平成22年度施政方針 <これまでの区政運営とまちづくり>

更新日:平成22年3月3日

はじめに

平成22年第1回区議会定例会の開会にあたり、区政運営の基本方針および施策について、所信と決意を申し述べ、議員各位ならびに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

これまでの区政運営とまちづくり

私は、平成18年の区長就任以来、品川区政の発展に力を尽くしてまいりました。就任の際、区政運営に臨む基本的な考え方をお示しし、その実現を約束いたしました。
新しい基本構想と長期基本計画の策定
まず、第一に、区政運営の基本となる新しい基本構想と長期基本計画を策定することであります。
これらは、すでに策定し、広く区民に周知されてきたところですが、策定にあたっては、公募区民を含めた策定委員会でご議論いただくとともに、6,000人を超える区民アンケートやタウンミーティングを通じまして、区民の声を聞いてまいりました。
協働のしくみづくり
第二に、区民との協働のしくみを構築することであります。
区は、これを基本構想の理念のひとつに掲げるとともに、区政運営の基本姿勢に位置づけ、協働事業提案制度の新設や地域振興基金とそれを活用した区民活動助成制度の創設など、協働を促進するためのしくみを整備いたしました。
また、区内企業との協働も推進してまいりまして、平成22年度には(仮称)しながわCSR推進協議会を立ち上げ、地域社会の発展のために企業との連携・協力を進めてまいります。 今後は区民相互の協働も推進いたしまして、地域に新たな共助のしくみが生まれるよう取り組んでまいります。
信頼される区政運営をめざして
第三に、区民の期待に応え、信頼される区政運営に努めることであります。
信頼関係を築くためには、区民の意見を真摯に受け止める姿勢が大切であります。まずはなによりも区民の代表であります区議会のご意見を十分に伺うこと、そして、パブリックコメントや各地域でのタウンミーティングなどで区民の声を直接お聞きすることに努めてまいりました。
今後も、様々な媒体を活用し、区政情報の発信と意見の傾聴に努めると同時に、行財政改革を推進し、信頼関係をさらに築いてまいります。 以上のような区政運営の基本的な考え方をもとに、各事業を展開してきたところであります。

にぎわいと潤いのまちづくり

東急目黒線連続立体交差と駅前広場の整備
その一部をご紹介いたしますと、東急目黒線連続立体交差と駅前広場の整備は、荏原のまちづくりの重要な事業であり、18カ所の踏切を撤去することにより、交通渋滞を解消し、地域の一体化を図りました。その後、武蔵小山駅と西小山駅の駅前広場の整備を進めるにつれて、まちづくりの機運が高まり、平成21年度の完成時にはEBARA夢フェスタ2009が盛大に行われ、荏原のまちはひとつに結ばれました。
国文学研究資料館跡の整備と東品川海上公園の前面開園
そして、国文学研究資料館跡の整備も大きな事業でありまして、防災上の重要な拠点としての必要性から、用地を取得し、平成21年5月に暫定公園として開放いたしました。今後は、平成24年度の全面開園に向けて本格的な整備を進めてまいります。 さらに、平成19年3月に全面開園いたしました東品川海上公園は、区民との協働で進める新・水とみどりのネットワーク構想の重要拠点であり、良好な水辺空間として区民に親しまれております。
小中一貫教育の推進
また、まちづくりにおいては、学校の役割は重要であり、教育はもとより、コミュニティの形成、避難所、スポーツ活動の拠点など、多岐にわたり地域の要でもあります。 品川区は、小中一貫教育を推進し、施設一体型としては、平成18年度の日野学園をはじめとして、平成19年度に伊藤学園を、平成20年度に八潮学園を開校いたしました。平成22年度には荏原平塚学園を開校し、平成23年度には品川学園を、平成25年度には荏原東地区で開校する予定であります。 そして、快適な教育環境の確保と避難所機能の向上のために、学校の耐震化と改築を進め、この3年間で25校を耐震化し、平成22年度で、小中一貫校の母体校と改築校を除きまして、すべて完了いたします。 学校改築は、小山小学校をはじめ、第一日野小学校と第三日野小学校で行い、なかでも第一日野小学校は、隣接する五反田文化センター、図書館、教育センターなどとの複合化を進めまして、平成22年度に五反田地区教育総合施設に生まれ変わります。音響設備や防音の充実した音楽ホールとスタジオがあり、第一日野幼稚園も幼保一体施設となります。 なお、平成22年度は清水台小学校と荏原第六中学校で着工し、御殿山小学校は基本計画を策定いたします。 その一方で、小中一貫校の建設に伴い生じます母体校の跡地活用に対しても、有効に対応してまいりました。
学校跡地の有効活用によって生まれ変わる新たな施設
とりわけ、旧原小学校の活用については、地域コミュニティの活動拠点であるウェルカムセンター原をはじめ、保育園、高齢者福祉施設を併設した複合施設として整備し、学校跡の有効活用のモデルケースとして全国から注目を集めております。 また、旧八潮南中学校は特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設に、旧八潮南小学校は区民活動交流施設とし、さらに、平塚小学校は荏原地区のシンボルとなります文化芸術・スポーツ活動拠点施設として整備してまいります。 学校としての役目は終えるものの、地域に必要な施設として愛され使われることを期待しております。

これらのまちづくりを進めるにあたりまして、議員各位ならびに区民の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げますとともに、今後も皆様と力をあわせまして、にぎわいと潤いを与えるまちづくりを進めていきたいと考えております。