#11 品川SCDC
金子誠人さん ∞ 金子美智子さん
ダンスは協調性を育み コミュニケーションの場をつくる
そんな想いで 母がつくり 息子が受け継ぐ
スコテッシュカントリーダンスの会がある
ダンスで地域を明るくするため
尽力しているお二人に話をうかがった
──ハイランドダンサー、バグパイパーとして活躍しながら、品川SCDCの代表として、スコテッシュカントリーダンスを教える金子誠人さん。誠人さんがハイランドダンスやバグパイプを始めたきっかけとは。
誠人さん
小学校5年生のときに、本場スコットランドのバグパイプの演奏と、ハイランドダンスのデモンストレーションを見たときに、これはかっこいい、これをやりたいということで、すぐに始めました。
──誠人さんは本場であるスコットランドに渡り、ハイランドダンスとバグパイプを学んだそうだ。そのときに印象に残った経験をうかがった。
誠人さん
始めてすぐ、本場のスコットランドで習いたいという気持ちは、ハイランドダンスもバグパイプもありました。中学校卒業と同時に単身でスコットランドへ渡りまして、高校卒業後、ホテルのディナーショーのダンサーとして踊っていたんです。東洋人がいきなり出てくるというので、まずお客様から「冗談だろ?」って感じで大爆笑が起きるんです。けれども、最後は「すごく良かったよ」と言ってほめてくれたので、とてもいい経験になりましたね。
──現在、23年間を過ごしたスコットランドから帰国し、生まれ育った品川で暮らす誠人さん。近年どのような活動を行っているのかうかがった。
誠人さん
日本に帰ってきてからは、両親がスコットランドのダンスであるスコテッシュカントリーダンスの例会をやっていましたので、それを引き継ぐ形で、今は品川SCDCで勉強会を毎週のようにやっています。そのほかにも、バグパイプを使って区内のイベントに参加してパレードをしたり、老人ホーム、小学校、幼稚園などで講演したりと活動させてもらっています。
──大学卒業後はスコットランドの永住権を取得し、元サッカー日本代表 中村俊輔選手の専属通訳としても活躍。
──スコティッシュカントリーダンスを教えていた両親を引き継ぎ、その後スコットランドで指導員資格を取得した誠人さんが「品川SCDC」を結成。毎週金曜日(祝日を除く)の午後6時30分~8時30分の2時間、延山小学校の第2体育館をメインに活動している。
フォークダンサー・元 品川区商店街連合会 事務局長
金子 美智子さん
Kaneko Michiko
──誠人さんのお母様で、フォークダンサーとして活躍される美智子さん。美智子さんがフォークダンスを始められた頃の話をうかがった。
美智子さん
子どものころ、集団就職で来られている方が遊ぶ場所がないとのことで、フォークダンスのサークルがありました。だんだん慣れてくると会話をして、会話を楽しみながら踊るのがすごく素晴らしいなと思いながら、当時は踊っていました。
──ダンサーとして長いキャリアの中で多くのダンスに出会った美智子さんが、大切にされている想いとは。
美智子さん
踊りって、やりたくてもやれない人もたくさんいらっしゃるし、そういう方が気軽に入って来れるような雰囲気が大切。そこ(踊る場所)に来て、まずは自分が1番踊りを楽しむということが、私はどの踊りに関しても重要だと思うんですね。
──ダンサーとして地域を盛り上げながら、品川区商店街連合会で事務局長を務めあげた美智子さん。そのきっかけと、当時の活動についてうかがった。
美智子さん
子育てが終わってちょうど時間ができたので、品川区商店街連合会から声が掛かって、事務職が必要だということで入れていただきました。その当時、(#06 品川区商店街連合会)島さんなんかが青年部でバリバリに動いていました。(#03 大崎・夢さん橋)綱島さんのいろんな発想力と、島さんの活動力と、それ以外のいろんな商店街の青年部の方々と集まって「グリーンサイクロン」というのを作っていました。女性も何かやろうということで「レモネード」という名前の女性部を発足するのに、お手伝いさせていただいたんです。
──品川区商店街連合会青年部の「グリーンサイクロン」とともに、地域の活性化のため、婦人部が結成したのが「レモネード」。「ちょっとあったかくてホットでおしゃれな雰囲気」をテーマに命名され、航空会社の担当者にマナー作法を習ったり、イベントではピエロメイクやバルーン制作などを行ったり、女性ならではの感性や機転で、大いにまちを盛り上げた。
──誠人さんがダンサーを目指して渡英された頃、母として、ダンサーとして美智子さんはどのような心境だったのだろう。
美智子さん
スコットランドに行くなんて言い出したときには、すごくびっくりしたけど。
誠人さん
まわりから、誠人はすぐに帰ってくるだろうって。
美智子さん
そう言われてたからね。
誠人さん
言われてたからね。それもこんちくしょうって思って頑張れた1つなのかも。最初は2年~3年の予定が気づけば・・・
誠人さん・美智子さん
23年!
美智子さん
信じらんないけどね。
誠人さん
ありがとうございます。
──誠人さんが思う、美智子さんのダンスにかける想いとは。
誠人さん
とにかくダンスが好きだよね、本当に。踊りという踊り、まあ音楽が好きなのかな。音楽があれば、何でもね。
美智子さん
何でも踊ります。
誠人さん
痛みも病気も治っちゃうくらいの感じだから。でも、その気持ちというか、ダンスにかける想いというのは、やっぱりすごいなって思うね。
美智子さん
ありがとうございます。
──ダンスへの情熱にあふれるお二人。これからどのような活動で地域を盛り上げていきたいか、今後の展望についてうかがった。
誠人さん
今も結構、商店街とかイベントで呼んでもらって、バグパイプでパレードをすることが多いけれど、ダンスのほうでもどんどん地域を活性化させていきたいですね。
美智子さん
声かけていただければね。
誠人さん
盛り上げていけたらいいなと。もうどこでも行きます!
──お父様も一緒に、家族でダンス指導をしている品川SCDCはどのような会なのだろう。スコティッシュカントリーダンスの魅力とともにうかがった。
誠人さん
品川SCDCは、スコティッシュカントリーダンスの会なので、競技用のハイランドダンスとは違って、みんなでゆったりと楽しんでやっています。
美智子さん
ステップをしっかり覚えるっていうよりは、本当に楽しんでやろうと。
誠人さん
本当はステップもたくさんあるんだけどね。ご年配の方も多くいらっしゃいますから。
美智子さん
だいたいみんな80代くらい。
誠人さん
80代!? 言っちゃっていいのかな?
美智子さん
スコティッシュカントリーダンスは、本当に協調性が必要なんです。ひとりの人がAからBの地点に動くときに、そのBの地点にいる人が移動していないと、そこに動けない。そういうダンスなんですね。子どもたちの協調性を育むためにも、小学校5~6年生くらいから中学生くらいの子どもにかけて、スコティッシュカントリーダンスをやっていただくと、すごくいいのではないかと思っています。
誠人さん
もっと若い人にも参加していただいて、どんどん盛り上げていきたいですね。
ステップを教えるお二人の笑顔は
ダンスで地域を活性化する想いにあふれていた
ダンスで重要なのは心から「楽しむこと」と語るお二人の言葉は
地域を盛り上げるのも「楽しむこと」が大切だと教えてくれる
協調性とコミュニケーションは 地域活性に欠かせないキーワード
これからも豊かな感性を活かした取り組みで まちを輝かせてほしい
最後にお二人から地域で活躍されている区民の方をご紹介いただいた