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折りたたみ式日時計

文政3年(1820)に発行された道中記「諸国行程 大日本道中指南車」には、折りたたみ式の日時計が掲載されています。道中記のことを知り、日時計を作ってみましょう。

道中記とは


「諸国行程 大日本道中指南車」表紙 17.7×8.7cm

道中記とは、江戸時代の旅のガイドブックです。持ち運びやすいようにコンパクトで、旅に役立つ情報が書いてあります。
慶長6年(1601)、徳川家康は江戸の日本橋を起点とする東海道・日光道中・奥州道中・中山道・甲州道中の五街道の整備を始めました。江戸時代以前から物流・交通の拠点として栄えていた港町・品川には、東海道第一番目の宿場である品川宿が設置され、宿泊施設や荷物の運搬施設が整備されていきます。
その街道をゆく人々は、江戸時代初期は幕府や大名、公家など公的な立場の人々でしたが、17世紀後半ごろには寺社参詣などの旅で一般の人々も利用するようになりました。普段住んでいる土地から遠く離れる機会がほとんどない人々にとって、道中記は旅をする上での貴重な情報源でした。

解説シート「東海道品川宿」はこちら pdf

動画「品川の歴史見学#2~東海道と中原街道」はこちら
 


道中記に書かれていることは?

道中記の一つ、「諸国行程 大日本道中指南車」には、次のようなことが書かれています。いずれも旅に役立つ内容です。(画像クリックで拡大)
日時計 荷物の運賃、旅に持っていくお守り
通行手形の書式 旅に必要なものリスト
道中地図 京都・江戸・大坂から各地への距離および方角(画像は江戸部分)
年号・暦 潮の満ち引き表、天気の見方


旅に必要なものは?

「諸国行程 大日本道中指南車」の旅に必要なものリストには、実際にはどんなものが書いてあるのでしょうか。道具のジャンル別にまとめてみました。

ジャンル   
道具
着るもの、雨具 衣類、頭巾、股引(ズボン・下着)、脚絆(すねに巻くもの)、足袋、甲掛(手足の甲に当てて日差しやホコリを避けるもの)、下帯、合羽、菅笠
書くもの、読むもの 矢立(筆記用具のこと)、道中記(旅行ガイドブック)、心覚手帳、小硯箱
明かり ちょうちん、ろうそく、つけ木(火種を燃え移らせて火を大きくするもの)
お金 銀袋、大財布、小財布、小算盤(お金の計算などに使う)
荷物をまとめるもの 巾着、風呂敷(大・小)、手行李、綱3本(筆の軸くらいの太さで、長さは二間半(約4.5m))
身だしなみ 鼻紙、耳かき、髪結道具
刃物 脇差、指刀(小刀のこと)、きり
小道具 扇、鼻紙、針糸、煙草道具、秤
てぬぐい各種 三尺手拭、湯手拭、小手拭、
食べるもの、のむもの 薬、薬袋、弁当

 

折りたたみ式日時計を作ってみよう



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作り方・使い方はこちら pdf