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区長メッセージ 令和7年2月19日 令和7年度施政方針演説
更新日:令和7年2月19日
1. はじめに
令和7年第1回区議会定例会の開会にあたり、区政運営の基本方針について、私の所信と決意を申し述べ、議員各位ならびに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。私が品川区長に就任してから2年余が経過しました。就任以来、一貫して掲げてきた「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていけるしながわ」。これまで、区議会をはじめとする区民の皆様とともに、「新時代のしながわ」を創造すべく、さまざまな施策に大胆かつ積極的に取り組んでまいりました。
「幸福(しあわせ)」を予算に。
区民の不安や不満といった「不」を取り除き、未来に希望の持てる社会をつくるべく編成した令和6年度ウェルビーイング予算。ここで掲げた「区民の幸福(しあわせ)」の観点から新たな施策を前に進めることにより、今年度実施した世論調査において、区民の幸福度が前年度比で7.9ポイント上昇するなど、区民の幸福度は着実に向上しています。
区長としての任期の折り返し。これまで以上に区民のニーズと時代の変化をしっかりととらえ、皆様とともに、ここ品川からウェルビーイングな社会を築いていくべく、全力で区政運営にあたっていく決意です。

2. 目指すべき社会像
(1)2040年問題を克服する
さて、現下の社会経済情勢に目を向けますと、我が国には、いわば「2040年問題」とも呼ぶべき大きな課題が横たわっております。国立社会保障・人口問題研究所による最新の人口推計によると、2040年の日本の総人口は、1億1,284万人になると推計されています。2020年には1億2,615万人でありましたので、20年間で約1,300万人もの人口が減少することとなります。
人口構造別に見てみますと、2040年には高齢者の人口は3,928万人、高齢化率は35%に達すると見込まれています。過去最高だった2024年9月現在の3,625万人からさらに300万人以上、高齢者が増加することとなります。
一方、2040年の出生数は約72万人と推計されているものの、既に2024年の出生数が70万人を割り込むとされており、推計をも上回る異例のスピードで少子化が進んでいます。歯止めがかからない少子化により、15歳から64歳までの生産年齢人口も年々減少し、2040年には6,213万人になると推計されています。総人口の減少と同様、2020年の7,509万人から約1,300万人の生産年齢人口が減少することとなり、労働力不足がより深刻になると見込まれております。
さらに、医療や介護の需要が増加することにより、社会保障にかかる財源不足が深刻化することも見込まれています。厚生労働省によれば、社会保障給付費は2040年には190兆円に達し、2024年度の138兆円と比較して約1.4倍に増加する見通しとなっておりますが、こうした負担を、減少が続く現役世代で支えていかなければなりません。
我が国は、世界でも類を見ないほどのスピードで人口減少と少子高齢化が同時進行することにより、生産年齢人口の減少による労働力不足が予測されるほか、持続的な経済成長はもとより、現在の医療、介護、年金など社会保障システムを維持することすら難しい状況となります。社会の持続性すら危ぶまれる、深刻な局面に入っていくと言わざるをえません。加えて、世界規模で世の中が急激かつ急速に変化し、先が見通しづらい、未来の予測が極めて困難な時代へ私たちは突入しているのです。
(2)人が自分らしく暮らしていくうえで不可欠な生活の基礎となる行政サービスを所得制限なくすべての人に提供する
このような時代にあって、社会に漂う閉塞感を打ち破り、未来に希望が持てる社会をつくるために、我が国の抱える様々な構造的課題から決して目を背けることなく、問題の本質を見定めながら、為すべきことを為す。これこそが、政治の責任であると私は考えます。もとより、基礎自治体である品川区として何を為すべきか、どんな社会を築いていくのか。この解を示すことこそが今、私たちに問われているのです。
私は昨年、財政社会学の権威であり、ベーシックサービス論を提唱されている慶應義塾大学経済学部 井手英策教授のお話をお聞きする機会を得ました。
井手教授との対話において最も考えさせられたこと。それは、弱者を救うのではなく、弱者を生まない社会、そうした新しい社会のあり方をここ品川から模索していくことこそが私たちに課せられた未来に対する使命である、ということであります。
生きづらさや将来への不安を抱えながら、必死に働き何とかお金を貯めて、日々の暮らしを生き抜いていく。私たちはいわば「自己責任の社会」を生きています。
人口も経済も右肩上がりで推移していた高度経済成長期であれば、所得を増やして貯蓄によって安心を買う、そんな自助による社会モデルは成立しえたでしょう。しかし、今の社会はどうでしょうか。2022年の全世帯当たりの平均所得金額は524万2千円で30年前の水準すら下回っています。世帯収入300万円未満の割合は約36%、400万円未満は約49%、平均所得金額以下の世帯の割合は62.2%にものぼっています。子どもの教育や老後、もしもの病気への備えが必要であるにもかかわらず、2人以上世帯の約25%、単身世帯の約36%は貯蓄がゼロという状況です。今後の生活の見通しについて内閣府が調査した結果によれば、「良くなっていく」と答えた人の割合はわずか7%しか存在しません。
世界的にみても、1人あたりのGDPは1994年の世界3位から2024年には39位にまで後退しました。相対的貧困率はOECD加盟38か国中7番目、主要7か国の中では最も貧困率が高い結果となり、所得格差の度合いを測る指標であるジニ係数はOECD加盟国中9番目となっています。現役世代への教育や社会保障にかかる財政支出の水準は諸外国に比べて圧倒的に低く、老後の備えとして貯金や資産が足りないと回答する高齢者の割合は欧米の2倍から3倍に達しています。
貯蓄がないと生きていけない社会であるにもかかわらず、所得が増えず、貯蓄もできず、将来の見通しが立たない、自助による生存・生活ニーズの充足が困難であるのが今の社会ではないでしょうか。加えて、昨今の急激な物価高騰が暮らしと経済を直撃しています。
教育や介護は必要ない、病気にはならない、障害者にはならない、そう断言できる人はひとりもいません。生きていくうえでの困りごとは、きっかけひとつでだれにでも起こりえます。教育、介護、医療、福祉の必要性は常にいかなる人にも存在しているのです。
今こそ、経済を成長させて所得を増やし、貯蓄で安心を買うという旧来型の「自己責任」の社会モデルから転換し、生活に困窮している人だけでなく、あらゆる人々の生活を保障し、将来の不安を取り除く新しい社会モデルを示す、まさしくパラダイムシフトが求められているのです。
だからこそ、かねてから取り組んでおりますように、人間が自分らしく暮らしていくうえで不可欠な生活の基礎となる行政サービスを所得制限なくすべての人に提供する、換言すれば、弱者を救うのではなく弱者を生まない、こうした社会のしくみを築いていかなければならないのです。
「自己責任の社会」から「分かち合い、満たしあいの社会」へと転換するうえで、どうして「生活の基礎となる行政サービスを所得制限なくすべての人に提供する」ことが必要なのか、それを皆様にお伝えしたいと思います。
まず、なぜ所得制限を設けないのか。
それは、生活の基礎となる行政サービスであればこそだれもが平等に利用でき、アクセスを保障されていることが求められるからであります。
行政サービスの提供には財源が必要であり、そのための利用料を区民の皆さんには税金という形で負担いただいていますが、所得制限を設けることにより行政サービスの対象外とされる人は、すでに多くの税金を納めています。一定以上の所得がある人からお預かりした税金を一部の人だけに配ることは、「もらえる人」と「もらえない人」という分断すら社会に招きかねません。だれもが必要とする行政サービスであるならば、だれもが同じように受けられるようにする。これは「あたり前」のことであります。
次に、なぜ無償とするのか。
敢えて申し上げますが、無償化とは決して「バラマキ」ではありません。区民にお金を給付するのではなく、だれもが共通に使う日常的生活を支える基礎的な行政サービスを等しく提供する、共通のリスクに対する共通の備えを保障する、それを区民の税金で、社会全体で負担していくという、いわば社会保障システムなのです。
お金をサービスに置きかえることにより、すべての人が権利として、他者と区別されずにサービスを使える社会に変えていく。そのためにも生活の基礎となる行政サービスは、無償で提供することが必要なのです。
(3)「人」を基軸にしたウェルビーイング予算2.0
昨年12月、ウェルビーイング学会が公表した調査によると、人々の幸福度を向上させる、その最も重要な要素は「人生の選択の自由度」であり、「最低生活費の確保」でありました。ウェルビーイングな社会を実現するために。
どんな立場や境遇にあっても選択が限定されず自分の望むように生きられる社会を。だれかを助けるのではなく、だれもが安心できる社会を。恐怖や不安ではなく、希望を語りあえる、生まれてきて良かったと言える社会を。
ここ品川から築いていきたい。
こうした強い決意のもと、令和6年度に編成したウェルビーイング予算を、いま一度「人」を基軸として次元の異なる形で磨き上げ、今般、「ウェルビーイング予算2.0」を編成いたしました。

3.ウェルビーイングの視点からの施策展開
それでは、「ウェルビーイング予算2.0」の要諦について、ライフステージごとにその基本的な考え方とあわせ、ご説明いたします。(1)産前産後の不安や孤独を取り除く
はじめに、妊娠から出産に至るステージにかかる施策についてであります。産前産後の子育て家庭は、自身の体調や出産、赤ちゃんの成長、経済的負担など、さまざまな不安や悩みを抱えています。共働きや核家族が主流となり、地域との関係も薄れる現代社会にあって、こうした不安や悩みをだれにも相談できず、孤立感を抱える家庭が少なくありません。
だからこそ区では、すべての0歳児家庭を対象として、おむつ等の子育て用品を配達すると同時に、育児の不安や悩みを伺う「見守りおむつ定期便」や、「出産・子育て応援ギフト」による伴走型の相談サポートを実施することにより、不安や悩みに寄り添い、その解消を図ってまいりました。
令和7年度は、妊娠・出産における心理的不安や精神的負担をより一層軽減するため、だれもがデジタル技術を活用して専属の助産師による伴走型サポートを受けられる「オンラインMy助産師事業」を新たに創設いたします。
あわせて、産後の身体的な回復のための支援や、赤ちゃんのケア、授乳指導、育児相談などを行う宿泊型産後ケアにつきましても抜本的拡充を図り、都内トップレベルの水準にまで引き上げてまいります。
(2)社会全体で子どもと子育てを支える
次に、乳幼児の子育てにかかる施策についてであります。繰り返し述べていることではありますが、少子化や核家族化、共働きが進む中、未来を支える社会の宝である子どもの健全な成長のためには、孤独な子育てをなくし、社会全体で子どもと子育てを支える「子育ての社会化」が必要不可欠であります。
これまで区では、他自治体に先駆け、第2子保育料や子どもの医療費について所得制限のない無償化を実施してまいりましたが、令和7年度は、東京都と連携してすべての第1子の保育料についても無償化いたします。これにより、区内では所得や子どもの人数にかかわらず保育料が完全に無償化されることになります。
あわせて、私立幼稚園に通う園児の保護者に対しては、だれもが等しく負担が軽減されるよう、保育料等の助成にかかる所得制限の撤廃を図ってまいります。
(3)教育における格差をなくす
次に、教育にかかる施策についてです。教育は、将来にかけて人が自分らしく暮らしていくうえで基礎となる不可欠な行政サービスであります。
日本国憲法第26条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」、「義務教育は、これを無償とする」と定めています。この言葉のとおり、教育は本来、所得の多寡にかかわらず、だれもが等しく、無償で受けられるべきものなのです。
だからこそ区では、他自治体に先駆け、小・中・義務教育学校等における給食費や補助教材費について、所得制限のない無償化を進めてまいりました。都においても、今年度より、私立高等学校等授業軽減助成金の所得制限を撤廃し、高等教育の実質無償化を進めてきたところです。
令和7年度は、教育にかかる費用の中でも特に負担が大きいとされる中学校進学時の標準服の購入費用について所得にかかわらず無償化いたします。あわせて、教育の一環として区立学校9年生で実施している修学旅行についてもその費用を無償化してまいります。
また、学校給食については、一食当たりの単価を増額し質の向上をはかるとともに、新たに有機特別栽培野菜を食材に導入し、SDGsの観点から、地球環境にやさしい給食を提供してまいります。
さらに、いわゆる「朝の小1の壁」の課題については、小学校・義務教育学校の体育館などに「朝の居場所」を設置し、だれでも利用できるようにするとともに、朝食支援にも取り組んでまいります。
あわせて、放課後の居場所である、いわゆる「すまいるスクール」について、基本利用料を無償化いたします。
食の支援として、夏休み期間中、小中学生を対象として所得制限によることなくお米を配布する「お米支援プロジェクト」については、対象を区民ニーズの高かった高校生まで拡大して実施いたします。
教育の無償化のうち、これまで行き届いていなかった大学授業料につきましても、所得制限のない給付型奨学金制度を創設し、未来ある子どもたちが、家庭環境に関わらず希望した進路を選択していけるよう取り組んでまいります。
教育は本来、国の責任において全国一律に無償で行われるべきものであります。そうした中にあって、だれもが等しく、かつ、不安なく教育を受けられるよう、国に先んじた先駆的な施策を打ち出していくことで、一石を投じてまいります。
(4)障害のある人もない人も、すべての人が共に暮らす社会をつくる
次に、障害者にかかる施策についてであります。いつ何時、病気をしたり、障害を抱えることとなる、そのような可能性はだれにでも存在します。
だれもが直面しうるからこそ、障害のある人も、障害のない人も、すべての人が、安心して自分らしく暮らしていけるよう、等しくサービスを受けられる仕組が必要なのです。
そのため区では、たとえば補装具・日常生活用具・中等度難聴児の補聴器購入助成などにおいて、すべての障害児が支援を受けられるよう所得制限を撤廃したほか、保育園における医療的ケア児の受け入れや、すべての小学校・義務教育学校前期課程における発達障害教育支援員の配置、超短時間就労の促進による雇用創出などを進めてまいりました。
令和7年度は、障害児通所支援事業にかかる利用者負担を、すべての障害児について所得制限なく無償化をしてまいります。
障害児者の社会参加の促進を図るため、障害者の医療ショートステイ利用時の交通費や、介護タクシー利用時に運賃とは別に発生する予約料・迎車料・基本介助料についても、所得如何にかかわらず助成してまいります。
障害者の就労につきましては、旧リボン旗の台施設を活用し、就労意欲のある障害者が接客や商品陳列など店舗業務の体験を通じて自身の適性と向き合えるよう、新たに障害者就労支援施設を開設いたします。
また、障害のある人が18歳となり生活介護サービス等に移行すると家族が就労を継続できなくなる、いわゆる「18歳の壁」への対応として、生活介護サービスの提供時間を延長する事業者に対して運営費を助成することといたします。
本年11月には、日本で初めて聴覚障害者の国際スポーツ大会であるデフリンピックが、ここ東京で開催されます。品川区もハンマー投げの会場となることが先日発表されました。東京2025デフリンピック大会のビジョンの1つに掲げられている「誰もが個性を活かし 力を発揮できる 共生社会の実現」。大会を契機に、障害の有無にかかわらず、すべての人が支えあう共生社会が「あたり前」のものとなるよう、取組を進めてまいります。
(5)高齢者が安心して、いきいきと暮らせる社会をつくる
次に、高齢者にかかる施策についてです。人はだれしも年を取り、やがて高齢者と呼ばれるようになります。
健康状況や認知機能への不安、老後の生活にかかる経済面の不安、けがや疾病、あるいは死後の不安など、年齢を重ねるごとにその不安は大きくなります。すべての人が抱える課題であるからこそ、だれもが必要とする支援やサービスを社会全体で担うことが必要なのであります。
そうした中、これまで区では、たとえば65歳以上のインフルエンザワクチン接種費用の無償化、救急安否確認システムの無償提供、50歳以上の帯状疱疹ワクチン接種費用の助成、補聴器購入費用の助成等を、それぞれ所得制限なく実施するなど、高齢者の安心を支える取組を推し進めてまいりました。
令和7年度は、将来や死後に対しての不安を抱く高齢者への「終活」を支援する取組として、品川区社会福祉協議会が提供している定期的な見守りや日常生活支援などのサービスにかかる初回手続支援料や月々の基本料金等を所得制限なく無償化いたします。
所得制限のない高齢者補聴器購入費助成については、助成額を大幅に引き上げ、高額な購入費用の負担を抜本的に軽減いたします。
さらに、入院中に紙おむつを利用するすべての高齢者の経済的負担を等しく軽減する観点から、入院中の紙おむつ代助成について所得制限を撤廃いたします。
また、すべての高齢者の暮らしの安心を確保する観点から、家具転倒防止器具設置助成について所得制限を撤廃いたします。
このほか、住まいへの支援も肝要であります。民間賃貸住宅への転居時にかかる敷金・礼金・仲介手数料等の初期費用に加え、家財の運搬費用についても新たに助成するほか、家財撤去・残置物処分費用の一部を区が負担することにより、高齢者の暮らしにおける安全安心の確保とあわせ、賃貸借契約における大家の不安解消を図ってまいります。
また、認知症の早期発見・早期対応を図るため、「もの忘れ検診」の対象年齢を70歳からに拡大するほか、認知症高齢者の見守り支援を大幅に拡充すべく、居場所を瞬時に探索・追跡するGPS端末機について、初期登録料はもとより、月々の基本料金を所得制限なく無償化いたします。
加えて、高齢者のフレイル予防、誤嚥性肺炎やその他の疾病予防に資する観点から、73歳の国民健康保険加入者を対象に、新たに「73歯科健診」を創設いたします。
最後に、あらゆる人を災害の不安から守る観点から、防災対策にかかる施策についてもお話いたします。
能登半島地震から一年。そして、阪神淡路大震災から30年が経過しました。過去の震災の教訓を踏まえ、いつ起こるかわからない首都直下地震への備えも進めていかなくてはなりません。
政府は、昨年12月、災害などの被災者に対する人道支援活動のための国際基準「スフィア基準」を踏まえ、避難所運営に関する指針を改定したところですが、品川区としてもトイレ確保・管理計画を今年度中に策定予定であります。
令和7年度は、こうした「スフィア基準」の考え方を踏まえ、間仕切り付き段ボールベッドの新規備蓄に加え、能登半島地震でも自治体間支援の枠組で活用された水循環型シャワーを23区で初めて導入するなど、避難者支援の質の向上に向けた取組をさらに進めてまいります。
4.令和7年度予算の概要
この日本社会を覆う不安や閉塞感を打破し、目指すべき社会像、すなわち「性別や障がいの有無、家庭の状況などにより選択を阻まれることなく自分の望むように生き、幸せを感じられる社会」を実現すべく、令和7年度予算は、「人」を基軸とした施策展開により、人々が幸福や未来への希望を実感できる、そうした予算といたしました。予算編成にあたっては、これまで築き上げてきた強固な財政基盤を活かしつつ、中長期的な視点からの施策の不断の検証・見直しやアップデートを図るべく、区政の全669事業を対象に実施した事務事業評価により捻出した一般会計予算の1%、20億円を主な財源として、ウェルビーイングにつながる新たな施策に大胆かつ重点的に予算を振り向けております。
その結果、一般会計で前年度比プラス15.3%の 2,347億6,300万円の当初予算案といたしました。

5.おわりに
「あたり前」の日常が決して「あたり前」にやってくるとは限らないからこそ、せめて、予測できる「不安」は解消し、だれもが安心できる社会を。生まれた境遇や環境によって未来が決定されるような社会ではなく、だれもが生きがいを感じ自分らしく暮らしていける社会を。
生まれてきてよかったと、そしてここで生きていきたいと思える、そんな社会と未来を。ともにつくってまいりましょう。
以上、私の所信と決意を申し述べました。議員各位ならびに区民の皆様のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、発言を終わります。

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