施政方針:子育て支援の充実と教育改革の推進

更新日:平成20年2月20日

第2に、子育て支援の充実と教育改革の推進について申し上げます。
近年の核家族化の進行、近隣関係の希薄化、就労環境の変化などを背景として、育児不安や、虐待など、子育てをめぐる環境には厳しいものがあります。こうした中で、安心して子どもを産み育てることができるよう、総合的な子育て支援策を展開してまいります。
また、公教育が区民の信頼を得るためには、区立の学校がその責任をしっかりと果たすことがまず必要であります。こうした観点から、子どもたちが区立小中学校で十分な学力を身に付けられるよう、小中一貫教育の充実と、豊かな教育環境づくりを積極的に進めてまいります。

安心して産み育てられるための環境整備

子育て支援の面では、まず、現在、2回の公費負担を実施している妊婦健康診査について、さらに12回を上乗せし、合計14回の健診費用を公費負担してまいります。出産に係る経済的負担を軽減するとともに、母体や胎児の健康の確保をさらに図ってまいります。あわせて、産婦歯科検診を新設し、妊娠中から出産後にかけての口腔内の健康の保持増進を図ってまいります。

親育ち支援

最近は、子育てに関する知識や経験が不足したまま親となり、氾濫する子育て情報の中で不安を抱え、家庭や地域で孤立しているケースが多く見られます。
現在実施しているすくすく赤ちゃん訪問事業では、保健所・保健センターと児童センター等の連携により、育児の孤立化や子育て不安の解消、児童虐待の未然防止に取り組んでおります。20年度からは、さらに図書館とも連携し、ブックスタート事業を新たに取り入れてまいります。訪問指導や子育て支援情報の提供と同時に、絵本などが入った「ブックスタートパック」を赤ちゃんと保護者に手渡し、楽しい子育てへとつなげてまいります。
また、地域における身近な子育て相談拠点である児童センター、保育園および幼稚園で展開している「チャイルドステーション」事業では、子育て体験や親子同士の交流事業、子育てカルテによる定期相談の実施など、妊娠期からの子育てを支援してまいります。
さらに、「親育ちワークショップ」や「父親の子育て参加促進講座」などの講座の充実や、中高生・大学生の子育て体験など、親育ちを支援する多様な取り組みを展開してまいります。

子育てと就労の両立支援

子育てと就労の両立支援では、現在の保育園入園予約制度を拡充して育児休業明け入園制度を創設し、入園の見通しを持って職場復帰できるよう支援をしてまいります。
また、認可保育所に入園するまでの期間における、認証保育所保育料の助成制度を新設いたします。
さらに、子育てと就労の両立の取り組みを進めている区内企業に対して、融資あっ旋金利を優遇するとともに、ケーブルテレビで紹介するなど、魅力的で働きやすい企業としての雇用環境づくりをサポートしてまいります。
幼保一元化の取り組みでは、五反田地区に都内初の株式会社立の認定子ども園を誘致いたします。運営を支援してこの地区の待機児童の解消を図るとともに、幼保一元化をさらに推進してまいります。

教育改革の推進

次に、教育改革の具体策について申し上げます。
小中一貫教育の指導的立場となる教員の区独自採用につきましては、21年4月の採用に向け、準備を進めてまいります。また、中堅教員を一定期間、特色ある教育活動を進めている学校に研修派遣し、教員の資質のさらなる向上に努めてまいります。
小中一貫校については、日野学園、伊藤学園に続き、20年度には、八潮地区において開校し、荏原西地区については、22年度の開校に向けて工事に着手いたします。続く、品川地区については実施設計を、荏原東地区については基本計画と準備を進めてまいります。小中一貫校構想に基づき、今後、順次建設を進め、小中一貫教育の着実な定着を図ってまいります。
特別支援教育では、通級指導学級を源氏前小学校に新たに開設し、引き続き充実に努めてまいります。