21年度施政方針:「みんなで築く健康・福祉都市」の実現に向けて

更新日:平成21年2月25日

「みんなで築く健康・福祉都市」の実現に向けてでございます。
健康は誰もが願うことでありますが、そのためには区民一人ひとりが主体的に取り組むことが必要でございます。
区民が健康づくりに気軽に取り組める環境、生活習慣病などの早期発見のしくみを整備してまいります。
また、福祉の分野では、元気高齢者、自立支援高齢者、要介護高齢者といった心身状況に応じたきめ細かなサービス提供が求められております。
介護予防や在宅サービスの充実に加え、地域での支え合い、そしてお元気な高齢者が活躍できる機会や場の提供など、高齢者が生涯にわたり地域で暮らし続けられる環境を整備してまいります。
障害者の自立支援も重要な課題でございます。地域で安定した生活を送り、いきいきと社会参加できる環境が必要であり、障害者自立支援法に基づき、必要なサービスを適切に提供する体制を整備、充実してまいります。
福祉を進めていくうえでは、地域社会の絆が何よりも大切でございます。町会・自治会をはじめ、ボランティアやNPOなどを含めた地域の支え合いのしくみを充実、強めてまいりたいと考えております。

区民の健康づくりの推進

具体的な事業でございますが、まずは区民の健康づくりを推進するため、地域健康づくり推進体制を構築してまいります。
健康づくりへの基本は継続であり、日常生活において健康を常に意識し、気軽に参加できるしくみが必要でございます。
区民そろって健康家族宣言認証制度を創設し、健康づくりに取り組む家庭や店舗、事業所を認定いたしまして、地域の健康づくりを活性化させてまいります。
また、健康カレッジを開設し、健康や地域の活動に関心のある区民が知識や手法を学び、健康づくりのリーダーとして地域で活動していただきたいと考えております。
従来から活動しております健康づくり推進委員と連携することで、健康づくりの輪がいっそう広がることを期待しております。
現代人の死亡原因の上位を占めます「がん」は、早期発見、早期治療が一番でございます。区は各種がん検診の充実に努め、受診者数も増加しております。
乳がん検診については、区民からの要望も強く、21年度も検診車を活用し、検診回数を増やしてまいります。
一方、うつなどのメンタル面の病気への取り組みも重要な課題であり、自殺予防という観点も含めまして、シンポジウムや講演会などを開催いたしまして、自殺防止を広く呼びかけてまいります。
新型インフルエンザや食品事故などの緊急の事態に備える体制づくりも必要であり、このたびの組織改正では保健所を本庁舎に配置いたしまして、保健所長のもとに指揮命令系統を一元化し、不測の事態に備える体制といたしました。

高齢者福祉の充実

次に、高齢者福祉の充実でございます。
八潮南中学校跡に特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設を整備いたします。特別養護老人ホームは約80人の定員といたしまして、その他ショートステイや認知症高齢者グループホームなども整備してまいります。
次に、高齢者住宅の整備でございます。都営大井林町住宅跡に見守り機能などを強化した新しいタイプの高齢者住宅を整備してまいります。21年度は、用地の取得と基本設計を行う予定でございます。
また、高齢者と乳幼児とがふれあうことのできる地域密着型ケアハウスやグループホームを都南病院跡に開設いたします。
さらに、福祉人材の確保のため、緊急総合経済対策の一つであります介護事業所の雇用促進とホームヘルパーの資格取得への支援を継続するとともに、福祉人材再チャレンジ応援講座などにも取り組んでまいります。
そして、介護保険についてでございますが、21年度は第4期介護保険事業計画のスタートの年でもございます。
第4期の重点課題は、在宅重視を再確認し、在宅生活を支援する基盤整備と地域との協働による支え合いのしくみづくりを基本といたします。
保険料については、多段階制を採用し9段階といたしまして、基準額を据え置き、低所得者にも配慮した保険料設定といたします。

障害者福祉の充実

次に、障害者福祉でございます。障害者が地域で自立した生活が送れるよう、きめの細やかな施策を展開してまいります。
このたび品川区知的障害者育成会がNPO法人を立ち上げ、知的障害者の外出を支援する事業を予定してございます。区はこの全国初の事業が有効に展開されますよう支援してまいります。
また、発達障害児者の支援も拡充し、思春期のサポートと親子みつめあい事業をNPO法人と協働で取り組んでまいります。
さらに、品川児童学園に医療職などを配置することにより、療育機能を強化し、子ども発達相談室を拡充してまいります。
そして心身障害者福祉会館に自立訓練センターを設置するため、改修工事を進めてまいります。

地域福祉の推進

高齢者や障害者が住み慣れた地域で生活していくためには地域の支えが必要でございまして、振込み詐欺や悪徳商法、また孤立死などから高齢者を守るための地域見守りネットワークを強化してまいります。
南品川シルバーセンターの大規模改修にも着手し、地域の身近な介護予防拠点として整備を進めるとともに、青物横丁駅にエレベーターを2基設置するなど、やさしいまちづくり計画も推進してまいります。