他の組織ではキャリアプランを描きにくいと感じる女性社員も多い。これは大きな課題だと思っています。ライフイベント*3 から戻ってきて復帰しやすい環境づくりなどに本気で取り組んでいますが、その一方で、女性自身も責任が重い仕事や昇進に尻込みしてしまったり、自信が持てずにあきらめてしまったりするケースがあります。そうしたことも含めて、当社では、女性が自信を持って活躍できる土壌づくりを進めているところです。

区長 伺っているとやはり、女性リーダーだからこそ、見えてくるものや発想があるように感じます。区政でもプロジェクトや計画を立てる時に、審議会を組織したり、有識者や区民の方に集まっていただいたりするのですが、時にその構成に偏りがあることに気づきます。例えば出席者が男性ばかりだったり、あるいはイベントで登壇する大半が男性だったり。ですので、区としては多様な意見を反映させるためのバランスの指標として、構成メンバーをどちらかの性が40%になるようにという数字を目標にしています。

鳥取 そうしたことに気づくのは、女性リーダーだからかもしれませんね。

区長 悪気があるわけではなくて、気づいていない。そういうことが様々な場面であると感じています。言い続ける、問いかけ続けることで、みんなが「なんかちょっとおかしいな」と感じるようになっていくことが必要だと思っています。

及川 先ほど鳥取さんが「女性社長」と呼ばれて珍しがられたとお話しされましたが、私も同じ経験をしました。ポーラは主に女性向けの化粧品を扱っている会社なのになぜ?と思いつつ、こんなに珍しがられるということは、それだけチャンスとチャレンジの機会が女性にはなかったのだと感じました。私たち女性リーダーができること。それは、その判断軸はちょっと偏っていませんか、あるいは男性だから、女性だからというバイアスを取り払ってみませんか、という話を一つひとつ丁寧にしていくことだと思います。

区長 女性のエンパワーメントを高めるために必要なのは、まずはジェンダーバイアス*4 を取り払うことと言えるでしょうか。

及川 女性をリーダーに登用することは、下駄(げた)を履かせることではなくて、今までかけていた色眼鏡をとってくださいということではないでしょうか。色眼鏡をとってみれば、優秀な人材がたくさんいます。その人材を育て、素敵な女性リーダーたちがいることを発信していくとともに、どこでも人を育てる土壌をつくることができると言い続けていくことが大切です。

鳥取 私は性別ではなく、個人の力が尊重されるべきだと言ってきました。しかし、管理職になることを躊躇(ちゅうちょ)して歩みを止めてしまう女性たちがいることも事実。私のことを見て「やってみようかな」「私にもできるかもしれない」と思ってくれる女性が一人でも増えてくれるように行動していきたいと思っています。「社長になりたい」という女性が出てきてくれたら最高ですね。

ウェルビーイングの視点から様々な人生のあり方を考えてみる

区長 品川区も、そして日本航空様もポーラ様もウェルビーイング*5 の取り組みに力を入れています。及川さんはウェルビーイングについての書籍*6 を出されていて、私も拝読し参考にさせていただいています。

及川 ありがとうございます。「幸せ」とはなんだろうと考えたら、ハッピーは短期的な幸せなんですよね。一方、ウェルビーイングは長期的、持続的なもので、人生には様々な浮き沈みがあるけれども、ウェルビーイングという大きな視点で考えて幸せをどう捉えるか。例えばウェルビーイングに人との関係を築くには?とか、ウェルビーイングに働くとは?とか。人生のあり方みたいなものを考える一つの視点がウェルビーイングだと思います。それを仲間と研究できたらどうなるだろうかと考えて、ポーラでは私の社長時代に社内に「ポーラ幸せ研究所」*7 を立ち上げました。

鳥取 どのような活動をされていたのですか。

及川 30人くらいのメンバーがそれぞれテーマを設けて自由に活動していて、3カ月に1回中間発表、1年に1回最終発表を行い、アウトプットへとつなげていました。テーマは本当に様々で、働く幸せを考えるチーム、ビジネスパートナーであるポーラのショップオーナーたちの店舗の幸せを考えるチーム、あるいは美容と幸せを考えるチームなど、「ウェルビーイングについて考えよう」と投げかけた時に、解釈の仕方って本当に様々で、こんなことを考えるのだと驚かされました。1人、「品川区の幸せを考える」というテーマで活動している社員もいました。

区長 それはありがたいです。

及川 五反田バレーユニバーシティ*8 のような取り組みに参加させていただいたり、地域の子どもたちや町会などと接点を持ちたいと言って、ポーラ本社のロビーに並ぶアート作品を子どもたちが見学する機会をつくったり。会社に小さなお子さんたちが来ているのを見ると、みんなほっとしたり、元気になったりするんですね。お子さんのためにやろうと思ったことが、実は社員のウェルビーイングになっていたりして、ユニークな試みでした。

区長 今のお話を伺うと、「つながる」って大事だと改めて思いました。世代間のつながり、地域と地域のつながり、企業と行政のつながり、今まで接点のなかった者同士がつながると、思いもかけない“化学反応”や連携が生まれたりしますよね。

鳥取 幸せ研究所の活動が、ほかの社員の方たちへ影響していることはありましたか。

及川 取り組んでいるメンバーが楽しそうなので、そういう意味ではみんなが関心を持って応援しているという雰囲気がありましたね。

鳥取 幸せな社員は生産性や創造性が高いと言われていますが、そうしたことは実感されていましたか。

及川 次々にアイデアが湧いてくるということはあるようでした。幸福度が高いと、人とつながろうと思う気持ちも強くなります。人とつながることで、自分の幸せだけではなく、目の前の人、チームの仲間、組織や社会の幸せを考えるようになる。そこからまた、新しい試みが生まれてくるように感じました。

区長 ウェルビーイングが向上したら、すぐに業績につながり、結果が出るということではないかもしれません。しかし持続的、長期的な視点で捉え、社員のやる気や意識があがっていくことで、結果としてはポジティブな変化が出てくるのだと思います。鳥取さんはウェルビーイングについて、どのように捉えていらっしゃいますか。

鳥取 私たちはこれまで、安全・安心な移動をお客さまに提供することを第一に考えてやってきました。しかし、コロナ禍で移動が途絶えてしまった時に、私たちの会社の存在価値や社会的意義とは何だろうかと……。そこから議論が始まり、移動を通じた「関係・つながり」を持つことが大事だと気がつきました。それは人と人だったり、人とモノだったり、人と地域や場所だったりするのですが、そこに着目して移動の先にある関係・つながりを創造し、提案していこうという取り組みを進めています。例えば特定の地域とつながりを深く持つことで、自分の暮らすまち以外に会いたいと思う人がいたり、愛着を感じるお気に入りの場所があったりすることは、人々の幸せ、すなわちウェルビーイングにつながることだと考えています。

とっとりみつこさん写真

区長 コロナ禍をきっかけに、自分にとっての本当の幸せ、人や場所とつながることについて考えさせられました。

鳥取 そうですね、私たちが持っている飛行機というインフラを使って地域の活性化を図り、社会課題を解決しながら私たちも成長していく。そしてそれがサステナブル*9 な未来の実現にも貢献できる。これは会社のウェルビーイングでもありますね。昨年は、移動を通じた関係・つながりを実現した未来を描いた「JAL FUTURE MAP(ジャル フューチャー マップ)」*10 も作成しました。

区長 ビジュアルで見せていくことも、とても大事ですよね。

鳥取 おかげさまでほかの企業様にも共感いただき、あまり形にはとらわれずに、柔軟な発想でやっていければと思っております。

昨年は初の「ウェルビーイング予算」を編成 区民のウェルビーイングに貢献する

区長 品川区では「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川」の実現に向け、全国初の「ウェルビーイング『区民の幸福(しあわせ)』予算」*11 を編成しました。

及川 品川区のウェルビーイング予算というのはどういうものなのですか。

区長 もともとは、日本は経済的に豊かである一方、幸福度が低いということが問題意識としてありました。そうした中で、区民の幸福度を上げていくことを主軸におき、区民の方たちの不安や不満などの「不」を解消して、未来に希望を持てる社会をつくっていく。そうした志を持って、「ウェルビーイング予算」と名付けました。

鳥取 具体的にはどのように進められたのでしょうか。

区長 一昨年(令和5年)に全区民アンケートを実施して、区民の皆さんが、「自分らしく幸せに暮らしていくために重要」と考えているけれども、実際には満足度が低い事項を抽出し、それを予算として組んでいきました。例えば、子育て家庭の負担軽減のために学用品の無償化*12 に踏み切ったり、能登半島地震の発生もあり、防災の強化ということで携帯トイレを全区民に配布*13 したりする施策を進めてきました。

及川 予算に「幸福(しあわせ)」という言葉が入ることは、とても素敵だなと思いました。区民の方からの反応・反響はどうでしたか。

おいかわみきさん写真

区長 学用品や給食費の無償化について、お子さんからも「ありがとうございます」とよく声をかけていただきます。おそらくお子さんたちも親の経済的負担というのは感じていて、それを区が支援していることへの実感を持ってもらえたのだと思っています。区民の皆さんのニーズと社会の変化をタイムリーにしっかりキャッチして、お預かりしている税金を区民の皆さんの幸福(しあわせ)のために有効に使っていくというのは、非常に大事なことだと改めて思っているところです。またウェルビーイングという言葉を使ったことで、職員も品川区民の幸福度を高めていこうという意識を持つようになってきていると感じます。

鳥取 職員の方向けには、何か取り組みはされているのでしょうか。

区長 そうですね。昭和の時代には、苦手なことを克服してがんばるという考えがあったかもしれません。しかし、私が思うのは、強みや好きと思えることを活(い)かした方が一人ひとりの力をより発揮できるのではないかということなんです。それぞれの得意分野を活かし、苦手な部分はお互い補い合っていくような職場づくりを行っていきたいと考えています。公務員は区民の皆さんのために働くことが前提にはあるのですが、自分が働いていて楽しい、幸せという実感を持つことも大事だと折に触れて職員には話しています。また「人材育成基本方針」*14 を定めて、区民の幸せのためにどう取り組んでいくかプロジェクトを立ち上げるなど、様々な取り組みを進めています。

行政と民間企業が手をたずさえ、地域の社会課題を解決していく

区長 ウェルビーイングを進めていくうえで、行政と民間企業が協力して社会課題を解決し、人々の生活の質、あるいは社会の質を高めていく官民共創の取り組みは欠かせません。区民の皆さんのニーズやライフスタイルが多様化している中、行政だけで地域課題や社会課題を解決するというのには限界があると感じていまして、地域の企業の皆さんと連携しながら、お互いの強みを活かしてよりよい地域をつくっていきたいと考えています。昨年の9月には、持続可能な地域・社会づくりに取り組む事業者・団体などを会員とする「しながわSDGs共創推進プラットフォーム」*15 を立ち上げました。多様な関係者同士がつながり、社会課題の共有や意見交換、官民共創プロジェクトの支援などの活動を行うことで、SDGsのさらなる推進を図るというものです。また、3月に初めて開催する「しながわシティラン2025」*16 では、日本航空様、ポーラ様ともに協賛をいただきました。一緒に地域を盛り上げていただきたいと思っています。

及川 官民共創が活発になることで、区民の皆さんの輝く笑顔を見ることができるようになるとよいですね。

鳥取 日本航空では区内のお子さんに「空育(そらいく)(登録商標)」*17 を行ったり、地域のおまつりにブースを出したりと、今後も航空や移動することの楽しさを伝えることで貢献できればと思っています。もちろん、しながわシティランも盛り上げていきます。

区長 シティランの今回のコースは、しながわ区民公園をスタートして品川区の大事な歴史的資源である旧東海道から天王洲の日本航空本社前を走り、京浜運河の水辺、大井ホッケー競技場を通り、大井競馬場がゴールとなります。品川区の魅力を味わいながら走れるコースです。走る人も応援する人もみんなが一つになって盛り上がることを期待しています。

及川 ポーラもしながわシティランに参加します。しながわシティランを通して、様々なつながりができることを楽しみにしています。

「つながる」ための取り組みを行政がハブとなり広げていく

及川 ウェルビーイングな社会をつくるためには、「つながり」はとても大事なテーマです。それと同時に、「知識を得る」ことも大切な要素だと思っています。

鳥取 知識がないと自分の考えが100%になってしまい、寛容な考え方はできなくなってしまいますね。

及川 そうなんです。例えば少数派の方たちの話を聞いて、「こういうことで悩んでいるんだ」ということを知る。そうやって自分の視野を広げるための知識を積み重ねていくことで、やさしかったり、強かったり、深かったりするつながりを育むことができるのではないでしょうか。

区長 「つながり」私も本当に大事だと感じています。都市部の課題の一つが、まさにつながり。引っ越しをしてきて孤独・孤立を感じている人がいたり、頼れる親族が周りにおらず、さびしい思いをしながら子育てをしている人がいたり……。そうした中で行政がハブ(拠点)となって、いろいろなつながりを持たせていくことが必要だと思っています。昨年から0歳児の見守りおむつ定期便*18 を実施しています。これはコロナ禍で外出ができない、児童センターへも行くことができないといった状況の中で、孤独な子育てをしていたという経験を聞き、行政に相談に来てくれるのを待つのではなく、区が自らつながりに行くことが必要だと思って始めた事業です。

もりさわきょうこ区長写真

及川 行政や企業が触手を広げるように、自らつながりをつくっていくことも必要ですね。

区長 官民で網目のようにつながりの機会を広げていけば、どこかに接点や引っかかりを見つけることができるかもしれません。そうすることで、地域全体で孤独や孤立をできるだけなくし、ウェルビーイングの高まりへとつなげていければと思います。

鳥取 まさに「つながりは、未来への翼だ。」ですね。

区長 「JAL FUTURE MAP」に掲げられた言葉、素敵なキャッチフレーズですね。

及川 私は今年はたくさん旅をしたいと思っています。

鳥取 動く、移動するその先に新しいつながりや関係が生まれることを祈っています。

区長 品川区では官民共創をスタートしたところですが、私も職員も自ら外に出て行って、つながりをつくっていく。そうやってつながっていくことで、ウェルビーイングな社会に貢献していくことを目指していきたいと思います。今日は様々なご意見、お考えを伺うことができました。ありがとうございました。

鳥取・及川 こちらこそ、ありがとうございました。

新春座談会写真
(座談会は6年10月25日に実施)

文中の注釈

*1 品川区ジェンダー平等と性の多様性を尊重し合う社会を実現するための条例/すべての人が性別や性的指向、ジェンダーアイデンティティにかかわらず、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指し、ジェンダー平等と性の多様性尊重の視点に基づき、区の施策を総合的かつ計画的に推進していくための基本理念などを定めた条例(令和6〈2024〉年4月1日施行)。

条例のリーフレット
条例のリーフレット表紙

*2 女性のエンパワーメント/女性が尊厳と誇りを持って自分自身の生活と人生を決定する権利を保障し、あらゆる参画の機会において、女性個人が持つ力を十分に発揮できること。

*3 ライフイベント/生涯の中で迎える可能性があるイベントのことで、就学、就職、転職、結婚、出産、介護、住宅購入などが該当する。

*4 ジェンダーバイアス/性別の違いで特定の役割や行動などに思い込みや偏見を無意識に持つこと。色は性別と本来関係ないはずなのに、「女性はピンク」「男性は青」といった、イメージを抱くことも当てはまる。ジェンダーバイアスの度合いを測る指標のひとつとして、ジェンダーギャップ指数がある。

*5 ウェルビーイング/Well-being(ウェルビーイング)とは、「よい状態」、つまり心身ともに満たされた状態を表す概念で、もともとはWell(よい)とBeing(状態)を組み合わせた言葉。「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」と厚生労働省では定義している。社会的に良好な状態とは、他者との関係が良好であることを意味する。

*6 書籍『幸せなチームが結果を出す』/ウェルビーイングの視点に立った会社経営をテーマとした書籍。及川美紀さんがポーラの社長時代に出版した。

幸せなチームが結果を出す表紙

*7 ポーラ幸せ研究所/2021年に設立されたポーラ社内研究チーム。幸せのメカニズムを科学的に分析し、実践・トライ&エラーを積み重ね、そこから得た知見を社会に提供することを目的とし活動している。

*8 五反田バレーユニバーシティ/一般社団法人である五反田バレーと地域企業がスタートさせた、「学び」と「交流」をテーマにした地域共創プラットフォーム。区民・企業・教育機関・行政がつながり、地域に開かれた学びの場を提供し合うことでオープンイノベーションを生むことを目的としている。

*9 サステナブル/「持続可能な」「持続力のある」という意味を持ち、環境や社会、経済などのあらゆる場面において、将来にわたって持続可能な状態を保つことを指す。2030年に向けてより良い社会を目指す17の国際目標のSDGsの活動もサステナブルを掲げている。

品川区は「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」にW選定された。写真は選定証授与式の様子
選定証授与式写真

*10 JAL FUTURE MAP/JALグループが作成した「移動を通じた関係・つながり」が実現した未来を描いたマップ。ここに描かれている、移動がもたらす「新しい景色との出会い」、「地域で暮らす多様な人々とのつながり」、「また会いたいと思える人や土地への愛着」という価値は、地球環境や地域社会の豊かさ、人々の幸福、すなわちウェルビーイングにつながっていると考えている。

JAL FUTURE MAP
ジャルフューチャーマップ

*11 ウェルビーイング「区民の幸福(しあわせ)」予算/誰もが生きづらさを感じたり、選択を阻まれたりすることなく、自分の望むように生き、幸せを感じることができる社会にするため、人々の不安や不満などの「不」を解消し多様なニーズに応じた選択肢を示すものとして、品川区が令和6年度に編成した予算。

*12 学用品の無償化/子育て家庭の負担と不安を軽減し、安心して子育てができる環境を目指した施策。区立学校に通う児童・生徒を対象に、令和6(2024)年4月から所得制限のない無償化を行っている。

*13 携帯トイレを全区民に配布/災害時でも安心して避難生活を送るため、在宅避難でも使用できる携帯トイレを1人あたり20回分(約3日分)、令和6(2024)年10月から全区民に無償配布。

*14 人材育成基本方針/区民のウェルビーイング向上のために、変化の時代の区政運営において活躍できる人材を育成するべく、令和6(2024)年4月に策定した基本方針。職員が同じ方向を目指して職務にあたることができるよう、職員の共通指針である「Mission Vision Value」を新たに定めた。

*15 しながわSDGs共創推進プラットフォーム/持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みの推進および地域課題や行政課題の解決に向け、多様なステークホルダー間の相互交流や情報共有を通じ、自律的取り組みを促進することを目的として設置した。

*16 しながわシティラン/「スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ」を実現するため、区民がランナー、ボランティア、応援といった様々な形で参加できる、区初開催となるシティマラソン大会。

しながわシティランロゴマーク

*17 空育(そらいく)(登録商標)/JALグループが実施する次世代育成プログラムで、「飛行機を通じて『自分』の未来を考える」、「交流を通じて『日本・世界』の未来を考える」、「環境・宇宙を通じて『地球』の未来を考える」をテーマに、空の素晴らしさに触れ、新たな発見やさらなる学びを得て、未来を考える機会を提供する体験型プログラム。

*18 0歳児の見守りおむつ定期便/0歳のお子さんを育てているご家庭に、1歳になる月まで月1回程度、見守り支援員が訪問し、赤ちゃんと養育者の見守りを行う。対面時におむつ等の育児用品をお渡しする。

見守りおむつ定期便ロゴマーク

プロフィール
鳥取 三津子(とっとり みつこ)
福岡県出身。活水女子短期大学卒業後、1985年に日本航空株式会社に入社。客室乗務員を経て、2024年同社代表取締役社長執行役員。

とっとりみつこさん写真

及川 美紀(おいかわ みき)
宮城県出身。東京女子大学卒業後、1991年に株式会社ポーラに入社。2020年に同社代表取締役社長に就任。2021年には「ポーラ幸せ研究所」を創設。2024年12月31日で同社を退職。一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事。

おいかわみきさん写真

森澤 恭子(もりさわ きょうこ)
神奈川県出身。慶應義塾大学卒業後、日本テレビ、森ビル、ベンチャー数社を経て、2017年東京都議会議員選挙に初当選。2022年品川区長就任。

もりさわきょうこ区長写真

五反田JPビルディングの施設概要

旧ゆうぽうと(東京簡易保険会館)跡地にできた大型複合施設で、2024年4月にオープン。品川区が運営する五反田産業文化施設(CITY HALL & GALLERY GOTANDA)や星野リゾートが運営するホテル「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」、オフィススペースのほか商業施設では多種多彩な食を提供している。

五反田JPビルディング外観写真

所在地
西五反田8-4-13
構成
オフィス・シェアオフィス・ホテル・ホール・商業施設
アクセス
JR山手線「五反田」駅徒歩約5分
東急池上線「大崎広小路」駅徒歩約1分

アクセスマップ

品川区立五反田産業文化施設(CITY HALL & GALLERY GOTANDA)
五反田JPビルディング:3階

区内企業などの発展および連携を促進するとともに、五反田地区におけるにぎわいのあるまちづくりの創出に寄与することを目的に、2024年5月にオープン。ホール・ギャラリー・ホワイエを備えている。ホールではセミナー・会議・パーティーなどのビジネス創出だけでなく、展覧会・アコースティックライブをはじめとするエンターテインメントなど、様々なシーンで利用できる。各スペースの壁を取り除くことも可能で、ホールとホワイエ、ギャラリーを一体となった空間として提供するなど、多様な活用ができる。

座談会は「OMO5東京五反田 by 星野リゾート」で行いました

ラウンジ写真

イベントホール

イベントホール写真