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東京名所絵あわせ

立方体を並べて東京名所の絵柄を揃えるパズルを紹介します。

東京名所絵あわせ

12個の立方体から、6つの東京名所が現れます。
(写真はいずれも原資料)

 
品川鮫津之景                 上野公園之景

 
皇城之景                   靖国神社景

 
瀧の川秋景                  浅草観世音景

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描かれた品川

この絵あわせには、現在も観光名所として人気のある上野公園や浅草寺と並んで、品川の鮫洲(絵あわせでは「鮫津」)が描かれています。画面中央、海岸近くに並ぶ海苔養殖のためのヒビや、画面右下に並ぶ海苔を干すためのスダレの様子は、「江戸時代の豆腐料理」で紹介した浮世絵「大日本物産図絵 武蔵国浅草海苔製図」と似通っています。そこから視線を沖合に向けると、黒い煙を上げて航行する蒸気船と昔ながらの帆掛け船、そして品川御台場(解説シートはこちら)が見えます。
新しい時代を迎えながらも、かつての雰囲気を残し、どこかのんびりした風情がある品川の姿が描かれています。

この絵あわせはいつ作られた?

博物館では資料を整理する際、それがいつのものであるかを調べて記録します。実は、この絵あわせには作られた日付が書いてありません。では一体いつごろ作られたのか、描かれている内容から推測してみましょう。

1.「品川鮫津之景」に蒸気船が、「上野公園之景」に人力車が、「上野公園之景」「浅草観世音景」に洋傘を持った人が描かれている
 →少なくとも明治時代以降
2.「靖国神社景」に灯台が描かれている
 →灯台の設置は明治4年(1871)
3.絵の題名が「靖国神社景」
 →東京招魂社から靖国神社に改称したのは、明治12年(1879)
4.「浅草観世音景」の中央付近に、塔の先端のようなものが描かれている
 →凌雲閣(浅草十二階)だとすると、明治23年(1890)竣工、関東大震災の影響で大正12年(1923)解体
5.「靖国神社景」に、大村益次郎の銅像が描かれている
 →銅像の建立は明治26年(1893)

以上のことから、この絵あわせは明治時代後半から大正時代にかけて作られたと考えられます。