#25 そとぼーよ
駒崎圭子さん ∞ 本道良子さん
子どもたちが自然と触れ合いながら、たくさんの人の愛に囲まれ
育っていくことのできる社会を目指し 結成された「そとぼーよ」
地域での遊び・学び・育ちの環境づくりを支える
お二人に話をうかがった
ーーNPO法人そとぼーよを代表理事として牽引されている本道さんに、そとぼーよとはどのような団体なのかうかがった。
本道さん
“そとぼーよ” は、“外で遊ぼうよ” というネーミングなんですけれど、子どもたちが自然の中やまちの中と関わりながら、自分が好き、人が好き、そういう気持ちを育ててほしいなと思って活動しています。
ーーそとぼーよ設立以前から、プレイパーク事業をはじめとするさまざまな地域活動に尽力されてきた本道さん。どのような想いで、そとぼーよを始められたのだろう。
本道さん
根っこには、”子どもも大人もありのままでいられるまちづくり”という想いがあります。外遊びを子どもにさせたいというお母さんたちや、品川区の外遊びをもっと推進したいといういろいろな団体の代表、想いを持った人が集まって2018年に設立しました。
ーーそとぼーよの主な活動内容についてうかがった。
本道さん
今は、文庫の森公園で月に2回、親子広場をやっています。”みんなでつくる親子ひろば”というネーミングにして、「この日はみんなで遊ぼうよ。」と安心して外遊びができるようにサポートしています。
しながわこども冒険ひろばの中では、そとぼーよが火曜日の乳幼児の時間を持たせていただいていて、初めての外遊びを応援する親子広場を開催しています。
“あそびの出前in旗の台公園”も開催しています。そこに、遊び心と遊び道具を出前して、昨日も水遊びをたっぷり子どもたちと行ってきました。
月に1回ずつなんですけど、親子のペースにあわせて、の~んびりお散歩する
”おさんぽそとぼ~よ” を、大崎と荏原町と八潮で開催しています。
ーーそとぼーよで活動しながら、フリーランスの保育士としても活躍されている駒崎さん。フリーランスの保育士になろうと思ったきっかけについてうかがった。
駒崎さん
もともと保育園で保育士として働いていましたが、出産を機に自分の子育てと一緒に周りの子育てを見ていて、子育てが初めての周りのお母さんたちが、赤ちゃんとお出かけするのに何を準備していいか分からないという姿を見て「そうか、子連れで外出も初めてだよね」と思ったら、そういうときの手助けや、ちょっとしたことを伝えるために地域で働きたい、地域にフリーで保育士がいたら便利かなと思い始め、フリーランスの保育士になりました。
ーー駒崎さんの「地域の保育士」としての活動と、「そとぼーよ」での活動はどのようにつながり合っているのだろう。
駒崎さん
そとぼーよの活動としては、一緒に遊びながら、親同士もお話できるところがすごくいいなと思っています。活動中に立ち話の中でいろいろな話ができて、子どもの成長のことや「こうすると楽だよ」ということを伝えられるのは、地域の保育士としてだけではなく、そとぼーよとしても、両方良く影響し合っていると思います。
ーーNPO法人そとぼーよは、子どものやってみたい気持ちや外遊びを応援していた人達が中心となって2018年9月3日に設立。
ーー文庫の森公園としながわこども冒険ひろばでは ”親子ひろば”、旗の台公園では “あそびの出前”を定期的に開催。「子どもたちが自然と触れ合いながら、たくさんの人の愛に囲まれて育っていくことができる社会」を目指して活動を行なっている。
ーー「駒ちゃん」「良ちゃん」と呼び合い、笑顔の絶えないお二人。共にそとぼーよの活動に尽力されているお二人の、互いにリスペクトしているところとは。
本道さん
駒ちゃんと知り合うようになって、とにかくすごいじゃないですか。乳幼児へのリスペクトというか、愛がね。それにすごく感銘を受けましたね。
駒崎さん
尊敬しているからね、赤ちゃん。
本道さん
駒ちゃんほど特化して乳幼児を尊敬している人に出会ったことがなかったからね。3歳までの子どもが大好きだよね!
駒崎さん
大好き!3歳まで大好き。
本道さん
大好きだし、彼ら(乳幼児)はとても素晴らしく、尊敬に値するよね。
駒崎さん
分かっていただいてよかったです!
本道さん
いい影響を与えてくれて感謝しています。
駒崎さん
私も、良ちゃんみたいに全部がフラット(客観的)な人と初めて会って、(そとぼーよを運営していると)たくさんの人がいるからいろんな意見が来るのに、それをすごくフラットに処理できるなと思ってるの。それがそとぼーよの活動にすごくつながっている。みんなで作るということに。
本道さん
そうだね。
駒崎さん
だからできるのかなということを、良ちゃんから勉強しています。
ーーお二人がそとぼーよの活動を継続している中で実感している変化とは。
駒崎さん
改めて考えると、子どもが産まれてそとぼーよの活動をするまで、まちで会った人に挨拶をするという機会があまりなかったと思います。そとぼーよの活動をするようになって、挨拶をするようになったら、もっと声を出していきたいなと思っています。
本道さん
私も文庫の森公園で、道すがらにすれ違う人にも「こんにちは」って挨拶するようになったなと思った!
駒崎さん
そうそう!もう誰にでも声かけられる。そうやって、地域がつながっていくだろうね。
本道さん
顔が見えるような関係が周りに増えれば、子どもたちの元気な姿を、可愛いなって見てくれる人が地域に増えていくかなと思います。
駒崎さん
あと、もう1つ思う。知らない人にそとぼーよの話をするのも大事だと。(考え方や活動理念を)わかる、わかるっていう人に話すのは楽しいし嬉しいですが、「そとぼーよって何ですか?」という人にも、話していこうって!
本道さん
そうだね!私もそう思ってます。
ーー”親子ひろば” “あそびの出前” “おさんぽそとぼーよ” など、環境の変化や地域のニーズを捉えながら、さまざまな活動で地域の子育てを盛り上げてきた、そとぼーよ。これからのそとぼーよに対するお二人の想いとは。
本道さん
あらためて私たちの根っこである「みんなで作る」という部分を意識して、その人が受身ではなく、主体的でいられるように心がけて、声をかけたり関わり合ったりしていきたいね。
駒崎さん
時代についていくというよりも、時代に柔軟でありたいというところかな。
本道さん
そうだよね。都会にいると効率重視になりがちな中で、ちょっと足を止めて、自分の気持ちに寄り添って欲しいなと思うよね。
駒崎さん
本当にそう思う。のんびりして欲しいです。そとぼーよに来て。
本道さん
外で遊ぶ!
駒崎さん
外で、みんなで遊んでもらおう!
本道さん
みんなで “そとぼ~よ!” ですね!
「外で遊ぼう」を合言葉に
子どもも大人も一緒になって
地域のつながりをつくる そとぼーよ
文庫の森公園を歩く お二人からは
子どもたちを育む 愛のある社会が見えるようだった
最後に、お二人から地域で活躍されている区民の方をご紹介いただいた。