――「伝統工芸」を知ってもらう活動についてうかがった。

高橋さん

品川区伝統工芸保存会は、品川区の伝統工芸の職人さんが集まって35年前に発足した団体です。品川区の中小企業センターで毎月1回、実演や体験イベントなどを開催しているほか、毎年「伝統の技と味 しながわ展」をきゅりあんのイベントホールで開催しています。
いろんな職人さんが実演や体験などを行いながら、伝統工芸の魅力を今に伝える活動をしています。
私は伝統工芸のなかでも"和裁"で、着物の仕立てやお直しをする仕事をしています。和裁をはじめたきっかけは、私が洋裁の学校に進学した際に、自分にはミシンや機械の扱いはあまり合っていないことを感じたり、実際に浴衣を作ってみようと思って、自分の手で縫って作ってみたことがきっかけです。
私の主な活動としては、東京和服裁縫協同組合と、品川区伝統工芸保存会のイベントや行事などを通して、和裁を皆さんに知ってもらうことに取り組みをしています。

 

――生まれ育った品川区への想いをうかがった。

島村さん

私は、"陶芸"の個人作家として活動をしています。主に百貨店やギャラリーの企画展に参加したり、個展を開催しています。その他には出張ワークショップや、個人のお客様のオーダーを受けて制作活動を行っています。
品川区伝統工芸保存会への参加は、会員の方にお誘い頂いたことがきっかけです。私自身が、品川区生まれの品川区育ちのため、品川が好きなんです。そして、”ものづくり”がとても好きなんです。なので品川区のために、何か役に立つことができればと思って、品川区伝統工芸保存会での活動を始めました。

 

――「品川区伝統工芸保存会」は東海道一番目の宿場町。品川にいる古くからの手仕事をしている人たち、その職人たちが集まって 昭和63年に品川区伝統工芸保存会を発足。

 

――色鮮やかな江戸切子、和裁、東京手描友禅、陶芸など、多彩な職人が集い品川区で育まれた伝統と歴史に触れることができる。

 

――中小企業センターで、月1回ほど実演や体験を行うほか、きゅりあんで年1回「伝統の技と味／しながわ展」を開催している。

 

――品川区ならではの伝統工芸の特色についてうかがった

高橋さん
品川生まれ、品川育ちの私たちが思う、品川区の魅力って何だと感じますか？

島村さん
品川って東海道五十三次の、一つ目の宿ですよね？だから、昔から人の流れがあって、そこに職人さんたちが大勢いたらしいですよ。

高橋さん
なるほど。だから今もたくさん職人さんが集まっているんですね。東京都内でも伝統工芸保存会がある事例はなかなか少なくて、品川区に保存会があるということは、これまでの歴史があって、今につながっているっていうことですね。
そういえばこの作務衣にも、ちゃんと「品川区伝統工芸保存会」という文字が描かれていて、これは東京手描友禅の成沢さんが染めてくれたものです。島村さんの作務衣についているのは、和裁の職人さんがつけてくれたしじみのストラップですよね。いつもイベントの時に著用させてもらっています。

――これからの取り組みについてうかがった

高橋さん
職人さんがいま減っている状況で、後継者を育てることが、今後の課題だと感じていて、自分たちで探す方法もありますが、なにより育てていくということに今後取り組んでいかなければならないことを実感しています。

島村さん
伝統工芸に興味を持ってくださる方が趣味の域で終わってしまうことなく、育てていける環境が作れたらいいなと思います。そして、私たちのような職人が活動しやすい仕組みが作れたらいいなと考えています。技術や文化を次の世代につなげるということを一緒に考えて、実行していけたら理想的だと思います。

高橋さん
頑張っていければと思います！

高橋さん・島村さん
「伝統の技と味／しながわ展」ぜひご来場ください。