品川区一般廃棄物処理基本計画(第四次)

更新日:令和5年4月11日

 区では、持続可能な循環型社会を実現するため、令和5年1月に品川区一般廃棄物処理基本計画(第四次)素案を公表し、区民の皆さんからご意見をいただきました。ご意見を踏まえて内容を検討し、令和5年3月に「品川区一般廃棄物処理基本計画(第四次)」を策定しました。

 本計画は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」第6条第1項の規定に基づき、長期的・総合的視点に立って品川区のごみ・生活排水処理の推進を図るものであり、上位計画である品川区基本構想・品川区長期基本計画、また品川区環境基本計画で掲げているごみ処理行政分野における計画事項を具体化するための施策方針を示すものです。

計画の概要

基本理念 

 区民、事業者とともに、持続可能な「循環型都市しながわ」を実現する

基本方針

 基本方針1 ごみの発生抑制の推進
       施策の方向性:(1)家庭ごみの発生抑制 (2)再使用の促進
 基本方針
2 リサイクルの推進
       施策の方向性:(1)区民の自主的な活動の支援 (2)区の資源回収事業の推進 (3)環境情報の積極的な発信
 基本方針
3 事業系ごみ削減の推進
       施策の方向性:(1)事業系ごみの発生抑制 (2)事業系ごみの適正排出の推進 (3)事業系リサイクルの推進
 基本方針4 ごみの適正処理の推進
       施策の方向性:(1)適正排出の推進 (2)効率的で環境負荷の少ない収集体制 (3)環境教育 (4)区民参画の推進

計画期間

 令和5年度を計画初年度とし、令和14年度を計画目標年度とする10年間の計画

数値目標

 1 区民1人1日あたりの収集ごみ量
   基準年度499グラム/人・日→計画目標値384グラム/人・日 
 2 資源化率
   基準年度25%→計画目標値35.5%
 3 事業用大規模建築物のリサイクル率
   基準年度62.4%→計画目標値70.0%
 4 品川区世論調査の「まちの清潔さ」評価
   基準年度3.47→計画目標値4.00
  ※基準年度は令和3年度の数値

 

計画全編・概要版



パブリックコメントご意見 区の考え方

品川区一般廃棄物処理基本計画(第四次)素案について、令和5年1月11日から2月10日までパブリックコメントを募集し、4名の方から6件のご意見をいただきました。
ご意見をお寄せいただきありがとうございました。

ご意見1
各種個別のゴミ回収に賛成します。どれだけ区民に文字で説明しても、それらが読まれなければ何も改善されません。ゴミを出す人の意識の向上が、一番効果があると思います。
個別なら責任者も見極められます。ゴミ出し意識の向上は高齢者にも理解しやすいように、チラシは色分け・大きな文字・分かりやすい説明文・貼りやすい形状が良いと思います。許可を得たあちこちにゴミの出し方や曜日のチラシを貼り出し、さらに地域の元気な高齢者のお力をお借りし、清潔なゴミ出し作業のサポートを有償でお願いし、貢献してくれる高齢者サポートには区で使用できる商品券や日常使いに便利な物を差し上げるのはいかがでしょうか。
区内には外国人も多く、全員が規則を守るのは難しいでしょう。それを前提に考えれば区側も区民に寄り添わないと規定ばかり押し付けても区民は面倒になり実行しにくいと思います。
分別していかないと区民にそのしわ寄せや負担金が行くと発信してもあまり聞き入れられず他人事で終わるので、分別したら得になるような仕組みをアピールした方が良いと思います。

区の考え方
ご意見として承ります。ごみ減量には区民へのごみ分別の周知徹底が大変重要であると考えています。今後も様々な手法を用いてごみ分別についての啓発を行っていきます。

ご意見2
拠点回収はいいと思うのですが、現在のスタッフはボランティアなのでしょうか? 清掃局員配置にして欲しいです。
理由は例えば古布回収の時にその場で開封され「この派手なの何? まだ着れるよ勿体ない」とか「これは回収しないよ」とホームページには「回収される」に記載されている洋服全般タオル、「回収されない」に記載されている綿の入っているもの下着など、記載されているので分けて持参しても、その場でスタッフ判定返却されるのですが、回収されるはずのものも回収されなかったり、洋服を目の前でビリビリに破かれたり、「ここをごみ捨て場所だと思っているんじゃないかぁ?」とスタッフ同士で言っているので、雰囲気が悪く拠点回収したくないと思っています。
特に古布回収への洋服には子供の思い出や肌に触れる物もあるので、不用意に触られたり見られたりするのも不快感を感じる人も居ると思うので、配慮が必要だと感じています。品川区ではまだ有料化にはなっていないので清掃局員配置にして眼の前では仕分けしないで粛々と回収して分別して欲しいです。もちろん金銭的負担はあるので今の体制なのかもしれませんが都心部の個人主義コスパタイパな雰囲気に合わないとゴミを減らしたり捨て方を改善させるのはとても難しいと思っています。
今の体制で行くのか、税負担が増えてもゴミステーションや人を増やしてある程度捨てる側の分別の難しさを軽減するやゴミ出し時間の融通や心理的負担は減らすのか選択できるようにしてもらいたいです。

区の考え方
不快な思いとご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございませんでした。事業内容の理解や接遇などについて、改めて従事職員への指導を行ってまいります。また、拠点回収の体制については、いただいたご意見を参考に、区民の皆様がリサイクル事業に協力しやすい環境づくりを検討し取り組んでまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。

ご意見3
人間、地球及び繁栄のための行動計画として国連により2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」によると、持続可能な世界を実現するための17の目標が掲げられている。一般廃棄物の処理については、これらのうち、2、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17の項目に関わる課題であると思われる。
ところが、基本方針では、廃棄物を廃棄する方向性でのみの視点で捉えていて、資源化・循環社会事業としての位置づけが弱くなっている。むしろ、基本方針に、SDGsの文字だけ盛り込まれ、実態は、従来式のごみを一括回収、焼却処分、焼却灰・焼却が困難な物資の埋め立てという流れのままで、持続可能な社会をめざす「循環型都市しながわ」に向けた意識の改善点が見いだせない。
「循環型都市」を実現するためには、これまでの意識を大きく変え、「人間、地球及び繁栄のための行動計画」の一環としての取り組みとなるよう、基本方針を踏み込んだものにしなければならないと思われる。そこで、基本方針に1項目を加え、「5再エネルギー化、再資源化の推進」を入れるべきだと思う。
基本方針2に「リサイクルの推進」があるが、2での方針は、「区民の自主的な活動の支援」「区の資源回収事業の推進」「環境情報の積極的な発信」となっており、主な内容としては、区民のボランティア活動延長線上での支援とか、リサイクル品として安定的な事業の展開、一般廃棄物処理事業についての広報活動が掲げられている。これらは、事業として受け身な姿勢に受け取れ、推進というよりは、むしろ牽引されているような事業姿勢である。そこで、これに加え新たに加える項目5としては、「新しい再資源化技術の調査」・「新しい再資源化技術の実用化支援」・「再エネルギー化事業の予算化・推進」など、これまで、廃棄されていたものを積極的に市場利用しようとする取り組みも取り入れるべきだと考える。
持続可能な開発のための2030アジェンダが国連で採択され、すでに10年近くが経とうとしているが、品川区の一般廃棄物処理基本計画素案では、この10年の間に、ほとんど進展した計画がなされたとは言えない内容であるところを、この項目一つ入れ、取組姿勢を改善することが必要だと思う。

区の考え方
再エネルギー化・再資源化の分野での技術革新については、国内・外の動向に注視し、区の事業に活用できるかどうかという観点で調査・検討を行ってまいります。また、本計画には、プラスチック製品や木製粗大ごみ、紙おむつのリサイクルなど、新たなリサイクル品目を充実させております。ご意見にあります「新しい再資源化」を区としても進めてまいります。

ご意見4
一般廃棄物の一部は、「循環型都市しながわ」を目指すうえで、利用すべきエネルギー源を含んでいる。地球温暖化対策としても、より温暖化防止となるようなエネルギー効率を考えるべきであり、その点で、区が取り組んできた廃棄物の分別・適正処理事業は一定の効果があったものと思われる。
人間、地球及び繁栄のための行動計画として国連により2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」によると、持続可能な世界を実現するための17の目標が掲げられている。一般廃棄物処理事業は、これらの目標のうち、いくつかの項目に該当する重要な事業である。特に、項目7,12に直接アクセスする事業として位置づけができる。
最近の技術革新によって、バイオマスガス(メタンガス・メタン発酵)を利用した発電事業の実用化が進んでいる。このメタン発酵による発電については、システムの特性によって、実効性が担保される最大規模がメタン発酵反応槽の最大容量が3,000立方メートル程度と比較的小さな規模となっている。このため、大規模電力事業者としては、電力事業として採算性が合わなことから実用化されにくい。
一方で、自治体規模で限定地区で活用する電源と考えた時には、燃料となるメタン発酵ガスの原料は家庭用生ごみなど、これまで廃棄物として廃棄されていたものであり、燃料コストは格段に下がる。また、中核病院などのそばの公園地下などに立地できれば、大規模停電を伴う災害時の緊急電源として活用が見込まれる。
平時においては、再生可能エネルギーのミックス電源として活用が考えられ、売電してコストを抑えることもできる。反応の過程で生じる廃液に含まれるリンについては、有機肥料化を図って、これも販売する方向性が考えられる。
施設設備の初期投資がかかるが、これも、グリーンボンドなどの活用で民間からの投資を促し、カーボンクレジット市場への上場をすることで、事業の採算性を上げられれば、事業の継続性も確保できるものと考える。
こういった技術的・制度的な革新が起こっていることを踏まえ、基本保方針1ごみ発生抑制推進のうち、可燃物の分別収集について、より細分化し、可燃物を生ごみとそれ以外に分別する取り組みを推進することを盛り込むべきだと考える。また、生ごみの再エネルギー化事業の展開を加え、「循環型都市しながわ」への区政としての決意を示すべきではないか。

区の考え方
生ごみは、燃やすごみの中で一番の比率を占め、リサイクルの効果が高いと考えています。メタンガスや堆肥にする技術も既に進んでおり、最新情報に注視しながら、区民の皆様に取り組みやすい分別の仕組みづくりについて、調査・検討し、リサイクルを進めてまいります。

ご意見5
最近の技術進展で、これまで雑紙として処理できなかった防水加工の施された紙類を、再生紙として再利用できる技術のある企業も登場してきている。
また、人間、地球及び繁栄のための行動計画として国連により2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」によると、持続可能な世界を実現するための17の目標が掲げられている。
こういった社会的な背景を踏まえ、区の一般廃棄物処理についても、より再資源化への踏み込みが必要だと考える。「基本方針1ごみの発生抑制の推進・2リサイクルの推進」に、家庭での紙ごみ分別の厳格化を示し、紙の種類によって資源化の方法が違うことを周知するとともに、再資源化の方法によって、資源化をできる業者を分類し、協業していくことで、一般廃棄物処理事業をより持続可能な世界を実現するための事業として進化させてほしい。

区の考え方
紙のリサイクルについて、その種類と資源化の方法をわかりやすく区民の皆様に周知することに努めるとともに、様々な再資源化業者と連携・協同できる仕組み作りを検討いたします。

ご意見6
ごみ削減に向けた家庭ごみを減らす取り組みの1つとして、堆肥活用を提案します。日本全体では、可燃ごみの約4割が家庭の生ごみと言われています。現在品川区では、ゴミ処理機購入にあたっての補助金制度がありますが、その堆肥回収ついては特に取り組みがなく、ごみ処理機で減量されたごみを可燃ごみに出してもらう方向という理解です。
地域柄、活用できる畑などが少ない状況かとは思いますが、活用できる地域や農家との連携の取り組み例などが他地域にあります。また、コンポストも、高額なごみ処理機を使わなくても、例えば「キエーロ」を推進している地域もあるようです。
下記のような事例は、品川区でも参考にできるのではと考えます。(同様の事例はいくつもありますが、例として1つずつ挙げます)
・堆肥活用:川崎市
堆肥回収を案内し、花壇や農園で活用しています。
https://www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/24-1-23-2-3-13-0-0-0-0.html
・コンポストの推進と堆肥活用:横浜市
コンポスト情報の発信に加え、堆肥を活用する団体の支援を行っています。また、区としての対応のようですが、コンポストとしてキエーロの活用を推進しているようです。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/sumai-kurashi/gomi-recycle/namagomi/namablend.html
https://www.city.yokohama.lg.jp/sakae/kurashi/sumai_kurashi/recycle/kiero.html
・地方との連携:青山ファーマーズマーケット
CSA(Community Supported Agriculture)を運用し、家庭の堆肥を農家に渡し、それを使って育てた野菜をまたマーケットに持ってきてもらうようです。
http://farmersmarkets.jp/csawith4nature/

自分自身、キエーロ型のコンポストを、品川区内のマンションのベランダで活用し、生ごみを可燃ごみにはほとんど出さない生活をしています。臭いで周りに迷惑をかけることはほぼない(開始当初、要領がわからず臭いを発し、慌ててビニル袋に入れたことがありましたが、天然成分の消臭液を使い安全に臭いを押さえることができました)ということも、情報発信、見学・体験会などを通して理解いただけると考えます。
コンポストで生ごみを減らすことはできていますが、唯一困っているのは、堆肥の行き先がないことです。上記のようなことが実現することを期待しております。

区の考え方
品川区におきましては、道路や公園内の樹木や植栽帯の生育等への活用など、生ごみリサイクルの一つの手法として、堆肥の活用について研究してまいります。

お問い合わせ

品川区清掃事務所 庶務係
電話:03-3490-7705
FAX:03-3490-7041

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