#10 豊六睦会
柴田光伸さん ∞ 岩本勝椰さん
地域をお祭りで盛り上げようと結成された豊六睦会
⼈の喜びは ⾃分の喜び
そんな想いが世代を超えて受け継がれている
みんなの喜ぶ笑顔を⾒るため
さまざまな取り組みをするお⼆⼈に話をうかがった
──豊六(ゆたかろく)睦会の会⻑として、地域を盛り上げる柴⽥さん。柴⽥さんが豊六睦会に関わるようになったきっかけとは。
柴田さん
地域でお神輿を作るんだけれど、みんな⼿伝ってくれない︖という話になって、みんなのため、地域のためになるなら、ということで豊六睦会に携わりました。
──柴⽥さんが、これからの豊六睦会に寄せる想いとは。
柴田さん
地域の⼦どもたちに⼤拍⼦というお囃⼦を教えているんですけれど、お神輿は⼤拍⼦がないと担げないので、⼤拍⼦が地域の⼦どもたちに根付いて、今度はその⼦どもたちが⼤きくなって、また次代の⼦どもたちに教えていってもらえるように、つなげていけたらいいなと思っています。
──豊六睦会は、お祭りの世話役のほかに、さまざまな地域の活動に携わっている。それらの活動についてうかがった。
柴田さん
うちの町会(豊町六丁⽬町会)に防災公園ができて”かまどベンチ”があるので、年に1度、炊き出しの訓練を実施して、町会の⼈たちに家族連れで参加いただいています。
──平成3年に町会内で城南神輿を作る話が持ち上がり、神輿完成後、世話役と城南神輿に⽋かせない⼤拍⼦を継承するため、平成4年に豊六睦会が発⾜。現在は約60人の会員とともに⽉2回、⼤拍⼦とお囃⼦の練習や、年間を通して、町会や近隣神社の行事の⼿伝いなどを⾏う。そのほか、地域の防災公園である「ゆたか防災広場」で、年1回かまどベンチを使った炊き出し訓練も⾏っている。
豊六睦会 副会長・こども食堂 waiwai 主宰
岩本 勝椰さん
Iwamoto Katsuya
──豊六睦会の副会⻑として地域のお祭りやイベントに尽⼒しながら、「こども⾷堂 waiwai」を主宰されている岩本さん。岩本さんが、こども⾷堂を始めたきっかけとは。
岩本さん
普段はビルやマンションのメンテナンスの仕事をしているんですけれど、毎週⽔曜⽇に、こども⾷堂をやらせていただいています。たまたまテレビでこども⾷堂を⾒て、⾯⽩そうだったので始めました。もともと⾃分の会社の1階が倉庫だったので、そこを改装してやっています。
──こども⾷堂 waiwaiは、オープンしてまもなく多くの⼦どもたちで賑わうようになったという。
岩本さん
共働きの⽅の⼦どもたちもいらっしゃいますし、夜、旦那さんがお仕事でいらっしゃらない⽅も来ます。そういう⽅は親⼦で来たりします。宣伝は何もしていないので、毎週⽔曜⽇に⾷堂を開けていたら、⼝コミでお客さんが増えていったという感じです。
──こども⾷堂 waiwaiのユニークなシステムとは。
岩本さん
1⾷100円なんですけれど、⼩学校5年⽣以上は、お⼿伝いしてくれれば、まかないということで無料で⾷べられるようにしています。
──こども⾷堂の活動を始めてから、岩本さんが感じる周囲の反響についてうかがった。
岩本さん
まちですれ違えば、会う⼦どもたちは声をかけてくれるので、それは楽しいです。ちょっと有名⼈になった気分です(笑)
──豊六睦会 副会⻑としての活動とは別に、勤務先の中延にて「こども⾷堂 waiwai」を平成31年2⽉にオープン。季節の⾷材を中⼼にしたバラエティーに富んだメニューは、岩本さん⾃ら考え、買い出しから調理まで⾏っている。
──柴⽥さんは、趣味で看板の製作をしているそうだ。地域の団体や、企業の看板から、知⼈のためのウエディングボードまで、多様な作品を作り続けている柴⽥さん。看板作りを始めた経緯をうかがった。
柴田さん
豊六睦会の看板が、最初あったんですね。それは職⼈さんが作ってくれた看板なんですけれど、こういうのいいなあと思って。それだったら⾃分でも個⼈的な趣味として何かできないかなと思って、無償で作らせてもらっています。
──柴⽥さんの看板は、多くの⼈に喜ばれ、まちを賑わしている。そんな柴⽥さんが⼿がけた作品のひとつに(#09)わかほ会の看板がある。
柴田さん
わかほ会の看板は、⽊が最初にあって、この⽊で何を作ろうかなと思ったときに、わかほ会が⼈前に出るのに看板があったほうがいいよなと思い作りました。
──現在、豊六睦会の会⻑と副会⻑という役割を担いながら、個⼈的な取り組みにおいても地域を盛り上げることに尽⼒されているお⼆⼈。そんなお⼆⼈に互いの印象についてうかがった。
柴田さん
⾃分が勝椰くんのことを思っているのは、こども⾷堂に関してもそうですし、⼈のためじゃないですけど、⼈を思う気持ちがあるから慕われるんじゃないかなと思っています。
岩本さん
柴⽥さんはものすごく真⾯⽬な⽅です。柴⽥さんが豊六睦会の会⻑になったので、私も副会⻑をやることにしたというのもあります。
──柴⽥さんは、こども⾷堂の取り組みの中で強く印象に残っていることがあるという。
柴田さん
こども⾷堂の中で私がすごく感⼼しているのは、夏のイベントで⾏ったスイカ割りと流しそうめん。何が素晴らしいって、経験したことのない⼦どもたちに経験させたいという気持ちから、⽵まで買ってきてやっていたのを聞いたときには、びっくりしました。
岩本さん
流しそうめんの⼦どもの反応はすこぶる良好でした。あんなに楽しんでもらえるとは思わなかったので。流すのはそうめんだけじゃないし。
柴田さん
えっ︖ 何を流したの︖
岩本さん
例えばトマトとか。流れてくれば何でも⾷べるんですよ。それは良かったですね。
──⼈が喜んでくれると⾃分が嬉しい、そんな想いがお⼆⼈の活動の源となっているようだ。
柴田さん
⾃分たちの活動でも、豊六睦会でいろんなことやっていても、何が⼀番楽しいって、やっぱり⼈に喜んでもらえることだよね。
岩本さん
そうですね。
柴田さん
お祭りを通じても、みんなが楽しんでくれるためにはどうしたらいいのかなって勝椰くんがいつも考えてくれて。以前も、豊六睦会のサングラスを作ってくれたじゃないですか。
岩本さん
はい、作りましたね。
柴田さん
それは昔にはない、今のお祭りの楽しみ⽅で。やっぱり楽しむこと、みんなに喜んでもらえることを忘れないで、それに対して惜しまない精神っていうかね。それが勝椰くんの⼼にも、⾃分の中にも流れているから、⼀緒になってやっていけると思います。それは今後も⼤切にしていきたいよね。
岩本さん
そうですね、よろしくお願いします。
柴田さん
⾃分たちの活動でも、豊六睦会でいろんなことをやっていても、何が⼀番楽しいって、やっぱり⼈に喜んでもらえることだよね。
岩本さん
そうですね。
──最後に柴⽥さんから岩本さんへプレゼントが贈られた。
柴田さん
実はちょっとプレゼントしたいものがあるんだけれど、受け取ってくれる︖
岩本さん
すみません、ありがとうございます。
柴田さん
こども⾷堂の看板︕
岩本さん
ありがとうございます。ぜひ飾らせてもらいます︕⼦どもたちにも⾃慢しようと思います。
柴田さん
そういってくれるとすごく嬉しいな。⼦どもたちが喜ぶ顔を今度⾒に⾏きます。
お囃⼦の練習を⾒守るお⼆⼈は 強い信頼で結ばれている
⼈に喜んでもらえることに惜しみない情熱を注ぐ
そんな豊六睦会の精神を これからも次の世代へ受け継ぎ
よりいっそうまちを盛り上げていってほしい
最後にお二人から地域で活躍されている区民の方をご紹介いただいた