21年度施政方針:「だれもが輝くにぎわい都市」の実現に向けて

更新日:平成21年2月25日

「だれもが輝くにぎわい都市」の実現に向けてでございますが、初めに施策の方向性についてご説明申し上げます。
私は、まちのにぎわいには、地域活動の活性化、商業、ものづくりの振興が不可欠であると考えております。
地域の中心的な役割を担い、力強い活動を展開しております区内203の町会・自治会やボランティア、NPOといったテーマ型コミュニティ組織とのネットワーク化を進め、地域コミュニティの活性化と地域の課題解決の原動力となるような新たな共助のしくみを構築してまいります。
また、商店街は地域の暮らしを支える役割とにぎわいを創出する魅力と可能性を持っております。
加えてものづくりの分野は、歴史的な経緯や立地の好条件などを背景に高い技術力を有する中小企業が集積しております。
これらはまちの活性化の大きな力であり、社会経済情勢の変化にも対応しつつ活動が続けられるよう、技術力の向上や創業の支援などを進め、産業の活性化を図ってまいります。
さらに、区内の豊富な観光資源の活用や各地域で培われてまいりました伝統と文化の発展に努めつつ、区民の文化・スポーツなどの自主的な活動も支援し、にぎわい都市としての環境整備と新たなしくみを構築してまいります。

区民活動が活発な地域社会の構築

こうした点を踏まえまして、区民活動が活発な地域社会をめざすために、21年度は、荏原のまちの活性化を目標に、武蔵小山駅と西小山駅の駅前広場の完成を記念いたしまして、「EBARA(エバラ)夢フェスタ2009」を地域と連携して開催いたします。
区は、駅前広場のオープニング式典や荏原文化センターでの各種催し物、そして国文学研究資料館跡地公園の暫定開放の記念式典を行う予定でございます。
また、町会・自治会の活性化については、加入促進パンフレットの作成を区内全地区で展開するほか、町会・自治会の運営のあり方について具体的な事例を踏まえ学びあう町会塾の開設や、ホームページ作成支援なども行ってまいります。
そして地域振興基金を創設し、区民の公益活動を支援してまいります。さらに、協働担当の組織を設置し、多様な区民活動の支援や地域連携のしくみづくりを進めてまいります。

産業の活性化と都市型観光の推進

次に、商業、工業の振興についてでございますが、商店街や中小企業の活気は品川区の元気のもとでございます。
景気の後退に対処すべく、中小企業緊急特別支援資金と小規模企業特別事業資金の融資あっ旋を、10億円の予算規模で21年度も実施してまいります。
ものづくりの分野では、区内の中小企業が持つ高い技術力を内外に広くPRし、販路や受発注の機会を拡大していくことも必要でございまして、新製品・新技術開発促進事業の充実を図り、販路開拓の支援を行うことといたします。
あわせて区内中小企業と大手企業との商談会を開催し、共同研究開発や新たな市場ニーズの獲得などに向けた取り組みも展開してまいります。
世界的な不況の中、環境分野への投資で景気を刺激し、雇用を創出するという「グリーン・ニューディール政策」に注目が集まっております。
区は20年度より環境ビジネス支援事業を開始し、環境に着目した新技術、新製品の開発に助成を行ってまいりましたが、新たな可能性の発見に向け、太陽エネルギー見本市の開催など、施策の拡充を図ってまいります。
また、商業の振興策については、区内経済の活性化に向け、プレミアム付商品券を発行することといたします。10%のプレミアムを付けて、2億円分発行する予定でございます。
武蔵小山の創業支援等施設は、平成22年8月の開設をめざし、着工いたします。施設には創業支援の拠点として、チャレンジショップや情報コーナー、会議室、賃貸オフィスなどを整備いたします。
その他、地域の暮らしを支える小規模商店街の活力づくり支援を引き続き行うとともに、商店街のにぎわいを創出する支援も行ってまいります。
都市型観光の推進については、商業・観光課を創設いたしまして、しながわ観光協会と連携しながら、都市型観光アクションプランに基づき、まち歩きイベントや観光ガイド養成講座などを進めてまいります。

区民の多様な文化・スポーツ活動の支援

次に、区民の多様な文化・スポーツ活動の支援でございます。
荏原西地区小中一貫校の開校後、平塚小学校跡にはスポーツ室を併設した文化・コミュニティの拠点施設を建設し、荏原平塚中学校跡は多目的広場として整備いたします。21年度は基本設計、実施設計を行い、一貫校開校後に着工いたします。
また、文化芸術・スポーツ振興ビジョンを策定してまいります。これは文化芸術・スポーツのまちづくり条例の趣旨に沿い、今後10年間で取り組む振興策の方向性を示すものでございます。
22年度には品川区芸術祭を開催したいと考えており、実行委員会を組織し、開催に向け準備してまいります。
さらに、八潮南小学校跡を区民活動交流施設として整備してまいります。

国際交流の推進

次に、国際交流でございますが、国際都市・東京の表玄関に位置する品川区にとりましては、国際化への対応も必要であると考えております。
区内大使館との交流促進や職員研修に語学研修を取り入れるなど、国際都市をめざした取り組みを進めてまいります。
加えて、ポートランド市との姉妹都市締結が25周年を迎えることから公式・親善訪問団を派遣いたします。
また、区内中小企業にとってメリットのある国際交流についても研究してまいります。