#16 五反田バレー
中村 岳人さん ∞ 鈴木 章子さん
近年ベンチャー・スタートアップ企業が次々に拠点を構え
新たな盛り上がりを見せている五反田
シリコンバレーに負けない スタートアップの集積地として
五反田の魅力を広げているお二人に話をうかがった
ーーベンチャー・スタートアップ企業と地域をつなぎ、豊かな未来を創っていくために結成された五反田バレー。代表理事として尽力されている中村さんに、五反田バレー立ち上げのきっかけについてうかがった。
中村さん
五反田エリアにオフィスを構えていた各企業の広報担当の人たちが、広報の勉強会で集まったときに、一大ムーブメントにしていけばこの五反田エリアの企業や会社がもっと盛り上がっていって、メリットを得られるのではないかという話をしていて、そこがきっかけで2018年7月に法人化してしまおうと。より活動を強化していこうということで立ち上がっています。
ーー立ち上げから今日に至るまで、およそ何社の企業が五反田バレーの活動に参加してきたのだろう。
中村さん
設立をしたときは、6社の企業で五反田バレーを立ち上げようという話をしていたんですけれど、いろんなメディアに取り上げていただいて、それがきっかけで企業がどんどん増えていって、積極的に活動に関わっていただいている企業でいうと今はだいたい40~50社くらい、ゆるく五反田バレーの活動に関係を持っていただいてる企業を合わせると90~100社くらいの企業に関わっていただいています。
ーー五反田周辺のベンチャー・スタートアップ企業6社が、2018年7月に一般社団法人「五反田バレー」を設立。品川区とも協定を結び、企業や行政を超える起点となり、社会課題を解決するコミュニティづくりを支援している。企業間のつながりを強化するコミュニティ活動のほか、情報発信、イベント開催などを行なっている。
ーー五反田バレーでは、品川区の商店街や中小企業とのつながりを強め、連携できる体制を整えつつあるそうだ。その事例についてうかがった。
中村さん
IT化をこれからしていきたいというような商店街と、ITツールをいっぱい持っている五反田バレーが何か協力してできないかというところで、中延商店街のIT化をお手伝いしています。上手く使えそうなITツールだったり、こうすればもっとIT化できるんじゃないかというところを相談しながら、一緒にIT化を進めていくというような活動をさせてもらっています。
ーー商店街のIT化を構想していく中で、新型コロナウイルスの流行によって苦境に立たされることとなった商店街。五反田バレーでは、品川区、品川区商店街連合会と連携し、商店街を守るための取り組みを行なっているそうだ。
中村さん
2020年5月に ”しながわ商店街応援プロジェクト”を立ち上げました。商店街店舗への販促支援というところで、ECサイト構築のお手伝いなどさせてもらっています。集客につながるノウハウを提供しながら、商店街を維持することで、地域の活性化とIT化を進めていければいいなと考えています。
ーー中村さんと同様、五反田バレー立ち上げの頃から活動されている鈴木さん。五反田エリアの企業や地域と共創することで、企業成長にもつながっているそうだ。
鈴木さん
この考え(五反田バレーという)に至ったのが、やはりスタートアップの会社が多いので、すごくリソースが少ないという中で、どれだけスピードアップして成長していけるかというところがひとつ課題でもありましたので、こういった活動を始めました。
ーー鈴木さんの思う、五反田の良さ、ベンチャー・スタートアップ企業に最適なエリアと言われる所以とは。
鈴木さん
自分たちのノウハウを他の会社とも共有をして、共に成長していこう、という雰囲気が五反田にあるのが、とてもいいところなのかなと思います。
ーー五反田バレーが関わっている地域と連携したイベントについてうかがった。
鈴木さん
地域と連携しているイベントでは ”ドリームジョブツアー”があります。2018年12月から品川区立日野学園で毎年開催されているんですけれど、生徒さんたちにいろんな会社があって、いろんな生き方があるんだよ、というのをレクチャーしましょうというイベントがありまして、毎回数十社参加させていただいています。
ーー五反田バレーの中核として活躍されるお二人の出会いとお互いの印象についてうかがった。
中村さん
最初の出会いは広報の勉強会ですよね。
鈴木さん
そうでしたね。
中村さん
僕は初動で物事を進めていくタイプですが、鈴木さんは細かいところを固めてくれますし、こぼれたところもちゃんとフォローしてくれる。とてもありがたいです。
鈴木さん
中村さんの印象は、純粋におもしろい人だなというのがあって(笑)でも、仕事をして行く中でいろいろなことを進めてくださって、すごく頼りになります。
中村さん
お互いに得意なところと、そうでないところを担い合いながらという感じですよね。
鈴木さん
そうですよね。私たちだけではなくて、他の五反田バレーのメンバーもみんなそう。
中村さん
そうそう!みんなそうだよね。
ーー五反田で日々過ごされているお二人が思う、まちの魅力とは。
中村さん
五反田は仕事がしやすかったり、ランチが美味しかったりといろんな魅力もありつつ、そこからひと駅ふた駅で行ける戸越とか中延とか武蔵小山とか、このエリアもめちゃくちゃ住みやすいと。生活する上で一番いいまち、もう日本で一番いいまちなんじゃないかなと思っています。
鈴木さん
すごく気さくな感じで、おしゃれしたいときはおしゃれして出かけられるし、行きたいときはスニーカーで歩いていても全然違和感ないみたいなところがすごく気に入っていますね。
ーー企業間のつながりにとどまらず、地域との連携も強めながら、まち全体の発展を目指す五反田バレー。それらの取り組みで期待できる相乗効果と、今後の展望についてお二人にうかがった。
中村さん
五反田エリアだからこそ活用できる仕組みだったり、五反田エリアだからこそできる取り組みみたいなものを、もっと増やしていくのが重要かなと思っているんですよね。
鈴木さん
企業と地域が密接して盛り上げていこうという話は、結構いろんなところであると思うんですけれど、なかなか上手くできていないということもよく聞くことがあって、五反田バレーは品川区が密に入って来てくださって、スタートアップ・ベンチャー企業を盛り上げていきたいというところと、地域もしっかりつないで一緒に作っていこうとしてくださっているところが強みなのかなと思っています。
中村さん
五反田エリアにオフィスを構えると、コスパもある程度いいんだけれど、品川区と連携して、たとえば地元の会社と何か提携して新しいサービスの取り組みができるとか、それがきっかけで事業成長のチャンスが巡ってくるとか、そういう機会をどんどん提供できるようなコミュニティが ”五反田バレー” になってくるともっと盛り上がっていくんじゃないのかなと思いますね。
豊かな未来を創るさまざまなアイデアが
今日も五反田から生まれている
地域・行政とつながりながら
新しい価値を創造していく 若い力
今後それはさらなるうねりとなるだろう
最後にお二人から地域で活躍されている区民の方をご紹介いただいた。